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NISAには確定申告が必要?必要がある2つのケースを紹介

資産運用
NISAは個人投資家を対象として、株式や投資信託などの金融商品で得た利益が非課税となる制度です。ただし、場合によっては課税対象となったり、確定申告が必要なケースもあるため、特徴を正しく理解し活用することが重要です。 NISAと確定申告の関係を徹底解説します。
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(1)NISA制度の概要

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/959735

NISA(Nippon Individual Savings Account:少額投資非課税制度)はイギリスのISA(Individual Savings Account:個人貯蓄口座)の日本版として2014年1月、上場株式や株式投資信託といった金融商品に投資をする、個人投資家を対象とした新たな税制優遇制度として開始されました。

金融庁の調査によれば、NISA口座の開設数は年々増加しており、2018年6月末時点で1,197万件以上とされています。

この記事ではこのNISAにおいて確定申告が必要になる2つのケースを紹介します。


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(2)確定申告とは

通常、株式や投資信託などの金融商品で利益を得た場合には、これら以外の収入と同様、所得税法に定められた確定申告をしなければなりません。

確定申告とは所得にかかる税金(所得税および復興特別所得税)の金額と納付を行うための手続きで、1年間(1月1日~12月31日)の収入から必要経費を差し引き、所得額を確定して算出します。

対象となるのはその年の収入が2,000万円を超える人、給与所得や退職所得以外の所得金額が20万円を超える人、2カ所以上から給与をもらっている人、住宅ローン控除を受ける人、医療控除や雑損控除などの控除の適用を受ける人などです。

これらの条件に該当する場合には、翌年2月16日~3月15日の間に確定申告書や決算書等の必要書類をそろえ、税務署へ提出したうえ、納税しなければなりませんが納め過ぎた税金は戻ってくることもあります。

(3)確定申告の特徴

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/443961

株式や投資信託などの金融商品の取引において、確定申告は納税額の決定や納付以外にも役割があります。そのうちのひとつが、損益通算ができるというものです。

損益通算を行うと証券口座を2つ保有している場合、一方で利益が出ていても、もう一方で損失が出ていればこれを相殺したうえで税金の納付額を算出することができます。

また、年間の取引で利益が出ている場合でも、前年の取引で損失が出ていれば確定申告をすることによって損失を繰越控除することが可能です。

さらに1年間では損失が残る場合、最大で3年間繰越しが可能となっています。

(4)NISAには確定申告は必要か

現在、証券会社や銀行で取り扱われている証券口座には一般口座と特定口座と呼ばれる2種類があります。

このうち一般口座は株式や投資信託の売買によって生じた売買益について確定申告が必要になります。

また、特定口座は申告や納税手続きが簡素化されていて、税金部分を源泉徴収し、税務申告まで金融機関に委託することも可能です。このため実質的に確定申告は不要ですが、非課税ではありません。

一方、NISAは原則非課税となっている個人口座です。つまり、損失が出た場合はもちろん利益が出た場合でもそもそも確定申告の必要はありません。

(5)NISAと税金の関係

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2371908

通常の株式取引では、配当金や売買益所得税が15%、住民税が5%、復興特別所得税が0.315%、合計で20.315%の税金を徴収され、場合によっては確定申告が必要です。

一方NISAではこの部分に毎年120万円の非課税投資枠が設けられ、配当金や売買益が5年間非課税となります。

具体的に対象商品となるものは株式や株式投資信託、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)などの売却益や配当金(分配金)といった運用益で、預貯金や公社債などは対象となりません。

また、5年間の非課税期間が終了すると、一般の課税口座へ移行するか翌年の非課税枠へ移行し保有し続けるかを選択することができます。

(6)NISAに確定申告が不要な理由① 利益・損失の考え方がない

NISAにおける「非課税」とは損益を把握しない、つまり損益は税務上存在しないと考えるというものです。

一方、NISA口座以外の一般口座や特定口座における金融商品の売買では、買付時の価格を基準に売却時の価格が高いか安いかによって損益が確定し、利益が出ている場合には税金が課されます。

しかし、NISA口座では、そもそもこうした売買時の内容や損益の計算が残ることがありません。

(7)NISAに確定申告が不要な理由② 損益を通算できない

NISA口座で金融商品を売買した場合、損益の計算がなく税金が発生しないことから、「確定申告が必要ない」ともいえますが、一方で「確定申告できない」ともいえます。

一般口座や特定口座で取引している場合には、確定した損益に基づいて確定申告をしなければならないものの、損失が出ている際にはここで複数の金融商品の取引や金融機関での取引をすべて合算し、損益通算することによって、税金が税金が還付されることもあります。

ところが、NISA口座では税金が発生しないことから、損益通算をすることができず、当然のことながら損失を繰り越すこともできません。

このため、NISAは利益が出ている場合には非課税であることがメリットとなりますが、損失が出た場合にはこれがデメリットとなります。

(8)NISAで課税対象になる場合

原則として非課税のNISAですが、課税対象となる場合もあります。これは、配当金の受け取りに関するもので受取方法によって異なり、具体的には以下のようなものがあります。

NISAの配当金受け取り方法
株式数比例配分方式 証券口座で配当金を受け取る方法
配当金領収証方式 発行会社が株主に対して送付する「配当金領収証」を郵便局またはゆうちょ銀行に持参し、配当金を受け取る方法
登録配当金受領口座方式 保有しているすべての銘柄の配当金を指定した1つの金融機関の預金口座で受け取る方法
個別銘柄指定方式 銘柄ごとに配当金を受領する金融機関口座を指定し、届け出されている銘柄の配当金のみを指定した金融機関口座で受領する方法

このうち、株式数比例配分方式を選択した場合には配当金に課税されることはありません。しかし、株式数比例配分方式以外を選択した場合、いずれも配当金が課税対象となります。

つまり、NISAで課税対象になるのは受け取る口座や受け取り方法の違いのみということになります。

あえて株式数比例配分方式以外の方法を選択してしまうと、NISAのメリットを最大限活かせないといえるでしょう。

(9)NISAで確定申告が必要な場合

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2339758

NISAは原則として確定申告の必要はありません。

しかし配当金の受け取り方法で株式数比例配分方式を選択しないと、課税対象になるだけでなく、配当益が20万円を超えた場合、確定申告を行わなければならないので注意しましょう。

また、NISA口座で発生した配当益が20万円以下でも、NISA口座以外に一般口座も開設している場合、こちらと配当益や売買益を合算して、20万円を超えると同じく確定申告が必要となります。

(10)NISAにおける確定申告について正しく理解しよう

一般的に株式や投資信託といった金融商品の取引では、利益を得たケースのみに目がいきがちですが、元本割れのリスクがある性質上、損失が出た場合についても考慮しておかなければなりません。その点でNISAには損益通算や3年間の繰越控除が適用できないといったデメリットがあります。

また、NISAが確定申告が不要というのはあくまでも株式や投資信託に限ったことであり、これ以外の利益や、社会保険料控除、医療費控除、生命保険控除といった税金控除に該当する場合は確定申告を行う必要があるので注意が必要です。

とはいえ、一定の条件の範囲内ではNISA口座は非課税というのは間違いではなく、確定申告の必要もなくなります。

つまり、特徴を理解し、上手に活用すればNISAはメリットの大きい制度といえるでしょう。

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