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特別養護老人ホームとは | サービス内容や費用、メリットなど

施設サービス
公的施設である特別養護老人ホームは入居型の施設の中で最も人気があるといわれています。そんな特別養護老人ホームのサービス内容、部屋の特徴、メリット・デメリット、費用、入居条件について解説します。
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(1)特別養護老人ホームとは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1564944

特別養護老人ホームは、介護老人福祉施設とも言い、老人福祉法第17条第1項の規定に基づき、社会福祉法人や地方自治体が運営している公的な介護保険施設の1つです。

また、在宅での生活が困難になった要介護の高齢者が入居できる施設で、特養とも呼ばれています。

特別養護老人ホームと有料老人ホームの違い

特別養護老人ホームの特徴は、公的な施設なので、比較的低料金で利用できますが誰でも入居できる訳ではありません。65歳以上で、緊急性の高い人から優先的に入居することになります。個室ではなく、相部屋になることが多く、サービスはあまり充実しておりません。

反対に、民間が運営している有料老人ホームは65歳以上で空室があれば入居でき、基本的には個室で、食事や介護のサービスが受けられます。また医療ケアなどのサービスも充実しており、様々なニーズに対応している施設です。

有料老人ホームには入りやすいという特徴があるということです。ほかにも有料老人ホームには特徴があります。有料老人ホームの特徴については以下の記事に記載しています。

このように、公的に運営されている特別養護老人ホームは経済的ですが、有料老人ホームと比べるとサービスや設備などの充実度が多少低いという特徴をもっているのがわかります。

この記事では特別養護老人ホーム(特養)の入居条件・サービス内容について解説します

特別養護老人ホーム(特養)の費用については以下の記事にまとめて、記載しています。老人ホームを決めるうえで、費用面についての考慮は必ず必要です。

下記記事に記載の情報を参考の上、費用面についてご検討ください。

(2)入所条件

特別養護老人ホームの入所条件は、介護保険法で定められています。入所の条件は原則として、65際以上の高齢者で、要介護3以上となっています。要介護1や2の場合でも特例の条件で認められると入居することができます。

要介護1や2で入所が認められる条件とは、以下のような場合です。

  • 認知症を発症していて、日常生活を送る事が難しい症状が頻繁にある
  • 知的障害、精神障害があり、頻繁に症状が現れ、日常生活が困難
  • 深刻な虐待があり、心身の安全が確保できない
  • 単身世帯等家族等の支援を受ける事ができず、地域での介護生活を供給できない

この場合は特例で特別養護老人ホームに入居することができます。

さらに詳しく入所条件・入所基準について解説した記事はこちら

(3)特別養護老人ホームが人気である理由

比較的ローコストに、かつ長期間利用できる

老後の暮らしの住まいとして、入居型の施設で最も人気があるのが特別養護老人ホームです。特別養護老人ホームが人気のある理由として、まず費用の安さがあげられます。

費用の安さの理由は初期費用がかからないところにあります。初期費用とは、入居する際に支払う月額の利用料金や一時金のことです。

特別養護老人ホーム以外の施設ではこれらの初期費用を払うのが一般的なのですが、特別養護老人ホームでは初期費用がかからないので、老後にかかる費用を少しでも安く抑えたいと考えている高齢者の間で人気となっているのです。

入居可能期間を気にする必要がない

特別養護老人ホームのさらなる魅力が、その入居可能期間です。特別養護老人ホームは、基本的に利用者の終身利用を想定しているうえ、看取りケアまで対応している施設が多いのです。

そのため、入居したあとは、施設の入居可能期間を気にすることなく、次に利用する施設を探す必要はひとまずなくなるため、腰を落ち着けて介護をすることができるのです。

(4)特別養護老人ホームで受けられるサービス内容

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1504416

特別養護老人ホームは、生活の介護においては充実していますが医療のサービスは限られています。さらに、健康管理や保険衛生が主になっているので、たんの吸引や胃ろうなどの日常的な医療ケアは行なっていません。

提供されるサービス内容は都道府県で定められている「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準」によって施設ごとに異なってきます。特別養護老人ホームで受けられる具体的なサービス内容は、食事の提供、入浴・排泄の介護援助、清掃などの生活支援があげられます。

自宅で生活することが困難な高齢者に対しては生活に必要なサービスがすべて提供されます。

また、身体の機能が衰えている高齢者に対しては、機能訓練指導員によるリハビリのサービスなどもあります。特別養護老人ホームには介護・看護職員の人員の義務付けがされているので、安定した介護と看護のサービスを受ける事ができます。

(5)3タイプ(厳密には4タイプ)ある居室の特徴

特別養護老人ホームの居室は、ユニット型個室、ユニット型準個室、従来個室、多床室と4つのタイプがあります。以下でそれぞれの特徴を説明していきます。

介護福祉施設 3タイプの入居方法

ユニット型個室

10人以下の部屋で、台所、食堂、リビングの共有スペースを囲むように個室が配置されています。居室が可動しない間仕切りなどで仕切られていて、完全に個室になっていないパターンである「ユニット型準個室」もこちらに含まれます。

従来型個室

従来型の特別養護老人ホームの運営で、ほとんどの施設は、個室と4床室が混在しています。

多床室

一つの部屋にいくつかのベッドやクローゼットが配置してあり、家具やカーテンなどで仕切られているので、プライバシーがない居室の構成になっています。

(6)サテライト型特別養護老人ホームとは

サテライト型特別養護老人ホームとは、郊外などにある大規模な本体施設と連携を取りながら別の場所で運営される地域密着型の特別養護老人ホームです。住み慣れた町で余生を送りたいと考える利用者のニーズにこたえた施設になります。

本体施設の条件は、同じ法人で運営される特別養護老人ホーム、地域密着型特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、病院もしくは診療所に限られています。また通常の交通機関を利用しておおむね20分以内で移動できる場所にあることが条件です。

人員配置の緩和

本体施設との綿密に連携がとられている前提で運営される施設のため、人員配置では以下のような緩和措置がとられています。

  • 施設長は本体施設と兼務が可能
  • 医師、栄養士、機能訓練指導員、ケアマネジャーは配置しなくても良い
  • 看護職員は非常勤でも良い
  • 入居者診察のための医薬品・医療機器臨床検査設備があれば医務室は不要

入居者の健康管理が適切に行われると認められれば、医師の配置が義務づけられていないことが特徴です。

より地域に密着した施設として、増加傾向にあります。

(7)特別養護老人ホームのメリット・デメリット

特別養護老人ホームには、メリット、デメリットがあり、入居の検討の際はよく理解しておきましょう。

メリット

まずメリットには、一時金の初期費用がかからない、介護スタッフが24時間常時しているので常に適切な介護が受けられる、一度入居できると長期に渡り入居可能で終身まで介護を受けることができる、特別養護老人ホームは公的な施設なので民間の企業と比べて倒産のリスクが少ないなどがあげられます。

デメリット

一方、デメリットは、要介護3以上しか入居できないので入居基準が厳しい、地域によっては入居まで時間がかかることがあり待機することがある、24時間の看護師が義務づけられていないので医療対策に限界があるという点があげられます。

(8)入居にかかる費用

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/802317

特別養護老人ホームの入居にかかる費用は、入居する部屋のタイプで変わります。

費用の目安

多床室、ユニット型施設それぞれの費用目安をみていきます。

多床室の場合

賃料 25,000円
食費 41,000円
介護保険の自己負担額(要介護度によって変動) 83,000~91,000円

ユニット型施設の場合

賃料 59,000円
食費 41,000円
介護保険の自己負担額(要介護度によって変動 119,000円~127,000円

施設の利用費とは別に、介護サービスや生活援助を利用する費用もかかります。これは施設ごとに異なっています。

特別養護老人ホームの費用のほとんどは介護保険の適用範囲ですが、食費やレクレーションは適用されず実費となります。また、身の回り品などの費用でシャンプーや石鹸、化粧品や理美容代なども自己負担になります。

負担限度額認定制度(特定入所者介護サービス費)

介護保険の「負担限度額認定制度」とは、要件を満たせば、所得や資産等が一定以下の方に対して、負担限度額を超えた分の居住費・食費の負担額が介護保険から支給されるという制度です。

また、「負担限度額認定制度」の利用には、事前に市町村の負担限度額認定を受ける必要があります。

「負担限度額認定制度」の負担限度額、条件についてはこちらの記事の(6)を、

また、ご自身の状況に合わせ、より詳しく費用について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

(9)優先して入居できる場合について

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1983176

特別養護老人ホームの申し込みで、定員をオーバーしていても優先して入居できる場合があります。 優先順位は、医療対応型用に点数化した合計点でつけており、高い順位の人が優先で入居できるようになっています。

優先順位をつける際の項目は以下のとおりです。

  • 入所希望者の要介護度や認知症などの症状や行動、心理状態など
  • 主たる介護の変更
  • 必要な医療的ケアの内容や症状や程度

これらを点数化することによって優先順位が決まっていきます。

(10)入居待機者数が減少している理由

特別養護老人ホームは入居を希望していても中々入居する事ができない待機者が、2016年4月時点の厚生労働省の調査によると、約36万6千人いました。しかし、2013年調査と比べると、16万人減少しています。

待機者減少の最大の理由は、2015年4月に制度が改正され新規入居者を原則要介護3から5の高齢者に限定し、入居要件が厳格化されたことです。他の理由として、一人で複数の施設に申し込みをしたり、待機中に死亡してしまったケースもあげれます。

(11)入居待ちの時間を短縮して特別養護老人ホームを利用しよう

全国の特別養護老人ホームの待機者は全国で52万人と言われています。少しでも早く入所できるようにするには3つのコツがあります。

①1日でも早く特別養護老人ホームの申し込みをする

申し込みをすると決まったらすぐに手続きをし、手続きに時間がかかってしまわないようにしましょう。できれば新しい施設への申し込みをお勧めします。

②特別養護老人ホームへの施設見学を申し込む

特に事情があり、一刻も早く利用をしたい人は、施設を見学して、施設の担当者にその事情を伝えておくと、良いアドバイスがもらえたり、特別養護老人ホームによっては、本来の順番より早く入居できる可能性があります。

③希望の特別養護老人ホームのショートステイを利用してみる

ショートステイで入居する事により、施設側も健康状態やどんな介護が必要かが分かり、そこで緊急性があると判断された場合は、優先してその特別養護老人ホームに入居できることもあります。

特別養護老人ホームに興味を持った方は上記の②、③を行うことをお勧めします。実際に見学やショートステイをすることで施設の雰囲気などが分かり、施設選びに大いに役立つでしょう。

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