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福祉事務所で活躍するケースワーカーとは| 資格、仕事内容、給料について

就職・転職
ケースワーカーとは、福祉事務所で生活保護受給者の支援者のことで、その他にも障害者や児童の支援、病院や施設などで相談業務を行う人もいます。待遇面は公的機関であれば役所の職員と同じになります。ケースワーカーには優しさ判断力が求められます。大変な仕事ですがやりがいのある仕事です。
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(1)ケースワーカーとは?


出典:https://www.photo-ac.com/

新型コロナウイルス感染症などの影響により生活保護の申請が22.3万件で前年から0.8%も増しています。その生活保護受給者を支援しているのがケースワーカーです。この記事では福祉事務所で活躍しているケースワーカーの資格や仕事内容、給料についてご紹介します。

(出典:sankeibiz「20年生活保護申請22.3万件 初の増加、コロナで雇用情勢悪化」

ケースワーカーとは

ケースワーカー(CW)とは、心身に課題があるために社会生活に支障がある人に対して、課題解決や社会参加をするために支援する職種をいいます。一般的には生活保護を受けている人の支援をする人をケースワーカーと呼びます。

この他にも障害者や高齢者、課題のある児童やその親を支援する公的機関の仕事に携わる人もケースワーカーと呼ばれています。さらには、病院や福祉施設で相談業務を携わる人もケースワーカーと呼ぶことがあります。

ケースワーカーは資格の名称?

ケースワーカーという言葉は資格の名称ではなく、業務内容を表しているため、「ケースワーカー」という資格はありません。

相談業務に関わる人に関わる人の名称としてケースワーカーが使われています。

ケースワーカーの仕事

公的機関におけるケースワーカーの仕事は多岐にわたっています。

  • 相談
  • 認定(生活保護の受給や障害者手帳など)
  • 自宅への訪問
  • 生活保護費や障害手当などの算定
  • 就労支援
  • 一時保護(家庭内の虐待などで命の危険がある場合)

などがあります。

この他にも、病気やケガで入院した場合は病院の医療費のことやカンファレンス、高齢の場合は施設入所のことなども支援します。なお、一人のケースワーカーが受け持つケース数は市区町村のよって違いますが、市のなかの町丁単位などの地区別で割り振られ、多いところでは100ケースを超える件数を受け持つ場合もあります。

また、病院や福祉施設のケースワーカーの仕事は、主に施設の利用に関することや退所・退院後に関する相談業務になります。

(2)ケースワーカーが行う相談業務とは?   

ケースワーカーはどんなところで活躍しているのか

ケースワーカーが活躍している職場は、市区町村の役所内にある事務所や都道府県が設置している施設になります。

生活保護のケースワーカー 市区町村の福祉事務所
障害者のケースワーカー 都道府県の保健所や市区町村の障害福祉の部署
高齢者のケースワーカー 市区町村の高齢福祉の部署
児童に関するケースワーカー 都道府県の児童相談所や市区町村の児童支援の部署
病院のケースワーカー 病院の相談室や連携室
福祉施設のケースワーカー 施設の相談室

上記は一例になります。

市区町村で働く場合は公務員、病院や社会福祉協議会などで働く場合は民間となります。

具体的な相談業務とは   

生活保護を受給している人や高齢者、障害者、児童のいる家庭、入院患者、施設利用者などを支援しているケースワーカーですが、ここでは福祉施設の相談業務と生活保護の相談業務について具体的にご紹介します。

福祉施設での相談業務、その内容

福祉施設のケースワーカーの相談業務は、主に次の4つがあります。

  • 施設利用者の相談
  • 入所や退所の手続き
  • 利用者の家族や関係者との連絡や調整
  • 利用者のサービス内容に関すること

高齢者施設をはじめとした福祉施設でのケースワーカーの仕事は、主に利用者の相談やサポートを行います。

生活保護の相談サポート    

生活保護受給者のケースワーカーの相談業務は、次の7つがあります。

  • 生活保護の申請に関する相談
  • 生活保護の認定
  • 自宅への訪問
  • 生活保護費の算定
  • 就労支援
  • 医療相談
  • 介護相談

生活保護受給者のケースワーカーは地方自治体で働く公務員です。受給している方の見守り、相談、サポート全般を行います。

生活保護受給のニーズが増えケースワーカー1人で約100世帯を担当しなければならず業務量はかなりのもの。生活保護受給者の中には、本当に生活に困窮し就労意思があるにもかかわらず心身の状態により働けない方もいらっしゃいますが、対応に困る方がいるのも事実です。

ケースワーカーには生活保護受給のニーズに対して、全ての要求を受けるのではなく、できることとできないことを丁寧に説明し、自立支援を促す援助が求められます。

(3)ケースワーカーに必要な資格はある? 

ケースワーカーになるために必要な定められた資格はありません。しかし、実際のところは福祉系の資格を求められることがほとんどになっています。  

社会福祉主事の任用資格が必要 

ケースワーカーの資格はありませんが、ケースワーカーとして働くには社会福祉に関する知識が必要となります。このため、福祉施設や病院がケースワーカーを募集する場合、社会福祉に関する資格を有していることを応募要件に付けていることもあります。 

ケースワーカーに必要な社会福祉の資格は主に次の3つがあります。

  • 社会福祉主事
  • 社会福祉士
  • 精神保健福祉士

社会福祉主事

社会福祉主事は、福祉系の大学や厚生労働省が指定した育成機関、講習を受けるなどで取得ができます。社会福祉士と精神保健福祉士は、福祉系の大学または福祉系の専門学校に通い資格を取得します。

社会福祉士・精神保健福祉士

社会福祉士と精神保健福祉士は大学や専門学校等で定められた単位を取得し、国家試験に合格することにより得られる資格です。

同時に国家資格である社会福祉士・精神保健福祉士についても社会福祉主事の任用資格があるものと見なされます。

自治体や公的機関で働くには公務員試験を受ける 

役所や保健所など自治体や公的機関で働くには、働きたい役所や保健所に採用要件を確認しましょう。

自治体によっては、一般事務として採用し、複数ある職場のうち福祉系の職場に配属される場合と、専門職として採用し、福祉系の職場に配属される場合があります。一般事務として採用された場合は、本人の希望通り福祉系の職場に配属されるとは限りません。

(4)ケースワーカーとソーシャルワーカーの違いは? 

ケースワーカー(CW)と混同されやすい仕事としてソーシャルワーカー(SW)があります。ケースワーカーとソーシャルワーカー両者には明確な線引きはありません。

ソーシャルワーカーとは   

ソーシャルワーカーとは、福祉や医療に関する援助者の総称で、ケースワーカーも含まれます。基本的に社会福祉士や精神保健福祉士の資格を持ち、個々の相談を受け、必要に応じて家族や医療、地域の関係機関と連携して支援を行っています。例えば、病院の患者を援助しているのが、“医療ソーシャルワーカー(MSW)”、精神疾患の方の援助者を“精神科ソーシャルワーカー(PSW)”、児童の援助者を“保健児童ソーシャルワーカー”と呼ばれています。

ソーシャルワーカーとケースワーカーの違い

一般的にケースワーカーは、公的機関の担当者で社会福祉主事の資格を持ち、生活保護や障害者、課題のある児童の担当者をいいます。

一方、ソーシャルワーカーは、社会福祉士や精神保健福祉士の資格を持ち、福祉機関や医療機関に属して利用者の課題解決に向けて公的機関と連携を図り支援を行う担当者をいいます。

共通している点は多く、仕事の領域が若干異なります。そのため、基本的な考えや実際の業務をみてもケースワーカーはソーシャルワーカーの一部で曖昧であり、病院や福祉施設で働いている人もケースワーカーと呼ばれることがあります。 

(5)ケースワーカーの働き方 

ケースワーカーの仕事は大まかには相談業務ですが、働く場所や機関が様々であるため、働き方はそれぞれ大きく異なってきます。  

働く機関によって異なる     

ケースワーカーの働き方については、基本的な部分(相談や訪問、支援など)では同じですが、所属する機関によって細かいルールなどは変わってきます。

たとえ行政機関であっても市が違うと働き方も異なることがあります。また、公的機関以外の医療機関や施設などでも病院や施設の理念によって働き方が変わってきます。

ここでは、一般的な働き方の特徴についてご紹介します。

役所

役所でケースワーカーとして働く場合は、公務員という立場で安定しています。このため市民から誤解を受けないように注意しないといけません。

例えば、お菓子や飲み物を貰うことはNGです。また、元暴力団や犯罪歴のある方などどんな人でも対応しなければいけません。役所によっては本人が希望しなくても一定期間(3~5年)で職場の異動があり、福祉とは全く関係ない職場に配置されることもあります。

病院や福祉施設

病院や施設でケースワーカーとして働く場合は、民間という立場なので公務員に比べると身分保障については不安定になります。利用者については、あまりも他の利用者の迷惑になるようであれば、利用のお断りをすることも可能です。

また、病院や施設にケースワーカーとして採用された場合は、基本的にケースワーカーとして働き続けることができます。

訪問相談などの外回りもある         

基本的に相談業務は役所の窓口や相談室で行いますが、高齢や障害、病気のために役所まで行けない場合などはケースワーカーが自宅や病院、施設に訪問して相談を受けることがあります。

また、生活保護受給者や障害者、高齢者、児童の家庭などの実態把握などのために定期的(1ケ月~3ケ月に1度)に自宅へ訪問することもあります。

1日の仕事の流れ

生活保護のケースワーカーの1日の仕事の流れについてご紹介します。

朝礼

 各担当者の1日の仕事や訪問予定を確認します。

資料確認

訪問先の資料(生い立ち、病歴、家族構成、課題など)を見て訪問先で話す内容や確認する事項をチェックします。

訪問

 訪問は、基本的にケースワーカー1人で訪問しますが、トラブルの可能性や危険性がある場合は2人1組で行くこともあります。また、相手が障害者の場合は障害部署のケースワーカーと一緒に行くこともあります。

訪問相手には事前に訪問することを告げておきます。なお、訪問先への交通手段は自転車や車などになります。

面談

訪問先で生活保護受給者と面談をします。その際に事前に確認しておいたチェック事項の確認を行います。また、生活保護受給者からの相談にも応じます。

昼食

役所に近ければ役所に戻って昼食をとります。遠方であれば訪問先付近で昼食をとります。面談が長引いた場合などは午後に役所に戻って遅れて昼食をとることもあります。

記録

訪問が終わった後は、訪問先で話した内容や確認した事項を記録します。また、訪問先で受けた相談について上司に相談したり、関係機関に支援を依頼するなどの調整を行います。

その他

その他にも、訪問中に別の生活保護受給者や医療機関、支援機関からの電話やメールがきている場合があります。折り返しの電話やメールの返信を行います。

また、担当している生活保護受給者のカンファレンスのために病院に行ったり、施設入所に関して福祉施設に行ったり、社会参加のために社会福祉協議会や地域包括支援センターと打ち合わせを行ったりします。

月末には生活保護費や医療費、介護保険のサービス料の算定をするなど庶務的な仕事もあります。

休日について      

公的機関の場合は、基本的に土日の週休2日制です。その他に祝日が休日となります。病院や施設の場合は、基本的に週休2日制ですが、土曜日や日曜日も窓口を開いているところがあり、そういったところは、シフト制で平日に休みを取ることもあります。    

(6)ケースワーカーの給料はどのくらい?   

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1896829
        

平均給与は月30~40万程度 

公的機関で働くケースワーカーの給与は、地方公務員なのでその自治体の給料表に従った給与になります。このため、年齢が上がるにつれて給与も上がります。

参考までに、総務省がまとめた「平成28年度地方公務員給与実態調査結果等の概要」によると、一般行政職の平均給与月給は約36万円(平均年齢42.3歳)となっています。この他に夏と冬の一時金(ボーナス)が加わります。東京都の場合ですと、給与と年2回のボーナス(約176万円)を合わせ、年収で約614万円となります。

また、自治体によっては、ケースワーカーの特殊性から単価×勤務日数や、単価×受け持ちケース数で算定した特別手当がつくこともあります。

なお、公的機関以外のケースワーカーの給与は、ボーナスの差や特別手当がないために公的機関のケースワーカーと同水準または下まわることが多くなっています。

(出典:総務省「平成28年度地方公務員給与実態調査結果等の概要」)

資格を取得していると手当で給料アップ         

公的機関でのケースワーカーで社会福祉主事の資格を主としている場合は、資格手当がつく場合があります

公的機関以外の場合は、施設ごとに異なりますが、資格の有無で基本給に差があったり、資格手当てがつくこともあります。施設ごとに異なりますので、確認しておきましょう。

公務員であれば公務員給与に基づく      

公的機関の場合、給料表に基づいた給与なので、資格を取得していても給与に反映されにくいのが現状ですが、資格があると一般職で採用されても優先的に福祉系の職場に配属されやすく、長い期間福祉系の職場で働くことができます。   

(7)ケースワーカーに向いている人、求められる能力   

“やさしさ“と”強さ“

ケースワーカーに向いている人、ケースワーカーとして求められる能力は、“やさしさ”と“強さ”の2つです。

“やさしさ“とは、相手の置かれている状況や気持ちを受け入れ、相手の話を傾聴することです。

一方の“強さ”とは、相手の無理な要求には毅然とした態度で断り、現状に流されることなく自立を目指して就労への働きかけや生活改善の働きかけをするなど、冷静な判断力のです。

ケースワーカーに転職するには          

ケースワーカーに転職する場合、公的機関のホームページをチェックしましょう。公的機関の場合、基本的に1年に1度の募集ですが欠員などがでた場合は途中採用を行う場合もあります。

また、福祉機関や医療機関は、退職に伴って補充をするので常に就職サイトや情報誌から募集状況をチェックしましょう。 

(8)人々の生活を支えるケースワーカー   

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1713469

ケースワーカーとは、福祉事務所で生活保護受給者の支援をする人ほか、役所の障害福祉の部署での支援をする人や、児童相談所での支援をする人などをさします。その他にも、病院や施設などで相談業務を行う人もいます。

ケースワーカーは、相手の話を傾聴する優しさと、社会生活を送れるようにするために冷静な判断が求められます。大変な仕事ですがやりがいのある仕事です。

まずは、あなた自身がどの分野(生活保護、障害者、児童)のケースワーカーになりたいのか、しっかり考えてみましょう。

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