介護に関わるすべての人を応援します

地域支援事業を使って介護予防を | 4つの取組、対象者、利用方法

在宅介護サービス
地域支援事業は、住み慣れた地域で介護予防に努め、本人らしく元気に生活できることを目的として2006年4月の制度改正時に創設されました。さらに2014年の制度改正があり、一定期間の経過措置を経て、2019年よりすべての市町村が実施主体として地域支援事業が取り組まれるようになりました。新しくなった地域支援事業はどのような取り組みがされているのか、利用対象者、利用方法などを詳しく説明していきます。
公開日
更新日

(1)地域支援事業とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/497273

地域支援事業とは、住み慣れた地域で介護を予防しながら、本人らしく生活していくことを目的とした事業です。

具体的には、以下3つの事業を中心に地域支援事業が行われています。

  • 総合事業
  • 包括的支援事業
  • 任意事業

超高齢化社会に突入する日本では今後、高齢者の尊厳を尊重したこのようなサービスはますます必要となってくるでしょう。

高齢者を支援する地域支援事業の内容、また利用対象者、利用の手順などを説明していきます。自分の両親また、自分自身も利用する可能性がある地域支援事業について理解を深めていきましょう。

(2)地域支援事業の改正ポイント

2014年の介護保険制度改正において、2015年4月から施行される地域支援事業では以下の内容が変更・拡充されました。

  • 介護予防事業の一次と二次として区分されていた地域支援事業が、総合事業の介護予防・生活支援サービス事業と一般介護予防事業に変更される。
  • 包括的支援事業では、地域包括支援センターによって介護予防ケアマネジメント、総合相談支援業務、権利擁護業務、ケアマネジメント支援に加えて地域ケア会議を充実させるため、通知での位置づけから介護保険法の制度として位置づけられる。
  • 包括的支援事業の中で在宅医療・介護の連携推進事業、認知症施策の推進事業、生活支援サービスの基盤整備事業が加わる。

(3)地域支援事業の対象者

対象者は大きく2つにわかれます。

①要介護認定を受けた/基本チェックリストでサービス事業対象者となった

地域支援事業の中の介護予防・生活支援サービス事業の場合、介護保険の要支援認定を受けた人、または、基本チェックリストで判断された介護予防・生活支援サービス事業対象者となった人が対象となります。

②すべての高齢者

地域支援事業の中の介護を予防するための運動教室など一般介護予防事業の場合、介護保険や基本チェックリストに関係なく、すべての高齢者が対象者になります。

(4)地域支援事業の内容① 介護予防・生活支援サービス事業

地域支援事業の1つに介護予防・生活支援サービス事業があります。これは新たに実践される介護予防・生活支援を必要とする高齢者のための事業になります。まずはじめに介護予防事業について説明していきます。

介護予防事業はさらに訪問・通所型サービスに分けられます。それぞれ一つずつ見ていきましょう。

介護予防事業

訪問型サービス

訪問型サービスでは、予防給付の基準を基本とした現行の訪問介護のほか、多様なサービスによって提供されています。既存のサービスに加えて、NPO、協同組合、民間企業、ボランティアなどがサービスの担い手となります。

訪問介護

予防給付の基準を基本として、訪問介護職員による身体介護や生活援助のサービスを提供

訪問型サービスA

緩和した基準によるサービスのため、生活援助などを中心としてサービスを提供

訪問型サービスB

住民主体による支援のため、住民主体の自主活動として行う生活援助などを中心としてサービスを提供

訪問型サービスC

短期集中予防サービスのため、市町村の保健・医療の専門職による居宅での相談指導などのサービスを提供

訪問型サービスD

移送支援の際、訪問型サービスBに準じて、移送前後の生活支援サービスを提供

通所型サービス

訪問型サービスと同様に、介護保険予防給付の基準を基本とした現行の通所介護のほか、多様なサービスによって提供されます。多様なサービスでは、既存のサービスに加えて、NPO、協同組合、民間企業、ボランティアなどがサービスの担い手となります。

通所介護

予防給付の基準を基本として、通所介護と同様のサービスを提供や生活機能の向上のための機能訓練を実施

通所型サービスA

緩和した基準によるサービスのため、ミニデイサービスや運動、レクリエーションなどを提供

通所型サービスB

住民主体による支援のため、体操、健康体操などの活動、自主的な通いの場などを提供

通所型サービスC

短期集中予防サービスのため、市町村の保険・医療の専門職によって、生活機能を改善するための運動器の機能向上や栄養改善などのプログラムを3~6カ月の短期間で実施

生活支援サービス事業

生活支援サービス事業には次の3つのサービスがあります。

  • 栄養改善を目的とした配食サービス
  • 住民ボランティアなどが行う見守り
  • 訪問型・通所型サービスの一体的提供

具体的には配食サービスと安否確認を一体的に行い、異常があった場合の連絡体制を整備などが多くの地域で行われています。

(5)地域支援事業の内容② 一般介護予防事業

一般介護予防事業は、以下の5つの事業が行われています。

介護予防把握事業

民生委員や老人クラブなど地域の実情に応じて収集した情報を活用し、要支援や要介護状態になる前に把握し、介護予防活動へつなげます。

介護予防普及啓発事業

老人会のイベントなどで介護予防について普及啓発活動を行ったり、市町村の保健師とリハビリ専門職が一緒になって介護予防に取り組んだりします。

地域介護予防活動支援事業

地域住民が主体となり、例えば、男性料理教室やはつらつ教室などの交流会、体操や運動などの活動により介護予防に取り組みます。

一般介護予防事業評価事業

評価として介護予防教室などで年1回体力測定を実施し、利用者の状況を把握します。また地域によっては共同研究協定を結んでいる大学と事業効果検証や認知症検査などを実施し、地域に合った介護予防事業ができているのかを評価している自治体があります。

地域リハビリテーション活動支援事業

骨折・転倒予防のための運動教室や筋力向上トレーニングなど地域を中心とした自主活動への取り組みを支援します。

(6)地域支援事業の内容③ 包括的支援事業

包括的支援事業では介護予防ケアマネジメント、総合相談支援業務、権利擁護業務、ケアマネジメント支援に加えて、多職種で話し合う中で個別事例のケアマネジメントの充実など、機能強化を図っています。

その他、在宅医療・介護の連携推進、認知症施策の推進、コーディネーターを配置して地域で支え合いながら生活できる基盤作りを目的としています。このようにあらゆる分野・人々が連帯して人々の暮らしを豊かにするシステムを地域包括ケアシステムといい、その仕組みは上記の図の通りになります。

図から分かるように地域包括支援センターは介護だけではなく医療の領域にも踏み込んでおり、高齢者が自分らしく生活するためのサービスを幅広く提供しています。

地域包括支援センターは高齢者・また介護者を助ける機関です。どのようなサービスを提供してくれるのかこの機会に知っておきましょう。

地域包括支援センターのサービス内容・役割などについてより詳しい記事はこちら

「地域包括支援センターとは|サービス内容・利用時の長所と短所」

(7)地域支援事業の内容④ 任意事業

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1597360

任意事業では次の3つの事業を展開しています。

  • 介護保険給付費適正化事業
  • 家族介護支援事業
  • 域の特性を活かした事業

高齢者の地域における自立した生活を送ってもらうためにさまざまな事業を展開させています。たとえば、高齢者に安心な住まいを確保するため、住宅に関する情報提供や不動産関係団体等と連帯し円滑に入居を進められるような体制を整えています。

また、入居者には日常生活上の生活相談や指導、安否確認など地域の実情に応じた事業を展開しています。このように高齢者を地域の特性を活かして全面的にサポートする事業が行われています。

(8)地域支援事業を受けるには

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1504436

地域支援事業を受けるには、まず住んでいる市区町村窓口や地域包括支援センターへ相談しましょう。相談者は本人、家族など本人の状況がわかる人であれば誰でも構いません。

市区町村であれば介護保険や高齢者福祉担当者、地域包括支援センターでは、主任ケアマネージャーや保健師、社会福祉士などの専門職の人が相談員として配置されています。

より具体的な状況を伝えることにより、その人に合った地域支援事業を見つけることができます。

(9)地域支援事業の料金

地域支援事業の料金は、サービス内容によって異なります。従来の介護保険サービスと同様のサービス提供を行う訪問介護や通所介護は、介護保険によって介護予防相当の金額が決められています。

専門職員や提供サービスによって基本料金の他、職員の配置によって加算があります。

例えば、ある市区町村では、週1回介護保険に相当する訪問介護を提供した場合、月1,500円程度の料金です。緩和した基準によって生活援助を行った場合、週1回利用で1回300円程度の料金となっています。

地域の一般介護予防事業は、市区町村で決められる数百円程度の利用料金になります。

通所介護の場合も同様に介護予防相当の金額、多様なサービスによるものによって金額は異なります。その他、食事やお茶代、材料費などは、別途料金がかかります。

(10)地域包括支援センターに問い合わせよう


出典:https://www.photo-ac.com/

地域包括支援センターは、全国に4,557カ所、サブセンター・ブランチを併せて7,228カ所設置されています。(平成26年4月末現在)

地域支援事業の利用は、住んでいる地区の地域包括支援センターが担当します。基本チェックリストや要介護認定を使って、地域包括支援センターの専門職が身体状況や生活の様子を確認します。

要支援認定、事業対象者に判定された場合、介護予防・生活支援サービスの利用計画を一緒に作り、地域で暮らしていくためのお手伝いを考えていきます。要支援認定や事業対象者に判定されなかった場合は、すべての高齢者を対象とした介護予防事業の中から自分に合った活動や教室に参加することができます。

住み慣れた地域で介護を予防しながら暮らしていくためには、今住んでいる地域包括支援センターへ相談しましょう。

この記事が気に入ったら
いいねしよう!