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作業療法士の資格 | 取得ルート/試験内容/勉強方法など

資格
作業療法士利用者一人一人に寄り添い、生活動作リハビリテーションや心のケアのアプローチを大切にする対象者の生活を支えるやりがいのある職業です。作業療法士の資格取得の方法について、試験内容や勉強方法など詳しく解説していきます。
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(1)作業療法士とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2375744

リハビリ者の身体動作を行う能力向上を目指す、国家資格である

作業療法士はOT(Occupational Therapist)と呼ばれ、理学療法士、言語聴覚士と並ぶリハビリテーション職のひとつです。担当する人の怪我や病気、加齢に伴う身体動作、ADLの低下を改善させQOL(生活の質)の向上を目指す「作業療法士」ですが、なるためには資格取得が必要となります。

作業療法士は医師の指示のもと、作業療法を行い生活に必要な動作(ズボンを上げる・ボタンをつける・料理するなど)に必要な身体機能の改善をリハビリテーションを通じて目指します。

また認知症や精神疾患のある方に対しては、作業療法だけでなく心身の安定を図るため、レクリエーションや現実見当識訓練なども取り入れるなど、身体機能以外にもアプローチする機能は複数あります。

作業療法士の仕事内容

作業療法士は、精神的、身体的なリハビリテーションが主な仕事内容です。

対象者は病気や怪我、障害、加齢により生活動作が不自由な方で、医師の指示のもと作業療法を実施し日常生活の改善や心身の安定を図ります。

立つ・歩く・座るといったADL(日常生活動作)のリハビリテーションを実施する理学療法士(RT)に対して、作業療法士はIADL(手段的日常生活動作)といった日常生活の手段的な動作がスムーズに実施できるようリハビリテーションを行います。

ADL(日常生活動作)

ADL(日常生活動作)の具体的な例は

  • 寝返る
  • 起き上がる
  • 立ち上がる
  • 歩く

IADL(手段的日常生活動作)

IADL(手段的日常生活動作)の具体的な例は

  • 調理をする
  • ボタンをつける
  • 家事をする
  • 洗濯をする
  • 買い物に行く

といったものになります。

以下の記事では、作業療法士と理学療法士の違いについてさらに詳しく解説しています。併せてご覧ください。

(2)作業療法士資格取得のためのルート

作業療法士の資格を取得するためには、まず短大や大学、養成校において作業療法士としての専門知識や医学を学び、実習を経て、必要な単位を取得することで国家試験の受験資格を得ます。

そして卒業後に国家試験に合格すれば、厚生労働大臣より作業療法士の免許が付与され、ようやく作業療法士の仕事をすることができます。

作業療法士課程には主に

  • 大学
  • 短大
  • 養成校

などのルートがあり、夜間コースで学ぶこともできますが、通信講座で勉強することはできません。

大学・短大、養成校に行こうとなったときに気に掛ける点は、多くあります。

学費や立地、学習内容などの面に考慮して学校を選ばないと、いざ通うとなったときに苦労することになってしまいます。

大学・短大・養成校の学費や学習内容についてまとめ、比較した記事が下記になります。

よろしければ、ご参考にしてください。

(3)作業療法士の資格取得方法

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1051832

作業療法士の資格取得まで、前述したように高校卒業後指定された短大や大学、養成校において必要な単位を取得し、作業療法士国家試験を受験するための受験資格を取得しなくてはいけません。

基礎知識

作業療法士養成課程の間に、

  • リハビリテーションの基礎知識や応用
  • 医療
  • 福祉

についての知識を学びます。作業療法士の対象となる利用者は高齢者だけでなく、障害者、小児まで多岐に渡るため個々のケースに対応するアプローチを身に着けていきます。

専門知識

特に作業におけるリハビリテーションについては

  • 運動・心理・社会的など多面的な側面からの分析
  • 身体機能の評価
  • 病理学や神経心理学的な知識
  • 国家試験に向けての受験対策

など、非常に多岐にわたって学ぶこととなります。

また、現場実習は必修で実際の現場での経験を通じ専門知識や技術をさらに深め、医療・福祉・保健分野での活躍する能力と培います。

(4)作業療法士資格試験の受験資格

作業療法士の国家資格の受験資格については以下の条件を満たす必要があります。

  1. 文部科学大臣が指定した学校、都道府県知事が指定した養成校で、3年以上作業療法士としての知識や技術を学び修業した者
  2. 大学の作業療法士養成課程において4年間修業した者
  3. 外国の相当する学校、養成校を卒業、または免許を所持し厚生労働大臣の認定を受けた者

このいずれかを満たすと、作業療法士の国家試験の受験資格を得ることができます。

そのため、学校を選ぶ時には、国家試験の受験資格を得られる学校かどうか確認してから、学校を選ぶようにしましょう。

大学や短大、専門学校を卒業したのち、国家試験に合格すると免許が取得できます。

(5)大学と専門学校で違いはある?

大学を卒業することによって「学士」という称号がもらえます。これを専門学校で考えると、3年制の専門学校では「専門士」、4年制の専門学校では「高度専門士」という称号になります。

この高度専門士というのは学士と同程度とされています。 どの学校を卒業しても国家試験に合格すれば作業療法士であることに変わりはありません。

給料も働く場所によっては大卒も専門卒も変わらないです。じっくり深く学びたいのか、早く現場で働きたいのか、自分が描くキャリア像に合わせて学校選びを行うのが良いのではないでしょうか。

(6)作業療法士資格試験の難易度

(東京アカデミー 『作業療法士 合格率の推移』をもとに作成)

合格率は高いが、油断はできない

作業療法士の国家試験の合格率は例年70~80%程度の推移となっており、数字だけを見ると高い合格率となっていますので、難易度は低いのではと思われがちです。

しかしその合格者は、ほぼ全員が大学や養成校在学中に作業療法士としての専門知識や技術をしっかりと学び終わり、実力をつけた人ばかりなのです。先述の(7)受験資格でも説明したとおり、知識や技術が未熟で各種養成校を修了できなかった人には、受験資格すら与えられない可能性もあるのです。

そのため、単純に合格率が高いから簡単な試験だと思うのは、作業療法士の試験においては間違った考えです。

受験者数の合格率は降下

年に1度実施されている作業療法士の国家試験は、年度により難易度が異なりますが基本的な知識や技術は習得し、一定以上の点数をとれるようしっかりと学ぶことが大切です。

また、作業療法士国家試験の受験者数は6000人前後を推移していますが年々増しているため合格率は下降し、難易度も難化することが予想されます。

(7)作業療法士資格試験の試験内容


出典:https://www.photo-ac.com/

作業療法士資格試験の内容についてご説明します。

試験科目

<一般問題>

  • 解剖学
  • 生理学
  • 運動学
  • 病理学概論
  • 床心理学
  • リハビリテーション医学
  • 臨床医学大要及び作業療法

<実地問題(実際の事例を想定した問題)>

  • 運動学
  • 臨床心理学
  • リハビリテーション医学
  • 臨床医学大要及び作業療法

【試験実施法】

筆記試験、一般問題160問、実地問題40問に分かれて実施され、午前100問、午後100問の合計200問の試験となります。1問につき、一般問題1点、実地問題3点の配点となり、総得点が280点中168点以上・実地問題120点中43点以上の条件を満たす必要があります。

(8)作業療法士の年収

資格取得後の実務経験の年数や、勤務する職場によって数値はいろいろと異なりますが、月給の目安は約23~28万円、平均年収は約360~500万円といわれています。

作業療法士の平均年収はやや少ないと感じるかもしれません。作業療法士は、医療業界の専門職として働くため、高収入が得られるイメージが世間的にはあります。実際に、初任給が高めに設定されている医療機関もあります。

しかしながら、医療のスペシャリストである医師や薬剤師、看護師の収入と比べると低めの水準です。介護施設で働くよりも病院で働く方が年収は高い傾向があり、福利厚生や賞与も病院の方が優遇されるでしょう。

昇給についても、大幅にするのではなく、なだらかに上昇していく傾向にあります。経験が浅い間は給料は低くなりますが、実務経験を積み重ね知識や技術を向上させることで昇給していきます。

作業療法士は、正社員だけでなくパートやアルバイトといった働き方ができるので結婚し子供を産んだ後もワークライフバランスを大切に働くことができる職業です。

作業療法士の年収について絞って解説した記事が下記になります。

年収を上げる方法やほかの介護職との年収の比較などについてまとめています。

よろしければ、ご参考にしてください。

(9)作業療法士が活躍する場と将来性


出典:https://www.photo-ac.com/

作業療法士が活躍する職場

作業療法士が活躍する職場は、

  • 総合病院
  • 精神科がある病院
  • リハビリテーション病院

などの医療施設のみならず、最近では

  • 介護老人福祉施設
  • 介護老人保健施設
  • 障害者福祉施設などの福祉施設

などの介護・福祉施設で活躍する作業療法士が増えています。

ニーズが高まっている作業療法士

今後、高齢社会が進み2030年には人口の3人に1人が高齢者となる予想がされる日本において、病院や介護施設での高齢者数も増える一方です。

作業療法士によるリハビリテーションは生活動作の改善や作業療法による認知症改善に効果的なので、高齢者介護施設でのニーズはこれからも多くなるでしょう。

疾患の後遺症へのリハビリテーションだけでなく、高齢者の生活動作改善や認知症予防などのリハビリテーションの選択肢を考えるとニーズが高く、将来性はあるといえるでしょう

(10)「作業療法士」の果たす役割は今後さらに重要になっていく

また、サービス利用者が日常生活や社会生活を送る力を取り戻すお手伝いをすることができるというやりがいが、作業療法士という仕事にはあります。

高齢者、障害者、小児など対象となる利用者は様々で心身状態も異なり、一人一人に合わせた柔軟なアプローチを大切にしたリハビリテーションが求められます。動作のリハビリテーションを目指すだけでなく心のリハビリテーションを提供する国家資格といえるでしょう。

今後、高齢社会化が進み在宅での介護ニーズが高まることからも、作業療法士の活躍の場が増えることがうかがえます。作業療法士の資格保持者は、社会に大きな貢献をすることになるでしょう。

作業療法士の資格を取得した後は、その資格を十分に活かせる仕事を探してみるのもいいでしょう。資格を活かす仕事を探すには、求人サイトやハローワークなどを見る方法があります。

しかし、求人を見るだけでは、いい仕事が見つからない可能性もあります。そういった場合は、転職エージェントを利用してみるのもおすすめです。

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