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病院の福祉相談窓口になる医療ソーシャルワーカーとは | 仕事内容、資格、給料など

就職・転職
医療ソーシャルワーカーとは、施設内の患者やその家族のさまざまな悩み事や相談に対して、アドバイスや支援を行う職業です。医療ソーシャルワーカーになるための必要な資格はありませんが、採用条件に社会福祉士あるいは精神保健福祉士の資格を持つことが求められることが少なくありません。ここでは、医療ソーシャルワーカーに関する一通りの情報が書かれています。
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(1)医療ソーシャルワーカーとは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/7517

ソーシャルワーカーは、社会福祉におけるさまざまな悩み事や相談に対して、アドバイスや支援を行う職業です。その中でも、特に病院などの医療機関で働くソーシャルワーカーを医療ソーシャルワーカーといいます。

英語で「Medical Social Worker」ということから、「MSW」とも略されます。医療ソーシャルワーカーという名称は、法律で定められたものではないので、医療機関によっては

  • 医療福祉相談員
  • 医療社会事業司

など、さまざまな名称で呼ばれています。

どのような相談をうけるのか

医療ソーシャルワーカーが受ける相談として、以下のような例があります。

  • 突然入院することになったが、入院費や治療費が支払えるか心配
  • 病気の後遺症で身体麻痺になり、仕事復帰について相談したい
  • 入院を勧められてるが、子どもがいるため入院できない

このように、治療内容に関することだけでなく、退院後の生活や経済的な問題についての相談を受けます。

医療ソーシャルワーカーの仕事内容は、厚生労働省がまとめた『医療ソーシャルワーカー業務指針』によって、次の6つの範囲に定められています。

  • 療養中の心理的・社会的問題の解決、調整援助
  • 退院援助
  • 社会復帰援助
  • 受診・受療援助
  • 経済的問題の解決、調整援助
  • 地域活動

たとえば、受診時や入院時においては、医療を受けるのに必要な費用、さまざまな手続きのサポート、有利な制度についての案内などを行います。

治療中にも、今後の先行きや見通しについて、心の整理も含めて相談に乗ります。

退院するとき、休業や職場復帰時には、荷物や心の準備について手伝いをします。もし障害が残るようなケースであれば、退院後の介護やリハビリテーションを提供する施設の紹介なども行います。

地域活動では、保健所や市町村などと連携を取り、患者会や家族会の開催、ボランティアの支援などを行います。そのようなネットワークの形成も、医療ソーシャルワーカーにとっては大切な業務です。

それだけでなく、退院後の生活や経済的な相談の窓口となるのが医療ソーシャルワーカーです。病院だけでなく、福祉機関や行政との橋渡し役として支援を行います。

(参考:厚生労働省「医療ソーシャルワーカー業務指針」

(2)医療ソーシャルワーカーの仕事内容

医療ソーシャルワーカーの役割

医療ソーシャルワーカーにとって最も重要な役割が二つあります。詳しく見ていきましょう。

通訳的役割

医療ソーシャルワーカーの果たす役割は、おもに医師や看護師などのスタッフと、患者や家族との間でコミュニケーションを円滑にすることです。そのような「通訳的役割」が、第一にもとめられます。

特に医療の悩みともなると、いったいどのスタッフにどの内容を相談するのが適当なのか分からない、といったケースも数多く聞かれます。そのようなときに、すべての窓口となるべきなのが、医療ソーシャルワーカーのつとめなのです。

患者や家族側の気持ちをよく理解して、それを的確に伝え、どのような援助をするべきかほかの医療スタッフとともに決めていきます。

権利擁護的役割

病院には児童虐待や高齢者虐待、DVなどの被害者が運ばれるケースも多くあります。そのときに、患者の基本的人権を守るための対応を取るのも、医療ソーシャルワーカーが果たすべきつとめのひとつです。これを、「権利擁護的役割」といいます。

具体的な仕事内容

医療ソーシャルワーカーの具体的な仕事内容やタスクは以下のようになっています。

  • 患者や家族からの相談をうけ、問題点を把握する。
  • 医療スタッフと連絡を取り、相互のコミュニケーションを促進する。
  • 患者や家族に地域の公的窓口や医療・福祉機関を紹介し、助言する。
  • 支援計画に基づき、患者の生活面や医療費に関する助言をする。
  • 患者さんの支援に関する情報収集や情報提供をする。

患者本人だけでなく、家族に対しての支援を行うことも少なくありません。退院してからも継続的に生活援助に関わることもあります。

(参考:厚生労働省「職業情報提供サイト 医療ソーシャルワーカー」

(3)医療ソーシャルワーカーに資格は必要?

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1051832

ほどんどの医療機関が資格保有を条件にしている

医療ソーシャルワーカー独自の資格や必要な資格は規定されてません。しかし、ほとんどの医療機関が資格保有を条件にしています。国家資格である精神保健福祉士や社会福祉士を採用条件にしている場合が多いです。

医療法が改正され、専門的な支援が求められていることや医療ソーシャルワーカーの意義が高まっているため、資格の保有は必須といえるかもしれません。

医療ソーシャルワーカーになるには

医療ソーシャルワーカーになるには、大学や短大、専門学校で福祉を学び、所定の科目を修めたうえで国家試験に合格し、資格を取得することが一般的です。

国や自治体の相談機関で働く場合は、公務員試験に合格することも必須です。

(4)医療ソーシャルワーカーの働き方

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1997119

医療ソーシャルワーカーがどのような場所で働いていて、勤務時間はどの程度なのかを詳しく見ていきましょう。

活躍する場所

医療ソーシャルワーカーは、おもに病院や保健所などの保険医療機関で働いています。そのなかで、

  • 相談支援センター
  • 医療相談室

といった部署に配置されることになります。

ほかにも、

  • 介護老人保健施設
  • 高齢者福祉施設
  • 学校
  • 行政機関
  • 民間企業

で働く医療ソーシャルワーカーもいます。保健所につとめている場合は、病院側からの依頼によって派遣されることもあります。

労働時間や休日の有無

厚生労働省の発表によると、医療ソーシャルワーカーの平均労働時間は161時間となっています。全業種の平均労働時間から考えても長くはなく、労働環境は良いといえるかもしれません。

治療にあたるわけではないので、基本的に夜勤はありません。常勤では、だいたい朝から夕方まで8時間程度の勤務となります。ただし、リハビリテーションや介護を行う施設では、当直となることもあります。急な相談や対応で時間が遅れれば、残業になることもあります。

完全週休2日制で、年末年始や夏季休暇、有給休暇などもあるのが普通です。ただし、地域包括支援センターのように土曜日でも窓口を開いている場合は、交代で土曜日も出勤します。また、休日に患者会や家族会が開催されれば、それにも出席しなければいけません。

国立病院で働く場合は公務員となるため、同じ自治体のなかで異動が行われることもあります。

(5)医療ソーシャルワーカーの給料

出典:https://www.photo-ac.com/

平均年収は300~400万円

医療ソーシャルワーカーの給料は、勤務先や勤続年数によっても大きく代わります。

平均では、初任給で20万円前後。年収にすると、350万円前後となるのが一般的のようです。全体の平均年収は約390万円ほどです。

公務員・民間であってもあまり差はない

公務員としてはたらく場合には、地方自治体の公務員給与の規程どおりとなります。大手の民間施設でも、その金額に合わせるところが多くなっています。そのため、公務員であっても民間であっても給料に大きな差が出ないのが現状です。

(参考:厚生労働省「職業情報提供サイト 医療ソーシャルワーカー」

(6)医療ソーシャルワーカーの求人は多い?就業・転職するには?

医療ソーシャルワーカーの活躍の場は、少しずつ広がってきています。従来の医療機関だけではなく、老人保健施設や在宅介護支援センターなどの介護施設にも配置されることが増えています。

一方で医療ソーシャルワーカーが配置されていない施設もあります。そのため、医療ソーシャルワーカーのニーズは高まっているといえます。

新卒で医療ソーシャルワーカーになるには

大学や専門学校等を卒業して、新卒で医療ソーシャルワーカーになる場合はまずは求人情報を確認します。求人の時期は「4年生の夏まで」などと決まった時期がありません。

前職者の退職に伴って人員を補充する場合は6月や1・2月、増員で募集する場合は、11月~3月に求人が出てくることが多いです。

新卒の場合、国家試験を受ける前に内定が出る場合もあります。その場合は資格取得が条件に挙げられることがほとんどですので、しっかりと勉強して合格しなくてはなりません。

医療ソーシャルワーカーに転職するには

医療ソーシャルワーカーに転職する場合、資格がない方はまずは国家資格を取得することが必要でしょう。合格者の大半は大学生の現役受験者なので、しっかりと国家資格に合格できるかが大きなカギとなります。

実務経験の有無が資格取得条件に関わってきますので、どのルートで国家資格を取得するのか確認しておく必要があります。

求人情報を得るには

医療ソーシャルワーカーの求人情報は、求人サイトのほか、日本社会福祉協会のHPや地域の医療ソーシャルワーカー協会のHPに掲載されています。

また、病院のHPから求人を確認することもできます。

(7)医療ソーシャルワーカーとして働こう

医療ソーシャルワーカーは、多くの人々と様々な関わりを持つ職業です。

その出会いのなかで、さまざまな価値観に触れ、また病気とともにポジティブに生きていく人たちの姿からは多くのことが学べるでしょう。

何より、利用者の悩み事や不安を解決して喜んでもらえたときには、ほかの仕事では得られないような充実感が得られます。

給料などの待遇面ではけっしてすぐれているわけではありません。しかし、それ以上のやりがいをもとめている人には、ぜひ目ざしてほしい職業のひとつです。


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