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介護旅行をサポートするトラベルヘルパーとは | 利用方法、ヘルパーに必要な資格など

資格
トラベルヘルパーとは、高齢者が旅行や同窓会、冠婚葬祭などに出かける際に身の回りの介護をしてくれる添乗員です。通常の旅行代金の他にトラベルヘルパーの代金が必要ですが、トイレや食事、移動などの介助を受けられるので安心して出かけることができます。
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(1)介護が必要な方の旅行をサポート!トラベルヘルパーとは

いくつになっても旅行は楽しい

旅行は若い人だけでなく、高齢になっても楽しいものです。旅行することは外出の機会になります。また、非日常を体験することで、からだにとっても心の面でもQOL(生活の質)の向上にとても有意義なものです。

内閣府の調査でも高齢者の4割以上の人が「旅行」を楽しいと答えています。しかし、介護が必要な状態になるとトイレやお風呂、体調などの不安から旅行を躊躇してしまう人も少なくありません。そんななか注目されているのがトラベルヘルパーです。

出典:内閣府「第2章 調査結果の概要6 日常的楽しみ」   

トラベルヘルパーとは

トラベルヘルパーとは、介護技術に加えて旅行業務に必要な知識を併せ持った、外出を支援するヘルパーです。

トラベルヘルパーの役割は“外出支援”なので、宿泊を伴う旅行だけでなく日帰り旅行や結婚式などでも利用できます。

(2)トラベルヘルパーが行うこと       

トラベルヘルパーの役割

トラベルヘルパーの役割は、利用者一人ひとりに合わせた外出支援をします。外出支援の主な内容は、

  • 事前に必要な介護内容を確認する
  • 旅行中の利用者の不安を解消する
  • 旅行中、必要な介護をする
  • 旅行中におきた想定外の出来事に対して臨機応変に対応する

などです。

利用者のメリット

利用者がトラベルヘルパーを利用するメリットは、次の3つがあります。

  • 旅行中の不安(トイレや食事の失敗、移動時の転倒、荷物の移動)がなくなる
  • 旅行に関する手配、予約、宿泊先の設備などの確認をしてくれる
  • 体調が崩れたときにすぐに対応してくれる

トラベルヘルパーを利用することで、安心して外出や旅行を楽しめます。

トラベルヘルパーの仕事内容

トラベルヘルパーの主な仕事内容をご紹介します。具体的な仕事は、

  • バスや電車への乗降時、見学地、目的地などへの移動の介助
  • 食事の介助
  • トイレの介助
  • お風呂の介助
  • 荷物を持つ

などがあります。この他にも宿泊の場合は着替えの介助、スケジュール(集合時間)の確認などもあります。

また、ツアーではなく個人旅行の場合は、交通機関や宿泊施設の手配、宿泊先のトイレの様式、お風呂の貸し切りの不可、食事の形態などの確認、調整を行うこともあります。

(3)トラベルヘルパーの利用方法 


出典:https://www.photo-ac.com/

トラベルヘルパーを使うには

トラベルヘルパーを使う場合は、次の2つの方法があります。

①トラベルヘルパー付きの旅行パックや旅行会社を選ぶ

シニア向け旅行パックなどトラベルヘルパーが添乗員となっている団体旅行パックがあるので、自分の行きたい旅行を選ぶ方法や、初めから利用者の意向で決められる個人旅行を取り扱っている旅行会社を選ぶ方法があります。

②トラベルヘルパー等が在籍している事業所に依頼する

介護ヘルパーの事業所のなかには、旅行など付き添い業務を行っている事業所があります。普段利用している介護事業所があれば、利用者のからだの状況を分かっていて、さらに気心が知れているというメリットがあります。

なお、トラベルヘルパーの利用料金は、サービス内容や日程、行先、介護状態によって変わってきますので、予め確認しておきましょう。

トラベルヘルパー利用の具体例

これよりトラベルヘルパーを利用した旅行について、具体例を3つご紹介します。

①「優しい旅~ビジネスクラスの旅 夢の休日~」(海外)

取り扱い:JTB

特徴は、

  • トラベルヘルパーや介助士が一人ひとりに対応してくれるので安心
  • オーダーメイドの個人旅行
  • 飛行機はビジネスクラス
  • ホテルは観光や買い物に便利な立地重視
  • 余裕のある行程
  • 車は乗り降りしやすいミニバンタイプを使用
  • 車いすのままでも観光ができるよう配慮

など、利用者のからだの状態に合わせて旅行を楽しめる点です。

参考:JTB ラグジュアリートラベル 夢の休日 海外

②「ユニバーサルツーリズムデスク」

取り扱い:HIS

特徴は、

  • 車いすや杖を利用している方を対象とした旅行
  • 聴覚障害者を対象とした手話ができる添乗員付き旅行
  • オーダーメイドの旅行

など、幅広く対応してくれる点です。誰でも旅行を楽しむことができます。

参考:HIS ユニバーサルツーリズムデスク

③ホームヘルパー

取り扱い:クラウド・ケアなど

特徴:ヘルパー事業所のなかには、介護保険外サービス(全額負担)で旅行の付き添いのサービスを行っている事業所もあります。ヘルパー事業所であれば、

  • 介護技術に優れている
  • 顔見知りで気心が知れている 
  • からだの状態をしっている

というメリットがあります。ヘルパーをお願いしてから旅行を選ぶという方法もあります。 

参考:クラウドケア

(4)トラベルヘルパーの料金はどのくらい? 


出典:https://www.pakutaso.com/
     

トラベルヘルパーの料金

トラベルヘルパーを使った旅行の料金は、トラベルヘルパーに依頼する内容や旅行の日程などによって変わってきます。基本的な算出根拠は次のとおりです。

旅費は1人分多くかかるという考え方になります。介護料金は介護の時間や介護度などによって変わってきます。あ・える倶楽部の基本料金は自分自身の旅費+トラベルヘルパーの旅費+介護料金+雑費です。

また、雑費は事務手数料やトラベルヘルパーの自宅と集合場所(解散場所)との交通費などになります。

具体的な値段は以下の通りです。

状態 サービス内容 1日 半日
自立の方 見守り・荷物・動産管理など 24,200円 14,520円

軽度要介護の方

(要支援程度)

見守り・荷物・動産管理な 30,800円 18,480円

中度要介護の方

(要介護1・2程度)

移動・食事・排泄など 35,200円 21,120円

重度要介護の方

(要介護3・4・5程度)

オムツ交換・入浴介助など 39,600円 23,760円

出典:あ・える倶楽部

利用料する場合、トータルの費用の相場は?

次に具体例をご紹介します。

①旅行(1泊2日、夫婦2名+トラベルヘルパー1名)

夫婦2人に、トラベルヘルパーを1人依頼して、1泊2日の旅行に行く場合、以下のような費用がかかります。

交通費(往復) 4,660円×(2+1)
宿泊費 15,000円×(2+1)

トラベルヘルパー利用料(基本的に1日8時間勤務)

27,500円×2日
トラベルヘルパー交通費(自宅から集合場所、解散場所から自宅) 500円×2
取扱料金(旅費の10%) 11,490円

これらを合計すると、126,470円となります。

②結婚式(自宅からサポートを依頼する場合)

自宅から結婚式に参列し、日帰りで自宅に帰ってくる場合、以下のような費用がかかります。

介護タクシー 10,000円
ヘルパー料金 33,000円
ヘルパー交通費(ヘルパーの自宅と依頼主の家の往復) 500円×2
取扱料金(費用の20%相当) 8,800円

これらを合計すると、52,800円となります。
出典:あんしんトラベル 料金について

介護保険は使えない

要介護認定の区分に関わらず、旅行や同窓会、お墓参り、結婚式への参列などでのトラベルヘルパーの利用は介護保険サービスにならないため、全額自己負担になります。

旅行会社のトラベルヘルパーでなくヘルパー事業所に依頼しても同様に介護保険は使えないのでご注意ください。

(5)トラベルヘルパーとして働くには

トラベルヘルパーとして働くのに資格は必要なの?

トラベルヘルパーとして働く場合、必須となる資格要件はありません。

しかし、トラベルヘルパーは旅先で高齢者の身の回りのサポートをする仕事なので、知っておくべき旅行添乗員としての知識や介護に関する基礎知識、身につけおきたい介護技術があります。

また、採用する側もヘルパーに関する資格取得者を優遇する場合がありますので、ヘルパーに関する資格を取得していることが望ましいです。

トラベルヘルパーの資格をとろう

トラベルヘルパーとして働くのであれば、旅行の知識と介護の知識を身につけることができる“トラベルヘルパー”の資格を取得することをお勧めします。

特に旅行では、日常とは違う環境での介助が求められます。何より利用者の安全を守る必要があるので、トラベルヘルパーの資格をとることが望ましいです。

(6)トラベルヘルパーに求められる資格

トラベルヘルパーに求められる資格

トラベルヘルパーの採用に関して、日本トラベルヘルパー協会のトラベルヘルパー準2級以上を必須条件としているケースがあります。

旅行会社のあ・える倶楽部でも、トラベルヘルパー準2級以上が必須となっています。

日本トラベルヘルパー協会のトラベルヘルパーとは

日本トラベルヘルパー協会のトラベルヘルパーには、次の3つの種類があります。

内容
3級 家族旅行のサポートのスキル
準2級 日帰り旅行のトラベルヘルパーとしてのスキル
2級 宿泊を伴うトラベベルヘルパーとしてのスキル

トラベルヘルパーとして働くには準2級以上が必要になります。

トラベルヘルパーの資格を取得するには

トラベルヘルパーの資格を取得するには、級ごとに変わってきます。

資格取得の流れ
3級 自宅学習→課題提出→検定試験
準2級 自宅学習→課題提出→日帰り研修→検定試験
2級 自宅学習→課題提出→宿泊合宿→検定試験

申し込み方法や費用などはこちらをご覧ください。

参考:日本トラベルヘルパー協会

介護士の資格だけでは不十分?

介護士の資格や経験を活かしてトラベルヘルパーの仕事をすることも可能です。ただし、介護ヘルパーの場合、サポートの根底が「自分で出来ることは自分で行う」という“自立支援”のためのサポートという視点で行います。

一方で、トラベルヘルパーは、旅行の添乗員として高齢者の安全を守る役割があるので、不安要素があれば先回りをしてしっかりサポートをするなど日常の介護の業務とは異なることが多々あります。

旅先では普段とは違う環境でのトイレや食事、移動の介助になるという点を理解する必要があります。

(7)トラベルヘルパーを利用して介護旅行を楽しもう   


出典:https://www.pakutaso.com/
 

トラベルヘルパーは高齢者が旅行を楽しむための大切なパートナー

トラベルヘルパーとは、高齢者が旅行や同窓会、冠婚葬祭などに出かける際に身の回りの介護をしてくれる添乗員です。

通常の旅行代金の他にトラベルヘルパーの代金が必要ですが、トイレや食事、移動などの介助を受けられるので安心して出かけることができます。

外出を楽しもう!

新型コロナウイルス感染症で旅行に行きにくい状況ですが、日帰りの外出でもトラベルヘルパーを利用することができます。ちょっとした外出や冠婚葬祭のときなどに気軽に利用してみましょう。

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