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訪問介護事業所を立ち上げる方法|重度訪問介護や居宅介護も一緒に開業することも

在宅介護サービス
訪問介護事業所を立ち上げたい、と考えたときに必要な準備について紹介します。また、訪問介護事業所の認定があれば、所定の手続きを経て、障がい者の方への訪問サービスである居宅介護支援事業所や重度訪問介護事業所を運営することもできます。
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(1)訪問介護事業所を立ち上げるのに必要な準備

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/798651

訪問介護事業に参入したいと思ったとき、何から始めていいかわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。訪問介護事業を始めるにあたって、必要な準備について説明します。

訪問介護事業をはじめるにあたっては、まず法人格の取得が必要です。株式会社や有限会社、NPOなどの法人格を取得しましょう。

訪問介護で必要な準備物

訪問介護で必要な準備物は下記です。人材の確保などは、常勤で働く方が2人以上必要という規定もありますので、しっかり事前準備をしましょう。

  • 人員の確保
  • 家賃、改装費
  • 備品費用
  • 車両、駐車場代
  • 雑費

必要な費用の目安と資金調達方法

訪問介護事業所の開業には、目安ですが800~1000万円が必要と言われています。地域によっても差がありますので、見積もりをとっておくようにしましょう。

訪問介護事業所の立ち上げ資金は大きな金額になります。いきなり多額の準備資金を用意することは難しい場合が多いでしょう。

そんな時、資金調達をする方法には、主に2つの方法があります。

銀行や信用金庫から借り入れる

資金を準備するのに一般的な方法は、銀行や信用金庫から借り入れることです。

新規に開業する法人であれば、融資を受けることが出来る場合もありますので、一度銀行に相談してみましょう。

日本政策金融公庫から創業融資を受ける

日本政策金融公庫は、政府が出資する政府系金融公庫です。
営業成績等の実績がなく、資金融資が困難なことが多い創業企業に積極的に融資をしてくれる公庫です。
原則、 無担保・無利子での融資が可能であり、低利な点が最大の魅力です。

(2)訪問介護事業所の認定を受けよう

① 法人格の取得

訪問介護事業所は、少人数から始められる介護サービスです。ただし、訪問介護事業所としての登録は、個人ではできません。登録には、株式会社や有限会社、NPOなどの「法人格」が必要となります。

そのため、

  • 法人格の新規取得
  • すでにある法人格を利用する

の2つの方法のどちらかを選択する必要があります。

※もし、すでにある法人格を利用する場合には、その法人の「事業目的」を変更する必要があります。

② 事務所の賃貸借契約、人員の確保、事務所備品の準備

法人登録にあたり、事業所を準備する必要がありますので、事務所の賃貸借契約を結びましょう。また、訪問介護に必要な人員を採用し、事務所の備品などを用意します。

手順③ 介護事業者指定申請

介護事業を行うにあたり、都道府県や市区町村に届け出を出し、介護事業者の指定を受けます。

人員基準や施設基準、運営基準が満たされているかや、過去5年以内に指定の取り消し処分を受けていないかなどをチェックします。

手順④ 指定事業者の決定・指定前研修

指定事業者の申請が受理されたら、指定前研修を受ける必要があります。

各市区町村に研修を予約し、受講してください。

手順⑤ 従業員の採用、契約書の作成、請求ソフトの導入など

④まで済んだら、開業目前です。従業員の採用や契約書の作成、介護保険請求ソフトの導入など細かい準備を進めましょう。

手順⑥ 開業・運営スタート

お疲れさまでした。開業を行いましょう。

最初はお客さんを少しずつ増やしていくことが重要になります。

(3)居宅介護・重度訪問介護事業所の認定も受けられる

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2075837

訪問介護事業は、介護保険制度下において高齢者の介護を行うことを目的として行われます。

しかし家で生活をしていて周りのサポートが必要な方は、高齢者の方に限らず、障がい者の方もいらっしゃいます。障がい者の方の訪問サービスには、「居宅介護」や「重度訪問介護」などのサービスがあります。

もし訪問介護事業所の認定があれば、必要な手続きを行うことで居宅介護や重度訪問介護の認定を受けることができます。

訪問介護事業所の立ち上げ期には利用者を獲得していく必要がありますので、障がい者の方にもサービスを提供できた方が事業所として広いサービスを提供することができます。

(4)居宅介護支援事業所・重度訪問介護事業所の配置条件

居宅介護支援事業所、重度訪問介護事業所の人員配置条件は下記のようになります。

職種 必要資格 配置基準
管理者

なし

サービス提供責任者との兼務も可

常勤1名
サービス提供責任者

介護福祉士

介護職員基礎研修課程修了者

訪問介護員養成研修1級課程修了者

訪問介護員養成研修2級課程修了者で、3年以上介護等の業務に従事した経験を有する者

常勤1名

(規模によって変更あり)

従業者

介護福祉士

介護職員基礎研修課程修了者

訪問介護員養成研修1級~2級課程修了者

常勤換算方法で2.5以上

(サ責含む)

(5)居宅介護支援事業所・重度訪問介護事業所で提供できるサービス

重度訪問介護のサービスの内容は以下の通りです。

  • 身体介護:入浴、排せつ、食事、着替えの介助など
  • 家事援助:調理、洗濯、掃除、生活必需品の買い物など
  • 移動介護:外出時における移動の支援や移動中の介護
  • その他生活全般にわたる援助
  • 生活等に関する相談や助言
  • 見守り等の支援

重度訪問介護では、生活全般に対し、ヘルパーが介助を行います。

大きな特徴はサービス利用可能時間で、1時間未満から最大24時間まで介護サービスが受けられることです。 通常の訪問介護では、ヘルパーはタイムテーブルで定められたとおりに各家庭を巡回するため、サービスを受けられる時間は1日1時間程度です。

しかし、重度訪問介護では、寝返り補助も含めた手厚い介護が必須となるため、ヘルパー3人で8時間ずつ交代する24時間体制でつきっきりで介護にあたります。昼間はヘルパーに任せ、夜間は同居家族で介護にあたる家庭もあります。

このような手厚い介護システムにより、重度の障害や病気などで寝たきりになっても、居室で一人暮らしが可能になります。

(6)居宅介護支援事業所・重度訪問介護事業所でできないこと

重度訪問介護では、サービスとして提供できることとできないことがあります。居宅介護支援事業所・重度訪問事業所を運営していくにあたり、気を付ける必要がありますのでしっかり確認しておきましょう。

重度訪問介護の対象外となるものの例
× 利用者の不在時、入院中や医療機関での診療中など保健医療サービスを利用している間のサービス提供
× 利用者本人が使用する居室以外の掃除、日常生活を営むのに支障のないスペースの掃除、家族との共有部分の掃除、大掃除
× 利用者以外の者のための家事援助(育児支援を除く)
× 特別な手間がかかる調理(おせち料理等)
× 家屋の修理やペンキ塗り、草むしり
× 留守番や接客
× 散髪、ペットの世話
× 金銭や貴重品の管理
× 医療行為や服薬管理、リハビリ、マッサージ

また、外出サービスで、サービスの対象となる外出とならない外出があります。これは市町村ごとに異なります。

サービスの対象となる外出は、例えば以下です。

社会生活上必要不可欠な外出

  • 家族の入学式、卒業式、保護者懇談会、運動会等学校行事、PTA活動
  • 家計の維持、財産の保全にかかわる手続・相談(金融機関)
  • 買物(商店、デパート、スーパー等)
  • 理容、美容(理髪店、美容院)
  • 住居の取得、賃貸、維持管理、補修にかかわる契約、相談(不動産店等)

余暇活動等の社会参加のための外出

  • 各種行事、研修会等
  • 就職や就学のための活動
  • 冠婚葬祭(本人、親族、友人のためのもの)
  • 余暇、スポーツ、文化活動(映画館、体育館、美術館、各種講座等)
  • 初詣、墓参りなど社会的慣習
  • ボランティア活動

サービスの対象とならない外出は、例えば以下のものがあります。

重度訪問介護のサービス対象外となる外出の例
× サービス提供者に資格・習熟・準備を要する活動、危険を伴う活動
× 利用者が自転車や自動車等の移動手段をみずから運転する外出
× ヘルパーが単独で外出するもの
× 一緒にプールや温泉に入る、スポーツやカラオケを一緒に行う等の活動そのものの支援
× ギャンブル(競馬、パチンコ、麻雀等)、飲酒目的の外出等
× 通勤など、通年かつ長期にわたる外出、週2回以上の稽古事等
× 団体活動の一環として、団体が経費を負担して実施する行事目的の外出
× 事業者が企画・用意した場所やイベント等への外出
× 一日の範囲で用務が終了しない外出
× 布教活動や宗教活動等(慣習として行われる神社・仏閣等への参拝、墓参り等は可)

(7)居宅介護支援事業所・重度訪問介護事業所は儲かる?

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1896829

介護業界の中では、大規模な準備を必要とせず、独立しやすいという理由で、居宅介護支援・重度訪問介護サービスを始める方が多くいらっしゃいます。

訪問介護事業所は、元々小さい事業所が多く、ヘルパーとして働いていてもキャリアアップが頭打ちになりやすいという理由から独立を目指される方も少なくありません。

そのため、訪問介護事業所数は年々増加傾向にあります。

独立すると自分ですべて運営を行う分、一般の訪問ヘルパーよりも稼ぐことができるように思えます。しかし、独立するということは、顧客の開拓や営業なども自分自身で行う必要がありますので、うまく顧客を開拓できなかった場合に経営が苦しくなる、といったケースも多くあります。

介護事業者の倒産件数が過去最多 理由は?

もちろん、うまく経営が回っていれば一訪問ヘルパーとして働くよりも稼げるようになるでしょう。ただし、経営がうまくいくかはすべて自分次第ということを念頭に置いておく必要があります。

せっかく独立するのであれば、たくさんの方に利用いただき、健全な経営を行いたいものです。サービスの質を高め、他社よりも選んでもらえるサービスを提供していきましょう。

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