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電動車椅子の選び方と注意点 | 種類ごとの違い・レンタル費用等

介護用品
自力での歩行が困難な状態にある人のサポートに最適な「電動車椅子」。その電動車椅子にも用途に合わせた様々な種類があります。それぞれの特徴や利用の際の注意点などをしっかりと押さえておくことで、より快適に活用することができます。
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(1)電動車椅子とは

電動車椅子とは、大小4個の車輪がついた、電動モーターを原動力とする車椅子のことです。従来の車椅子の自力での操作が困難な人に適しており、手元にあるレバーで前後左右に方向転換させて動かすことができます。

道路交通法では電動車椅子は歩行者扱いになるため、運転免許を取得する必要はありません。

(2)電動車椅子の役割

電動車椅子を利用することで、自力での歩行が困難な状態にあった人の行動範囲を広げてくれるだけではなく、生活を豊かにしてくれます。

後述にもありますが利用者だけではなく、介護者の精神的・身体的な負担も軽減してくれます。

(3)電動車椅子メリット・デメリット

電動車椅子には、たくさんのメリットもありますが、一方でデメリットも存在します。

メリット

電動車椅子は一般的な車椅子とは違い、手で車輪を回す必要がなく、握力や腕力が比較的弱い人でも使用できます。そのため、介助をしてもらいながら歩くよりも早く移動することが可能です。

電動車椅子の予備のバッテリーを持ち歩くことで、ある程度距離のある場所にも出向くこともできます。

また、電動車椅子を必要とする利用者が、自分の意思に従って一人で移動することができるため、介護者に対する負い目や精神的・肉体的なストレスの軽減にもつながります。

電動車椅子を利用することで、介助者に常に付き添ってもらう必要がなくなり、介護の負担が小さくなることもメリットです。

デメリット

電動車椅子のデメリットとしては、車椅子自体に重量があるため、本体を介護者一人で持ち運ぶのは難しいという点があげられます。

また、バッテリーには寿命があり、定期的に新しいものに交換する必要があります。電動車椅子の操作や速度に慣れるまでは利用者に転倒などの事故につながるリスクが高まります。

そして電動車椅子を利用することで、自力で歩く機会が少なくなることから、筋力や体力の低下を招く恐れもあります。

(4)電動車椅子の種類

電動車椅子の種類には、被介護者が自分で操作をすることができる「自操用」と、介護者の手助けが必要な「介助用」の2つに分けられます。それぞれの特徴について解説します。

自操用

自操用電動車椅子には、「標準型」「簡易型」「ハンドル型」といった種類があります。

標準型

「ジョイスティック型」とも呼ばれる標準型は、上下左右に動くレバーを自らが操作します。レバーを倒す角度によってスピードが変わり、中には最大で時速6㎞のスピードが出せるものもあります。

簡易型

簡易型と呼ばれるタイプは、一般的に使用されている車椅子にバッテリーとモーターを取り付けたものです。バッテリーが切れても手動で自走することができるのが特徴です。

ハンドル型

ハンドル型は、「シニアカー」や「電動カート」と呼ばれており、操作部分がハンドルになっていてアクセルレバーを使い、加速や減速をします。

前進と後進はスイッチで切り替え、左右への方向転換はハンドルを使用します。坂道での走行中はタイヤにロックがかかるため、勝手に走り出す心配もありません。

介助用

介助用電動車椅子は、介助者による補助が必要な車椅子です。上り坂の走行中にはモーター駆動でパワーアシスト機能が働き、逆に下り坂ではブレーキが働きます。

このように介助用の電動車椅子は、介助者の車椅子操作の負担を軽減してくれる機能が備わっています。

(5)電動車椅子をレンタルする場合


出典:https://www.pakutaso.com/

電動車椅子は高額です。そのため、購入が難しい場合は、レンタルをすることも可能です。

介護保険が適用される場合のレンタル費用

電動車椅子のレンタルに関して介護保険が適用されるのは、要介護度2~5に認定されている方が対象です。しかし例外規定として、ケアマネジャー・医師の同意がある場合は前述以外でもレンタルが可能となります。

介護保険法により、電動車椅子のレンタル代金は1割負担で済みます。

レンタルまでの流れ

  1. 各事業者又は店舗に来店・お問い合わせの電話をする。
  2. 担当者が日程調整の上、利用希望者の自宅にて利用場所について伺います。
  3. 使用場所とされる環境で実際に安全運転指導を行います。
  4. 安全運転の適合確認をします。
  5. レンタル開始。

電動車椅子の介護保険外のレンタルは全額自己負担となります。

介護用品のレンタルに関して、より詳しい記事はこちら

→『福祉用具とは | レンタルと購入どちらがお得?種類や費用を紹介

(6)電動車椅子を選ぶポイント

電動車椅子を選ぶ際に重視するべき点はどこなのか、そのポイントについて解説します。

利用者の状態

利用者の身体の状態に合わせた電動車椅子を選ぶことが重要です。

被介護者の座位保持能力や要介護度の認定レベルのほか、車椅子の操作能力などによって、前述の電動車椅子のタイプやサイズ、搭載されている機能などを選択しましょう。

使用場所

電動車椅子は使用場所を考慮した上で選ぶことが大切です。

室内での利用であれば、狭い場所でも細かいハンドル操作が可能なタイプが最も適しています。屋外での使用であればある程度の時間を乗る可能性があるため、座り心地の良い安全性に優れたものを選びましょう。

また、それほど長時間乗るわけではないのであれば、費用の安さから選ぶのも一つの手段です。

電動車椅子のパーツのサイズ

一般的には座面の横幅はお尻の幅より2~3㎝余裕があり、奥行きは深く腰掛けたときに膝の裏から座面のエッジまで指3本分くらいが安定するとされています。

座面の高さは、座り足台に足を置いたときに膝が90度に曲がるくらい、背もたれは膝下の高さに合わせると楽に座ることができます。

被介護者の背骨や骨盤の曲がり方から、座面のクッション性や背もたれの柔軟性を選択するよう心がけましょう。数値には個人差があるため、被介護者である本人が実際に乗ってみて乗り心地などを判断したほうが賢明です。

(7)利用時、利用中の注意点


出典:https://www.photo-ac.com/

電動車椅子の利用時

利用する際は、下記の点に注意しましょう。

  • 周囲から目につきやすい明るい色の服装を心がけましょう。
  • まずは広く安全な場所で十分に練習をしましょう
  • 安全面で、初めて道路に出るときは介助者に同行してもらいましょう。

電動車椅子の利用中

  • 電動車椅子の内輪差に気を付けましょう。
  • 飲酒後又は体調の優れないときの利用は控えましょう。
  • 溝や段差、急な傾斜や栄道での通行はなるべく控えましょう。

以上の点を踏まえ、電動車椅子の購入・レンタル時に付属されている取扱説明書をしっかりと読んでおくことが大切です。

(8)電動車椅子で重要なバッテリー

電動車椅子に使用されているバッテリーには、「ウェットタイプ」と「ドライタイプ」の2種類あります。

一般的に使用されているのは、定期的に蒸留水を補給する必要のある「ウェットタイプ」です。比較的扱いが簡単とされている「ドライタイプ」のバッテリーも、機種によっては利用されるケースが少しずつですが出てきました。

しかし、フル充電での連続使用できる時間が「ウェットタイプ」よりも短いというデメリットもあります。電動車椅子を選ぶ際にはそれぞれの特徴を理解した上で、バッテリーを選びましょう。

バッテリーの寿命

電動車椅子のバッテリーの寿命は、使用頻度にも左右されますが大体約2年程度とされており、平均400回ほど充電したら交換するのが理想的です。

バッテリーの寿命を超えての使用、反対に1年以上使用しなかったりすると、バッテリーが破裂する恐れがあるため非常に危険です。

そのようなことにならないためにも、定期的にメンテナンスをすることを心がけましょう。

バッテリー交換のタイミング

1回の充電での走行距離が短いと感じたら、バッテリー交換のタイミングと思って良いでしょう。

バッテリーの交換方法

バッテリーの交換時期は前述のとおりですが、実際にバッテリーを交換するのは専門家に任せた方が安全です。交換時期だと思ったら、電動車椅子を購入・レンタルしている場所に相談することをおすすめします。

また、バッテリーの交換時期に関しても不安を感じるようであれば、同じく専門家の方の判断を仰ぎましょう。

(9)バッテリーを長持ちさせる方法

使う場所とその気温に注意

電動車椅子のバッテリーを長持ちさせるには、急な傾斜や段差のある場所での走行をなるべく避けることです。安全運転を心がけることで、バッテリーにかかる負担を最小限に抑えましょう。

また、バッテリーは暑さや寒さに非常に弱いため、その日の気温を確認し、夏場は25度以下、冬場は10度以上の場所での保管をしましょう。

(10)利用者の状態、環境にあった電動車椅子を選ぼう

自力での歩行が困難な人の行動範囲を広げ、生活を豊かにしてくれる「電動車椅子」。利用者の生活面でのサポートをしてくれているのと同時に、介護者の負担軽減も図ることができる優れものです。

価格は安価ではありませんが、それ以上のコストパフォーマンスを期待することができます。もしも購入の検討をしているのなら、最初はレンタルから始めてみるのも良いでしょう。

レンタルをしてみて、改めて使ってみたいと思ったタイミングで購入することをおすすめします。また、電動車椅子を購入の際には利用者の状態や環境に合った電動車椅子を選ぶことで、利用者にも介護者にも欠かせない存在となるでしょう。

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