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介護職の夜勤の実態 | イライラしてしまう?仮眠なしは違法じゃない?

テクニック
介護職では、施設利用者の生活を24時間サポートすべく、夜間勤務(夜勤)もあります。夜勤では、日勤と仕事内容が違ったり、給料体系が違ったりします。また、生活リズムが変則的になることや、仮眠なしの勤務により睡眠不足になり、イライラしやすい状態に陥ることもあります。この記事では、夜勤について仕事内容などの基本情報だけでなく、労働基準法における夜勤について詳しく解説します。
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(1)介護職の夜勤とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/286787

介護職として働く上での勤務時間帯は大きく分けて日勤帯と夜勤帯があります。特別養護老人ホームや有料老人ホームなど、介護を必要とする方が入居・宿泊できる施設において、夜間は基本的に職員数名での夜勤体制がとられており、夜間勤務を行っています。

本記事では、そんな介護職の夜間勤務における疑問を解消すべく、仕事内容や夜間勤務を行うことのメリットなどについて説明していきます。

(2)介護職の夜勤の仕事内容

夜勤中の介護職の仕事内容としては主に

  • ナースコール対応
  • 排せつ介助
  • 安否確認

の3つが挙げられます。

ナースコール対応

利用者が就寝しているため、介護士などの介護職は事務所などに待機してナースコールが鳴ったら速やかに部屋へ向かいます。ナースコールを押す理由としては「体調が悪い」「トイレに行きたい」などの内容が多いですが、「同室者が転倒した」などの場合もあります。

そのため内容に応じトイレ誘導や医療機関への連絡、利用者の話を傾聴するなど必要に応じ個々への対応を行います。

排せつ介助

排せつ介助ではトイレ誘導やおむつ交換を行います。病気やけが、服薬の影響により夜間にトイレの回数が多くなったり、尿量が増える場合もあります。

また、この時誘導や交換を行いながら利用者がいつもと変わりがないか観察することも重要です。

安否確認

安否確認では、体調がすぐれない方や夜間の安否確認を希望する方の居室へ向かい呼吸状態など状態に変化がないか観察を行います。また、居室で転倒していないかなども確認していきます。

状態に変化がみられた場合には医療スタッフや医療機関、家族へ連絡を行います。そのため夜勤を担当する介護職は重要な役割を担うため緊急対応に関する知識を持っていることが大切です。

また、夜勤では入浴介助は行わないため施設によっては夜勤中の時間を利用して介護記録や研修資料の作成、レクレーションの準備などを様々な業務を行うこともあります。

(3)介護職夜勤の回数

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1504416

夜勤の回数は一人当たり月におおよそ4~5回行うところが多いようです。これは施設の状況によって異なりますが、夜勤の上限回数は決められていません。

そのため介護職の中には夜勤のみ行う夜勤専従として月に10~11回入るスタッフもいます。

就労する際にどの程度夜勤に入る回数があるか尋ねてみるのもいいでしょう。

(4)介護職夜勤の人員体制

夜勤帯の人員配置は施設の種類によって異なります。

施設形態 人員体制
特養 利用者25人につき1名以上
老健 利用者20人につき1名以上
グループホーム・小規模多機能 利用者9人につき1名以上

どの施設も夜勤帯の人員配置は日勤帯よりも少ない人数となります。

例えば定員数75人の特別養護老人ホーム(特養)の場合だと、上記の表を参考にすると介護職員は3名以上の配置ということになります。

また、老健では、緊急連絡体制が整っていれば、利用者40人につき、1名配置でも可能となります。

夜勤帯では日勤帯のように入浴介助やレクレーションなどがないため利用者の就寝後の介護業務が中心となります。そのため少ない人数での配置となっています。

その分一人あたりの利用者数は多くなるため、日勤帯で利用者がどのように過ごしていたかなど申し送りをしっかりと受けなければなりません。

(5)介護職夜勤の交代制について

夜勤帯での働き方には、2交代制と3交代制という2種類のシフトがあり、これも各施設ごとによって違います。

2交代制の例

  • 日勤:9時~17時【8h勤務】
  • 夜勤:17時~翌日9時【16h勤務】

3交代制の例

  • 早番:6時~14時【7h勤務】
  • 遅番:14時~22時【7h勤務】
  • 夜勤:22時~翌日6時【7h勤務】

実際にどちらのシフトを採用している事業所が多いかというと、約8割が2交代制を採用しているようです。その理由としては2交代制の場合スタッフが利用者の就寝前後の状況もしっかりと把握したうえで夜勤の業務がおこなえるためというメリットがあります。

(6)介護職夜勤のタイムスケジュール

2交代制のスケジュール例を以下にあげます。

もちろん、施設形態やエリアによって仕事内容も大きく変わるので一概にはいえませんが、基本的にはこの流れで勤務が進んでいきます。

16:00 出勤~業務引き継ぎ

日勤のスタッフから利用者の様子や体調の変化、服薬に関する情報を共有して業務を引き継ぎます。

18:00 夕食の準備から食事・服薬介助 夕食の準備や食事介助、服薬介助を行います。
20:00 就寝準備

トイレ介助やおむつ交換、歯磨き、寝間着への着替え、ベッドへの移乗など、就寝に向けた準備を行います。

22:00 消灯・巡回

消灯後は1~2時間に1回の夜間巡回を行います。利用者の体調に変化がないか、呼吸状態に問題がないかをチェックし、必要に応じて寝がえりの介助やトイレ誘導、おむつ交換を行います。

23:00 庶務

巡回の合間に介護記録の作成など、庶務を行います。

3:00 仮眠

複数のスタッフで夜勤対応している場合は、交代制で夜食を食べたり仮眠室で仮眠したりします。

6:00 起床~朝食、服薬介助 起床時は、車いすへの移乗、着替えやトイレ、整容の介助を行います。それが済むと、朝食の準備から食事介助、服薬介助を行います。
施設によっては、起床から朝食までの特に忙しい時間だけパートタイマーがサポートに入り、仕事を手分けして行っているところもあります。
8:30 業務申送り

日勤スタッフが出勤したら、利用者の様子を共有します。

9:00 退勤

引継ぎ

(7)介護職夜勤のメリット

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2343518

夜勤手当が支給される

夜勤をすると、給料とは別に夜勤手当がつく場合が多いです。夜勤手当とは、夜勤をすると基本の給料にプラスして支払われるお金のことを指します。

夜勤手当については、1回につき○○〇円としている施設がほとんどで、夜勤手当の額は施設によって異なりますが、一回の夜勤で平均3,000円~8,000円ほど支給されます。

そのため、たとえば5,000円の夜勤手当のあるところで月5回夜勤を行うと月に5,000円×5回=25,000円の手当となります。

昇給やボーナスを頼りにするよりも、夜勤手当を増やす方が収入増につながることもあります。少しでも多く稼ぎたいという方には、夜勤を行うことは大変メリットになるでしょう。

有効活用すれば、連休を作ることができる

また、2交代制の施設の場合、夜勤明けの翌日は休みとなるところが多いです。

その場合、夜勤明け+翌日の休日となり1日半自由に使うことが出来ます。また、夜勤明けで疲れてそのまま寝て過ごして翌日は仕事ということにもなりません。

旅行へ出掛けたり、ゆっくりと休養することも可能なので、プライベートを有効活用することができます。

選べる求人が増える

介護業界として、現在人手不足が問題となっています。そのため、施設ごとに見ても、多くの施設で夜勤は人手不足となっています。

そのため、夜勤対応のある施設を選択肢に入れると、選べる求人の数が格段に増えます。

給与面などの条件がよい施設に出会える可能性が高くなりますので、夜勤に入ることも考えたうえで、転職活動を進めることをおすすめします。

(8)介護職夜勤のデメリット

夜勤のデメリットとしては以下のようなことが挙げられます。

  • 生活習慣が乱れる
  • 日中業務より責任重大
  • 疲れやすい
  • 休みがとりずらい

生活習慣が乱れる

日勤帯と夜勤帯を混合で勤務する場合には睡眠時間や食事の時間など不規則な生活になってしまいます。そのため体調を崩しやすくなってしまったり、将来病気のリスクが高まってしまうことが懸念されることもあります。

日中業務より責任重大

また、夜勤帯の人員配置は日勤帯よりも少ないため一人当たりの職員が担当する利用者の数が増えます。緊急時の対応など夜勤帯では看護師がいない施設もあるため負担に感じるスタッフもいるのではないでしょうか。

体力的にも精神的にも疲れやすい

夜勤帯には休憩時間はありますが夕方から翌日の朝までと拘束時間が長いため、疲れがたまってしまったり、あまり気の合わない同僚とのシフトだと精神的な負担になることもあります。

休みがとりづらい

近年、少子高齢化とともに介護職員不足が問題視されています。だからこそ、急に勤務に行けなくなっても、代わりが見つからず簡単に休めないのが現状です。

しかし、体調が悪いなかで仕事をしては、入居者にも感染してしまう可能性があり、逆に迷惑をかけてしまうかもしれません。

どうしても体調が優れないのであれば、周囲に相談して夜勤を変わってもらい、休むことが必要です。

(9)介護職夜勤でイライラしてしまう場合

夜勤により生活リズムが乱れると、日勤だけの場合よりもイライラしやすい状態になります。

そうした状態で、利用者の方に何度も呼び出されたり、トラブルが起こったりすると精神的負担が増え、余計イライラしやすくなります。実際、夜勤の勤務中にイライラしてしまう悩みを抱える方は多いようです。

施設によっては夜勤を避けられなかったり、未然に防げないようなトラブルが発生したりもします。

夜勤によるストレスを軽減するのは簡単ではありませんが、夜勤後の過ごし方を調整することで、心身の状態を改善することはできます。

夜勤明けの過ごし方についてくわしくは、こちらの記事をお読みください。

夜勤でイライラしてしまう状況が継続してしまう場合、夜勤回数を減らしてもらうことを検討しましょう。

自分がイライラしやすい状況にあることを認識し、イライラしてしまうことについて自分を責めないということも大切です。

(10)介護職の「仮眠なし」の夜勤は違法じゃない?

介護職の夜勤は長時間にわたることが多いですが、仮眠をとれない、「仮眠なし」の状態で働き続けなければならないという施設もあります。

こうした、「仮眠なし」の夜勤は違法には当たらないため、現状、過酷な勤務体系が可能になっています。

なお、勤務時間中の休憩時間については、労働基準法第34条第1項に以下のような記載があります。

使用者は、労働時間が6時間を超える場合には45分以上、8時間を超える場合には60分以上の休憩時間を労働者に与えなければなりません。

つまり、8時間以上の長時間勤務は、最低1時間の休憩時間を挟めば可能ということになります。

介護現場ではまとまった休憩時間をとることが難しい実態もあり、状況改善には法整備が不可欠といえます。

介護施設ごとの仮眠室

(参考:2018年介護施設夜勤実態調査

介護施設ごとで設けられている仮眠室の割合から、介護老人保健施設では仮眠室の設置が約80%であることがわかります。施設の規模が小さいグループホームや小規模多機能型では「無し」の割合が半数を超えているという現状もあります。

(11)夜勤協定とは

夜勤協定とは、夜勤を行うにあたって労働組合と使用者との間の合意を文書に取りまとめたもので、一般的に1ヶ月当たりの夜勤回数の制限を定めるものです。

その他、1回の夜勤に就く人数や妊産婦の保護、協定遵守の点検方法などの項目が盛り込まれる場合があります。

法的な拘束力はありませんが、労働基準法には労働協約に反してはならないということが定められており、これに反する就業規則を使用者が定めた場合労働基準監督署はその変更を命じることが出来ます。

夜勤協定も労働協約の一つであるため、これにより夜勤従事者の働き方が守られる要素の一つとなります。

(12)介護職の夜勤の実態

日本医療労働組合連合会が全国165施設の介護職を対象に行った「夜勤勤務の事態調査」によると、1回の夜勤者の勤務時間が16時間以上となる職員が約7割以上という結果が明らかになりました。

また、グループホームや小規模多機能施設など入居者数があまり多くない施設では夜勤者が1人の場合もあり、仮眠室がない施設もあることが明らかとなっています。

働きやすさを求めて職場を選ぼう

特別養護老人ホームや老人保健施設の場合は利用者に応じた人員配置の基準が定められていることもあり複数名での夜勤体制となることが多いです。

また、正社員として働く場合と、派遣社員として働く場合があります。正社員であれば福利厚生などの恩恵を受けつつ日中のイベントや勉強会などに参加せず淡々と仕事をこなすことが出来ます。

派遣による働き方であれば、短期間であっても特に咎められることもないため、職場が合わない場合にもすぐに職場を変えることが出来ます。

また、多くの職場を経験したいという方にもおすすめな働き方となります。介護の仕事はしたいが、あまり多くの人とかかわることは苦手だ、という方にも働きやすい環境ではないでしょうか。

夜勤専従という働き方もある

日勤、遅番、夜勤など、介護職には様々な働き方がありますが、「夜勤専従」はその名の通り、夜勤勤務専門のスタッフです。

労働基準法では、原則的に勤務時間は1日8時間までと定められていますが、夜勤の場合は1日の勤務時間が長いため、「1日の勤務時間は8時間を超えるが1週間あたりの勤務時間は40時間以内」という変形労働時間制が適応されます。

主なメリットとして、以下のことが挙げられます。

勤務日数が少ない

月に10日程度の勤務となり、日勤に比べ勤務日数が少ないのは大きな特徴です。勤務時間は施設によって様々ですが、一般的には夕方から翌日の朝までの勤務形態が多いです。

勤務日数が少ないと自由な時間を確保しやすくなります。家族との時間を大切にしたい人や、ライフワークバランスを大切にしたい方にぜひおすすめです。

昼間の時間を有効活用できる

働くことに割く時間が夜になるので、昼間の時間を空けることができます。そうなると、昼間の時間は自分のプライベートの時間に充てることができます。

ほかに力を注ぎたいことがあったり同時に続けていきたいことがある人に向いている働き方といえます。

高時給で稼ぎやすい

夜勤は日勤に比べ、時給・給料が高く高収入を狙えることが最大のメリットです。

勤務時間は日勤より長くなりますが、夜勤手当があるため少ない勤務日数でも十分な報酬が得られます。夜勤手当を時給や給与と別で支給する方式の法人もあれば、日給や時給に含んで支給する法人もあります。

一概に「時給」「日給」だけで比べるのではなく、夜勤手当が含まれているかどうかも確認して応募しましょう。

(13)自分にあった働き方を見つけよう

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/7545

介護職の夜勤というと「きつい」「不規則な生活」とマイナスなイメージをもたれることもありますが、働き方によっては収入アップや夜勤専従として休日を充実して過ごすことができます。

「時間を有意義に使いたい」「収入を少しでも多くしたい」と考えている方にはとても魅力的な働き方ができると思います。

しかし夜勤には生活リズムの崩れなどデメリットもあるので、しっかり問題点を踏まえたうえで自分に適した働き方を選びましょう。


介護職として働くことができる場所はさまざまです。就職先はたくさんの選択肢があり、自分にとってどの職場が良いのかを判断することは難しいかもしれません。

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