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特養の准看護師が逆転無罪|ドーナツ誤嚥による窒息は注意義務違反にあたらず

最新情報
特別養護老人ホームの誤嚥による死亡事故で、誤ってドーナツをあたえたとして業務上過失致死に問われていた准看護師が無罪判決となりました。被告はすでに一審で有罪判決を受けており、介護業界からは現場の萎縮をまねくと批判の声も上がっていました。東京高裁は、介護の食事提供で医療ほどの注意義務はもとめられないとの見解を示しています。
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施設側と遺族の間では示談が成立していた

出典:https://www.irasutoya.com/2013/06/blog-post_9354.html

長野県安曇市の特別養護老人ホームで起きたドーナツ誤嚥による死亡事故で、業務上過失致死を問われていた准看護師の女性が、東京高裁の控訴審で逆転無罪となりました。

介護の現場では誤嚥によるトラブルが多く、個人を起訴したことについて、介護業界でも批判の声が上がっていました。

記事によると…

被告は2013年12月、介護職員からおやつの配膳の手伝いを頼まれ、食堂で被害女性にドーナツを提供。女性は食べた後に一時心肺停止になり、約1カ月後に低酸素脳症で死亡した。施設側と遺族の間では示談が成立したが、検察は被告を業務上過失致死の罪で在宅起訴した。

裁判長は、このような事故を予見することはむずかしく、被告の注意義務違反は問えないとしています。

介護における食事の重要性にも言及

地裁では、亡くなった女性は事故の6日前にゼリー状のおやつに変えており、その記録を確認しなかったことを被告の過失だとしています。

それに対し、記録の目的はあくまで介護職員同士の情報共有にあったと、高裁は内情をよく把握したうえでの指摘を行っています。

 判決はまた、窒息の危険性を否定しきれないからといって食事の提供が禁じられるものではないとも言及。食事の提供は「健康や身体活動を維持するためだけではなく、精神的な満足感や安らぎを得るために重要だ」とも述べ、身体への危険性が常に懸念される医療行為ほどの注意義務が求められるものではないとの見方を判示。被告がおやつの内容変更を確認せずドーナツを提供したことに刑事責任は問えないと結論づけた。

この判断は介護全般におよぶもので、今後の業界のあり方についても大きな指針となっていきそうです。

(記事URL:「ドーナツで特養入所者窒息死 准看護師に逆転無罪判決」)

Twitterの反応

介護士1人で複数の人の食事介助もあるからなぁ
誤嚥等の危険がある人には配膳順の配慮、傍での見守りに入るけど、食事に何ら問題のない人が誤嚥してしまうことまで責任問われるとキツい

「ドーナツ提供で特養入所者が窒息死 准看護師に無罪判決 東京高裁」 https://t.co/vV5BIbodcd

—  ちゃっきー    (@dkchucky1) July 28, 2020

ケアの申し送りや連絡ノートでのやり取りは看護師は全くのノータッチな部分でしょう。
それなのにこの看護師さん、食事介助したんですね。

てか、今までにおやつを手伝ってくれたナースっていない……

「ドーナツ提供で特養入所者が窒息死 准看護師に無罪判決 東京高裁」 https://t.co/9m1axgzMcA

— まーくん@G党 今年の晩秋には銀座のパレードが見たい  (@TRQ5sr21Al04QZn) July 28, 2020

東京高裁「(おやつや食事は)健康や身体活動を維持するためだけではなく、精神的な満足感や安らぎを得るために重要だ」

当たり前のことなんだけれど感動した(・ω・)

/ドーナツで特養入所者窒息死 准看護師に逆転無罪判決 https://t.co/fXi0N92DYq

— 小動物を愛するしんさん (@aphros67) July 28, 2020

ドーナツで特養入所者窒息死 准看護師に逆転無罪判決:朝日新聞デジタル https://t.co/GfPf3w7kro

まずは喜ばしいし判決を支持するが、職員間での情報共有に不備があったのは事業所側に改善の余地がある案件。
看護職員と介護職員の情報共有が悪いのは割りとある話だし、行政側も対策が必要。

— おるぐり (@allgreen76b) July 28, 2020

ネットの意見

当然です。これで有罪になれば、施設で介護する職員はいなくなります。

検察は本当に何が大切なのか分かってない。こういうケースで裁判を行うのであれば、個人を罰するためのものではなく、再発防止を目的にすべきだ

遺族もやりきれない思いかもしれないが、あんなに大変な仕事を30年も続けてきた上でこんな事になってしまったこの方が遺族の次に辛くて悔しい、悲しい思いをしていると思う。無罪は当然だと思うが、それでも気持ちの上では本人は一生苦しむことになると思う。4年もよく闘い抜いたと思う。

妥当な判決だと思いますが、饅頭やドーナツなんて特養のおやつには適さないのも事実です。口の中の水分を持って行かれるので水分と交互嚥下が必須でしょう。おやつをゼリーや液体などと極端に食形態を落とす必要はないですが、介護施設が一律に出すおやつは細心の配慮が必要ということに変わりはないと思います。

まとめ

高裁の判決内容は、現場の事情をよく理解し、さらに介護における食事の重要性にまで踏みこんだとても行き届いた内容となっています。被告だけではなく、業界全体にとって勇気づけられる言葉となったのではないでしょうか。

本来であれば、こうした介護の根本的なあり方をふまえつつ、今後の事故防止に向けてどのような取り組みができるのか、といった方向へ議論が進められるべきでした。それが、責任の追及ばかりに時間を取られてしまったことはとても残念なことです。

これをきっかけに、ふたたび前向きな議論や改善が行われていくことをのぞみたいです。

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