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オンライン診療料とは | 算定要件や注意点【2018年度版】

在宅介護サービス
2018年度診療報酬改定から、新しく診療報酬の評価が変更されオンライン診療料が新設され、利便性向上や医療格差の解消が期待されています。ただ、実施にあたっては条件が設けられており、医師だけでなく利用者側でもある程度体系を理解しておく必要があります。では、オンライン診療料はどの様なものになっているのでしょうか。
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(1)オンライン診療料はいくら?【2018年度改定】

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1882839

2018年度診療報酬改定から、新しく診療報酬の評価が変更されオンライン診療料が新設されました。

オンライン診療は医師と患者の距離の解消だけでなく、診療に伴う「時間」の制約を解消する新しい選択肢とし提示され、対面診療との組み合わせによって質・受診のしやすさを向上させることが期待されています。

新設されたものとしては、「オンライン診療料」、「オンライン医学管理料」、「在宅時医学総合管理料 オンライン在宅管理料」、「精神科在宅患者支援管理料  精神科オンライン在宅管理料」で、点数は以下の通りとなっています。

新設されたオンライン診療料の点数

オンライン診療料 70点
オンライン医学管理料 100点
在宅時医学総合管理科 オンライン在宅管理科 100点
精神科在宅患者支援管理科 精神科オンライン在宅管理科 100点

※それぞれ1カ月の点数

なお、オンライン診療を実施するにあたっては、対面診療を原則とすることが強調され、オンライン診療料算定の対象は、初診から6カ月以上経過している患者で、同一の医師が毎月対面診療を行っている場合のみとなっています。

また、施設基準も設けられ、緊急時に30分以内程度で診察出来る体制の完備、1カ月あたりのオンライン診療料の割合が再診料と合計して1割以下であること等もオンライン診療料を算定する条件となっています。

更に今回の診療報酬改定では、オンライン診療料として適用されていた「電話等再診」も見直されており、患者から意見を求められた場合は算定が可能です。しかし、定期的な医学管理を目的としている場合は、オンライン診療料が算定できなくなっています。

その他にも、オンライン診療料と関わるものとしては、「在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料 遠隔モニタリング加算」(在宅患者持続陽圧人工呼吸療法)、「在宅患者酸素療法指導管理料 遠隔モニタリング加算」(在宅患者酸素療法)がそれぞれ1カ月につき150点新設されています。

オンライン診療のガイドラインについてはこちら

【保存版】オンライン診療のガイドラインで注意すべき6つのポイント

(2)オンライン診療料の算定要件

オンライン診療料を算定する条件は、以下の通りになっています。

  • ビデオ通話での利用が必須
  • 連続して3ヶ月間の利用はオンライン診療料の算定は出来ない(連続する3ヶ月間中に対面診療を1度もしない事も同様)
  • 診療計画作成の際には、患者の容態急変時の対応の記載が必要になる
  • カルテ記載の際は、診療内容・日時の記載が必須
  • オンライン診療を実施する際には、クリニック内で行う(クリニック外は不可)
  • 予約を行った際に「予約料」の請求不可
  • オンライン診療実施の際に利用する通信機器運用費(情報通信機器の運用に要する費用)を、「サービス等の費用」として請求可能
  • 診療報酬明細書にオンライン診療料の算定を始めた「年月」の記載が必要
  • オンライン診療の実施に伴い各厚生局へ届け出を行うこと
  • 対面診療を一定期間に継続して行うこと(オンライン診療料対象管理料等の算定を開始してから6ヶ月間、同一の医師が患者に対して毎月対面診療を行うこと。もしくは、オンライン診療料対象管理料等の算定を開始してから6ヶ月以上経過しているときは、直近12ヶ月間に6回以上同一の医師が患者に対して対面診療こと。)

(3)オンライン診療料が算定可能な科目

オンライン診療料、医学管理料が算定可能な患者は、下記のものになります。

  • 特定疾患療養管理料
  • 小児科療養指導料
  • てんかん指導料
  • 難病外来指導管理料
  • 糖尿病透析予防指導管理料
  • 地域包括診療料
  • 認知症地域包括診療料
  • 生活習慣病管理料

なお、オンライン診療料を算定する場合、いずれも初診以外で6月以上経過した患者が対象になります。また、それぞれの診療内容は以下の通りです。

特定疾患療養管理料

生活習慣病(糖尿病や高血圧等)と言った慢性疾患に対して、その地域のプライマリケア機能を担当する医師による計画の管理の元療養を評価します。治療計画については、服薬、運動、栄養等で、その管理を実施した場合に月2回算定することが出来ます。

また、施設条件があり、診療所、100床未満の病院、200床未満の病院、それぞれ点数が異なっており、施設の規模が小さくなると点数が高くなります。

小児科療養指導料

小児科が専任の医師が作成する治療計画に基づき、療養上の指導をした場合に限り算定可能です。

なお、治療計画を作成する医師に関しては、他の診療科を兼務している場合は算定不可ですが、アレルギー科については除外されます。

てんかん指導料

小児科、神経科、神経内科、精神科、脳神経外科、心療内科それぞれの担当医が、外傷性を含むてんかん患者に対して治療計画に基づいて療養上必要な指導を行います。(算定は月1回)

難病外来指導管理料

厚生労働大臣が難病と定める疾患を患っており、かつ入院していない患者が対象で、継続的に計画的な医学管理を行いつつ、治療計画に基づいた療養上必要な指導を行います。(算定は月1回)

糖尿病透析予防指導管理料

HbA1cがJDS値で6.1%以上(NGSP値で6.5%以上)、若しくは内服薬やインスリンを使用している糖尿病の患者が対象で、医師の判断により透析予防に関する指導の必要性が認められた患者に対して、医師及び看護師、保健師及、管理栄養士等が必要な指導を行います。(算定は月1回、ただし既に透析療法を行っている場合は除外)

地域包括診療料

脂質異常症、高血圧症、糖尿病、認知症の内、2つ以上を疾患している患者(入院している場合は除く)に対して、患者の同意の元療養上必要な指導及び診療を行います。

なお、算定には施設基準が設けられており、別に厚生労働大臣が定める施設基準をクリアし、地方厚生局長等に届け出を行った保険医療機関(許可病床数が200床未満の病院若しくは診療所であること)となっています。(算定は月1回)

認知症地域包括診療料

認知症と1つ以上の疾病を持っている患者を対象とし、主治医機能を有する医師が処方薬の減量などと言った療養上の指導や診療を行います。地域包括診療料は既に存在していますが、認知症に特化した居続けとなっており、医療機関は同診療料の届け出を行っている必要があります。

届け出に関しては、「地域包括診療料1」若しくは「地域包括診療料2」の届出を行っていれば算定可能で、「認知症地域包括診療料1・2」等の届け出を地方厚生局長にする必要はありません。

生活習慣病管理料

脂質異常症、高血圧症、糖尿病のいずれかを主病とする患者(入院患者は除く)を対象とし、患者の同意のもと治療計画を作成して、総合的に生活習慣の治療管理を行います。なお、該当施設は別に厚生労働大臣が定める基準をクリアする保険医療機関となっています。(算定は月1回)

在宅時医学総合管理料

寝たきり若しくは通院が困難な患者を対象とし、患者の同意のもと治療計画を作成して、定期的な訪問診療を行います。

精神科在宅患者支援管理料

患者の同意のもと治療計画を作成して、ビデオ通話が可能な情報通信機器を用いて医学管理を行います。

なお、ビデオ通話は訪問診療を行った日以外に行い、連続する3月は算定が行えないようになっています。

対象となる管理料の初診から6ヶ月中は同一の医師がオンライン診察を行い、かつ毎月訪問診療が必要となります。また、オンライン診察を実施した場合、往診料や在宅患者訪問診療料を算定できないなどの諸条件が設けられています。

(4)対面診療料との違い

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1352623

オンライン診療料と対面診療料との大きな違いは、経済的な負担が軽減される点が挙げられます。

例えば、何らかの疾患を持って診療を受けると、初診料、再診料、外来診療料等が加算され、その他明細発行体制加算、処方せん料、該当する疾患に関する管理料・管理加算が行われます。

この内、該当する疾患の如何に関わらず、初診料、再診料、外来診療料が加算されますが、オンライン診療(70点)を利用した場合、再診料(72点)、外来診療料(73点)よりも算定する点数が低いので、お得に診療を受けることが出来ます

また、算定される点数とは別にして、交通費や時間の節約にもなるので、診療のハードルが下がることもメリットとなっています。

なお、オンライン診療料が算定される基準として、初診から6ヶ月連続して対面診療が必要で、オンライン診療を連続して3ヶ月算定(2ヶ月が限度)することは出来ません。また、初診料、再診料、外来診療料に関しては、以下の通りです。

初診料 点数:282点

初めて診察が行われた日に算定されます。なお、同じ医療機関において、同日中に他の疾患に関して初診を受けた場合は、2つ目の診療科に限り141点を算定します。

再診料 点数:72点

一定の施設基準をクリアした医療機関(診療所、一般病床200床未満の病院)で、初診以外の診療が行われた際に算定されます。なお、同じ医療機関において、同日中に他の疾患に関して再診を受けた場合は、2つ目の診療科に限り36点を算定します。

外来診療料 点数:73点

一般病床が200床以上の病院で再診を行う場合は、再診料の代わりに外来診療料が算定されます。なお、同じ医療機関において、同日中に他の疾患に関して再診を受けた場合は、2つ目の診療科に限り36点を算定します。

(5)診療報酬点数の計算方法

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/314702

オンライン診療料等を含む医療行為などにおいては、定められた診療報酬点数に基づいて医療費が請求されます。診療報酬点数は、治療の内容、病院の規模、入院日数などによって決まり、それらが合算され1点あたり10円を乗じて総額が算出されます。

例えば、診療報酬点数が合算されて30,000点の場合、総額は30,000点×10円=300,000円となります。

しかし、この数字は保険適用分の医療費となっており、公的な医療保険制度が適用されると医療費の負担は30%(70歳未満)となるので、実際に支払う医療費の総額は90,000円となります。なお、高額療養費制度が適用されれば、年収の状況によって更に割引される事があります。

(6)オンライン診療の注意点① 基本は対面診療

オンライン診療は、基本は対面診療が主軸となっており、あくまで対面診療を補完するものとなっています。事実、オンライン診療の基本理念として、医師・患者間で直接的な関係が構築されている事、対面診療に代替しうるだけの情報(患者の心身状態など)を得られる時にだけ実施可能になっています。

ただし、初診から6ヶ月連続して対面診療が必要で、オンライン診療を連続して3ヶ月算定(2ヶ月が限度)することは出来ませんが、緊急性や必要性がある場合は、初診でもオンライン診療が可能です(事後に対面診療が求められる)。

また、推奨されていないものの、禁煙外来等ではオンライン診療のみが例外的に許容されることもあります。

いずれにしても、オンライン診療は「基本的に」対面診療が主軸となっていますが、疾病によっては柔軟性を持たせているケースもあるので、医師・患者の利便性向上を図る事を目的としていることが伺えます。

(7)オンライン診療の注意点② 本人認証が必須

前段の通り、オンライン診療を実施するにあたっては、医師・患者間で直接的な関係が構築されている事が求められます。しかし、現在導入されているオンライン診療に関わる情報機器では、双方の本人確認方法が確立されていない部分があります。

そのため、実施にあたっては本人確認を行う必要があります。

また、本人確認を実施する際には、医師・患者双方でしっかりと行う必要があり、それらを実施しない場合犯罪に使われる事も指摘されているので、確実本人確認が求められます。なお、オンライン診療を実施する際の本人確認方法としては、医師側と患者側で以下の様な事が活用されています。

医師側の本人確認方法

医師が本人であることをします為に、「医師免許証」、「HPKIカード(医師資格証)」を提示する。

患者側の本人確認方法

患者が本人であることをします為に、「健康保険被保険者証(保険証)」、「運転免許証」を提示する。

(8)オンライン診療のメリット

オンライン診療の最大のメリットは、受診するために病院に赴く時間・交通費を削れる点にあります。例えば、診療時間は10分程度で終了しても、通院するための時間・待ち時間を含めると、半日程度潰れてしまうことも珍しくありませんが、オンライン診療の場合そういった時間的なロスを無くす事も可能になります。

また、昨今の医師不足による地域間における医療格差の解消になることも期待されています。その他、患者側でのメリットとしては以下の様なものが考えられます。

患者側のメリット

  • 通院時間や待ち時間の解消
  • 交通費の削減 
  • 医療格差の解消
  • 拘束時間が短く、体調の如何に関わらず利用できるので受診を継続しやすい(同一医師と長く付き合える、病気の悪化防止など)
  • 付き添いが不要
  • 待合室で何らかの病気に感染するリスク防止
  • オンライン診療料は再診料、外来診療料よりも診療点数が低く経済的負担軽減に繋がる

(9)オンライン診療のデメリット

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2328428

前述した通りオンライン診療では、初診での実施や継続して2ヶ月実施する事が出来ません。患者本人のみでなく、触診ができない、顔色などが画質に左右されるなど医師側のデメリットもあるので、最悪の場合誤診につながりやすい事も指摘されています。

そのため、オンライン診療をするにあたっては、対面診療をはさみつつ、その際のデータや患者本人の記録等を管理し、オンライン診療に上手く活用することが求められます。また、その他にも、患者側・医師側にとって以下の様なデメリットが考えられます。

患者側のデメリット

  • 初診での実施は不可(例外あり)
  • 緊急時は対面診療が求められる
  • 直ぐに受診が実施されない
  • 通信機器の制約によって療中以外の箇所を見てもらいにくい
  • 通信機器の操作が不可欠なので、高齢者等は支援が必要
  • 院外処方で薬を処方している場合、処方箋は後日受け取り薬局に行くので手間が掛かる

医師側のデメリット

  • 全身を見ることが出来ない他、触診や匂いを確認できない
  • 直ぐに検査が実施出来ない
  • 対面診療の方が患者を多く見ることが出来る
  • 診療報酬がやや低く、手続きが面倒

(10)オンライン診療料の体系を理解しよう

医師不足の医療格差、超高齢化社会によるさらなる現状の悪化に対応するための一つの方策として、オンライン診療には期待がされています。事実、医療戦略特区制度を活用したモデル事業が開始されており、オンライン診療の可能性が模索されています。

また、今後は医療行為のみならず、健康管理・増進の運用も考えられているので、今後より身近なものとなることが見込まれています。

そのためにも、オンライン診療料の体系を理解し、積極的に利用してニーズを高めて地域医療の拡充の為の一助にしてみては如何でしょうか。

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