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ターミナルケアには絶対必要!介護職に求められる医療的知識とは?

社会問題
ターミナルケアにとって必要不可欠な医療的知識について取り上げます。 もちろん介護職は、医療行為(許可された痰吸引を除く)を行うことはないのですが、医師や看護師が正しい指示を出すためにも、可能な限り正確な情報を伝えることが求められます。そしてそれには、一定の医療的知識が必要になります。今回はターミナルケアにおいて、特に重要となる医療的知識を確認していきましょう。
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(1)ターミナルケアのフロー概要

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/306562

ターミナルケアとは、ご本人・ご家族の希望により、痛みや苦痛を取り除くための医療のみ施し、出来るだけ自然に近い形で死を迎えるお手伝いをすることです。ターミナルケアがどのような経緯で進むのか、まずはその一連の流れをみていきましょう。(今回は、入所系施設での例となります)

ターミナルケア開始期

  1. 主治医が医学的知見から回復の見込みがないと判断する状態となった場合、ご本人もしくはご家族(ご本人の意思を代弁出来る方)に、病状や予後について説明を行います。
  2. 施設サイドからも、施設で可能な対応や医療行為などの説明を行います。また入院となった場合の支援についてもご説明します(どんな終末を迎えることが可能なのか、ご本人やご家族がイメージを持ちやすいよう支援を行います)。
  3. 施設にてターミナルケアを受けることを希望された場合は、医師を交え、下記の点について詰めていきます。
  • 医療行為(点滴や酸素吸入、痰吸引等)の頻度
  • 行わないことで衰弱が予想される、食事と水分摂取の程度
  • 行うことで急変が予想される、入浴や清拭、離床の程度
  • 身体的ケアを苦痛なく行う為の工夫
  • 不安や孤独感軽減のための精神的ケア
  • その他、住み慣れた居室の環境整備やご家族が出来ることの聞き取り等
  1. ターミナルケア実施について、同意書の作成を行います。
  2. 上記をもとに、カンファレンス(サービス担当者会議)を行い、ターミナルケアにおけるケアプランを作成。ご本人、ご家族への説明と交付を行います。

ターミナルケア実施期

  1. ケアプランをもとに、ターミナルケアを実施していきます。
  2. 病状や状態変化に合わせ、随時ご本人やご家族へ説明、同意を得て、ケアを進めていきます。
  3. ご家族へは、無理のない範囲でケアに参加して頂きます。またご本人やご家族とのコミュニケーションを十分に行い、 終末に向かうお気持ちに寄り添います。途中で入院を選択することも可能です。

臨終期

  1. 兆候を見逃さず、医師へ連絡し指示を仰ぎます。
  2. ご家族が静かに最期のお別れが出来るよう配慮します。
  3. 医師による死亡診断を行います。
  4. エンゼルケアを行い、お見送りします。

(2)それぞれの段階で必要な医療的知識

では、介護職に必要なターミナルケアにおける医療的知識とは何でしょうか?それぞれの段階に分けて、見ていきましょう。

ターミナルケア開始期

  • 食事摂取量が減少していきます。本人が苦痛にならない程度の量を提供しましょう。
  • 嚥下能力に合わせた食事形態に変更しましょう。誤嚥しないよう、食事の際の姿勢に注意しましょう。
  • バイタルの変化を見ながら、入浴や清拭を行いましょう。入浴がご本人の楽しみである場合は、主治医やご家族と十分話し合いを持ち、 短時間でも入浴出来るよう支援しましょう。急変に備え、看護師も入浴に同席すると良いでしょう。

ターミナルケア実施期

  • バイタルに変化が出てきます。常時微熱がある、血圧が平常値よりも低いなどの状態となります。
  • 呼吸状態が不安定になってきます。一般的にはファーラー位からセミファーラー位が安楽とされていますが、 ご本人の体形(亀背等の身体的特徴)により、呼吸しやすい体位を取りましょう。
  • 必要な水分量を摂取出来ない場合、点滴を併用する場合があります。点滴が浮腫や痰を伴う場合は、量を減らす、中止するといった変更があるので、状態を観察しましょう。点滴によって現れた痰や浮腫は、水分が体内でうまく吸収されていないことの現れで、苦痛を強めるものでしかありません。
  • 栄養状態が急速に悪くなり、褥瘡が出来やすい時期です。体位変換は苦痛を伴いますが、適宜クッションを入れる等工夫して行いましょう。

臨終期

  • 排尿間隔が長時間もしくは無排尿となり、タール便が出ることがあります。
  • 呼吸状態が、努力呼吸(肩で息をする)や下顎呼吸(顎を上下させ息をする)となります。また生あくびも多く出るようになり、意識が混濁します。
  • 酸素を体内に取り込めなくなると、酸素飽和度(血中酸素濃度)が低下し、チアノーゼ(唇や指先などの色が紫になる)を起こします。 循環が悪くなり、特に末端に血液が回らなくなるので、足先などを温めましょう。
  • 手首計ではバイタルが測れない状態となります。普段から水銀計で測ることが出来るよう訓練し、正確なバイタルを報告出来るようにしておきましょう。

(3)まとめ

今回は、ターミナルケアのフロー概要と、介護職に必要な医療的知識を見ていきました。それぞれの段階に必要な医療的知識があれば、 慌てず冷静に行動することが出来ます。

特にターミナルケアは、ご家族の目の前でケアを行うことも多いものです。ご家族が安心して見送ることが出来るよう、 的確なケアを行っていきましょう。

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