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(1)介護福祉士の給料と年収
ボリュームゾーンは17~24万円が多い
介護福祉士とは、介護・福祉に関する国家資格のひとつです。
この資格を取得した人は、介護に関する専門的知識や技術を持ち、介護の専門職員として活躍することをを見込まれています。
介護福祉士の月収は17~24万円くらいです。また、賞与や各種手当てを含めた年収は270~350万円で、平均年収は310万円くらいです。
介護福祉士について確認したい場合はこちらの記事をご参考ください |
介護福祉士の年収は、いくつかの要素に影響を受ける
しかし、この値はあくまで平均の数値であり、実際の年収は、
- 役職
- 雇用形態
- 勤続年数
- 勤務先の事業所の種類
- 所在地
など、諸々の要素によって異なります。
下記画像は厚生労働省の平成29年賃金構造基本統計調査(外部リンク)による平均年齢40.8歳の人の給与とモデル年収になります。一つの目安としてご参考ください。
介護福祉士の給料は他の業種と比較した際に高いとは言えず、全業種平均より低めの年収となっています。
しかし、少子高齢化などの影響を受け、専門性を身につけた介護人材の確保が急務となった昨今、介護職員処遇改善加算をはじめとした施策により、介護福祉士の待遇改善が進められようとしています。
介護職員処遇改善加算について、より詳しい記事はこちら |
本記事では、そんな介護福祉士、もしくは資格保持者の年収について、影響を与える要素について説明していきます。
(2)施設の種類ごとの収入の差
先述したように、介護福祉士の年収は、まず勤務先の施設の種類によって異なります。ここでは施設の種類ごとの平均年収を紹介していきます。
2017年の厚生労働省の調査によると、介護福祉士の月収が最も多かったのは介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、最も少なかったのは通所介護事業所(デイサービス)と報告されています。
施設の種類 | 該当施設の平均月収 |
---|---|
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) | 321,580円 |
介護老人保健施設 | 312,200円 |
訪問介護事業所 | 286,170円 |
介護療養型医療施設(療養病床) | 279,780円 |
認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | 268,200円 |
通所介護事業所(デイサービス) | 258,920円 |
この結果は、仕事の内容や負担の大きさなどにほぼ比例していると考えられます。
平均月収額の最も多かった特別養護老人ホームは、要介護3以上で、自宅での介護が難しい高齢者を対象としています。
一方、最も少なかったデイサービスは、施設に入居するほどではないものの、昼間に食事や入浴などの介護サービスを必要とする人を対象としています。
民間の大規模企業・中規模企業・小規模企業介護福祉士のそれぞれの平均年収と平均月収はおおむね以下の通りです。
- 大規模企業の介護福祉士:平均年収359.6万円(月収22.5万円)
- 中規模企業の介護福祉士:平均年収297.6万円(月収18.6万円)
- 小規模企業の介護福祉士:平均年収269.7万円(月収16.9万円)
介護福祉士の勤務する事業所には、社会福祉法人や医療法人、民間の会社などがあります。
社会福祉法人には、給料が低くても都道府県の公務員に準ずる給料体系をとっている場合があり、期末手当や福利厚生などが充実しているところもあります。
介護福祉士の年収は職場によって異なるので、事前にしっかり調べて職場を選ぶことはとても大切です。
(3)介護福祉士の年収の地域差
介護福祉士の年収は、勤務先の施設の所在する地域によっても異なります。
というのは、そもそも物価が違うからというのもありますが、介護報酬の制度により、介護サービスの単価=売上がそもそも地域によって差が設けられていることが理由です。
介護報酬の地域差に関しては、以下をクリックすると確認できます! |
厚生労働省が毎年行う、介護業界における待遇に関する調査『平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果』においては、地域別の介護福祉士の平均年収は公開されていません。
しかし、上記の理由もあり、介護福祉士の求人ぼしゅを見てみると、全体的に東京や大阪や神奈川や愛知など、人口の多い都府県で高めの傾向があります。
(4)介護福祉士の初任給
介護福祉士の職場には、入所施設や訪問サービスがあります。それぞれの勤務地によって初任給の金額が異なります。
福祉系の学校を卒業し、介護福祉士資格を取得した学生の大部分は、特別養護老人ホームや老人保健施設などの介護施設への就職を選択します。
一般的に、入所施設に正社員として就職した場合の初任給の平均は16~17万円。これに資格手当や夜勤手当等が加算され、おおよそ20万円前後となります。
一方で、訪問サービスの正社員の初任給は、男性が平均25万円、女性が平均18万円です。男性は20代と50代後半は20万円以下ですが、女性は年代による差はあまり大きくありません。
施設職員の多くが正社員であるのに対し、訪問サービスでは非常勤が多いです。これらの理由から、施設勤務のほうが訪問サービスに比べて給料がやや高めとなっています。
(5)昇進・昇給によってどのくらい介護福祉士の給与は変化するのか
介護福祉士の給与は、昇進や昇給によっても変化します。
介護福祉士の役職者の平均年収と平均月収と平均賞与額は、以下の通りです。
役職 | 平均年収 | 平均月収 | 平均賞与額 |
---|---|---|---|
主任 | 266.0万円 | 16.6万円 | 66.5万円 |
係長 | 331.1万円 | 20.7万円 | 82.8万円 |
課長 | 437.5万円 | 27.3万円 | 109.4万円 |
部長 | 483.6万円 | 30.2万円 | 120.9万円 |
役職が上がるにつれ、平均年収、平均月額給与、平均賞与額ともに増加しますが、一般企業に比べると、昇給制度による昇給幅はやや控えめとなっています。
(6)介護福祉士の手当について
資格手当や各種手当など
介護福祉士には資格手当が付くことが多く、若干、給与面で上乗せがあります。事業所にもよりますが、資格手当が毎月3000~10000円程度つくことがあります。
また、介護福祉士も労働者なので各種手当てを受けられます。
一般に所定休日や法定休日に出勤することを休日出勤や休日労働といいますが、法律上は法定休日に働くことを休日労働、法定休日以外の所定休日に働くことを時間外労働といいます。
割増賃金が支払われなくてはいけない手当種目は
- 時間外労働
- 休日労働
- 深夜労働
の3種類です。
割増賃金を含めた1時間当たりの賃金は、それぞれ通常の1時間当たりの賃金に対して、時間外労働では1.25倍、休日労働では1.35倍、深夜労働では1.25倍となります。
つまり、夜間に勤務した場合には夜勤手当が付き、休日に出勤した場合には休日割増や休日手当が付くということです。
介護職員処遇改善加算について
また、条件を満たした事業者に対しては、国からの介護職員処遇改善加算が月最大で80,000円給付されるようになりました。
この加算による手当の対象者は、介護福祉士としての経験が10年以上ある人となります。
この加算は、2019年10月から改正される介護報酬制度によって定められています。
これを皮切りに、介護福祉士をはじめとする、介護・福祉関係の国家資格を持つプロフェッショナル人材の待遇がよりよくなることが大いに期待されます。
2019年介護報酬改定について、より詳しい記事はこちら |
(7)介護福祉士として給与を上げるために
施設などで経験を積む
介護福祉士として経験を積み、勤続年数が長くなるとそれらに応じて基本給も上がっていきます。
また、介護主任や係長などの役職になれば役職手当がもらえるため、さらに給与は増えるでしょう。
一般的にはそのようにして給与は増えていきますが、その増加率や金額は、勤務している地域や所属している組織によって異なります。地域が都市部になるほど、また、組織が大規模になるほど、給与額が大きくなる傾向があるようです。
自分で開業をする
また、介護福祉士であれば、訪問事業所などを自分で開業することもできます。
人員要件や設備要件などを満たす必要がありますが、自分で施設を回すことができれば、収入も大きく上がることが見込めるでしょう。
(8)ケアマネージャーにステップアップする方法
介護支援専門員の資格取得が必要
介護福祉士は、より上位の資格である介護支援専門員(ケアマネージャー)の資格を取得すると、待遇面でステップアップする可能性があります。
厚生労働省の2017年度の介護従事者処遇状況等調査結果によれば、介護福祉士の平均給与額307,100円に対し、ケアマネージャーの平均給与額347,570円と、およそ4万円もの差があります。
ただし、ケアマネージャーは介護福祉士としても現場で働いていることがほとんどなため、ケアマネージャーの職務単独での年収を推定するのは困難です。
ケアマネジャーについて、より詳しい記事はこちら |
介護支援専門員の資格取得方法
介護支援専門員試験の受験資格は、介護福祉士資格を保有し、実務経験5年以上(かつ900日以上)です。
介護支援専門員実務研修受講試験に合格したうえで、計87時間の介護支援専門員実務者研修を受けたのち、都道府県に登録申請します。
なお、介護支援専門員証の有効期間は5年間であり、継続するには研修を受ける必要があります。
(9)求人を選ぶときのポイント
介護業界は慢性的な人手不足のため、介護福祉士は引く手あまたな状況です。
一般的に35歳を過ぎると転職しにくいといわれていますが、介護関連職は年齢問わず求人先が多く、求職すればすぐに職場は見つけることができます。
ただし、求職先によってその勤務条件はさまざまなため、注意が必要です。
求人を選ぶときの一般的なポイントとして、以下が挙げられます。
- 基本給の金額
- 賞与の有無や金額
- 昇給制度
- 資格取得補助や資格手当の有無や金額
- 交通費や家賃手当などの有無と金額
- 残業や休日・夜間出勤がどれくらいあるか
- その他福利厚生
上記の点に注意して、自分にあった勤務先を選びましょう。
(10)介護福祉士の平均年収は上がる可能性
現政権は「1億総活躍社会」をテーマに掲げ、「介護離職ゼロ」を目指しています。
2017年12月、社会保障を充実させるための政策が「新しい(2兆円の)経済政策パッケージ」として発表され、その中の1つに「介護人材の処遇改善」がありました。
その内容は、『介護サービス施設で働く勤続10年以上の介護福祉士について、月額平均8万円相当の処遇改善を行うことを算定根拠とし、公費1000億円を投じる』と閣議決定されました
介護職員の月給は全ての産業と比べると10万円ほど低いと言われおり、これを埋めていくための給与加算案でした。
この措置の実施予定時期は2019年10月からで、消費税の引き上げに伴って実施される予定です。これにより介護福祉士の年収の増加が期待されています。
介護福祉士の資格を取得した後は、その資格を十分に活かせる仕事を探してみるのもいいでしょう。資格を活かす仕事を探すには、求人サイトやハローワークなどを見る方法があります。
しかし、求人を見るだけでは、いい仕事が見つからない可能性もあります。そういった場合は、転職エージェントを利用してみるのもおすすめです。
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