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臥床(がしょう)とは | 患者の介助方法や長期的な影響など

テクニック
臥床(がしょう)とは、介護が必要な高齢者など被介護者を寝かせる動作のこといいます。臥床介助は高齢者の寝たきりによる筋力低下を防ぐなど、とても重要な役割があります。ここでは臥床介助のコツや長期臥床の影響などを説明しています。
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(1)介護の臥床(がしょう)とは

出典:https://www.irasutoya.com/2014/07/blog-post_9.html

介護において臥床(がしょう)とは、介護が必要な高齢者など被介護者を寝かせる動作のことで、「寝たきり」とは異なります。

寝たきりは自力で起き上がることができない状態のことを指しますが、臥床の本来の意味は床について寝ることで健常者であっても「臥床する」と表現します。

ただし「臥床介助」と表現する場合には、寝たきりなど介護が必要な高齢者など被介護者に対する、介助のひとつとなります。

(2)介護における臥床の役割

一般的に臥床は床について寝ることですが、介護における臥床では臥床介助を指す場合が多く、その役割は介護が必要な高齢者を単に寝かせるということにとどまりません。

例えば介護の現場においては、被介護者が車いすに座っていることはよくある状況です。しかし、おむつを着用しているような場合には、座ったままの状態で交換するのは簡単ではありません。そこで仰向けに臥床することによって、介助者にとっても被介護者にとっても、おむつ交換における一連の動作をスムーズにおこなうことができます。

このように、臥床は介護を行う上で必要な動作のひとつとなります。

(3)臥床介助と就寝介護の違い

介護施設などで臥床介助以外でよく聞かれるものに、「就寝介助」があります。この就寝介助はナイトケアとも呼ばれ、就寝するためにパジャマへの着替えや、歯磨きの介助のほか、排泄の介助や、服薬など非介護者が眠りにつくまでに必要な一連の介助を指します。

つまり、就寝介助においては当然のことながら、ここに非介護者をベッドに臥床させるための臥床介助が含まれることになります。

(4)臥床介助を行う際の注意点

出典:https://www.irasutoya.com/2014/01/blog-post_9908.html

臥床介助に限ったことではありませんが、移乗や移動を伴う動作は身体介護の基本ともいえます。このとき大切なのは、被介護者はもちろんのこと、介助者も身体負担を軽減することです。

そのためには、身体の動きのメカニズムである身体力学を活用した介護技術が重要で、これを「ボディメカニクス」と呼びます。このボディメカニクスには以下のようなポイントがあります。

  • 膝を曲げるなどして、被介護者の体をできるかぎり球体に近づける
  • 被介護者と介助者の体をできる限り近づける
  • 介助者は足幅を前後・左右に開くことでこれを結んだ範囲を意味する支持基底面を広くする
  • 介助者は重心を低くする
  • 介助者は腹筋や背筋、大腿四頭筋、大殿筋などきな筋群を使って介助する

このようにボディメカニクスを活用すると、被介護者に不安や苦痛を与えることなく介助できるほか、介助者の腰痛や肩こりなどの予防や改善にも効果があります。

▽ボディメカニクスについて詳しくはこちら

介護の味方!ボディメカニクスとは|基本原理、3つの活用例など

(5)寝台の上で行う臥床以外の介助

臥床介助を含む就寝介助に以外の介助では、被介護者の起床における身の回りの介助である起床介助あるいはモーニングケアと呼ばれるものがあります。自分で身の回りのことができない被介護者に対しては、起床の声かけにはじまり、パジャマから洋服への着替え、歯磨きや洗面の介助を行います。

また起床介助においては、ベッドから起き上がり、車椅子などに移乗を行うため、これを「離床介助」と呼び、就寝介助の際などにベッドに寝かせる臥床介助とセットで、「離臥床(りがしょう)」などと呼ばれることもあります。

▽移動・移乗介助に関してさらに詳しくはこちら

介護福祉士が絶対習得すべき「相手に喜ばれる」移動介助の方法

【動作別】移乗の方法を徹底解説|注意点や用具の使用法

(6)長期臥床の影響

単に臥床であればベッドなどで寝ている状態ですが、脳血管障害や骨折といった、病気やけがなどにより、長期にわたって心身ともに安定した状態でベッドなどに横たわっている「安静臥床」が必要になった場合には「長期臥床」という状態になります。

このような臥床の状態が長期にわたって続くと、体のさまざまな器官の機能が低下して、高齢者では認知症をはじめとして、最終的には「廃用症候群」を引き起こす危険性が高くなります。

次に廃用症候群について詳しく見ていきます。


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(7)廃用症候群の症状

出典:https://www.irasutoya.com/2018/10/blog-post_176.html

では、長期臥床によって引き起こされる廃用症候群とはどのようなものなのでしょうか。

廃用症候群は、「生活不活発病」とも呼ばれ、病気やケガなどの治療によって、長期間にわたって安静状態を継続していて、身体能力の大幅な低下や精神状態に悪影響を及ぼすような症状の総称となります。

廃用症候群を発症すると、

  • 運動器障害
  • 循環・呼吸器障害
  • 自律神経・精神障害

などが現れ、具体的には運動器障害として主に

  • 筋萎縮
  • 関節拘縮
  • 骨萎縮

などが起こります。

また、循環・呼吸器障害では

  • 誤嚥性肺炎
  • 心機能低下
  • 血栓塞栓症

など、自律神経・精神障害では

  • うつ状態
  • せん妄
  • 見当識障害

などの症状が現れます。

廃用症候群と似た症状には、通称「ロコモ」と呼ばれる「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」がありますが、ロコモは「足腰の衰えなどが原因となり、日常生活に支障をきたす状態」であり、加齢による肉体の衰えや、筋肉や関節、骨など運動器自体の病気やけがのため、長期の安静によって肉体の機能が衰える廃用症候群とは異なるものです。

(8)長期臥床になる原因

長期臥床によって廃用症候群などが引き起こされるのには、次のような原因が考えられます。

過度に安静状態が続いている

病気やけがによる長期入院などによって安静が求められる場合がありますが、全身の筋肉を長期にわたって動かさない状態が続くと、筋肉や関節、臓器の運動能力が低下してしまいます。

さらに、自力で移動や歩行が可能なうちから車いすやおむつを使用してしまうと、より体を動かす機会が減り、廃用症候群などが進行し長期臥床を引き起こします。

関節の痛みや動きの鈍化

病気やけがを抱えていなくても、加齢が進むとどうしても関節などに痛みが生じることが増加していきます。このため、体を動かすことが億劫になり、買い物や散歩など外出する機会も減ってしまいます。

こうして安静状態が続くとさらに関節の動きが鈍くなり、より思い通りに動けなくなると、身体能力が衰え、長期臥床になりやすくなります。

(9)長期臥床による病気予防・治療

出典:https://www.irasutoya.com/2014/05/blog-post_9834.html

長期臥床によって、廃用症候群などを発症するのを防ぐためには、寝たきりの状態になる前の段階でさまざまな対処をしておくことが必要です。方法としては以下のようなものが挙げられます。

できるだけ体を動かす機会をつくる

何よりも大切なのは、長期臥床にいたる前に、動かせる範囲で体を動かす機会をつくることです。このため、被介護者への過度な介助は避けなければなりません。着替えをはじめ、排泄や移乗などの身の回りの動作はできるだけ自力でできるように促します。

また、簡単な家事を手伝ってもらったり、趣味などのグループ活動に積極的に参加するようようにするのもよいでしょう。自分の意志で積極的に動くことで、気持ちも前向きになります。

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リハビリテーションを行う

長期臥床の状態にあっても、廃用症候群などからの回復を目指してリハビリテーションを行うことができます。

ただし、リハビリテーションは危険を伴う場合があるので、行う際には専門の施設を利用し、専門医の指導を受けるようにしましょう。

薬物治療を行う

長期臥床によって廃用症候群の症状が見られる場合には、薬物治療が有効なケースもあります。

たとえば関節痛などの痛みがある場合、心機能の低下が見られる場合、せん妄などの精神障害を発症している場合などでは、医師の診察を受けそれぞれの症状に合わせた投薬治療が可能です。

(10)長期臥床を予防しよう

長期臥床によって廃用症候群などを発症させないためには、寝たきりにならないことが何よりも重要です。このため、健康なうちに筋力の維持・向上を図っておかなければなりません。

また、病気やけがなどによって長期入院を余儀なくされ、いったん寝たきりの状態になっても、できるだけ体を動かす努力をし、あきらめたり楽をしないよう、被介護者を促すようにします。

とはいえ、体を動かせない状態が続くと、それが日常になってしまい、体を動かしたがらない被介護者も少なくありません。そんなときには、車いすを使う機会をできるだけ減らすなど、被介護者ができるだけ体を動かすように促すようにしましょう。

一方、長期臥床にいたってしまった場合には、リハビリテーションを行います。被介護者が高齢者の場合、短期間で回復することはありませんが、寝たきりになってしまわないよう、あせらずコツコツと続けることで、長期臥床の予防が期待できます。


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