介護に関わるすべての人を応援します

65歳以上も雇用保険の対象に|加入要件、給付金の種類、手続きなど

公的制度
平成29年1月から、65歳以上でも雇用保険に適用するように制度が変わったため、望めば65歳以上でも保険に加入しながら働くことができるようになりました。この記事では、そんな高齢者の雇用保険について紹介します。
公開日
更新日

(1)65歳以上は雇用保険の対象?

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/337592

雇用保険の適用範囲が拡大し、65歳以上も対象に

平成29年1⽉1⽇から雇用保険の対象となる適用範囲が拡大されました。

それまで、65歳以上の高年齢者(「⾼年齢継続被保険者」となっている方以外)は雇用保険の適用外でしが、雇用保険の法改正により65歳以上の高年齢労働者も、加入要件を満たせば適⽤対象となります。

加入要件に当てはまる65歳以上の労働者を雇用している事業主は雇用保険の手続きをする必要があります。また、この手続きは65歳以上の従業員を新規に雇う場合と、既存の従業員が65歳以上になった場合で異なります。

ここでは、65歳以上で働く側、雇う側、それぞれにとって必要な情報を紹介していきます。

人生100年時代と言われている現在、必要な情報は必要な時にしっかり取得しておきましょう。

(2)65歳以上の雇用保険の加入要件

65歳以上だったら誰でも雇用保険の対象となるわけではありません。65歳以上の雇用保険にも、加入できるかどうかの加入要件があります。

これは雇用形態によって異なり、正社員・一般社員の場合はほぼ確実に適用されます。しかしパートやアルバイトという形で働いている方は下記の加入要件を満たす必要があります。

加入要件

  • 1週間の労働時間が20時間以上
  • 31⽇以上の雇⽤が⾒込める

雇用保険には対象となる賃金とならない賃金があります。対象となるのは、税金や社会保険料を控除する前の総賃金金額です。  

(3)雇用保険の種類一覧

そもそも雇用保険にはどんな種類の給付項目が含まれているのでしょうか。ここで一度おさらいしておきましょう。

雇用保険の給付項目とその概要
求職者給付 失業者の求職活動中の生活を安定させることを目的とした給付。代表的なものとして「基本手当(失業保険)」がある。
雇用継続給付 仕事を続けることが困難な方に、雇用継続の支援・促進を目的とした給付。代表的なもととして「高年齢雇用継続給付」「育児休業給付」がある。
就職促進給付 失業者の再就職の支援・促進を目的とした給付。代表的なもととして「就業促進手当」がある。
教育訓練給付 従業員のスキルアップへの取り組みを支援し、再就職の促進を図ることを目的とした給付。代表的なもととして「教育訓練給付金」がある。

この中で、65歳以上の方が雇用保険に加入し給付されるものは「雇用継続給付の一部」と「教育訓練給付」になります。法改正によって給付金の適用範囲も広がりました。

次の章では65歳以上が受給できるようになった給付金を紹介していきたいと思います。

(4)65歳以上の従業員が受給できる給付金

雇用保険の適用拡大によって、保険対象者となった65歳以上の労働者は以下の「各種給付金」を受給することができます。

高年齢求職者給付金

今までは、65歳以上の方の失業の際は一度だけしか給付金が支給されませんでした。しかし、65歳以上も雇用保険の適用範囲に入ったことから、65歳過ぎてからの再就職でも雇用保険が適用され、失業した際にも高年齢者給付金をその都度受給することが可能になりました。

育児休業給付金

育児休業期間中に支給される給付金です。育児休業を65歳以上の労働者が開始する場合も、要件を満たせば受け取ることが可能になります。介護の場合も同様に受給できます。

介護休業給付金

介護休業期間中に支給される給付金です。65歳以上の労働者が開始する場合も、要件を満たせば受け取ることが可能になります。

教育訓練給付金

厚⽣労働⼤⾂が指定する教育訓練を受講する場合に利用できる給付金制度です。教育訓練を開始した日が65歳以上でも、雇用保険の適用範囲に入るため、受け取ることが可能です。

離職日翌日から教育訓練の開始⽇までの期間が1年以内の場合も、要件を満たしていれば教育訓練給付⾦の⽀給対象です。

以上が、4つの給付金です。今までは65歳以上の方はこの4つの給付金を受け取ることができませんでしたが、新しい制度のもとで可能になりました。

(5)雇用保険の計算方法

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/390526

雇用保険の計算方法について知っている方は、あまりいないかもしれません。65歳以上の場合の計算方法は、以下の式を利用します。

「給与額(賞与額)」×「雇用保険料率」

この式を使い、雇用保険を計算します。「給与額(賞与額)」は税金や社会保険料を控除する前の金額です。

「雇用保険料率」は、雇用保険料を計算する際に必要になる計算率です。雇用保険料率は事業によって異なり、毎年の失業保険の受給者、積立金の残高などに合わせて見直されています。

そのため、企業で確認する必要があります。一般事業の場合、雇用保険料率は1000分の6が事業者の負担、1000分の3が労働者の負担になるケースが多いようです。

(6)65歳以上の従業員を雇う場合に必要な手続き

必要書類をハローワークに提出する

65歳以上の労働者が雇用保険の対象となりましたが、その際の届け出は、いつまでに行う必要があるのでしょうか。また、どのように届け出をすればいいのでしょうか。

雇用保険が適用拡大されたことで、新たに被保険者になる65歳以上の従業員に対して、企業は雇用保険被保険者資格取得届を提出しなくてはいけません。提出先は、ハローワークです。

雇用保険への加入は、加入者ではなく企業が行う義務があります。

その場合、対象者の雇用保険加入手続きを行う期限は、対象となる65歳以上の従業員が入社したその翌月10日までです。忘れないように注意しましょう。

(7)既存の従業員が65歳以上になった場合に必要な手続き

では、すでに雇用して働いている従業員が65歳以上になった場合はどういった手続きが必要なのでしょうか。

雇用保険の適用拡大の範囲である65歳になる前から働いていて65歳に達した場合は、65歳になった後は以下の手続きを行いましょう。

すでに高年齢継続被保険者になっている従業員は、手続きの必要がありません。しかし、新しく雇用保険に適用する場合は、雇用保険に適用となった⽇の属する月の、翌月10日までにハローワークに届出をする必要があります。

もし、不明な点があれば、一度ハローワークに問い合わせてみてください。

(8)保険料徴収の緩和措置とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1635021

雇用保険の適用範囲が拡大される前までは、満64歳以上にあたる従業員は雇用保険料が免除されてきました。拡大したことによって、雇用保険の被保険者となりましたが、その場合は今まで免除されてきた人の扱いはどうなるのでしょうか。

そのような今まで免除されてきていた高年齢被保険者の雇用保険料徴収については、平成32年3月までの期間は、雇用保険の徴収は免除されます。正確には、免除の措置が継続されるという状態です。これが、緩和措置です。

雇用保険の料率も随時見直しがかかっているため、当てはまる人がいる場合は、厚生労働省のホームページで公開されている情報もチェックしておく必要があります。

(9)65歳以上の従業員も雇用保険加入を忘れずに

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/424016

超高齢化が日本の社会問題となっている現代、65歳を過ぎた高齢者でも、元気な方はたくさんいます。

まだまだ現役で働ける体力や知識があり、本人が65歳以降も働きたいという場合には、ぜひ企業でも戦力とならないか検討してみてはいかがでしょうか。

65歳以降の高齢者が入社した際には、雇用保険の加入を忘れないようにしましょう。加入保険への加入手続きは事業主の義務ですが、本人も心得ておくようにしましょう。

この記事が気に入ったら
いいねしよう!