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老人ホーム恋愛の実態|泥沼恋愛に発展しないために家族はどうすればいい?

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老人ホーム内で恋愛をする人は多いようです。意外に思われる方もいるかもしれませんが、恋愛感情を持つことは年齢とは関係ありません。 高齢期の恋愛は心に活力を与えることもありますが、逆に、トラブルによってダメージを受けることもあります。周りの家族はそっと見守りながらサポートすることが重要です。自分の親・祖父母が恋愛をしたら家族はどうすればよいのか理解しておきましょう。
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高齢になると恋愛感情がどんどん薄れていくと思っている人は多いのではないでしょうか。確かにそういった方もいますが、恋愛感情は人が持つごく自然な感情であり、年を重ねたからといって衰えていくものではありません。

高齢期に恋をして下向きになっていた感情が前向きになりQOL(生活の質)の向上につながったという事例があるほど恋は生きる力に大きな影響を与えます。

このように恋愛はプラスに働く部分もありますが、一方でトラブルに発展することもあります。こういった恋愛トラブルは本人達だけではなく家族も巻き込んで発展していくこともあります。

今回は老人ホームの恋愛について事例を交えながら、恋愛が高齢者に与える影響、自分の親が恋愛をした時の家族の心得・するべきこと、老人ホーム恋愛の問題点・注意点などを説明していきます。

他人事とは思わずに、「自分の親、祖父母がもし同じ状況になったら・・・」という視点で読んでいただければと思います。

(1)老人ホームでの恋愛事情

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2211582

高齢者の方が恋愛をする場として多いのが「老人ホーム」です。

老人ホームには様々な種類がありますが基本的に男女共同型であり、食事やレクリエーションなので顔を合わせる機会が多いため、恋愛感情が生まれやすい環境だといえます。特にサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は要介護度の低い、自立した方が入居できるため高齢者同士の恋愛が比較的多いと言われています。

老人ホームの恋愛パターンとして多いのが配偶者に先立たれた方同士の恋愛です。

今まで一緒に付き添ってきた夫・妻がおらず、家族・親戚とも気軽に会えない施設生活となると「寂しさ」を覚えますよね。実際にそういった感情を抱いている高齢者の方は多いようです。そんな心境の中、同じ境遇でしかも趣味や話が合った方がいれば恋愛感情が生まれるのはごく自然なことだといえます。

老人ホーム内での恋愛の形は様々ですが、「相手を想う」というところは共通しておりこの気持ちは生きる力につながっていきます。

では実際に、恋愛がどう高齢者の生きる力につながっていくのか次の章で見ていきましょう。

(2)高齢期の恋愛は「生きる力」を与える

恋をするとあなたはどんな気持ちになりますか?ドキドキしたり、相手を想っただけで元気になったりしませんか?こういった恋による前向きな気持ちは高齢期の方たちに生きる力を与えます。ここでは実際の事例とともに「恋愛」が高齢者にどのような影響を与えるのか紹介していきます。

恋の力でリハビリ意欲向上

高齢になってくると、体を動かすことが億劫になり運動する機会が減ると思います。高齢者にとっての運動不足はケガや骨折を招く可能性を非常に高めます。

そういったケガや骨折、また病気による身体機能への障害が残ったときにリハビリをして元の生活水準に戻す努力をすることは大切であり、「最期まで自分らしく生きる」ことにつながります。

しかしリハビリを継続して行う中で、途中で面倒くさくなり止めてしまったり、思うようにいかなくてストレスがたまりリハビリを拒否してしまう方もいらっしゃいます。

実際に脳梗塞で下半身麻痺になった男性はリハビリ中にイライラすることが多くリハビリ意欲がなくなり途中から拒否するようになりました。しかし新しく入居してきた、同じ下半身麻痺の障害を持つ女性に恋をし、二人で「いつか一緒に山登りをしよう」という目標を立ててからはお互いに励ましあいながら積極的にリハビリを受け始めるようになったそうです。

この事例のように好きな人と一緒に何かを行うことで嫌なことを乗り越えられたら素敵ですね。

恋の力でQOL(生活の質)向上

そもそもQOLとは「毎日が充実し、心身共に満たされた生活」に焦点をあてた考え方であり、これは毎日の生活で幸せを感じる状況を見出すことで向上していきます。

「恋愛」はこの幸せを感じる状況を作り出すことができ、QOL向上にとても大きな影響を及ぼします。

実際に施設内で仲の良かった友達が亡くなられてショックをうけ感情が塞ぎこんでしまったある女性がいました。その方が前から好意を寄せていた男性は心配をして食事の際など積極的に話しかけ、その方に寄り添いました。するとだんだん塞ぎ込んでいた感情がほぐれていき、最終的には男性とレクに参加するなど毎日に幸せのある生活を取り戻していったそうです。

恋の力で認知症が改善?!

認知症の症状は様々ですが、初期症状が進んでくると脳が疲れやすくなるため、何か行動するエネルギーが出なくなり無気力状態になる方がいます。その症状が出ていたある女性は食事・入浴など生活していくために必要なことの大半をめんどくさがっていました。

しかし、新しく入居してきた男性に一目ぼれをし「恋」をしてから身だしなみを気にするようになり、嫌がっていた入浴もするようになっていきました。好きな人を意識して生活するようになったのが功を奏したのか、話す内容や行動もしっかりし認知症の症状が改善していったそうです。

ここで注意してもらいたいのが、これはあくまでも一事例にすぎないということです。この認知症への効果に根拠はありませんが、恋がその人の生活意識を変えたのは事実だといえるでしょう。

参照:LIFULL介護・https://kaigo.homes.co.jp/qa_article/134/

(3)高齢期の恋愛、家族の心得

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1025466

恋愛感情は年齢に関係なく人が持つ自然な感情といっても、自分の親や祖父母が恋愛していると知ったら複雑な思いを抱くでしょう。そういったとき、家族はどういった対応をとるべきなのでしょうか。

否定せずに見守る

自分の家族が恋愛をしていると知ったら、否定せずに見守る姿勢をとるようにしましょう。真剣な恋愛をしているところに自分の子や孫から否定の言葉を受けると傷ついてしまうものです。

恋をしたことによって前向きになっていた気持ちが家族から批判されたことによって塞ぎ込み元気がなくなってしまうといったこともあるかもしれません。なのでしばらくは様子を見るのが良いです。

また頭ごなしに否定してしまうと喧嘩になってしまい家族関係が悪くなることもあります。すぐに受け入れる必要はありませんが、近くで見守っていく中で本人の幸せを感じるのであれば理解していくということも必要なのかもしれません。

(4)心得たうえで、家族がするべきこと

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1997119

親の恋愛をそっと見守ると決めたうえで、家族がするべきことは2つあります。

相手家族とのコンタクト

恋愛が発展していくと、喧嘩、別れ、結婚など様々なことが起こりますが、それがいつ何時かはわかりません。しかも高齢期の結婚となるとお互いの家族を巻き込んだトラブルが生じることもあり、色々ややこしくなってきます。

こういったトラブルを防ぐという意味でも相手の家族と知り合っておいて情報共有、また何かあった時は協力し合えるような関係を築いておくことが重要になってきます。

施設内で恋愛している場合はその施設スタッフに協力してもらい、顔合わせの機会を作ってもらうのがいいかもしれません。

施設スタッフに報告・相談をする

親が恋愛をしていると知ったら、施設のスタッフに報告しましょう。当たり前ですが、施設スタッフのほうが家族より本人と一緒にいる時間が長いです。なので、普段の生活で気にかけてもらうよう依頼しておきましょう。

また、少しでも親の恋愛に関して気になることがあったら相談することをおすすめします。特に本人たちの関係が進んで「結婚したい」と言い出した時は相談するようにしてください。すべてのスタッフがそうとは言えませんが、多くの施設スタッフはいろんな高齢者カップルを見てきており「結婚」となるとどういうトラブルが出てくるのか知識もあるはずです。第三者の冷静なアドバイスをきくことはとても重要なことです。

(5)高齢期の恋愛トラブル 

高齢期の恋愛には心温まる話もあれば、トラブルに発展するようなケースもあります。次の2つは高齢期の恋愛で、起こる可能性の高いトラブルになります。

トラブル1 ストーカー被害

施設内で恋愛感情を持った相手を「人生最後に見つけた相手」と思い、その執着心また思いの強さからストーカー行為に及ぶ人もいます。

実際にある女性に想いを寄せていた男性はその人への思いが強すぎて、女性が昼寝をしている部屋に勝手に入り込むという異常な行動をおこしました。これがあってから女性は男性を怖がるようになり施設を出て行ってしまいました。

この事例は付き合っていませんが、付き合ってから執着心が強くなりストーカー行為をする人もいます。

このようなトラブルを起こさないために(4)でも述べましたが、施設スタッフに依頼して、親の様子を気にかけてもらうことが大事です。また、好意を寄せている・られている方がどいう言う人なのか知っておくことも大切です。

万が一ストーカー被害にあった場合は、施設退去また家族が本人に寄り添って心のケアをする必要があります。

トラブル2 相続問題

高齢者同士の恋愛が結婚にまで発展するとこの相続問題が出てきてしまいます。この相続問題は本人達だけではなくその家族を巻き込む問題といえます。なぜなら結婚をしてしまうことで、子や孫にいく遺産の額が変わってきてしまうからです。そのため、このような問題に発展しないためにも、なるべく籍は入れないことをお勧めします。

本人たちに理解してもらうのは難しいと思いますが、しっかり相続問題についても触れて丁寧な説明をするよう心がけましょう。難しい場合はケアマネや施設スタッフの人に相談してみても良いかもしれません。

また、自分の親・祖父母に内縁関係の方ができた場合も相続問題が起こる可能性があります。内縁とは一緒に生活をしていて事実上婚姻関係ではあるが、婚姻届が未提出であるため法律上は配偶者として認められていない妻や夫のことをいいます。

内縁関係の場合は財産分与の権利はあるが、相続権は発生しません。しかし、「内縁関係者に遺産を渡す」といった遺産相続に関する遺言証があれば内縁関係者は遺産を相続できてしまいます。

相続問題で揉めないためにも、自分の親・祖父母には遺言証を安易に書かないように伝えておきましょう。また遺産相続に関係してくる遺言証の知識はつけておくと良いでしょう。公正証書遺言が遺産相続とどう関係するのか分からない方は次の記事をお読みください。

合わせて読みたい記事!

「【作成依頼者別】公正証書遺言の作成費用を具体的な数字とともに解説」

こういった事前の対策で、トラブルは回避することができます。

(6)高齢期の恋愛では「家族の見守り」が重要

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/430332

恋愛をすると心が満たされ毎日を生き生きと幸せに過ごすことができます。この恋愛で生まれるプラスの感情は高齢期の方の活力となります。しかし一方で恋愛がうまくいかなかった時は心の負担となってしまいます。そんな時は家族の方が寄り添って、励ましてあげてください。

周りの家族はそっと見守りながらも施設の人に報告したり、トラブルに発展するようなことはないか気にかけたりする必要があります。

受け入れるのは難しいかもしれませんが、高齢期の恋愛は「最期まで自分らしく生きる」ことにもつながります。本人の意見を尊重して温かく見守りましょう。

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