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財形貯蓄のメリット・デメリット | 比較すべき金融商品も紹介

資産運用
財形貯蓄制度はお得にお金を貯めたい人にとても魅力のある制度です。利子や年金支払いが非課税になるメリットがある一方、利率が低い、解約しづらいなどのデメリットもあります。自分のライフプランにあった資産運営で賢くお金を増やしていきましょう。
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(1)財形貯蓄制度とは

財形貯蓄制度とは、勤労者財産形成促進法に基づいた福利厚生のひとつです。

勤務先が金融会社と提携して、勤労者の貯蓄や持ち家取得の促進、退職後の生活の安定を目的として、給料やボーナスから天引きをする形で貯金をする、というのが制度の概要です。

財形貯蓄制度の種類としては、

  • 一般財形貯蓄
  • 財形年金貯蓄
  • 財形住宅貯蓄

の3つが挙げられます。これら各制度については、

財形貯蓄制度は、誰でも利用できるというわけではなく、会社が制度を導入している必要があります。厚生労働省の就労条件総合調査によると、2014年の企業の導入率は従業員1000人以上の企業で75.5%、100~299人の企業で51.8%です。

(出典:厚生労働省

(2)財形貯蓄を利用するメリット 

財形貯蓄制度はしばしば勤労者側のメリットが目立ちますが、実は勤労者側だけでなく事業主にもメリットがあります。ここでは、それぞれの立場から見た、財形貯蓄制度を利用するメリットを示していきます。

勤労者のメリット

  • 財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄をあわせて、元利550万円の利子等が非課税となる
  • 財形貯蓄制度は年金の支払いが終わるまで非課税となるため、老後の生活に役立つ
  • 財形持家融資を受けることができる
  • 財形給付金や財形基金制度を採用していると、受益者の資格を得ることができる

事業主のメリット

  • 従業員が計画的に貯蓄をするのをサポートする事で社員の生活が安定し、従業員の働く意欲が高まる
  • 社員融資制度の融資を図ることができる
  • 従業員がしっかりと定着し、優れた人材を確保するためのつながりができる

(3)財形貯蓄制度を利用するデメリット

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2328428

財形貯蓄制度にはたくさんのメリットがある反面、デメリットも存在します。

利率が低い

勤務先の提携する銀行で貯金をするため提携する銀行によって利率が変わりますが、最近では0.1を切っている利率がほとんどです。財形貯蓄による運用益は期待することができないので、自分で運用する方がいい場合もあります。

解約しづらい

契約変更は簡単に行う事ができず、変更が必要になった時には時間も手間もかかります。会社を通した制度のため、個人契約のものより解約しづらいです。

インフレに弱い

インフレとは、物価の上昇によりお金の物価が下がるリスクの事をいいます。財形貯蓄は資産運用なので、インフレへの対応力は高いと言えません。

目的外の払い出しは課税される

年金や住宅などの使途が限定される財形は、優遇措置があり課税されませんが、一般の積み立てなどの目的外の引き出しは課税されます。

(4)財形貯蓄制度の種類① 一般財形貯蓄

財形貯蓄制度の一般財形貯蓄は、使い方は自由で、幅広い目的に利用できる財形貯蓄制度です。

積み立て方法

毎月の給料や夏・冬のボーナスから天引きされる仕組みです。

積み立て期間

5年以上の積み立てが必要です。

払い出し

貯蓄開始から1年たつといつでも自由に払い出しすることができます。使用目的に制限がなく、車購入や旅行、結婚、出産、教育などの大事なプライベートの大イベントにも使うことができます。

また、思いもよらない不意な事故や病気、引っ越しなど、予想以外の出費にも使うことができ、毎日の生活を守ってくれるといえるでしょう。

(5)財形貯蓄制度の種類② 財形住宅貯蓄

財形住宅貯蓄とは住宅の購入、建設、リフォームに必要な資金を貯蓄するための目的の制度です。住宅関連、といったように引出用途を定めることで、後述する税制面での優遇を受けることができるようになります。

逆にそれらに含まれる目的以外のために引き出しを行うと、そのメリットはなくなってしまうことに注意が必要です。

非課税になる対象としては、以下のものがあげられます。

  • 預貯金など … 元本(預入額+元加利息)550万円まで利子等非課税
  • 保険など … 払込累計 550万円まで利子等非課税

なお、財形住宅貯蓄制度において、貯蓄できるものとしては以下の通りです。

  • 預貯金(定期預金・定期貯金など)
  • 合同運用信託
  • 有価証券(国債などの公社債・証券投資信託の受益証券・金融債・株式投資信託)
  • 生命保険
  • 生命共済
  • 損害保険

ちなみに、建築・購入・リフォームするマイホームの要件は下記のようなものです。

  1. 床面積が50㎡以上のもの。
  2. 中古住宅の場合は、20年(耐火構造は25年)以内に建設されたもの。または、一定の耐震基準を満たすもの。
  3. 建設・購入する住宅に勤労者自身が住むこと。単身赴任の場合は、家族の住む家が生活の本拠地となりますので、対象となります。
  4. リフォームの場合、工事後の住宅の床面積が50㎡以上であること。
  5. リフォームの場合、当該工事費用の総額が75万円を超えること。

(6)財形貯蓄制度の種類③ 財形年金貯蓄

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2161341

財形年金貯蓄は財形貯蓄制度のひとつで、企業で勤めている人が老後資金作りを目的として、給料から天引きしてお金を積み立てる制度のことをいいます。

財形年金貯蓄制度の特徴としては、他の一般財形貯蓄と異なり、完全に老後に充てることを目的に利用されることを前提としていることです。イメージとしては、自分で積み立てる年金が近いといえます。

この制度には、以下のようなメリットがあります。

  • 他の一般財形貯蓄と比べて利率が高い
  • 銀行預金や債券の利子が非課税対象になる(預貯金タイプであれば、元本+利息で550万円まで、保険タイプであれば、払込額のうち385万円まで)
  • 65歳から支払いが開始する公的年金制度と異なり、60歳からお金を受け取ことができる

ただし、節税面でのメリットが小さかったり、インフレに対して脆弱な点など、デメリットも存在します。

その他の金融商品などとの比較・検討が必要でしょう。

(7)財形貯蓄の種類別のメリット

一般財形貯蓄のメリット

最も大きなメリットは、貯めたお金を自由に使えることです。他の2つは目的が限られていますが、一般財形貯蓄は将来のための貯蓄や万が一のための貯蓄にすることもできます。

積立期間が比較的短いために、開始から1年が過ぎれば、お金を自由に引き出すこともできます。

財形住宅貯蓄のメリット

利子にかかる税金の優遇制度があるのが大きなメリットです。財形年金との合計金額が550万円まで利子は非課税、住宅ローンを組むときに低金利で融資を受けられる可能性があるのも特徴です。将来住宅取得を考えている人にとっておすすめできる貯蓄です。

財形年金貯蓄のメリット

利子にかかる税金の優遇制度があります。財形住宅との合計金額が550万円まで非課税とされ、利子に対して税金がかからないのも特徴です。同じ財形年金でも、生命保険など保険商品の場合には非課税の上限が385万円となります。公的年金だけでは心配な人にとってはメリットが大きいでしょう。

(8)財形貯蓄制度の利用対象者

財形貯蓄制度は、制度を導入している企業に勤めていれば利用することができます。将来の結婚、マイホーム、教育、老後などで必要になる資金作りを支えてくれる制度です。

財形貯蓄が利用できる勤労者の条件は、契約時55歳未満で、職業の種類や雇用の形態にかかわらず、事業主に雇用されていれば利用することができます。

しかし、アルバイトやパートタイマーなどは条件があり、継続して雇用が認められること、一般財形貯蓄は3年以上加入、財形住宅貯蓄、財形年金貯蓄は5年以上加入を守れば契約することができます。法人の役員は勤労者ではないので利用する事はできません。

(9)財形貯蓄制度と比較すべき金融商品

出典:https://www.photo-ac.com/

貯蓄の商品には個人型確定拠出年金や、住宅ローン、ネットバンキングといったように様々な種類が存在します。それぞれの特徴をしっかり知り、財形貯蓄制度と比較することで自分の目的にあった金融商品を選ぶようにしましょう。

個人型確定拠出年金

個人型確定拠出年金とは、国民年金や厚生年金などの公的年金に上乗せして個人で掛け金を出して活用し、老後の資金を作る年金制度です。掛け金の上限は人によって異なり、個人の運用の成績によって将来受け取る年金の金額が変わります。

積み立てた資金は60歳以降に一括または分割で受け取ります。さらに、個人型確定拠出年金として積み立てた掛け金の全額が所得控除され、所得税や住民税が軽減されます。

運用によってで得た収益は非課税となり、60歳以降資金を受け取る時、全額受け取りは退職所得控除、分割で受け取る場合は、所得税が軽減されます。

住宅ローン

住宅ローンの大きな利点は、団体信用生命保険の利用ができ、加入者にもしもの時があった時は生命保険が残りのローンを支払ってくれるので、残された家族は家のローンを心配しなくても良い点にあるといえます。

税制面でも、住宅ローンや住宅ローン軽減と呼ばれる所得税や住民税を軽減してくれる制度があります。

ネットバンキング

ネットバンキングは、「自身の預貯金の確認や他口座への振り込めがいつでもスマホやパソコン等から行える」というサービスです。それ自体は金融商品とは言えません。

しかし、外貨預金や投資信託を、窓口などで行うよりも少しお得に行える、ということから現在利用者が増えています。便利に、そして気軽に積み立てを行いたい人には向いている金融サービスかもしれません。

ネットバンキングであれば、住所などの個人情報変更も簡単に済みます。

(10)財形貯蓄制度の利用を始めるには

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1504414

財形貯蓄制度は、基本的には会社に勤めている人のみが利用できる、とても嬉しい福利厚生のひとつです。

貯金は定期貯金などもありますが、定期貯金は中途解約や満期がくると今までの金利の20%も課税されます。しかし、財形貯蓄制度であれば50万円までは非課税ですので、差額は大きくなります。

財形貯蓄制度を導入している企業のほとんどは、入社時に財形貯蓄制度のことを説明してくれるケースがほとんどです。財形貯蓄制度に興味を抱いた場合は、まずそもそも財形貯蓄制度が勤務先の会社に存在するかどうかを人事担当か福利厚生の担当者に確認したり、あるとすればどのような手続き・書類が必要になるのかなど、個別に相談するのが良いでしょう。

(11)将来の資金づくりに財形貯蓄制度の利用を検討しよう

現在の財形貯蓄の金利は0.01%ととても低いですが、自分で貯金をするのが苦手な人は毎月の給料から天引きされ、自動的にお金がたまるので、将来の資金を安心して貯蓄することができます。

財形貯蓄制度に加入するとなった場合、原則3年間は加入することになるので貯金に計画性をもたせることができるでしょう。

5年後、10年後と自分のライフスタイルをイメージして、財形貯蓄制度を利用し、余裕をもった生き方をしてみるのも一つの選択肢ではないでしょうか。

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