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新型コロナ治療の最前線から見えるもの|平時からゆとりのある医療体制を

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新型コロナ治療の現場の声を集めた記録が、医療・介護関係のNPOらの共著で出版されました。そこからは、医療資源の不足に悩まされながらも、さまざまな工夫で乗り越えてきた医療従事者の姿が浮かび上がってきます。会長はあとがきで、平時から採算性を抜きにしたゆとりある医療体制の確保をうったえています。
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共通するのは医療資源確保のむずかしさ


出典:https://www.photo-ac.com/

NPO「地域医療・介護研究会JAPAN」が、株式会社ヘルスケア・システム研究所との共著で『新型コロナウイルスとの闘い 現場医師120日の記録』を出版しました。

第1章「医療・介護現場はかく闘えり」では、治療の最前線に立った医療従事者の証言が集められています。

記事によると…

クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の乗客らの治療にあたった病院では、患者がどれだけ増えるのかが分からない問題に直面する恐怖のなかで、病床やマンパワーの確保をはじめどれだけの態勢を整えればいいのかという悩みにまず直面した。また、外国人の患者とコミュニケーションをとるうえで防護服を装着した状態での聞き取りや視認障害も加わり、急ぎ購入した音声翻訳機が役に立ったとのエピソードや、多くの病院から受け入れを拒否されていた腸閉塞(へいそく)を起こした乗客を受け入れたところ、後から感染が分かったケースなど、現場の生々しい実態が描かれている。

ほかにも、物資不足で苦労した病院長のエピソードなどにも触れ、採算性を抜きにした病床確保の必要性をうったえています。

感染流行にそなえ効率至上主義の見直しを

第2章以降では、医療と政治・社会の関係、そしてコロナ以後の医療のあり方などについての主張が述べられています。

 辺見さんは、あとがきで、今回の新型コロナウイルス感染症は、「現代社会の多くの矛盾を一度にさらしてしまった」と述べ、次の感染流行に備えて三つの点を訴えている。第1には、効率至上主義の政策を早急に改めること。医療現場には、車のハンドルの「遊び(ゆとり)」が必要であることは、辺見さんが常々強調していることだ。「遊び」の部分を考慮しない病床の再編計画は、見直しが必要だろう。

それ以外にも、医療物資・食料の国内での自給や、IT化の促進などが重要になるとしています。

(記事URL:「週2枚のマスクで乗り切った…『新型コロナウイルスとの闘い』最前線からの証言」)

Twitterの反応

これ、医療だけじゃないな。

「医療には効率性、経済性にこだわってばかりいては機能を発揮できないものがある」

「医療現場には、車のハンドルの「遊び(ゆとり)」が必要」

週2枚のマスクで乗り切った…「新型コロナウイルスとの闘い」最前線からの証言(ヨミドクター) https://t.co/X6h1TPytc1

— 小張 学 (@manauwf) September 9, 2020

自然災害の多い中で国民の備蓄や避難への意識は浸透しつつあると思うが、国も防衛費以外に平時から未知の病原体に対する医療資源の余裕が必要ではないか。病床も医療者も結局足りなくなる。
先進国?!の肝心なところが空洞。

— 白川 爛 (@shirakawaran1) August 30, 2020

財政を気にしすぎても未来を潰すのが日本。資源がない以上科学技術、文化、教育、先端医療、製薬界隈に力を入れるのが日本の生きる道。 https://t.co/PJZodOk8cS

— とん寿 恵比須党     (@prosperity1129) September 8, 2020

病床数の再編とか無駄な受診を減らすとか言ってなかったっけ?いい塩梅というのは難しいですな。 https://t.co/pXJ3hjhW9K

— ちゃんぽん (@champom15) August 22, 2020

ネットの意見

公的病院と私的病院の役割がはっきりしなくなってきた中で、今回のコロナウイルス感染が起きました。Ⅱ種の指定感染症に指定されましたが、そもそもこれ程多くの患者が出る想定は全くされていなかったので、特に地方では混乱しました。
 名ばかりの感染症指定病院はありましたが、隔離や陰圧が不十分だったり、一般病棟の一室が割り当てられているだけで、実際は患者を入れることができなかったり。 
 私的病院は経営悪化を恐れて、患者受け入れを拒否するところもありました。以前なら、政策医療として、国立病院がハンセン病や結核を扱う療養所や病院を抱えていましたが、患者の減少とともに、統廃合が進み、戦後500以上あった国立病院や療養所は現在140程度しかありません。
 感染対策に特化した病棟もしくはユニットを各県(県の人口や規模により1-数ヶ所)整備すべきです。

もともと厚労省は地方の医療機関は儲からないからと、地方の病院を減らす為の予算を、今年度の当初予算に計上していた。

予算審議中に新型肺炎の問題が発生したが、野党の予算組み換え提案を無視して、与党とゆ党が賛成し、原案通り可決した結果が今の流れ。

美しい日本の、官僚と政治家の皆さんのお陰です。

『めまいが出そうなので入院させて下さい』←本当にあります。
『(入院の必要性はないのに)心配なので入院させて下さい』
こういうのを減らすのも大事と思う。

余剰病床を無駄なぜい肉と見るか、今後も繰り返すであろう新興感染症対応の余力と見るかですね

まとめ

近年の日本の医療政策は、財政赤字などの理由から医療費削減を最優先とした見直しが進められてきました。しかし、新型コロナの感染拡大によって、その問題点もあきらかになったように思われます。

近い将来、超高齢化社会をむかえる日本において、財源不足はもちろん深刻な課題です。しかし、効率性をもとめていくということは、それが決してマンパワーや物資をけずっていくこととイコールになるわけではありません。

ITやAIなどの技術導入、または労働環境の改善などによって、かぎりある医療資源をできるだけ有効活用していく。そのような方向性をより重視して、体制づくりを考えていかなければならないのではないでしょうか。

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