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総合事業の対象範囲を要介護者にも拡大|サービスの継続利用をのぞんだ場合に限定

最新情報
総合事業のうち、地域住民が提供するサービスについては、来春から要介護者でも利用できるように対象範囲が広がります。ただし、今回の緩和で認められるのは、あくまで同一サービスの継続利用を希望する場合にかぎられます。そのように改正案が見なおされた背景には、給付費削減を警戒する市民団体から寄せられた反対意見があったといいます。
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要介護になっても継続利用が可能に

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2368683

要支援者向けのデイサービスと訪問介護は、2015年度から「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」へと段階的に移行されてきました。総合事業は市区町村が主体となって行うため、運営基準や提供者などを自由に決められるという柔軟性に利点があります。

一方で、利用者が要支援者のみにかぎられているため、要介護認定を受けると同一サービスでも利用できなくなってしまうという難点もありました。

記事によると…

 厚労省は今回、このルールを緩める。住民が主体となって提供する総合事業のサービスを使っていた人が、要介護になった時点で引き続きそのサービスの利用を望み、かつ、市区町村が認める場合は使えるようにすることが、主な内容だ。ただし、利用者が保険給付のサービスも選べる状態であることが前提。改正省令は10月22日に公布され、施行は来年4月の予定だ。

今回のルール緩和は、「サービスの継続利用が重症化防止につながる」という現場の意見を参考に検討されました。

給付費削減を懸念する声も

従来の見直し案では、市区町村が認める場合はすべての要介護者が対象となるという条件になっていました。これについては、複数の市民団体から反対意見が寄せられています。

 介護を市民の視点で考える「市民福祉情報オフィス・ハスカップ」は10月1日、「要介護認定者の保険給付を受ける権利が保障されない」「総合事業サービスの運営は市区町村の判断に委ねられ、たとえ新型コロナなどの影響で事業所などが休業しても、保険給付と違って代わりの支援が保障されていない」などとして、省令改正に反対する要望書を田村憲久厚労相に提出した。

 公益社団法人「認知症の人と家族の会」も、「『制度の持続可能性』を名目に推し進められている介護給付費削減の流れに沿ったもの」だなどとして懸念を表明した。

その結果、あくまで同一のサービスを継続する場合のみが対象、というかたちに見直しが行われたということです。今回の改正は、介護保険の給付抑制が目的ではなく、あくまで選択肢を広げるためのものだと厚労省は説明しています。

(記事URL:「介護の総合事業、要望受け見直し 『保険外』拡大懸念も」)

Twitterの反応

介護の「総合事業」を、要支援から要介護になっても利用できるようにという改正。厚労省は選択肢を広げるためと言っているが、要は医療系サービス以外は介護保険から引き離したいというのが本音なんじゃないかなあ。社会保険であることを忘れずに! pic.twitter.com/XU85KQVifD

— IkukoAsai (@ocyarasan) November 12, 2020

#介護
介護保険制度について、要介護1.2の方々が総合事業(地域支援事業)への審議会が行われています。

今更感ですよ。
因みに要介護1.2の方は全体の4割を占めます。https://t.co/3tbMbv0n0w

— 前田裕 (@masakuraudo0415) November 8, 2020

人件費を確保する方法はたくさんないから…… https://t.co/exrGI7Je5C

— island (@stgb25) November 19, 2020

この改正自体の影響は限定的だが将来的には要介護1や2レベルのひとは市町村の総合事業に完全移行(自己負担↑↑)する可能性あるよなあ。その布石と捉えるのはごく自然→厚労省が介護保険関連の省令改正へ 「要介護者の保険外し」か(週刊金曜日)#Yahooニュースhttps://t.co/hU2G4yYR76

— MANAKO40 (@nekoroll) November 2, 2020

ネットの意見

来年度からの介護予防・日常生活支援総合事業(通称「総合事業」)については、「要支援者と事業対象者で総合事業を利用している人」を対象に「(要支援者・事業対象者から)要介護者となった場合に、総合事業を継続して利用可能とする」という省令の改正が行われるもので、その実施については市町村の任意となっています。

したがって、直接の影響は極めて限定的と考えられます。しかし、財政サイドは、そもそも介護保険の給付対象が広範であるため、それを狭めたいと考えており、さまざまな政府の検討会等の報告書で数年前から強調されています。つまり、今回の省令改正は、次期制度改正(2024年度)において全市町村で総合事業の対象を要介護者まで拡大(義務化)するための布石と考えられます。反対意見も根強い点ですが、財政的な問題を考えると、そうした方向性も検討せざるを得ない実情もあります。

介護保険の本体部分の財源が厳しくなってきたから、総合事業(日常生活支援的な部分)を市町村の事業に切り出す、っていうじゃないですか。
これって、「地域の実情に合ったサービスを」みたいなお題目はきれいですけど、「実際にそのサービスを辞める」という意思決定を地方に押し付けてるだけですよね。
辞める意思決定には当然不満がついて回ります。それも地方に押し付けてることになります。

国も地方も高齢者の票が政権の下支えをしている現状、その意思決定はどこの政治家さんもやりたがらないですよ。
その結果、総合事業の縮小は思ったように進まず、今度は地方財政の悪化に拍車をかけることになるでしょう。
最終的に割を食うのはツケを回された将来世代、若年層です。
こういうの、いい加減にして欲しいですね。

総合事業に移行して各市区町村で財源をコントロールしなさいとなったら、介護事業者以前に、まず最初に行政機能が大きくパンクすると思うんだけど。

仕方ない流れだけど、「要介護」という認定はなんなのか。
総合事業にする事で区ごとの格差は広がるだろうな。
介護保険を十分に受けられない軽度の方向けの自費サービスが今後広がっていきそう。

まとめ

要介護者でも総合事業を利用できるようにることは、選択の幅を広げるという点で大きなメリットがあります。一方で、それによる給付費抑制のねらいがあることもまた事実でしょう。

今回は市民団体が反対意見を表明したこともあって、結果的に利用者のメリットがより大きくとられるかたちとなりました。

しかし、今後も行政が総合事業への移行をはかっていくことは十分に考えられます。それをただ否定するだけではなく、実際に今回の改正でどのような影響が出るのか、といった点についてもしっかり検証していく必要がありそうです。

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