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介護福祉士(介護職員)実務者研修とは | カリキュラムや費用など

資格
「介護職員実務者研修(正式名称:介護福祉士実務者研修)」は、介護のスペシャリストでもある介護福祉士の受験資格を取得するために必要な条件を1つクリアできるだけでなく、介護施設の中でも管理職としての働きを求められる「サービス管理責任者」に就くことができるようになるなど、業界の中でキャリアアップを目指す人におすすめの公的資格です。本記事では、そんな介護職員実務者研修に関して、取得するメリットや必要な期間。費用やカリキュラムなどについて、まとめて説明していきたいと思います。
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(1)介護福祉士実務者研修とは

介護福祉士実務者研修(介護福祉士実務者研修)とは、今まであった介護職員基礎研修及びホームヘルパーが一本化されたものが制度化した研修です。

この変更により、平成28年度(平成29年1月)の介護福祉士国家試験から、受験資格として実務経験3年に加えて、実務者研修の修了が義務づけられるようになりました。

※以下、記事では「介護職員実務研修」と「介護福祉士実務者研修」の言葉を併用していますが、どちらも同じ研修を指しています。ただし、正式名称は「介護福祉士実務者研修」になります。

(2)実務者研修と初任者研修との違い

よく介護職員実務者研修の他に、「初任者研修」という言葉を耳にするかと思います。この2つの資格の違いとはどんなところにあるのでしょうか。

相違点 初任者研修 実務者研修
介護福祉士の受験資格を得られるかどうか 受験資格を持たない 受験資格を持つ
受講科目と受講時間 受講時間は130時間 受講時間は450時間
試験の有無 1時間の修了試験実施義務がある 試験が義務化はされていない
サービス提供責任者として働けるかどうか 実務経験3年以上が必要 働くことができる
医療的ケアを学習するかどうか 医療的ケアは学ばない 医療的ケアも学ぶ

介護福祉士の受験資格を得られるかどうか

初任者研修とは、介護の仕事をするうえで、無資格の場合よりも仕事の幅を広げたいと思ったとき、まずは手軽に資格を取りたい、という方におすすめな資格なのですが、初任者研修を修了しても、介護福祉士の受験資格を得ることはできません。

一方、介護職員実務者研修を修了すると、介護福祉士の受験資格を得るための条件(※)を1つクリアできることになります(※加えて、実務経験3年が受験資格取得には必要になります)。

受講科目と受講時間

どちらも通信講座による自宅学習と数日間のスクーリングによる通学講座を併用にて資格取得を目指す形になりますが、初任者研修が合計130時間なのに比べ、実務者研修は合計450時間の受講が必要になります。

ただし、初任者研修の資格を持っていれば、実務者研修を受講する際に上記共通科目の受講免除(130時間)を受けることができます。

試験の有無

初任者研修では、カリキュラム終了後に1時間の修了試験実施義務があります。一方で実務者研修は、特に義務化はされていませんが、実施しているスクールもあります。気になる方は事前に調べておきましょう。

サービス提供責任者として働けるかどうか

実務者研修の資格があれば、サービス提供責任者として働くことができます。初任者研修のみの場合は、別途実務経験3年(540日)以上が必要です。

医療的ケアを学習するかどうか

実務者研修のカリキュラムには、医療的ケアも含まれていますが、初任者研修にはありません。学ぶとなるとこの項目を学ぶことに時間を割くことにもなるので、自分にとって必要かどうかこの点も事前に考えるようにしましょう。

▼介護職員初任者研修に関してはこちら

▼介護職員初任者研修と介護職員実務者研修の比較に関してはこちら

(3)介護職員実務者研修を取得するメリット

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2366515

介護職員実務者研修を取得するメリットは下記のように何点かあります。

  • 業務について広く学べる
  • サービス管理責任者として働くことができる
  • 介護福祉士国家資格を受験するために必要
  • たん吸引と経管栄養の知識が身につけられる
  • 資格手当がつかない場合でも割とメリットが感じられる

詳しく見ていきましょう。

業務について広く学べる

「介護職員実務者研修」の目的は、より質の高い介護サービスを提供するために、実践的な知識と技術の習得であり、介護職員として働くうえで必要な介護過程の展開や認知症等について学ぶことができ、介護の専門家として生涯働き続けるためのスキルを磨くことができます。

サービス管理責任者として働くことができる

さらにこの「介護職員実務者研修」を取得することで、介護従業者としての実務経験に関係なく、サービス管理責任者として働くことが可能になります。このサービス管理責任者は、訪問介護事業所にて必ず配置しなくてはならない重要な職業となっています。

また、訪問介護事業所にてケアマネージャーが作成したケアプランに基づいて訪問介護計画書を作り、サービスが提供できるように、コーディネート業務全般に携わります。資格を持つ人材がまだまだ不足しているため、就転職時に有利になることもあります。

訪問介護サービスの事業者側としても積極的に確保したい人材であり、サービス提供責任者になれることは大きな受講メリットの一つです。

介護福祉士国家資格を受験するために必要

また、先述したように、介護職員実務者研修を取得することで、介護福祉士へのスキルアップの道も開けます。介護福祉士は国家資格ですので、介護業界で働くうえでぜひとも取得しておきたい資格です。

ただし、介護福祉士の試験を受けるためには、実務者研修の修了に加えて3年以上の実務経験が必要になります。

たん吸引と経管栄養の知識が身につけられる

実務者研修の受講カリキュラムには『たん吸引や経管栄養の基礎知識』も含まれています。ただし、実際にたん吸引や経管栄養を行うには、実地研修を受ける必要があります。また、医師の指示や看護師との連携をとって実施することになります。

▼たん吸引について、詳しくはこちら

資格手当がつかない場合でも割とメリットが感じられる

介護職員初任者研修では資格手当がつかない場合、転職でもしない限りそのメリットを感じにくいと言うデメリットがありました。

しかし介護職員実務者研修は手当等がつかないと言う場合であっても、介護福祉士の受験資格となることから、その資格のありがたみを実感することができます。

(4)介護職員実務者研修の受験資格・費用

実際に介護職員実務者研修を受けるときに気になる、受験資格と費用を詳しく見ていきましょう。

受験資格

介護職員実務者研修の受講は、受験資格はなくだれでも受講することができます。ただし、スクールによっては、初任者の資格を持っていることを条件としていることがあるので事前に調べておきましょう。

また、実務者研修は、事前にある程度の知識を持っていることが前提として進められます。なので全く知識がない状態で受けると、内容が少し難しいと感じる場合があります。不安な人は、まずは初任者研修を受けてみるといいかもしれません。

会社により通学時の教室の場所や、通学時の受講クラスの人数、就業支援と異なるため申し込み時に確認することが大切です。

費用

費用は大体受講費用は12万程かかることが多いですが、大手介護企業であれば入職を条件として無料で受講することができる場合もあります。

社会人にとっては、現在の生活を維持しながら受講を進めていけるかどうかという点が気になるところです。

(5)介護職員実務者研修の学習内容

介護職員実務者研修の学習内容に関しては、「実務者研修」と「初任者研修」の共通科目である

  1. 人間の尊厳と自立
  2. 生活支援技術Ⅰ・Ⅱ
  3. 介護課程Ⅰ
  4. 社会の理解Ⅰ
  5. 介護の基本Ⅰ
  6. 生活支援技術Ⅰ・Ⅱ
  7. 認知症の理解Ⅰ
  8. 障害の理解Ⅰ
  9. こころとからだのしくみⅠ
  10. 介護課程Ⅰ

に加えて介護職員実務者研修には、

  1. 介護の基本Ⅱ
  2. コミュニケーション技術
  3. 発達と老化の理解Ⅰ・Ⅱ
  4. 認知症の理解Ⅱ
  5. 障害の理解Ⅱ
  6. こころとからだのしくみⅡ
  7. 介護課程Ⅱ・Ⅲ
  8. 医療的ケア

が追加になり、初任者研修が合計130時間なのに比べ介護職員実務者研修は合計450時間の受講が必要になります。

(6)介護職員実務者研修のカリキュラムの1つ「医療ケア」

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/7545

介護職員実務者研修の受講科目には医療ケアという科目があります。

これまで喀痰吸引や経管栄養の処置は医療行為であるため、医師や看護師などの特定の医療従事者のみに実施資格がありました。しかし、2012年の法改正により一定の研修を修了したものであれば介護職員であっても一部の医療的ケアを行える形に変わりました。

それにより介護職員実務者研修では、在宅介護されているご利用者が日常生活を行う上で必要とされる「痰の吸引」や、鼻などから管を通して栄養剤を流し食事を摂取する「経管栄養」などの実技を行います。

また技術に加えて、安全な療養生活を行うために喀痰吸引や経管栄養を提供する重要性、救急蘇生や、感染予防、介護職員の健康管理、療養環境の清潔、消毒法、消毒と滅菌、身体・精神の健康、健康状態を知る項目(バイタルサインなど)、急変時の対応と事前報告について学んでいきます。

(7)「介護職員実務者研修」受講修了の難易度

450時間もの講義時間があり、実務者研修ってなんだか難しそうという印象を受ける方も多いと思います。実際に学習に長い時間を費やす必要があり、挫折しかける人も多くいます。

この資格の一番のネックは450時間の講義時間であり、その上自宅学習が多いということです。反対に言えば自宅学習が多いため仕事をしながらでも受講できるというメリットもありますが、日々コツコツと学習を進めモチベーションを維持する必要があります。

しかし受験資格もなく、モチベーションを維持しコツコツ行えば絶対とれる資格のためチャレンジしやすい資格でもあります。

(8)介護職員実務者研修を取得する際のスクール選び

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1051832

また、介護職員実務者研修には修了判定という、1時間ほどの試験が最後に設けられているところもあります。そのため学習サポートを実施しているスクールの方が、疑問点を解決することができるため有利と言えます。

この試験は全国一律に決まっておらず、実施しているスクールによって多少の違いがありますが、筆記試験では学んだ内容から課題が出され、合格点数に満たない場合は繰り返して課題提出の可能性があります。また筆記に加え、実技試験もあり合格点に達するまで繰り返し「追試」が行われます。

介護職員実務者研修の修了試験は落とすための試験ではなく、試験内容はきちんと講座の内容を把握していれば合格することができます。

また通学する必要がある講座もあるため振替受講が可能であるかどうかの確認もしておくとよいでしょう。

(9)介護職員実務者研修の資格取得者が活躍できる場所

この介護職員実務者研修を取得することで、介護の知識・技術があると認められるため転職時に有利になります。また、たん吸引・経管栄養の知識も得ることができ、訪問介護事業所での可能性も広がります。

▼訪問介護について、詳しくはこちら

その上介護福祉士の受験資格にもつながります(実務者研修だけでなく、3年間の実務経験も必要です)。さらに、介護福祉士実務者研修を修了することで、サービス管理責任者として働くことも可能となります。

サービス管理責任者の仕事は、その名が示唆する通り、サービス利用者の支援のプロセスを管理したり、従業員への指導や助言をしたり、他の関係機関との連携を図ったりすることを含みます。

このように、いわゆる「管理職」としての働きも求められる仕事につくことができるようになるため、介護業界において大きなキャリアアップの機会を得ることができます。

(10)介護職員実務者研修の取得はキャリアアップにつながる

このように介護職員実務者研修を取得することで、たくさんの知識・技術を得ることもでき、その上実務を積むことで介護職のエキスパートである介護福祉士の国家資格の受験を目指すこともできたり、訪問介護事業所にてサービス管理責任者として働くことができ、給料UPやキャリアアップを目指すことができます。

現在初任者研修を受け介護職として働いている人も、これから介護職を目指す方もおすすめの資格です。介護職でのキャリアアップを目指している人はぜひ受験を検討してみましょう。


資格を取得した後は、その資格を十分に活かせる仕事を探してみるのもいいでしょう。資格を活かす仕事を探すには、求人サイトやハローワークなどを見る方法があります。

しかし、求人を見るだけでは、いい仕事が見つからない可能性もあります。そういった場合は、転職エージェントを利用してみるのもおすすめです。

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