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介護や看護現場での申し送りとは| 確認事項やポイントを解説

テクニック
申し送りとは、看護や介護の業界でよく使われる言葉です。患者さんや利用者さんの安全を守るためにも必要であり、適切な申し送りをすることで、チームワークが高まり、結果的にはサービスの向上につながることになります。申し送りの内容や行うコツ、注意点などを確認し、後任者に分かりやすい申し送りをマスターしましょう。
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(1)申し送りの意味・目的とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1868389

申し送りとは

申し送りとは、前任者が勤務時間に行った業務の内容や、指示・命令などを次の時間帯の後任者へ伝えることをいいます。

看護や介護の業界では特に多く使用される言葉です。シフト制の勤務の職場であるため、必要な情報を後任者に伝える必要があります。

申し送りは一般的な言葉であり、特定の業界の専門用語ではありません。社内や組織内の人に向けて、状況を伝えたり連絡したりする時に「申し送り」という言葉を使います。

申し送りの目的

看護・医療・介護業界での申し送りの目的は、主に以下の事項の伝達にあります。

  • 病棟・施設内で起こったこと
  • 医師からの指示
  • 特に注意が必要な患者・入所者の情報
  • 容態の変化した患者・入所者の情報

看護・医療・介護業界で申し送りが重要なのは、継続的なケアが必要な患者や入所者の方に対して、看護師や介護士が交代で勤務しサポートするからです。

早出、日勤、夜勤など交代制の勤務では前任者から後任者への必要情報の伝達がなければ、患者や入所者の方を危険にさらすことになります。

申し送りは、ケアを受ける人に影響を及ぼしかねない重要な仕事なのです。

「申し送り」と「引き継ぎ」の違い

申し送りが交代制の勤務で用いられることが多いのに対し、引き継ぎは、一般的な会社で退職や異動などにより職場を離れる際に使われることが多いようです。

引き継ぎも同様、前任者が担当していた業務自体を次の後任者がスムーズに業務を行うために行います。

(2)申し送りの事前準備

申し送りをスムーズに行うためには、事前に準備をしておくことは大切です。いくつか事前準備のポイントを解説します。

申し送りすることを分かりやすくメモしておく

勤務中に、後任者に伝えておきたいことを随時メモしておきましょう。利用者や患者のちょっとした変化や様子についても記しておくとよいでしょう。

何を申し送るかを整理しておく

申し送りをする内容が多くなってしまい、重要な情報が漏れてしまうということはあってはなりません。事前に伝える内容の優先順位をつけておきましょう。

記録に書いてあることはある程度省略するなどの工夫も必要です。また、大事な項目は目立つようにしるしをつけておくと整理しやすいです。

誰に申し送りするのかを確認しておく

誰に申し送りをするのかの確認も必要です。事前にシフトを確認し、後任者をは把握しておきましょう。また、この情報は誰に伝えるべきかという視点を持って、誰に申し送りをすべきかを考えましょう。

(3)申し送りの際の具体的な確認事項

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2303738

申し送りに決まった形式はありません。しかし、ある程度施設や組織で統一して確認事項を定めておくと効率よく申し送りができるでしょう。ここでは基本的な確認事項や具体的な確認事項の一例を紹介します。

申し送りの基本的事項

主に介護・看護現場で行われる申し送りですが、どちらでも確認すべき申し送りの基本事項についての一例を紹介します。

  • 患者さんの身体的情報及び看護情報
  • バイタルサイン(血圧や体温)
  • 食事摂取量(何割摂取したか)
  • 尿量(回数やトータル量)
  • 排便(回数と便の状態)の状況
  • 点滴や内服薬の状況
  • 突発的な対応(急変)の有無
  • 医師からの指示の追加

勤務時間帯に行った看護や患者さんの情報を事前に整理し、担当した患者毎に簡潔に伝えられるように準備することが大切です。

また、前の時間帯で行った業務内容、次の時間帯に行ってほしい対応や処置は必ず伝えましょう。

介護現場における申し送りの具体的な確認事項

介護現場において申し送りの際に確認したほうが良いことを具体的に紹介します。

  • 利用者さんから聞いた要望・希望
  • 他の機関や専門職とのやり取りの内容
  • 生活の中でのヒヤリハット

上記以外にも、家族からの連絡や訪問があれば申し送りの際に伝えておくとよいでしょう。

看護現場における申し送りの具体的な確認事項

看護現場において申し送りの際に確認したほうが良いことを具体的に紹介します。

  • 患者さんの精神状態
  • 具体的な食事の指示内容
  • 検査データについて

基本的なバイタルサイン、体調、排便、服薬の情報に加えて、患者さんの今の病状や精神状態について詳しく把握しておくことが必要です。検査があった場合は、検査データについても共有しておきましょう。

患者さんの状態に合わせて、食事の内容も変化することがありますのでそれについても確認しておきましょう。

(4)効率的な申し送りのポイント

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2281990

申し送りは非常に大事な業務の一つですが、申し送りをできるだけ効率的に手短に行うことで本来のケアの向上になります。そのためのポイントをいくつか紹介します。

必要事項をあらかじめ限定する

申し送りをする際には「いつ」「だれが」「何が」「どのように対応したか」「その後どうなったか」「注意点」を短くまとめましょう。

記録に残っていて口頭で伝える必要のないことは簡単に省略してしまってもよいでしょう。「~に記載してあるので確認しておいてほしい」という旨を伝え、その場で確認すべきことだけを簡単に伝えましょう。

話す順序を考えておく

重要なことから先に伝えるようにしましょう。緊急性の高いこと、急激な変化、注意してほしいことは先に話します。

申し送りにかける時間を決めてしまう

申し送りには思いのほか時間がかかってしまうことがあります。情報をきちんと伝えることは大切ですが、必要なことだけ短く伝えるように意識してみましょう。

「一人あたり○分」と決めて、時間をはかりながら行うと端的にわかりやすく申し送りする癖がつくかもしれません。

定型文やフォーマットを用意する

定型文やフォーマットを用意し、それに沿って申し送りするのもよいでしょう。伝え漏れを減らすことができますし、ポイントを絞って伝達できます。

(5)申し送りに使える具体的な定型文

申し送りの際に使える定型文やフォーマットを紹介します。

介護現場で使える定型文

(名前)さんについて

(状態・様子)のため、(時間)から(ケア内容・服薬について・支援内容)をしました。その後(様子・状態・変化)がありました。現在は(様子・状態・変化)です。

(名前)さんについて

(緊急連絡・急激な変化)がありました。(ケガの理由・注意点など)が要因でした。(その時の様子)現在は(様子・状態・注意点)です。今後は(必要なケアなど)を行っていただきたいです。

看護現場で使える定型文

(名前)さんについて

(病名・疾患)のため(時間)から(点滴内容・内服薬・量)を使用しています。使用時の状態は(様子・状態)で、現在は(様子・状態・変化)です。(その他注意点やトラブルの有無があれば伝える)

(6)申し送りが上手くできないという方に

新人の看護師や介護士の方で、申し送りが上手くできずに悩んでいるという方も多いのではないでしょうか。特に、伝達項目が多ければ多いほど、時間がかかり、伝達ミスも増えてしまう可能性があります。

以下では申し送りをスムーズに行うためのポイントを解説します。上記のコツとあわせて参考にしてみてください。

メモを書く

気づいたことを即座にメモすることで、申し送りがしやすくなります。また、申し送りをする前に、伝えたい内容をメモするのもおすすめです。

申し送りの時間が限られている場合、最重要のことのみを口頭で伝え、残りはメモを渡して時間のある時に読んでもらうという形をとることもできます。

渡すメモに一言メッセージを書き加えることで、相手にねぎらいの気持ちを伝えられ、職場のコミュニケーションの活性化にもつながります。

上手な人のやり方をまねる

申し送りに限らず、仕事は先輩職員をまねることでかなりの上達が見込めます。先輩職員が忙しく、なかなか指導してもらえない状況でも、動きを観察し積極的にまねることで自分のスキルを向上させていきましょう。

申し送りは、口頭で伝えるケースもあれば、ノートに記載するケースもあり、やり方は職場によってさまざまです。

ノートでの申し送りであれば、前のページを確認するだけで他の人のやり方を把握できますが、口頭の場合は積極的に人のやり方を観察するようにしましょう。

分からないことは素直に「後で報告します」と伝える

分からないことはうやむやにせずに、素直に後で報告しますと伝えましょう。きちんと何が把握できていないのかを確認して、正確な情報を得てから報告しましょう。

(7)効率よく「申し送り」できるようにしよう

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1504414

勤務交代時に時間があれば、頭の中で申し送り内容のシミュレーションを行うこと、わかりやすかった方の申し送りの仕方を参考にするのも大切です。

効率よく、申し送りを行うには、わかりやすい記録、わかりやすい言葉で、順序良く、簡潔にもれなく行うことが大切です。

患者さんや利用者さんの安全を守るためにも必要であり、適切な申し送りをすることで、チームワークが高まり、結果的にはサービスの向上につながることになります。

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