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ストップ!外国人介護士の受け入れ。研修・教育を整備しなければ介護現場は必ず崩壊する

就職・転職
介護現場ではすでに外国人看護師・介護福祉士候補生を受け入れているということはご存知でしたか?日本はインドネシア、フィリピン、ベトナムとの経済連携協定(EPA)に基づき、 平成20年から累計で3,100人の外国人介護士候補生の受け入れを実施しています。労働力不足と言われる介護業界で、介護ロボットなどのテクノロジーによる業務軽減策と並んで、 人材不足を解決するため外国人労働者への期待が高まっています。しかし、言語や文化的な違いから労働者が現場になかなか定着しない、人間関係が上手くいかない、といった課題や、 受け入れ先の教育体制が整っていないといった根本的な課題があります。今後の日本で間違いなく必要とされる、外国人労働者の現状と課題を探っていきます。
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(1)外国人介護士はなぜ必要か?

現在の日本では65歳以上の高齢者の割合が21%に到達しており、「超高齢化社会」と呼ばれる状態になっています。 高齢者が増え、生産者人口が減っているため、介護への需要は拡大しています。

しかし、特に給料水準において介護職は他の産業に比べ低く、離職率が高く、就職先としても選ばれにくくなっています。

需要多寡になっている介護業界では、早くから外国人労働者への期待の声が高まっており、既に一部事業所では外国人看護師・介護福祉士を受け入れているところもあります。

今後増々足りなくなっていく介護現場の労働者人口を埋める施策として、外国人労働者は重要な鍵となるのです。

(2)言語・文化の壁が外国人介護士受け入れのハードルとなっている

海外から来た労働者へ介護スキルを教育する際に、課題となるのは「言語・文化の壁」です。

介護の研修指導自体も当然、日本語で実施されるので、微妙なニュアンスまで日本語を理解していないと、細かい介護技術や接し方を伝えることができません。

また、介護サービス利用者への対応では、利用者が何を伝えたいのか、何を求めているのか、少ない言葉数や身振り手振りから「察する」能力が求められます。

これは日本語を十分に理解していても難しく、日本人独特の思考回路や文化がわからないとサービスの提供に影響を与えます。

現在、日本で外国から介護労働者を受けいれる場合には、最低でも「N4」と呼ばれる(小学校低学年程度の日本語レベル)日本語能力試験に受かっていないと就労できませんが、実際にはこのレベルで現場へ入ってしまうと現場が混乱してしまいます。

現場では即戦力が求められるため、コミュニケーションの不具合がでてしまうと、かえって周りの負担が増えてしまいます。

実際に外国人実習生が失踪するケースが多発しており、職場での人間関係が上手くいってなかったり、就労してから1年以内にN4より上のレベルのN3に合格しないと、継続して研修できない制度があるため、継続して介護現場で働き続けている外国人はごくわずかとなっています。

(3)受け入れ数よりも現場の教育体制の整備が重要

このように、受け入れ数を短期的に増やしたとしても現場での受け入れ体制が整っていないと、現場の負担が減らず、むしろ増えてしまいます。

では、どうしたら外国人介護士の長期に渡って働けるような環境になるのでしょうか?

その答えの1つには、社内研修のマニュアル化と属人性の排除にあると考えています。

現状、介護の現場の多くでは、初めて入った新入社員をいきなり現場へ放り出し、ざっくりとした指導だけ行って後は本人に身体で覚えさせるという、ぼぼ研修が行われない状況があります。

これは、研修指導を行うスタッフを確保出来るだけの余裕がないことと、研修のマニュアルを作っていないことが原因です。

スタッフの確保は、慢性的な人材不足に依るところが大きいのでなかなか解決が難しいですが、それでも、現場の忙しさを考慮し、教える側のマニュアルが整備されていれば最小限の負担で、必要な教育を行うことが可能です。

ここで重要なのが、人によって教える内容がバラバラにならないように、何を教えるのか、何を研修生に学んでいってもらうのかを順序立てて計画されたマニュアルを作ることです。

例えば、最初はコミュニケーションが少なく、スキルを要しない、食事の配膳や、トイレの案内、おむつ交換、等を行ってもらいながら、施設内のレイアウトの確認や、用具の場所等を徐々に覚えていってもらうようにステップを組みます。また何をどこまで学んでもらったか、全員が把握できるように、どこのステップまで学んだか記録しておくことも重要です。

外国人の受け入れを行う場合は、特に、コミュニケーションを極力要しないところを分業して、作業を任せられる部分を意図的に作ることが大事です。

その上で、分からない部分があったら気軽に質問できるように雰囲気作りをして、事業所全体で従業員の教育体制を作らなければ、いつまで経っても従業員が定着しません。

これは日本人の介護士教育にも言えることですが、根本的にはこの問題が解決しないと、外個人労働者の受け入れ数を増やしても、穴が空いたバケツのようにどんどん流れていってしまいます。

(4)まとめ

このように、外国人の受け入れには大きく、言語や文化の壁と、受け入れ体制の壁があります。

単純に受け入れ数を増やすには、日本語検定のレベルが低くても受け入れるように、基準を緩めてしまえばよいですが、受け入れた後に、現場へ定着させる体制を作らないと、労働者と、雇用主がお互いに不幸になってしまいます。

特に、研修・教育体制という部分では、忙しい事業所ほどそちらに手が回らず、そのため人が入ってきても戦力化できないという悪循環に陥ってしまいます。

中長期的な視点を持って、まずは、慣れないスタッフが入っても、研修・教育に寄ってスキルアップさせて、戦力として育てていける体制を作ることが重要です。

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