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介護食の「とろみ」を徹底解説 | 付け方やとろみ剤の種類など

テクニック
介護食のとろみは、飲み込む力の弱い高齢者や嚥下障害のある人が薬や固形物を飲み込みやすくするため食べやすく調理したものです。高齢者の食事にとろみをつけることで、安心して食事を提供することができます。
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(1)介護食のとろみとは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2089733

高齢者になると噛む力や飲み込む力が衰えます。食べた物がいきなり喉の中に入ってくると、むせてしまったり気管に誤って詰まらせてしまい、誤嚥をすることがあるので注意をしなくてはいけません。

在宅で介護をする場合は、高齢者の噛む力や飲み込む力をチェックして、介護食を与える必要があります。

病院や施設の食事は、ふつう食、やわらか食、とろみ食があり、やわらかさは高齢者の噛む力や飲み込む力で違ってきます。

飲み込む力が弱い高齢者や嚥下障害がある人には、薬や固形物を飲み込みやすくするために、片栗粉や市販のとろみ剤でとろみをつけたり、ゼラチンを使いゼリー状にして、食べやすくして調理したものが、介護食のとろみです。

(2)なぜ介護食にとろみが必要なのか

高齢者や嚥下障害の人は嚥下反射のタイミングが遅いため、水分やキザミ食のように細かく分かれてしまうものは食べ物がバラバラになって気管に入りやすく、誤嚥につながります。

誤嚥を防ぐために介護食にはとろみが必要です。食べ物の液体に粘度をつけると喉に流れ込むスピードが遅くなり、食べ物がひとまとまりになって食道に流れやすくなります。

高齢者の介護食でとろみをつけると、気管への誤嚥を防止する効果が高くなります。介護食のとろみをつける調整は高齢者の誤嚥を防ぐことができ、高齢者に安心して食事を与える事ができます。

(3)とろみの種類

高齢者の介護食のとろみの種類には、薄いとろみ、濃いとろみがあり、性状の見た目や飲んだ時の違いがそれぞれあります。

学会分類では、薄いとろみ、中間とろみ、濃いとろみに分けられています。

薄いとろみ

スプーンを傾けるとスーッと流れ落ち、フォークの歯の間から素早く流れ落ちます。

飲んだとき飲み込みに大ききな力はかからず、ストローで飲めるほどのドリンクに違い状態です。

中間とろみ

スプーンを傾けるとトロトロと流れ、フォークの間からはゆっくりと流れていきます。

飲んだときストローで飲むのには抵抗があり、舌の上でまとめやすく、とろみがあることを感じやすい。

濃いとろみ

スプーンを傾けても、形状が保たれて流れにくく、フォークの間から流れてきません。

飲んだときはっきりととろみがついていて、まとまりが良く、飲みこむとき送りこむのに力が必要です。ストローで吸うのは困難になります。

(4)とろみ剤が必要な対象者

高齢者になると加齢に伴って食べることや飲み込むことの筋力が衰え、食べ物を口の中で噛み砕くことができなくなります。鼻腔内へ食べ物が入りこんでしまうこともあり、嚥下障害が起きる可能性があります。

口内炎や扁桃炎などの喉の腫れや舌ガンでも嚥下が困難になる場合があり、他にも運動障害をもつ人や脳卒中の後遺症になると摂食嚥下障害を起こし、うまく食べ物を飲んだり食べたりできなくなってしまいます。

これらのように、摂食嚥下障害を患うと食べ物が喉に詰まって息ができなくなるなどの危険があるので、食事を工夫する必要があります。工夫の仕方は、あまり噛まなくても飲み込める状態にし、重度の人には飲料や汁物に市販のとろみ剤でポタージュ状やヨーグルト状にとろみをつける必要があります。

(5)とろみ剤の選び方

高齢者の介護食に基本となっているのがとろみ剤です。とろみ剤は粉末状の食品で、温度に関係なくとろみをつける事ができます。

とろみ剤は大きく分けて3種類あり、

  • デンプン系
  • グアガム系
  • キサンタンガム系

があり、それぞれに特徴ががあります。

デンプン系は粘度がつくのが早く、臭いが変わりやすいです。

グアガム系は、温度によって粘度が変わる、使用量によって付着性が増します。

キサンタンガム系は、付着性が少なく、味・臭い・経時変化が少なくなっています。とろみ剤を選ぶ時は、次の3点に注意しましょう。

  • 溶けやすく、ダマになりにくいもの
  • ベタベタしないもの
  • とろみの加減がしやすく、とろみを緩くしたり固くしたり調整がしやすいもの

素材の色や味や香りを阻害せず、温度に影響されにくいものを選ぶのがポイントになります。

(6)とろみ剤の使い方

介護の現場では効率よく安全な介助が必要で、高齢者の介護食には飲み物などに粘度をつけるためにとろみ剤を使う事が一般的です。自宅で介護する場合や、介護の現場で働く人のたちはとろみ剤をうまく使う方法をしっかりと理解しておくようにします。

とろみ剤はひと手間が特に大事です。とろみ剤の使い方の基本は的な手順を説明していきます。

  1. まず、飲み物や液状の食品をコップに入れ、とろみ剤を入れます。
  2. 食品を入れたらすぐに、小型泡立て器でしっかりと30秒はしっかりとかき混ぜます。
  3. かき混ぜた後は、約2、3分ほどとろみがしっかり安定するまで待ちます。
  4. 食品の種類や温度によってとろみの状態が変わるので、とろみがついたかどうか最後に確認をします。

以上がとろみ剤の基本的な使い方になります。

(7)とろみ剤のメリット・デメリット

介護の現場の介護食で必ず使われているのがとろみ剤ですが、とろみ剤は、使われている主原料により使用感が違い、主原料は3つに分けられています。それぞれの主原料の特徴から、介護食で使う時のメリットデミリットがあります。

デンプン・デキストリン

メリット

  • 主原料がデンプン
  • 比較的短時間でてきる
  • 食事の味が変わらない
  • カロリー摂取ができる
  • カリウム値が低い

デメリット

  • ダマになりやすく、とろみをつけるのに多くの量が必要
  • 唾液の影響でとろみが緩みやすいため、介護の現場では使うことはほとんどない

グアーガム

メリット

  • デンプンやデキストリンより、ダマができにくくとろみが安定している
  • 少量でとろみがつきやすい

デメリット

  • 口の中でまとまり具合が悪く、飲み物への白濁やベタつきがある
  • 時間が経ったり、温度が変化したりすると粘度の発現がばらつく

キサンタンガム・デキストリン

メリット

  • とろみがつくまでの時間が早い
  • 長い時間おいてもとろみが安定している
  • 味やニオイ、色が全くない

(8)とろみ剤使用にあたっての注意

とろみ剤は多くの種類が市販で販売されていますが、とろみ剤を使用するときには注意することがあります。

とろみ剤が違えば同じ粘度を付与する為に必要なとろみ剤の量が違うので、特徴を知り介護の専門家に選んでもらうと良いでしょう。

種類がたくさんあるとろみ剤は、一つ一つの調整食品のとろみの強さに違いがあるので、とろみ剤を使用するときは、とろみの強さが極端に変わっていないか、とろみデータ表で確認してからの使用をおすすめします。

(9)とろみを嫌がる高齢者への工夫

高齢者や病気を持つ人で嚥下障害がある人の介護食には、とろみをつけた食事が多いのですが、高齢者の中にはとろみをつけた食事を嫌がる人も多くいます。

とろみをつけると食感が変わってしまうため、とろみのある食事を苦手に感じてしますようです。

とろみが苦手な人でも甘いものは好きな人が多いので、水分はポカリやジュースなどにし、甘いものでの摂取が難しい人にはゼリーにするなど工夫が必要です。

とろみが必要な人には、なぜとろみの介護食が必要なのか、いつまで必要かしっかりと説明をしていく事が大事です。

(10)とろみを上手く利用して安全に食事を取ろう

出典:https://www.photo-ac.com/

年齢を重ねると人は必ず身体のあちこちの機能が低下していき、食事の機能のにも影響していきます。

うまく食事が取れなくなっていくので、高齢者に美味しく安全に食べてもらうにはとろみを上手く利用して、食べやすい介護食を作りましょう。

液体には片栗粉やとろみをつけるとろみ剤を混ぜて、咳き込みを予防します。食事は生きる活力を作ってくれるので、食欲をそそり美味しそうな料理にする事も大切です。とろみをつけた介護食であっても、盛り付けや味付けなどに工夫をし、高齢者に美味しく安全に食事を提供できるように取り組んでいきましょう。


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