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入浴介助のマニュアル | 訪問入浴サービスについても解説

テクニック
入浴介助の際には気を付けるべきことはたくさんあります。少しの見落としが、転倒や不快感に繋がってしまいます。この記事では、自宅で高齢者の入浴をお手伝いするときの流れや注意点、さらには訪問入浴サービスまで、介護入浴に関する情報を幅広くお伝えします。
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(1)介護における入浴の基本

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/771300

入浴の目的は、体を清潔に保つことを目的としていますが、血行をよくし、新陳代謝を促進することで健康の維持にもつながることも目的としています。

また、介護される側にとっては、安心感や清潔感を感じることができ、楽しみの一つにもなっています。介護者の負担も大きいですが、要介護者が嫌がらない、また負担が多くならない入浴になるように十分注意して行いましょう。

入浴時間

入浴時間の基本は、5分~15分です。長時間になると、負担が大きくなるため時間の管理には十分に気をつけましょう。

お湯につかるのは、5分くらい、あがるまで15分程度が疲れない入浴時間となります。この時間で行えるよう、事前の準備はできる限り行っておきましょう。

お湯の温度

お湯の温度は、40度くらいが適温となります。高齢者は、温度を感じにくくなっている場合があるので、相談し調整しながら少し熱めの温度設定にするのがいいでしょう。

ただし、熱すぎるのは危険ですので、温度管理は適切にしましょう。個々の好みもありますので、必ず要介護者に確認してください。

浴室の安全性

浴室や脱衣所は、湯舟との温度の差があると負担になってしまいます。

特に、冬は注意し、温度差がないよう事前に浴室、脱衣所を温めておきましょう。

さらに、自力で歩ける方も滑ったりする危険性がありますので、手すりなどをつけておくとよいでしょう。

(2)【介護職員向け】介助入浴の手順

入浴介助の手順についてご紹介します。

入浴前の確認

体調の確認をしましょう。見た目だけでなく、口頭で確認したり数値をチェックしたりしましょう。

体温・顔色・血圧・脈拍などの基準値を事前に把握しておき、測定して確認してから入浴介助にうつりましょう。

入浴の時間帯ですが、食前・食後の1時間は避けましょう。

タオルや椅子などは事前に準備を済ませておき、待たせる時間を減らしましょう。

浴室の出入りの仕方

自分で歩ける方は、手すりを使って浴槽に入りましょう。介護者は、足元への配慮の声をかけ忘れないようにします。

冬場は冷たいことも、伝えましょう。分かっているかもしれませんが、意外にびっくりする方もいるので一声かけるとよいでしょう。

ふいに滑ったりすることもありますので、必ず手すりなどにつかまって入るくせをつけましょう。

また、市販の滑り止めマットを敷いたり、簡易の手すりを付けたりするのもおすすめです。

麻痺や障害がある場合は、介護者はその部分をカバーし、麻痺のない部分から浴槽に入るようにしてください。その間、介護者は、麻痺がある部分を支えていましょう。その際も、声をかけながら行うとよいでしょう。

洗い方

足から始め全身にお湯をかけていきましょう。その際、熱くないか確認をしましょう。次に頭を洗いましょう。髪の量が多い方は、洗い残しには注意しましょう。髪を洗っている間、寒くないかの確認もしてあげるとよいでしょう。

そして、顔から首、腕や手、胸、背中、陰部の順で洗っていきましょう。足は、指の間など忘れずに洗いましょう。

陰部については、自分で洗える人には洗ってもらいましょう。洗えない人については、一声かけてから洗いましょう。

患者さんが自分でできる範囲はまかせ、できない部分を助けるというようにしていきましょう。恥ずかしがる方もいるので、多少は自分で洗えると判断した場合は臨機応変に対応するよう心掛けることが大切です。

洗い流すときは、石鹸の洗い残しがないように気を付けてください。

体の拭き方

脱衣所に椅子を事前に用意しておきましょう。

まずは、座らせてから拭きます。入浴で体力が消耗しているので注意しましょう。

脇の下、陰部、股間など水分が残る部分は注意し、丁寧に拭きましょう。皮膚の弱い方もいるので、強さの加減は注意して拭きましょう。

(3)【介護職員向け】自宅で入浴介助をする際の問題点

通常の浴槽の場合、立ち上がる際の負担が大きいと、立ち上がれなくなるということもあります。また、設備の手すり・段差の解消などの問題があります。さらに、転倒の危険性もあります。狭い空間では特に注意が必要です。

健康状態の確認についても、事前に専門家に確認しましょう。病気などがある場合は、入浴中の体調の異変に伴ない溺れるなどの危険性があります。見た目だけではなく、判断基準も明確にしておく必要があります。

(4)【介護職員向け】一般的な入浴介助サービス利用の流れ

まずは、健康チェックをします(血圧・脈拍・体温など、利用者が入浴可能な健康状態か看護婦などが確認します)。

お湯の準備を介護スタッフがします。次ぎに、スタッフが脱衣します。 浴槽に移動し、入浴開始となります。その際にスタッフが要介護者の希望にそって、体を洗ったりします。

入浴の仕上げに、シャワーでお湯をかけます。

スタッフが浴槽からベッドへの移動を行います。

スタッフによる着衣・看護師による健康チェックが行われます。片付けもこの間にスタッフにより行われます。そして、終了となります。

(5)入浴介助に必要なもの

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/21995

介助者に必要なもの

  1. エプロン
  2. ゴム製の手袋
  3. ゴム製の靴
  4. タオル

入浴介助の際に濡れてしまわないために、必要に応じて用意しておきましょう。入浴介助用の撥水エプロンなどもあるので活用してみてもいいかもしれません。

  

利用者に必要なもの

  1. タオル

利用者の方を洗うためのタオル、またお風呂から上がった後すぐに体を拭けるようにバスタオルの用意をしましょう。ふだんご家族の方が使っているものと同じで問題ありません。

  1. 着替え(おむつや尿取りパッドなども)

お風呂から出た後の着替えを用意しましょう。もし普段からおむつを着用している場合は、おむつ・尿取りパッドも一緒に準備します。

  1. シャンプー・リンス・ボディソープ

利用者の方の洗髪・洗身のために利用します。利用者の肌が弱い場合は、お肌に優しいオーガニックや無添加のものを買っておくといいかもしれません。

  1. 椅子

利用者の方は、長く立ち続けることが難しい場合も多いため、椅子も用意しましょう。入浴介助用の、高さを調節できる椅子も販売されているので、こちらを利用するのが便利かもしれません。すでに自宅にバスチェアがある場合は、そちらを利用していただいて問題ありません。

 

  1. 転倒防止マット

お風呂の中や脱衣所はたいへん滑りやすく、高齢者の転倒事故現場でもトップ10に入っています。転倒防止マットで滑りを軽減し、事故を防ぎましょう。

  1. 入浴介助ベルト

入浴介助ベルトとは、利用者の立ち座りを補助したり、転倒を予防するためのものです。利用者の足腰に不安のある方は使用したほうがより安全かもしれません。

  1. 浴槽手すり・入浴台

利用者を浴槽に入っていただくのはかなりの重労働。浴槽手すりや入浴台を使って、利用者に自力で浴槽をまたげるようにすれば介護の負担がかなり軽減します。

 

  1. 保湿剤・塗布剤

肌の水分を持続させられるよう、場合によっては保湿剤が必要です。高齢者の皮膚はバリア機能が低下しており乾燥しやすいです。お風呂上りも快適な気分を持続できるよう、保湿剤を塗った方がいい場合もあります。

また、病院から処方されている塗布剤があれば塗ってあげましょう。

  1. 他にも便利グッズ

上記以外にもシャンプーハットやシャンプー台など、介護者にとっても利用者にとっても、心身の負担を軽減できる介護グッズがたくさんあります。必要に応じて積極的に利用していきましょう。

 

(6)訪問入浴サービスを利用するメリット 

訪問入浴サービスを利用すると、寝たきりのため自力での入浴が困難な方も入浴することもできます。体調の変化が激しい方でも、看護師のサポートものもと入浴することができるようになり。

また、単身で介護しているため、一人では入浴介護ができなくなった、というケースでも、サービスを使うことにより入浴することができます。また、要介護者にとっても、お風呂に入りたいという希望を叶えるのに有効な手段になりますので、心身の健康を保つことにつながります。

(7)訪問入浴サービスの利用条件

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2303738

利用条件は介護認定の要介護1~5の認定を受けている方が対象で、医師から入浴の許可を出されている方です。

上記2つの条件を満たした場合に、ケアマネージャーに相談後、ケアプランを作成してもらい、訪問入浴サービスの契約を行います。そうすると、サービスを利用することができます。

(8)訪問入浴サービスを利用しよう

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2284971

訪問入浴サービスとは、看護師1名を含めた3名程度のスタッフが自宅に訪問し、専用の浴槽を使って入浴をサポートしてくれる介護サービスです。

要介護者本人が自力での入浴が困難・危険性がある場合、家族のサポートだけでは入浴が困難と認められる場合に、入浴をサポートしてくれる介護サービスです。要介護者のためでなく、介護者の負担軽減のためにも役立つサービスです。

(9)訪問入浴サービスの費用

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2350598

訪問入浴介護については、要介護1~5、要支援1・2によって料金が変わる介護サービスとなっています。1割負担の場合と仮定するとだと以下の料金になります。

要介護1~5

  • 全身浴:1,250円
  • 部分浴:875円
  • 清拭:875円

要支援1・2

  • 全身浴:845円
  • 部分浴:592円
  • 清拭:592円

一般的には1割負担となっていますが、一定の所得がある場合、2割・3割負担となりますので、その場合は負担額がかわってきます。

(10)事業所を選ぶ時のポイント

ヘルパーの変更はできるか

個々の相性もありますので、事前にきちんと確認しておきましょう。

訪問日の変更・キャンセルはできるか

予定変更となった場合でも、対応してもらえるかどうかの確認は必要です。

苦情の対応方法の説明があるか

苦情に対する対応がないと、本人や家族の意思を尊重した介護が難しくなります。

営業日・営業時間についての確認

希望の時間とあってないとそもそも利用できなくなってしまうので確認が必要です。

介護保険が適用されるサービスとされないサービスの説明がきちんとあるか

介護保険の適用があって1割負担となります。事前に説明がないと負担する費用も変わってくるため、きちんと説明してもらえないとのちのちトラブルのもととなります。

契約解除の際の手続きはどうなっているか

解除できない場合、他へ移るなど対応できなくなってしまいます。

費用についてのきちんとした説明があるか

こちらについては、書面で確認できるほうがいいでしょう。余分な出費につながる場合もあるので、注意しましょう。

以上のことをふまえ、複数の事業者を比較して選びましょう。

(11)訪問入浴サービスをうまく活用して介護の負担を軽減しよう

家族で介護するということは、介護する側の負担もそうですが、介護される側にも大きな負担がかかっています。

介護はいつまでのものとも分らないものですし、どの状態まで介護するかも分かりません。寝たきりになったとしても、入浴なしで介護するのは難しいです。

その際、家で面倒をみたいという場合に、訪問入浴サービスを利用することにより家族と暮らす時間も増えます。適切なサービスを利用し、お互いの介護負担を減らし、無理のない介護につなげましょう。

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