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介護福祉士とは | 受験資格や試験内容、合格率などについて解説

就職・転職
介護福祉士とは、介護職員としての高い専門性・技術・知識を証明する国家資格のことです。介護福祉士を取得することで、待遇アップや幅広い業務への従事が見込める点などから、多くの介護職員が目指す資格といえます。本記事では、そんな介護福祉士について、受験資格や給料、試験の難易度などを詳しく説明していきます。
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(1)介護福祉士とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/407782

「介護福祉士」とは、介護・福祉分野の国家資格で、介護職員の高い技術や知識を持つことを証明する資格です。

社会福祉士及び介護福祉士法では、以下のように定義されています。

介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うこと

(引用:「社会福祉士及び介護福祉士法」)

実は、介護が必要な人や障害のある人の日常生活における介助を行う介護職員は、基本的に資格がなくてもある程度の仕事を行えるのです。

その中で、この介護福祉士という資格は、取得することで、介護職員としてより高い技術を身に着けているということを示すことができるうえ、介護の現場において、マネジメントも任されたり、その分待遇アップを見込めたりする点から、介護従事者の多くが取得を目指す国家資格なのです。

上位資格として、介護福祉士としてさらに高い専門性を持つとされる「認定介護福祉士」と呼ばれる資格も創設されています。

認定介護士について、介護福祉士との違いや待遇、資格取得の方法など、より詳しい記事はこちら

(2)介護福祉士の役割

介護福祉士の役割は食事や排せつ、入浴のお世話といった直接介護にとどまりません。介護者自身やその家族に対して自立支援のための介護技術や具体的な指導、介護に関するさまざまな相談も行います。

また、介護福祉士は介護現場で働くヘルパーに対する指導やアドバイスを行うことも求められます。

そして、福祉サービスが総合的で適切に提供されるように福祉サービス関係者や、医師や看護師との連携を図ることも重要な役割となっています。

(3)介護福祉士の仕事内容

介護福祉士の具体的な仕事内容には、

  • 身体介助
  • 生活援助
  • 介護の相談やアドバイス
  • 他の介護職員の管理・指導など

があります。

身体介助

まず、身体介助では、

  • 食事
  • 排泄
  • 着替え
  • 入浴
  • 歯磨き
  • 洗顔
  • 歩行や車いすでの移動

といった屋内外の日常生活動作のサポートをします。この身体介助は、病気や障害の内容に応じて慎重に行わなければなりません。

身体介助自体は、極端な話、無資格者でも行うことができるため、介護福祉士の資格取得後はこの業務を行う量は減り、他の管理・業務などに時間を割くようになるでしょう。

生活援助

生活援助は、

  • 食事の準備や洗濯
  • 部屋の掃除
  • 整理整頓
  • 買い物
  • その他

といった家事全般の介助を行います。この中には、余暇活動の充実を図るためのレクリエーション活動なども含まれます。

この生活援助という業務も、無資格者でもできる業務ですので、介護福祉士の資格取得後はメインの業務ではなくなる可能性が高い業務です。

介護の相談やアドバイス(生活相談員)

そして、介護の相談やアドバイスに関しては、

  • 食べ物を上手く噛めなかったり飲み込めなかったりといった人にも食べやすい介護食の作り方
  • ベッドから車いすへ乗り移るための介助方法
  • ポータブルトイレの使い方

などといった、介護をするご家族が知っていたほうがいいことに関して相談を受けることがメインとなります。

また、上記のような介助方法のみならず、どこの介護サービス事業所やなんの介護サービスを利用するのかといった点からも相談に乗ることもあります。

要は、介助者の身体の状態や家族への負担といったさまざまな点に配慮しながら、利用者とそのご家族の相談窓口となることもある、ということです。

介護福祉士などの資格を持つことでつくことのある職種「生活相談員」となると、上記の業務に加え、自治体や外部の医療機関とも連携をとることもあります。

生活相談員に関して、業務内容や給料、資格など、より詳しい記事はこちら

他の介護職員の管理・指導

先述したように、介護福祉士資格取得者は、介護業界において高い専門性を持った職員とみなされます。そのため、施設においても「チームリーダー」としての役割を求められることがあります。

介護業界は比較的人の出入りが激しい業界です。その中で、ほかの職員をしっかりと教育・管理していくことも大切な仕事のひとつです。

(4)介護福祉士の受験資格

介護福祉士の受験資格は3つのルートによってその条件がそれぞれ異なります。

実務経験ルート

まず、実務経験ルートでは、実務経験年数が3年以上あることが条件で、そのうえで介護職員実務者研修の受講が必要となります。

福祉系高校ルート

また、福祉系高校ルートの場合は、福祉系高校かあるいは福祉系特例高等学校を卒業することが条件です。ただし、これらの学校へ平成21年度以降に入学している場合は筆記試験のみで試験に合格できますが、平成20年度以前に入学していると筆記試験のほかに実技試験に合格する必要があります。

しかし、平成20年度以前に入学していても、「介護技術講習」を受講していれば実技試験は免除となります。

養成施設ルート

そして、養成施設ルートでは、介護福祉士養成施設を卒業することが必要ですが、事前に必要な資格はなく、福祉系大学や社会福祉士養成施設、保育士養成施設の卒業者であれば最短1年、普通科の高校卒業者なら最短2年で資格取得が可能です。

介護福祉士の受験資格に関して、それぞれのルートに関するより詳しい記事はこちら

(5)介護福祉士の試験内容と合格率

介護福祉士の試験の詳細について以下解説します。

試験概要

介護福祉士の国家試験では、筆記試験と実技試験のそれぞれで問題の総得点の60%程度で、問題の難易度によって補正された点数以上が合格基準となります。

試験内容

試験内容は筆記試験については配点1問1点で120満点であり、試験科目は以下の10科目です。

  • 人間の尊厳と自立
  • 介護の基本
  • 人間関係とコミュニケーション
  • コミュニケーション技術
  • 社会の理解
  • 生活支援技術
  • 介護過程
  • 発達と老化の理解
  • 認知症の理解
  • 障害の理解
  • こころとからだのしくみ
  • 医療的ケア
  • 総合問題

合格の難易度について

筆記試験を合格するには、すべての科目で得点がなくてはなりません。

また実技試験は介護等に関する専門的技能について課題が課せられます。試験範囲は広範ですが、国家試験の中では難関とまではいえず、しっかりと勉強しておけば合格も現実的です。

平成30年度の合格率が70%を超えていることから、難易度はそれほど高くないといえます。

(6)介護福祉士の資格を取るメリット

介護福祉士の資格を取ることには以下のようなメリットがあります。

待遇の改善につながる

ヘルパーとして仕事を勤務年数を積んでもなかなか待遇がよくならないという声はよく聞かれます。介護福祉士資格を取得することにより、待遇面での違いが生まれます。

出典・引用:厚生労働省『平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要』

たとえば、上の図を引用した、厚生労働省が毎年行っている介護業界における待遇に関する調査書『平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果』によると、無資格者と介護福祉士の間には5万円以上の差が生まれていることがわかります。

もちろん、平均勤続年数が異なることも影響しているため、介護福祉士の資格を取得したら5万円の昇給を全員が獲得できる、とは一概には言えませんが、実際に介護福祉士の資格を取得すると、月の給与がその月から10,000円以上アップしたというケースもあります。

介護福祉士の給料事情に関して、平均給料や給料を決める要素など、より詳しい記事はこちら

転職活動をスムーズに行いやすい

また、介副(=「介護福祉士資格」の略)持ちであることで、介護業界においての確たる経験と知識があるとみなされ、介護業界における転職活動もスムーズにいきやすいというのもメリットの一つです。

役職の幅が広がる

さらに、介護福祉サービスを提供する事業所においては、

  • サービス提供責任者
  • 生活相談員
  • 現場のチームリーダー

といった役職の配置が必要ですが、これを担うためには介護福祉士の資格が必要となります。

このように、介護福祉士は介護の現場においては常に必要とされる資格のため、就職や転職にも有利です。

このほか、介護福祉士は国家試験に合格し登録を行えば、全国一律で通用する国に認められた介護職員となり、更新の必要もありません。

これから目指し始めるのは介護福祉士と社会福祉士のどちらなのか、比較した記事はこちら

(7)介護福祉士の資格を取得するための3つのルート

介護福祉士になるためには国家試験に合格し、介護福祉士の国家資格を取得する必要がありますが、この方法には

  • 「実務経験ルート」
  • 「福祉系高校ルート」
  • 「養成施設ルート」

の3つのルートがあります。

まず、実務経験ルートでは、実際に介護業務の実務経験を積んだ上で国家試験を受験することで介護福祉士の資格取得を目指します。

次に福祉系高校ルートは、福祉系高校や福祉系特例高等学校を卒業したうえで国家試験を受験し、介護福祉士の資格取得を目指します。

そして、養成施設ルートでは、2017年1月実施試験までは、指定の介護福祉士養成施設を卒業すれば介護福祉士資格が取得できるものでした。

しかし2018年1月実施試験からは法律改正により、指定の介護福祉士養成施設を卒業した上で介護福祉士試験を受験しなくては介護福祉士の資格が取得できないという形式に変更されています。

(8)介護福祉士の「実務経験ルート」でのメリット

実務経験ルートは、無資格で働きながら国家試験を受験するもっとも一般的な資格取得方法だといえます。

というのも、その他の介護福祉士のルートからである2つのルートは、それぞれなにかしらの学校・養成施設に入学しなおす必要があるため、効率的に勉強はできるものの、時間も費用も掛かってしまうことがネックになるからです。

また、すでに介護現場で働いていて資格取得を目指すため、資格は業務と直結し、それ自体が資格取得のモチベーションとなります。

取得している資格にもよりますが、最短で約1か月半の実務者研修を受講し、実務経験が3年以上あれば介護福祉士試験の受験資格が得られます。このため、費用面でもほかの2つのルートと比較するとリーズナブルに介護福祉士の資格を取得することができます。

実務経験ルートに関しても、より詳しく説明した記事はこちら

(9)資格取得後、介護福祉士になる申請方法

国家試験に合格した後、介護福祉士として業務を行うためには介護福祉士登録申請が必要となります。

登録に必要な書類は以下の通りです。合格通知とともに登録の手引きが送られてくるので、必ず最新情報を確認してください。

  • 登録申請書
  • 登録免許税(収入印紙)
  • 振替払込受付証明書
  • 介護福祉士養成施設等の卒業(修了)証明書
  • 戸籍抄本、戸籍の個人事項証明書、本籍地を記載した住民票のうちいずれか1通

この際、登録免許税は9,000円、登録手数料は3,320円となります。

そして、通常1ヶ月から1ヶ月半程度で、試験センターで申請が受理されると、登録証が郵送で交付されます。このとき、介護福祉士として少しでも早く仕事を始めたいのであれば、試験合格通知証が届き次第速やかに手続きを済ませるとよいでしょう。

(10)介護福祉士の資格をとって介護の現場で活躍しよう

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/720358

介護福祉士は食事や入浴の時間だけでなく、介護者との会話の機会も多く、感謝の言葉をもらった時にはそれが次の仕事に臨む活力となるやりがいのある仕事です。

身体的にも精神的にも負担が少ないとはいえませんが、介護を必要としている人の生活や人生に寄り添う大きな役割があります。高齢化が顕著となり、今後ますます介護福祉士の需要が高まるのは間違いありません。

さまざまな介護職の中でも、リーダー的な存在としての活躍が期待されている介護福祉士の資格を目指してみてはいかがでしょうか。


資格を取得した後は、その資格を十分に活かせる仕事を探してみるのもいいでしょう。資格を活かす仕事を探すには、求人サイトやハローワークなどを見る方法があります。

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