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入浴介助の手順とポイント | 入浴介助の外部サービスも紹介

テクニック
入浴介助とは、一人で入浴が難しい高齢者や身体の不自由な方の入浴をサポートすることです。入浴介助をするにあたって必要なもの、流れや注意点など、ポイントを交えつつ分かりやすく説明しています。初めて入浴介助をする方などは、ぜひ本記事を役立ててください。
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(1)入浴介助の重要性と危険性

介護をする上で欠かせないのが、食事・排泄・入浴の介助。

入浴には血行促進やリラックス効果、床ずれや感染症の予防などさまざまなメリットがあり、心身の健康を保つために不可欠です。

一方で高齢者が入浴することには、転倒・転落のリスクが伴うばかりか、温度差の変化によって一時的に高血圧となり命にかかわる可能性もあります。

高齢者や体が不自由な方が安全に入浴するためにはその入浴介助が重要です。ここでは、在宅介護で入浴介助がはじめての方にもわかりやすく、入浴介助の手順やポイントを伝えていきます。

(2)入浴介助に必要なもの

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/21995

介助者に必要なもの

  1. エプロン
  2. ゴム製の手袋
  3. ゴム製の靴
  4. タオル

入浴介助の際に濡れてしまわないために、必要に応じて用意しておきましょう。入浴介助用の撥水エプロンなどもあるので活用してみてもいいかもしれません。

  

利用者に必要なもの

  1. タオル

利用者の方を洗うためのタオル、またお風呂から上がった後すぐに体を拭けるようにバスタオルの用意をしましょう。ふだんご家族の方が使っているものと同じで問題ありません。

  1. 着替え(おむつや尿取りパッドなども)

お風呂から出た後の着替えを用意しましょう。もし普段からおむつを着用している場合は、おむつ・尿取りパッドも一緒に準備します。

  1. シャンプー・リンス・ボディソープ

利用者の方の洗髪・洗身のために利用します。利用者の肌が弱い場合は、お肌に優しいオーガニックや無添加のものを買っておくといいかもしれません。

  1. 椅子

利用者の方は、長く立ち続けることが難しい場合も多いため、椅子も用意しましょう。入浴介助用の、高さを調節できる椅子も販売されているので、こちらを利用するのが便利かもしれません。すでに自宅にバスチェアがある場合は、そちらを利用していただいて問題ありません。

 

  1. 転倒防止マット

お風呂の中や脱衣所はたいへん滑りやすく、高齢者の転倒事故現場でもトップ10に入っています。転倒防止マットで滑りを軽減し、事故を防ぎましょう。

  1. 入浴介助ベルト

入浴介助ベルトとは、利用者の立ち座りを補助したり、転倒を予防するためのものです。利用者の足腰に不安のある方は使用したほうがより安全かもしれません。

  1. 浴槽手すり・入浴台

利用者を浴槽に入っていただくのはかなりの重労働。浴槽手すりや入浴台を使って、利用者に自力で浴槽をまたげるようにすれば介護の負担がかなり軽減します。

 

  1. 保湿剤・塗布剤

肌の水分を持続させられるよう、場合によっては保湿剤が必要です。高齢者の皮膚はバリア機能が低下しており乾燥しやすいです。お風呂上りも快適な気分を持続できるよう、保湿剤を塗った方がいい場合もあります。

また、病院から処方されている塗布剤があれば塗ってあげましょう。

  1. 他にも便利グッズ

上記以外にもシャンプーハットやシャンプー台など、介護者にとっても利用者にとっても、心身の負担を軽減できる介護グッズがたくさんあります。必要に応じて積極的に利用していきましょう。

 

(3)入浴介助のおおまかな流れ

バイタルサインや体調の確認

高齢者にとって入浴前の準備は重要となります。体温測定や血圧測定などのバイタルサインの測定を行い、入浴しても問題ないか判断します。また、本人の顔色や動きを観察して入浴しても大丈夫な体調か確認を行います。

浴室や脱衣所の環境整備

入浴介助において温度管理が重要となってきます。

特に冬場は浴室・脱衣所で裸になってもあまり寒さを感じないくらいの温度に環境を設備しときましょう。また、入浴後手際よく行なえるように、着替えやタオルなどを準備しておくことをおすすめします。

入浴介助(浴室内での洗髪や洗身)

いよいよ浴室に入り入浴介助を行ないます。安全に十分配慮して、洗髪、洗身を行いましょう。

施設内での入浴介助の場合、利用者の方は毎日入浴をしない場合も多いため、丁寧に行う必要があります。

そして、同時に全身の観察を行なって下さい。褥瘡ができる等、普段と変化がないか注意深く見てみましょう。

入浴介助(浴槽内)

ここでも安全への配慮を最も優先して下さい。身体を優しく擦ったり、掌を拡げてリラックスしてもらいます。

目やになどもふやけて取れやすくなりますので、丁寧に拭いて下さい。

脱衣所での介助

浴室から出ると脱衣所で全身の水分を素早く拭き取り、衣類を着てもらいます。冬場は素早く行わないと体を冷やしてしまいます。

体を冷やすと風邪の原因になりますので、気をつけましょう。皮膚疾患等により軟膏等を塗布する場合はこのときに行います。

水分補給や全身の観察

入浴後は必ず水分補給を行ないます。また、全身の観察を行ない、入浴により気分不快などがないかにも配慮します。

(4)入浴前の手順

介助を必要とする人にとって、入浴前の準備は大切です。特に体調チェックは念入りに行います。

顔色の観察

普段の顔色に比べてどうなのか観察します。このとき、気分不快を訴えるよなことがあれば要注意です。

バイタルサインの測定

体温・血圧・脈・呼吸の測定を行い、必要に応じてSPO2(酸素濃度)もサーチーレーションも測ります。

浴槽にお湯を入れて室温の調整をする

直接お湯に手を触れて温度を確認しながら浴槽にお湯を入れます。同時に脱衣所の室温も適温にします。冬なら暖房が必要です。

(5)入浴中の手順

入浴の手順は、以下の通りです。

温度確認 

シャワーを身体にかける前に、介護者の手で直接触って温度を確認します。心配なら温度計を利用します。

身体にお湯をかける 

お湯を掛けるのは足から少しずつ掛けます。いきなり身体の中心部分にかけると、心臓に負担がかかります。

頭から洗う

頭から足先まで順番に洗っていきます。陰部は最後に洗います。

すすぎ

泡をすすぎ、浴槽に入ります。このとき、転倒・転落には十分注意が必要です。

(6)入浴後の手順

入浴後の手順は、以下の通りです。

素早く水分を拭き取る

必ずバスタオルを使い、全身を覆うようにして水分を拭き取ります。

薬の塗布

準備しておいた軟膏などを素早く患部に塗布します。保湿剤は本人の皮膚の状態に合わせましょう。

服を着せる

服は上から着せます。冬場などは少しでも寒さから守るためです。

水分補給・体調確認

入浴後の最後の大仕事です。入浴中は大量の水分が失われますので、必ず水分補給を促します。この際、倦怠感の有無や顔色の確認も行ないます。

(7)入浴介助の注意点

入浴介助で一番大切なことは、安全への配慮です。一瞬でも対象者から目を離さないようにします。

お風呂場は滑りやすいため、転倒防止マットなどを利用して、安全に入浴ができるよう心がけましょう。

身体を洗う際は、柔らかいタオルで優しく擦ります。高齢者の皮膚は弱いので、皮下出血や皮膚剥離にも気をつけましょう。

浴槽につかる際には、温度確認を行ないながらのぼせないようにします。浴槽に浸かる時間は季節や体調、個人によって大きく変化します。重要なことは、対象者の普段の様子を理解して、それにあわせた最も最適な時間で使って貰うことです。

(8)外部委託する場合①訪問入浴

在宅介護において家族以外が入浴介助する方法として訪問入浴があります。訪問入浴とは、簡易型の浴槽を自宅まで運んでもらい、自宅の水道を浴室に入れて利用し、看護師が同行して寝たきりの人でも入浴できるサービスです。

入浴介助の前に、看護師からの体調確認があるので安心です。

料金は1回1割負担の場合1,300円程度です。(水道代は実費)

(9)外部委託する場合②デイサービス

在宅介護の強い見方なのがデイサービスの存在です。例えばデイサービスを週に3回利用するようにすれば、それにあわせて3回入浴する事ができます。

デイサービスの浴室は、大浴場な場所もありますが、機械を使用して介助に時間を要する人でも利用することができます。

料金は1回1割負担の場合1,500円程度で利用できるところが多いでしょう。基本的に、利用料金の中には昼食代も含まれています。

(10)適切な入浴介助でさっぱりしてもらおう

食事介助、排泄介助な並び、入浴介助は正直大変です。しかし入浴介助を終わったあとの対象者の顔を見ると、とてもさっぱりしているのが分かります。

「あ~気持ち良かった」

「やっぱりお風呂はいいね」

などの声を聞くと、入浴介助をする方も嬉しくなります。

対象となる人にとって、最適な入浴介助を提供してはじめて聞くことができる言葉です。何度も繰り返しますが、入浴介助で大切なことは安全への配慮です。高齢者の入浴中の事故は全国で多く発生していますので、十分気をつけます。

家族だけで入浴介助を行なうのは大変ですので、普段は介護保険サービスを利用して入浴介助をしてもらいますが、月に一度は家族が直接入浴介助するという方法もあります。

入浴介助は正しく行う事ができれば、本人にとっては本当に『至福のひととき』となります。ときには入浴剤を使ったり、ゆず湯、みかん湯、菖蒲湯などでリラックス効果を高めることもよいですね。

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