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認知症高齢者の預金を引き出しやすくするためのガイドライン作成を要請 ―金融庁―

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金融庁は認知症高齢者の家族や支援者でも預金を引き出しやすくするガイドラインの作成を銀行業界に要請します。併せて家族間トラブルに巻き込まれないよう事例集を作成し、ケースバイケースの対応に備えます。
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認知症高齢者の預金を家族でも引き出しやすくする

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2371908

金融庁は、銀行業界に対して認知症高齢者の預金引き出しに関する指針(ガイドライン)を作るよう求めることにしました。これは、自分の預金を引き出すことが難しくなった認知症高齢者の家族や生活のサポートをしている人が本人に代わって預金を引き出しやすくするためです。金融庁の金融審議会市場ワーキンググループがまとめた報告書では、認知症で高齢者の預金引き出しを家族らが代理で引き出しをしようとしても銀行に断られるケースが多発していると指摘し、

”医療や介護など明らかに本人のための支出であれば、本人に代わって取引を行う者でも手続きを認めるなど柔軟な対応が望ましい“

とし、指針策定を支援する方針です。

自分の財産が自分のために使えないという現実

そもそも、預金の引き出しは私的流用を防ぐために厳格な手続きが必要で、認知症高齢者の家族や生活をサポートしている人から本人の生活費に充てるためであっても、銀行側は裁判所が選任した公的な代理人となり成年後見制度の利用を求められてきました。

しかし、成年後見制度は親族の戸籍謄本や裁判所での登記が必要など、手続きが煩雑であることや後見人に対して報酬が必要なことから、成年後見制度を利用しているのは約17万人(18年)にとどまっています。このため、保有資産がありながら生活費や医療費、介護費に充てられないケースが続出しています。

高齢者の5人に1人が認知症

厚生労働省によれば、現在、認知症631万人、65歳以上の18%(令和2年)が認知症となっており、5年後(2025年)には730万人、65歳以上の20.6%に増える見通しです。このことから金融庁の幹部は、

“このままでは不利益を被る認知症高齢者や家族が増える”

と、柔軟な対応を求めることにしました。

出典:厚生労働省「認知症の人の将来推計について」

家族間トラブルに巻き込まれることも

一方で、課題もあります。ある地方銀行で認知症高齢者の娘から親の生活費のためにと預金の引き出しに応じたところ、後日、息子から「なんで預金を引き出させた?自分で使うに決まってる!」と怒鳴りこまれたケースなどがあり、家族間のトラブルに巻き込まれるがあります。このため金融庁では、

“しゃくし定規な対応では超高齢化社会に対応できない。判断に迷ったら事例集を参考にしてほしい”

と、事例を集めた指針を銀行業界に事例集を集めた指針を作るように要請します。

出典:毎日新聞7月29日

Twitterの反応

私の父も認知症ですが、この世の中認知症患者には優しいのに患者の家族(世話する人)には冷たいなぁと感じていたので、
コレが朗報になる事を切に願います。

認知症高齢者の預金引き出しやすく 金融庁が銀行業界に指針作成要請へ - 毎日新聞 https://t.co/jASvUdwKal

— Bob@ミーナ (@Bob40070109) July 29, 2020

基本的には、Twitterの埋め込みをお願いいたします!
もしうまく反映されない場合は、リンクを挿入いただけますと幸いです。

認知症高齢者の預金引き出しやすく 金融庁が銀行業界に指針作成要請へ - 毎日新聞

たいへんけっこうだ。独居高齢者なんかは社協のCSWなんかと組んで生活できるようにしてくれたらいい。
成年後見制度は生活全般に目配りできるようにはなっていない。https://t.co/LuMjl79SRV

— newいけかん (@art_boat67) July 29, 2020

ネットの意見

成年後見制度の活用が進まない現状の中、全国銀行協会が一定の条件下で、家族が預金を引き出せることとしたのは、現実的で実効性のある対応だと思います。

https://www.kaigo-kyuujin.com/oyakudachi/topics/55271/

まとめ

金融庁は、銀行業界に対して、認知症高齢者の家族や生活をサポートしている人が預金を引き出しやすくするガイドラインを作成するよう要請しました。

これは今後も認知症の人が増えていくのに対し、成年後見制度がなかなか進んでいない状況があり、自分の預金が自分のために使えないという不利益を生じさせないようにするためです。

一方で預金を引き出しやすくすることで家族間トラブルに巻きこまれることが懸念されるため、事例集の作成も要請しています。

これを機に、ケアマネジメントのひとつとして今後の預金を含む財産管理について、家族間での話し合いを提案してみてはいかがでしょう。

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