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介護職を辞めたい…よくある理由と対応策としての転職・資格取得

就職・転職
介護の仕事を辞めたいと思ったら、冷静にその理由を考えてみましょう。よくある理由は「人間関係」、「給与」、「体力的な問題」、「ハラスメント」です。最近は新型コロナの影響もあります。対応策として、問題の解決、資格取得、転職などがあります。資格取得や転職で失敗しないために、しっかり情報を集めることがポイントです。
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(1)介護職を辞めたいと思ったら


出典:https://www.irasutoya.com/

介護職は大変な仕事です。誰しも一度は辞めたいと思ったことがあるはず。実際に、介護職は他の業界に比べて離職率が高くなっています。そこでこの記事では、「辞めたい」と思う理由や、「辞めたい」と思ったらどうすればいいのかをご紹介します。

(2)辞めたい理由①職場の人間関係が辛い

離職理由の第2位が「人間関係」

介護職の方が離職した理由の1位は、「結婚・妊娠・出産」が26.0%、次いで2位が「職場の人間関係」で16.3%となっています。1位の理由が自身のライフスタイルの変化によるものなので、辞めたいと思う実質的な理由の多くは「人間関係」が原因といえます。

出典:公益財団法人介護労働安定センター「介護労働実態調査」

介護施設ではいろいろな人が働いている

介護施設では、介護職を率先して選んだ方だけでなく、なんとなく介護職に就いた方など、様々な職種の経験者が在籍しています。また、他業種に比べて高齢スタッフの割合が高く、年齢層も幅広い職場です。さらに、自治体の職員や地域包括支援センター、社会福祉協議会など外部のスタッフとも連携することもあります。

このように、介護施設ではいろいろな人たちと一緒に仕事をするため、「仕事に対する考え方」や「価値観」の違いから、人間関係がうまくいかないことが多々あります。この他にも、入居している家族の対応など、介護施設職員は非常に多くの方々と長い期間にわたって接するので、その分、人間関係で悩むことがあります。

女性が多い職場

介護施設では女性スタッフが多く、そのなかには仕事の経験が豊富なベテランもいます。そのためベテランスタッフが経験の浅いスタッフに対して指導する際に、女性職場特有の「嫁姑関係」のようなシーンも決して珍しくありません。

実際に介護職員のなかには、

  • 『こんなこともできないの?私は誰にも教えてもらわなくてもできたけれど』とあきれ顔で言われた
  • 『私が代わるから、どいて!』と邪魔者扱い
  • わざと聞こえるように『あの子は介護職として使えない』と言われることがある

といった声がでています。

(3)辞めたい理由②給料が低い

介護の仕事を辞めたいと思う原因に「給料が低い」という理由も少なくありません。介護職は体の不自由な高齢者をケアする重労働であり、かつ入浴介助や排せつ、オムツ交換などのお世話もあります。あわせて高齢者への気遣いも求められる心身ともに大変な仕事です。しかし、その割に他の職種に比べて給料が低いのが現状です。

介護職の平均給与額は325,550円(7年間勤務)となっています。年々改善しているものの、まだまだ他の職種に比べると低い賃金となっています。

出典:厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」

結婚して家族を養うには厳しい給料状況のため、結婚や出産などライフスタイルの変化を機に、賃金が高い職種に転職しようと考える人が多いのです。

(4)辞めたい理由③体が辛い


出典:https://www.photo-ac.com/

辞めたいと思う理由の3つ目に「体が辛い」というのもあります。介護の仕事は、入浴介助やトレイの介助、歩行の付き添い、ベッドから車いすへの移乗といった身体介護があり、どの介護も体に負担のかかる作業です。特に介護職の腰痛は、仕事を始めてから2年以内に6割の人が発症しています。

出典:「介護職者の腰痛事情」

別の調査では介護者の約9割が腰痛を発症し、全体の29.6%が腰痛で作業に影響及ぼしたと回答しています。腰痛は介護職における職業病といえます。

出典:「社会福祉施設の介護職職員における腰痛の実態調査、画像診断と予防対策係る研究・開発。普及」

また、夜勤やシフト制の不規則勤務になる施設もあり、からだの疲れが取れず、体力的に限界を感じて、辞めたいと思ってしまうことがあります。

(5)辞めたい理由④利用者からのハラスメントが辛い 

辞めたいと考える4つ目の理由に「利用者からのハラスメント」があります。残念ながら介護施設の利用者にもいろいろな人がいます。このため利用者からハラスメントを受ける場合があります。

セクシャルハラスメント

介護スタッフは女性が多いため、男性の利用者からのハラスメントがあります。

  • 男性利用者からエッチな話をされる
  • 男性利用者からお尻など体を触られる
  • 入浴介護中などに必要以上に体を密着させてくる
  • ツーショットでの写真を頻繁に求める

セクシャルハラスメントは、上司や責任者が男性だとなかなか相談しづらかったり、「私が我慢すればいいんだ」と考え、余計に悩んでしまうことがあります。

利用者からのハラスメント

利用者からの無理な注文や要求などをするハラスメントもあります。最近では、介護施設に限らず多くの業界で問題となっているハラスメントで、介護を「サービス業」、「利用者はお客様」、「利用料を払っている」という消費者意識でとらえている人がいます。利用者からのハラスメントは介護職員の54%が経験をしています。

出典:厚生労働省「介護現場におけるハラスメントに関する調査研究」

ハラスメントの内容は、

  • 施設利用者から自分だけ特別扱いを求められ、断ると「上司をだせ」とすごむ
  • 施設利用者から「こんなこともできないの」となじられる
  • 施設利用者の家族から無理なケア内容を要求や必要以上の干渉をされる

介護施設では、利用者やその家族と長いつきあいになること多いので、利用者からのハラスメントで悩んでしまい、離職してしまうことがあります。

(6)辞めたい理由⑤新型コロナウイルスによる負担増加  


出典:https://www.photo-ac.com/

昨今、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、あらゆる分野において甚大な影響がありますが、介護職の辞めたいと思う理由にも影響がでています。

その理由として、

  • 毎日、多くの高齢者と密に接する介護の仕事は、感染リスクが高い
  • 消毒や清掃、物品の交換など感染対策によって増えた業務によるストレス
  • クラスターが発生した介護施設がある

などが挙げられます。なにより自分自身がコロナに感染しないか不安です。さらには家族から「介護の仕事は辞めてほしい」と懇願されたり、SNS等で介護職への差別的な書き込みや施設への風評被害などもあり、介護の仕事を辞めてしまう人が増加しています。

(7)辞めたいときの対応策①もう少し継続してみる   

もったいない

介護職は心身ともに大変な仕事です。仕事をしていくうえでいろいろな問題も出てくると思います。でも、せっかく取得した資格や介護職に就いた時の思い、これまで蓄積された経験を感情的に辞めてしまうのはもったいないとも考えられます。実際に辞めたことを後悔するケースもあります。

では、どうすればいいのでしょうか。

働き続けることで変わることもある

いろいろな悩みがあるとは思いますが、働き続けることで道が開けることもあります。

例えば、

  • 勤続年数が増えるにつれて、給料が向上していく
  • 仕事に慣れて一人前になれば、うるさかった先輩に文句や嫌味を言われることもなくなり、働きやすくなる

といったこともあります。

「辞めようかなぁ」と思ったら、少し「続けるメリット」も考えてみましょう。

(8)辞めたいときの対応策②上司や相談機関に相談する 

「人間関係が辛い」、「ハラスメントを受けている」といったことで辞めたいと考えているなら、辞める前にその問題を解決するために、適切な人に相談するという方法があります。

上司に相談する

職場での人間関係で悩んでいるなら、まず、職場の上司に相談しましょう。

例えば、

  • 苦手な人とシフトを組まないようにしてもらう
  • 問題行動をしている人の指導をしてもらう

といった策をお願いしてみましょう。

また、ハラスメントに悩んでいるなら、

  • ケアの担当を変えてもらう
  • 利用者(またはその家族)に注意をしてもらう

等の方法があります。

行政資料を活用して自衛する

厚生労働省では介護職のハラスメントを改善するために、対策やマニュアル、研修の手引きを公開しています。こういった行政資料を参考にしてハラスメント対策をする方法もあります。

参考:厚生労働省「介護職場におけるハラスメント対策」

相談窓口を利用する

職場の上司には相談しづらい状況や、頼りなさそうで相談しても改善されそうにない場合は、行政などの相談窓口を利用する方法がります。

東京都では、東京都福祉人材センターが臨床心理士や産業カウンセラーを配置し、介護職員からの悩みや不安の相談に応じています。まずは管轄の都道府県の福祉部署に電話で確認するか、ホームページで確認してください。

(9)辞めたいときの対応策③資格を取得してキャリアアップ

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2382786

資格を取得するメリット

いま働いている事業所を辞める前におすすめする対応策があります。それは資格を取得することです。介護職は、行政が公認の資格や、民間団体が行っている実務的な資格などがあります。新たな資格を取得することで、幅広い知識を得るだけでなく、

  • いま働いている事業所での給料アップなど待遇面の改善が見込める
  • 職場でのポジション昇格の可能性が高くなる
  • 他の事業所などへの転職のときに有利

などキャリアアップが可能になります。また、働いている事業所で資格取得のための支援制度があれば、なおさら辞める前に制度を利用して資格を取得するほうが自身の出費などの負担が軽くなります。

介護にはいろいろな資格がある

介護職には実務に関するいろいろな資格があります。例えば、

  • 介護福祉士
  • 介護職員初任者研修
  • 介護福祉士実務者研修
  • 介護支援専門員(ケアマネジャー)
  • 介護事務(ケアクラーク)
  • レクリエーション介護士
  • 介護予防運動指導員

などが挙げられます。資格の取得にあたっては、研修を受け修了試験をパスする介護職員初任者研修や、国家試験に合格する必要がある介護福祉士など資格を取得するための期間や難易度が違っていますので、自分のレベルに合わせて選んでみてください。

今の事業所を続けるにしろ辞めるにしろ、新たな資格を取得することはあなたにとって大きな強みになります。ぜひ考えてみてください。

(10)辞めたいときの対応策④思いきって転職する

「このまま今の職場で働き続けるのが辛い」ならば、思いきって転職する方法もあります。転職する場合、介護業界内での転職と、介護業界とは別の職種に転職する2つの転職があります。

介護業界内で転職

「介護業界で働きたい」、「今の事業所は嫌だけど、介護の仕事は好き」というならば、他の事業所へ転職することをおすすめします。他事業所への転職であれば、これまでの経験や資格などを活かすことができます。介護業界内での転職としては、

  • 介護保険事業における事業所(特養、通所事業所、訪問事業所など)
  • 民間事業所(有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など)
  • 医療機関(総合病院など)
  • 行政関係(市役所の介護認定の仕事や社会福祉協議会など)

などの施設があります。ただし、介護業界は民間業界の競争ではなく多くの関係者が連携する業界です。転職先によっては、ケア会議や事業所連絡会などで以前の事業所のスタッフと顔を合わせることがあります。また、ここ数年で活発になっている医療と介護の連携の際に、以前の事業所のスタッフと一緒に仕事をする可能性もあるので、注意が必要です。

介護業界とは別の職種に転職

介護の仕事で腰痛が辛かったり、仕事の内容が当初思っていたイメージと違っているならば、思い切って介護とは別の仕事への転職もあります。

人と接するのが好きというならば、

  • 営業
  • 接客業
  • 窓口業務
  • サービス業

などがあります。

逆に人と接するのが嫌になったのであれば、

  • 倉庫での品出しやピッキング
  • 製造業
  • 事務系

などがおすすめです。

現在は新型コロナウイルス感染症の影響により転職は厳しい状況にあるため、今の職場を辞める前に就職先の状況をしっかり見定める必要があります。

(11)介護業界の転職で気を付けたいポイント   

「やっぱり介護の仕事がしたい」ということで他の介護事業所に転職する場合、「前の事業所のほうが良かった」と転職で後悔しないためには、問題のある施設を選ばないことがカギとなります。この章では転職で気を付けたいポイント4つをご紹介します。

①研修がない

介護業界の経験者の有無にかかわらず、事業所の方針やルール、仕事の進め方など、まずは研修を行います。経験者だからと研修もせずにいきなり仕事をさせるような事業所は避けた方がいいでしょう。

また、スキルアップのための研修や介護保険法改正による新たな制度に対応するための研修などが定期的に行われていない事業所は、人材育成に力を入れていないので避けた方がいいでしょう。

②無資格で医療行為を求められる

介護施設では、仕事内容に応じて必要な資格取得者が必要です。例えば、入浴介助などの身体介護にはヘルパー資格が必要ですし、インスリン注射や摘便といった医療行為は看護師など医療系の資格が必要となります。医療行為を無資格で行うことは違法行為です。

そもそも、人の命がかかるケアを無資格のスタッフに行わせることは非常に危険なことです。「人手不足だから」、「看護師が非番だから」という理由で、介護職員だけでなんでも仕事をやらせるような施設は絶対に避けましょう。

③サービス残業が日常化している、夜勤が多い

介護業界が人手不足とはいえサービス残業が日常化している事業所も避けましょう。サービス残業が多い事業所は、古株の先輩の指示に逆らえない雰囲気の職場があるか、管理者の指示があるなど、スタッフのマネジメントができていない事業所です。

また、夜勤が多い事業所も注意が必要です。本人が希望しない夜勤をシフトに多く組み込まれるのは、人手不足で事業所がうまくまわっていないことが考えられます。

事業所によっては、夜間帯の勤務を「夜勤」ではなく「宿直」扱いしているケースもあります。「宿直」は、深夜手当が不要で、夜間勤務後が「休日」扱いとなってしまいます。管理者の立場ではコストの抑制になりますが、スタッフからすれば不当な扱いです。このような待遇をしている事業所も避けましょう。

④加算がない

介護保険では、介護職員の処遇改善のために、基本となる報酬以外に、処遇改善加算や運動器機能向上加算など様々な加算制度があります。

しかし、加算制度を請求するための事務が煩雑だからと、加算制度を使用しない事業所もあります。加算制度を利用しないことは、給与に影響します。こういった事業所も避けましょう。

こういった事業所の情報は、SNSの転職サイトや書き込みであったり、事業所の現場を見たり、事業所の方に聞いてみたりしながら情報をつかみましょう。

(12)介護職を辞めたいときは自身の心身の健康を大切に 

「辞めたい」と思う理由を分析

働いている事業所が嫌になって辞めたいと思ったときは、まず冷静になって辞めたいと思う理由を分析してみましょう。辞めたいと思う理由は、給料の不満・職場内の人間関係・ハラスメント・体力的な問題などが多いです。

心身の健康が最優先

悩みを相談したり、新たな資格を取ることで、今の状況を改善できるよう努めることも大切です。しかし、人間関係のストレスや腰痛など身体的に支障をきたすようであれば、思い切って仕事を辞めることも改善策のひとつです。まずは自分自身の心身の健康を一番に考えましょう。

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