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【最新版】70歳以上の限度額適用認定証|自己負担額や申請方法

公的制度
医療費が高額になった場合に自己負担額に上限を設け、窓口での支払の際にその上限額を超えないようにする制度、限度額適用認定をご存知でしょうか?身近な方が70歳以上になると医療費について不安に思うことがあると思います。70歳以上からの限度額適用認定の自己負担額、利用するメリット、申請方法などを徹底解説します。
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(1)限度額適用認定証とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1063678

高額療養費制度を利用する際の認定証

病院などの医療機関への通院や入院などをした際に医療費の窓口での支払が高額になることがあります。健康保険の高額療養費制度という制度により後日、自己負担限度額を超えた部分については払い戻されるのですが払い戻しまでは時間を要します。そのため、医療費が高額になればなるほど一時的な支払とはいえ生活に大きな負担になります。

そこで、医療費の支払条件を自己負担限度額までとし、患者への負担の軽減を図る目的の元定められたのが「高額療養費制度」です。

●高額療養費制度について、より詳しい記事はこちら

この高額療養費制度を利用するために必要なのが、限度額適用認定証になります。

●限度額適用認定証の基本情報について、より詳しい記事はこちら

(2)70歳以上の方の限度額適用認定証

提示する必要があるかないかは、所得次第

70歳以上75歳未満の方については、2018年8月の高額療養費制度の改正により所得区分が見直され、70歳以上の場合であっても現役並みの所得がある場合と一般的な場合、低所得の場合の3つに分類されました。

医療費の支払を自己負担限度額までとするために必要なものは所得区分により異なります。特に所得区分が現役並みⅢに該当する方又は一般(70歳以上75歳未満)の方については、保険証と高齢受給者証のみで医療費の支払が自己負担限度額となるため、限度額適用認定証が発行されません。

所得 年収等 医療費の支払を自己負担限度額とするために必要なもの

現役並み

約1,160万円~ 

なし

約770万円~1,160万円

限度額適用認定証

約370万円~770万円

限度額適用認定証

一般

約156万円~370万円

なし

低所得者

市区町村民税非課税世帯

限度額適用・標準負担額減額認定証

Ⅱ+各所得0円(年金除く)

限度額適用・標準負担額減額認定証

(茅ヶ崎市『70歳以上75歳未満の方の高額療養費』をもとに作成)

(3)70歳以上の方の自己負担限度額

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/390526

2018年8月の高額療養費制度の改正により、70歳以上75歳未満の方の所得区分の見直しとともに自己負担の限度額も見直されました。

所得 年収等 自己負担限度額(月額)

外来(個人単位)

外来+入院(世帯単位)

現役並み

約1,160万円~ 

252,600円+(医療費-842,000円)×1%(4回目以降140,100円)

約770万円~1,160万円

167,400円+(医療費-558,000円)×1%(4回目以降93,000円)

約370万円~770万円

80,100円+(医療費-267,000円)×1%(4回目以降44,400円)

一般

約156万円~370万円

18,000円(年間144,000円)

57,600円(4回目以降44,400円)

低所得者

市区町村民税非課税世帯

8,000円(年間144,000円)

24,600円

Ⅱ+各所得0円(年金除く)

8,000円(年間144,000円)

15,000円

(茅ヶ崎市『70歳以上75歳未満の方の高額療養費』をもとに作成)

(4)70歳以上が限度額適用認定証を入手するメリット

70歳以上が限度額適用認定証を入手するメリットについて2点解説します。

経済的負担の軽減

見出し(1)でも述べたとおり、高額療養費制度は払い戻しまでに時間がかかるため、医療費が高額になればなるほど大きな負担になり家計を圧迫します。

70歳以上の場合、年金収入のみで暮らしている方も多いので、現役世代と比較しても医療費の負担はより大きくなります。

高額療養費制度における煩雑な申請作業を簡単にできる

また、高額療養費制度は申請を自らで行うためその事務作業も70歳以上の方にとっては大変です。

病気や怪我などで医療費の負担が大きくなる場合は、限度額適用認定証を取得することで医療費の窓口での支払を軽減するだけでなく、煩雑な事務作業も必要なくなるため大きなメリットになります。

(5)70歳以上が高額療養費制度を利用するには

高額療養費の支給を受けることができるのは、同一月において病院などの医療機関の窓口で支払った医療費が自己負担限度額を超えた場合となります。

自己負担限度額については「(3)70歳以上の方の自己負担限度額」を参考ください。

支給要件を満たしていたら高額療養費制度を利用できるので、高額療養費支給申請書を記入の上、申請を行います。なお、高額療養費の支給申請は1ヶ月ごとで行います。

高額医療費支給申請書の提出方法

支給申請書は健康保険の場合は全国健康保険協会(協会けんぽ)、国民健康保険の場合は保険証を発行している市区町村、健康保険組合の場合は保険者となる組合に提出することになります。

添付書類は療養の内容や所得区分、他の公的制度からの助成状況などにより異なります。

また、被保険者本人が市区町村民税非課税者である場合はマイナンバーの記入と本人確認のためマイナンバーカードの写しなどが必要になります。

ただし、限度額適用認定証が発行されている場合は、病院などの医療機関に保険証と併せて限度額適用認定証を提示すれば前述の通り窓口での医療費の支払条件が自己負担限度額までとなるので、これら高額療養費の支給申請を行う手間が省けます。

(6)限度額適用認定証の申請方法

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/650678

それでは70歳以上75歳未満における限度額適用認定証の申請方法について説明します。

限度額適用認定の申請書の入手や提出先は保険者になります。そのため、保険証によって入手や提出先が異なります。なお、70歳以上の方の場合は国民健康保険証であることが多いです。

詳細は下記の通りです。

保険証の種類 申請書の入手及び提出先
健康保険証(協会)

全国健康保険協会(協会けんぽ)

国民健康保険証

市区町村

健康保険証(組合)

健康保険組合

申請書を入手したら申請書を記入します。限度額適用認定証には有効期間があり、療養を受ける方の療養予定期間により決定されます。有効期間は申請月の初日から最長で1年間です。申請書が記入できたら保険者へ提出します。

あとは申請書に記入した送付希望先に限度額適用認定証が送付されるので、限度額適用認定証が無事に届けば手続きは完了です。

(7)限度額適用認定証申請に必要なもの

申請に必要なものは70歳以上であっても限度額適用認定の申請書のみであることが多いです。ただし、マイナンバーの記入が求められる場合は本人確認として下記の通り添付書類が必要になります。

1点の確認のみで可能な書類

個人番号カード(両面)の写し

2点で確認が必要とされる書類

被保険者の身元を確認するための書類

基本的には運転免許証の写しかパスポートの写しが必要ですが、それ以外でも公的機関が発行する写真入りの身分証の写し(療育手帳など)でも可能です。

被保険者のマイナンバーを確認するための書類

個人番号通知の写しか個人番号入りの住民票(住民票記載事項証明書でも可能)

(8)高額療養費のもう一つの手続き 還付手続きとは

高額療養費は医療費のうち自己負担額を超えた部分について支給されます。限度額適用認定証により自己負担額を超えないように調整することができますが、限度額適用認定証がなければ窓口で自己負担限度額と自己負担限度額を超えた部分の医療費を支払い後日、申請により自己負担限度額を超えた部分について払い戻されます。

この払い戻しのための申請のことを高額療養費の還付手続きと呼びます。申請については「(5)70歳以上が高額療養費制度を利用するには」のとおりです。

(9)限度額適用認定証と還付手続きどちらがお得か

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2514611

限度額適用認定証も高額療養費の還付手続きも結果的に自己負担額は変わらないため金額面でお得になることはありません。それぞれの場合の具体例を挙げて解説します。

限度額適用認定証を提示した場合

被保険者は73歳で所得区分は一般(70歳以上75歳未満)。医療費の窓口での支払を10万円とします。この場合、外来+入院で自己負担限度額は57,600円となるので、限度額適用認定証を提示すれば支払は57,600円までとなります。

高額療養費の還付手続きをする場合

一方、還付手続の場合は窓口で10万円支払いますが、高額療養費の支給申請により後日42,400円が還付されるので自己負担額は57,600円ということになりいずれも同額となります。

このように、金額面ではどちらのケースも「変わらない」というのが答えとなります。しかしながら、高額療養費の支給を受けるタイミングが全く異なるため、精神的な負担感という意味では限度額適用認定証の方がオススメです。

精神的な負担における比較

例えば、貯金が100万円で今月の医療費の窓口での支払が60万円だったとします。この場合、いくら後日、申請により還付されるとはいえ残額が40万円しかなければ、不安が募るばかりです。ましてや70歳以上であれば主たる収入が年金である方が多いので尚更です。

それに対し、限度額適用認定証があれば、自己負担限度額までの支払で済むため先ほどの例の場合は57,600円となります。貯金もまだ942,400円あり不安がかなり軽減します。

また、限度額適用認定の申請は高額療養費の還付手続きの申請よりも簡単であるので事務的な手続きの面からも限度額適用認定証はオススメできます。

(10)限度額適用認定証を上手に活用しよう

限度額適用認定証は民間の医療保険とセットで考えるとより上手に活用することができます。

例えば、日額5,000円の医療保険に加入していた場合、30日間で15万円の給付が受けられます。70歳以上75歳未満で所得区分が一般である場合、自己負担限度額が57,600円(外来+入院)であるので限度額適用認定証を病院などの医療機関へ提示すれば92,400円のプラスになります。

差額ベッドが日額3,000円だったとしても30日間で90,000円であるので保険適用外の費用に充当することが可能になります。

このように限度額適用認定証を活用することは民間の医療保険の活用にもつながり賢く医療費をやりくりすることができます。

限度額適用認定証は積極的に発行して、上手に活用しましょう。

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