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【図説】端座位とは | 効果・おすすめベッド・介助の際の注意点など

テクニック
ベッドの端に足を下ろして座った姿勢のことを「端座位(たんざい)」と言います。介護現場においてこの端座位にはさまざまな効果があり、その人の生活の質を大きく改善してくれます。正しい端坐位の姿勢、うまく姿勢が保てない場合の対応、安全に保つためのベッドの使い方などについて説明します。
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(1)端座位(たんざい)とは

端座位(たんざい)とは、ベッドの端に腰を掛け、床に足を着けて座る姿勢のことです。

介護の現場では、日々の生活にベッドを使っています。このベッドから移動するとき、車いすに乗るとき、食事をとるときなどに端座位の姿勢が必要になってきます。

介護現場でよく使う姿勢であるため、介護職員の方、介護をしている方はこの端座位についてよく知っておくと役に立ちます。

(2)端座位の姿勢が取れない場合

正しい端座位は、横から見たときにかかとが床にしっかりと着き、股関節、膝関節、足関節が約90°となる姿勢です。正面から見ると、頭部がまっすぐ起き、左右の肩や膝の高さが対照的になっています。

この端座位を上手に取るためには、筋力や十分な関節可動域、バランスの能力が必要です。介護が必要になった高齢者は、全身の筋力やバランス能力が弱っていたり、関節も硬くなっています。

ベッドの端に座るという姿勢だけでも難しい場合があります。この端座位が取れなくなると、一気に寝たきり状態へ進んでしまいます。

逆に言うと、端座位は寝たきり状態を防ぐことができます端座位の姿勢を取れるようになると、自力で食事を摂ったり、排泄をしたりという動作も少しずつできるようになります。それが自信に繋がり、意欲にも繋がり、生活の質の改善にも大きく貢献します。

その人の座位能力を最大限に引き出すためには、ベッドの座面の高さやマットレスの硬さ、ベッド柵などの支えの有無など、環境を整える必要があります。

その人の能力や体に合ったベッドを選ぶことが大切です。

(3)ベッドの理想的な座面高

安定した端座位を取るためには、床にかかとがしっかりと着いている必要があります。そのためには、ベッドの座面高の調整が重要になります。

理想的なベッドの座面高は、「下腿長(かたいちょう)-2cm+マットレスの沈み」です。

下腿長とは、膝から足首までの長さのことを言います。高齢者の下腿長の平均値は男性が約37cm、女性が約34cmです。

例えば、女性の平均下腿長に合わせると、「34cm(平均下腿長)-2cm+1cm(マットレスの沈み)」とした場合、最適な座面高さは33cmとなります。

また、座面高からマットレスの厚さを引くとベッドボトムの高さです。

ベッドボトムの高さは8cmのマットレスを使う場合、座面高33cm-8cm=25cmに調整する必要があります。ベッドの座面高の調整の目安は、その人の身長の約4分の1ほどと覚えておくと良いです。

(4)端座位を取りやすい介護用ベッド

前述した通り、安定した端座位は床に足がしっかりと着いている必要があり、ベッドの座面高の調整が重要です。そのため介護用ベッドは電動で高さ調整ができるベッドがおすすめです。

一人一人の体格に合わせ、床に足がしっかりと着き体重を支えられれば、残存機能維持に繋がりますし、万が一の転倒などのリスクを減らしながら安全な姿勢をとれます。 

また、ベッド柵が付いたベッドもおすすめです。就寝中の寝返りによってベッドから落ちてケガをすることを防ぎ、同時にベッド柵を使って体を支えながら端座位の姿勢につなげられます。

端坐位を取りやすい介護用ベッドとして株式会社プラッツが提供している「ミオレットⅢ」を紹介します。

ミオレットⅢ

ミオレットⅢはスタンダードモデル「ミオレットⅡ」の後継機として3つの新しい価値、「垂直昇降」「3段階のサイズ変更」「パーツの軽量化」を実現しています。ミオレットⅡよりもさらに、端坐位を取りやすい介護ベッドになっています。

ミオレットⅢの機能は次の通りです。

①膝のフィッティング機能

利用者の大腿部の長さに合わせ、パーツの変更なしでひざ脚ボトムの屈曲位置を2段階に調節できるので、ズレが少なく姿勢を崩しにくくなります。

②簡単1ボタン操作のライジングモーション機構

背上げボタンを押すと背と膝の角度を自動的に調整しながらズレの少ない背上げを行います。背を上げきると膝はフラットに戻るので、端坐位がとりやすくなります。

③4cmのバックオフ機構

背ボトムを後方に4cmスライドさせながら上半身を起こす背上げ機能で、背中や腹部の圧迫感を軽減します。また、背圧は肩付近にかかるように設計されており、肩の後ろに手を差し込むだけでも大幅に除圧できます。

④使いやすい手元スイッチ

手がうまく動かせない方も握れるよう、スイッチの裏面には手が引っかかる工夫がなされています。

値段

型式 参考価格
ミオレットⅢ背上げ1モーター 260,000円~300,000円
ミオレットⅢ2モーター  290,000円~330,000円
ミオレットⅢ3モーター 320,000円~360,000円

上記の価格は参考価格で、実際の店舗では割引がされていることもあります。

詳しく知りたい方はミオレットⅢの紹介ビデオものっている(株)プラッツのHPをご覧ください➡プラッツHP 製品情報

また、介護用ベッドは要介護2以上の人であれば介護保険が適用され、1~3割負担のレンタル料で借りることもできます。事業者やベッドの種類などによっても変わりますが、月に800円~1,300円ほどがレンタルの相場です。

福祉用具は購入にも介護保険が適用されますが、ベッドは対象外となるため、全額自己負担になります。長期の使用を前提とする場合以外は、レンタルの方がお得になる場合が多いです。


介護職の転職サービスである介護ワークでは、職員が端座位についてしっかりと理解し、質の高いサービスを提供している優良事業所の求人情報を掲載しています。

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(5)端座位を保つために

自力で端座位を保つことができない場合、福祉用具の利用が効果的です。

その一つに端座位保持テーブルがあります。

端坐位保持テーブルは、端座位の状態でベッドの横にテーブルを据え付け、両腕をテーブルの上に出して体を支えます。座位用のデスクは背もたれの付け根が蝶番になっており、被介護者の背中に回してもう一方の支柱と固定すると、体を安定して支えられることができます。

テーブルの上で食事をとったり、本を読んだりしながら、端座位の能力を上げることができます。

以下におすすめの端座位保持テーブルを紹介します。

端坐位保持テーブル Sittan

特徴

  • 上体を支持する背面ユニット。
  • 天板は高さ調節可能。
  • 背面ユニットは奥行き調節可能。
  • キャスターロック機能付き。

自分の力では座位保持が不安定な方の「座る」リハビリテーションをサポートします。

値段

  • 介護保険レンタル料金 700円/月(1割負担の場合)
  • Amazon価格 131,328円

(6)その他の座位の種類

座位(ざい)とは、上半身を90°あるいはそれに近い状態に起こして座った状態を言います。端坐位の他にも以下の要な座位の種類があります。

  • 長座位(ちょうざい):脚を伸ばして座っている状態
  • 半座位(はんざい):ベッドの背もたれを45°起こしている状態
  • 起座位(きざい):枕やクッション等を抱えて座っている状態
  • 椅座位(いざい):椅子に座っている状態

(7)座位の効果

「臥位(がい)」に比べて「座位」は体が倒れないように姿勢を保持する必要があります。骨や筋肉に力を入れ身体を支えることで血液の循環が良くなり、筋力低下を防ぐ効果があります。

また、体を起こした姿勢でいることで、気道や食道の通りが良くなり、呼吸が楽になったり、飲み込みがしやすく食事がしやすくなるという効果もあります。座位を取りながら机上で手を使った作業を行うことで、覚醒が良くなり、脳の活性化にも繋がります。このように座位にはたくさんのメリットがあります。

(8)起き上がり介助のやり方

ベッドでの寝たきり状態が続くと、筋力が弱り関節が硬くなってきます。そうならないためにも、できる限りベッド起きて端座位を取ったり、車いすへ移乗したり、起きている時間を増やすことが重要です。

ベッドからの起き上がり介助の手順について説明します。

1.ひざを立てる

寝返りがしやすくなるように、介助される人のひざを立てます。

2.横向きにする

介助される人の肩とひざに手をあて、起き上がる方向に横向きにします。この時、介助される人に腕を組んでもらうと、重心の移動がしやすくなります。

3.足をベッドから下ろす

体は寝かせたまま、腕を介助される人の首の下から差し入れ、もう片方の手でひざの辺りを持ち、両足をベッドから下ろします。

4.体を手前に引いて起こす

介助される人のお尻を軸にして頭が弧を描くようなイメージで、体を起こします。

5.体を安定させる

転倒する危険があるので、手を体に添えたまま様子を見ます。ベッド柵などつかまる支えがあれば、それにつかまってもらいます。

(9)介助のときの注意点

安全に楽に起き上がり介助するためには、しっかりと準備をすることが必要です。

体を横向きにしないまま、足を下ろさないまま起こしてしまうと、体の一部に負担が集まる、体の一部が巻き込まれる、ベッドからずり落ちるといったケガや事故に繋がる可能性があります。

1~5の手順通りに動作を進め、安全な起き上がり介助を行いましょう。

また、介助される人の体の状態を事前に知っておくことも大切です。動かしにくい関節や痛みがある部分はないのか、動作を始める前に本人と目を合わせ「体の調子はいかがですか?」と声掛けをしましょう。

動作中に「痛いところはないですか?」と声掛けをすることで、事故やケガの防止にも繋がります。

介助と言ってもこちらで全てを手伝ってしまっては、介助される人のためになりません。起き上がり動作一つでも、立派なリハビリになります。寝返りを自分でしてもらう、起き上がる際にベッドを手で押してもらう、ベッド柵につかまって自分で端座位を保持してもらうなど、自分でできることは自分でやってもらうようにしましょう。

介護士として働いていた方から聞きました!端座位をとる際のコツ・気を付けること

現場で介護士として働いていた経験があり、公認心理師・社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士・保育士の資格を取得、現在は福祉事業所を経営されている小山けんいちさんから、端座位をとる際のコツや気を付けることを伺いました。

きちんと声掛けをする

利用者さんの介助全てに共通する点ですが、声掛けを必ず行うようにします。特に次の動作に移るタイミングには意識的に声掛けを行うようにしています。

重心や接点を意識する

移乗の際に気を付けていることは、より接点を近くに設けることと、重心を下にすることです。重心の位置を下にすることで、介助する側も安定した姿勢で行うことができます。

また接点を近くに設けるようにすると、安全にスムーズに移乗ができます。

相手の体をできるだけ引き寄せるようにすると、介助する側もされる側も楽に行うことができると思います。

(10)端座位に合わせてベッドの高さを調節しよう

端座位は単にベッドの端に座る姿勢ですが、その人の生活に大きく関わります。寝たきり状態を防ぐことができ、筋力向上や食事がとりやすくなるなど、さまざまな効果があります。端座位は、ただ単にベッドの端に座る姿勢ではなく、生活の質を大きく改善する姿勢であり、そのことで本人の自信や意欲にも繋がります。

端座位に合わせてベッドの座面の高さを調節し、安全に有効に端座位を保つための環境を整えましょう。

協力

小山けんいち| 福祉事業所Withket

「誰にもできないことをやる!」をモットーに、Withketにて、居宅介護・重訪・相談支援・放デイ事業を展開。公認心理師・社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士・保育士の5つの資格を持つ。

小山けんいちさんのTwitter
小山けんいちさんのブログ

【福祉事務所Withket】

千葉県柏市にある福祉事務所。令和1年に設立。
居宅介助・移動支援 「ここら」
特定相談・障害児相談支援 「音の音」
放課後等デイサービス 「Hi-Nique!」
といった福祉事業を幅広く展開している。

Withketの名前は、「一緒」という英単語の「With」に、「ビスケット」と「ブランケット」の語感をプラスしたオリジナルのもの。

WithketのHP
WithketのTwitter


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