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厚生年金における扶養とは | 外れる場合や手続き方法、保険料など

公的制度
厚生年金に加入している会社勤めの人は、配偶者や子供といった家族を厚生年金の扶養とすることができます。被扶養者は、国民年金を支払っていなくても支払っている人と同じ扱いになるため、厚生年金の扶養になることは大きなメリットがあります。しかし、被扶養者となるためにはいくつかの条件があり、ここではその条件や、厚生年金の被扶養者となるための手続き方法、また注意点などを説明していきます。
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(1)厚生年金における扶養とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2161341

会社に勤務している場合、原則として勤務している人は厚生年金に加入することになります。その勤務している本人は「第2号被保険者」となり、会社と折半して保険料を支払っていくことになります。

そしてその人の配偶者や家族を厚生年金の扶養にすることができます。扶養になった人は「第3号被保険者」となり、国民年金の支払いをする必要がありません。国民年金を支払っていなくても支払っている人と同じ扱いになるため、厚生年金の扶養になることは大きなメリットがあります。

ただし誰でもなれるというものでもなく、続柄や収入、居住状態などに条件があります。

(2)厚生年金における被扶養者の条件

厚生年金の被扶養者になる条件は、大きく分けると2つあります。

被扶養者の条件① 収入

まず1つ目は収入です。厚生年金の扶養になる人は、年間の収入が130万円以下である必要があります。ですが例外として扶養になりたい人が60歳以上、障害年金を受給している人の場合であれば年間の収入が180万円以内まで可能となります。

このときの収入とは、給料だけのことではありません。例えば失業給付金を受け取っている、傷病手当、出産手当金なども収入の対象となっているので注意が必要です。

また、「被保険者の収入で生計をたてている」ということも条件になるため、同居している場合は本人の半分以下の年収であること、同居していない場合は本人からの仕送りよりも年収が少ないといった条件があります。

被扶養者の条件② 続柄

2つ目の条件は、本人との続柄です。配偶者や子、孫、弟、妹、父母や祖父母などの直系尊属は同居していなくても厚生年金の扶養にすることが可能です。

しかし、それ以外の

  • 兄や姉
  • 叔父などの3親等内の親族
  • 内縁関係である配偶者の父母

などは同居していることが条件となっています。

(3)厚生年金の扶養の手続き

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2303738

厚生年金の扶養になるには、書類を揃えて被保険者が勤務している会社に提出します。届出を行う際の期限は「事実が発生してから5日以内」となっているので、遅れないように手続きを行っていきましょう。

会社に家族を扶養にしたい有無を伝えると必要な書類を教えてくれるので、その指示通りに書類を揃えます。状況によって必要な書類が違うので現在の状況を伝え、担当者によく聞くようにします。書類を提出すると健康保険証が被保険者に届きますから、そうなると無事に手続き終了となります。

基本的に手続きは会社が行ってくれますから、指示された書類を集め、必要事項を記入していくだけです。

(4)厚生年金の扶養の手続きに必要な書類

扶養に入るために必要な主な書類としては、

  • 届書
  • 続柄確認ができる書類
  • 収入が確認できる書類
  • 仕送り額が確認できる書類
  • 内縁関係が確認できる書類

が挙げられます。

  • 「届書」とは、「被扶養者(移動)届」「国民年金第3号被保険者該当書」のことです。
  • 「続柄確認ができる書類」とは、住民票や戸籍謄本などです。
  • 「収入が確認できる書類」はケースによって色々で、退職証明や年金通知書、確定申告、課税証明書などがあるので、収入が証明できるものを用意しましょう。
  • 仕送りがある場合は、「仕送り額が確認できる書類」として通帳のコピー、現金書留のコピーなどを用意します。
  • 「内縁関係が確認できる書類」は、内縁関係にある人の戸籍謄本、被保険者の住民票などです。

戸籍謄本の取得方法について、より詳しい記事はこちら

→『戸籍謄本の4つの取得方法 | 場所・必要なもの・代理人を立てる場合

また、海外に住んでいる家族を扶養にする場合、被保険者との続柄や仕送りなどが分かる現状申立書、住民票などの続柄が確認できるもの、収入証明などの年収を証明できる書類が必要です。扶養に入る際に必要な書類はその人との関係や状況によるので、前もって確認しておきましょう。

(5)被扶養になるときの注意点

扶養に入ると、毎月の年金を支払う必要がありません。そのため大きなメリットとなる制度ですが、厚生年金に加入しているわけではないので注意しておきましょう。

日本の年金は2段階になっており、1段目が国民年金、2段目が厚生年金です。会社に勤務している被保険者は国民年金と厚生年金を支払っているので、両方の受給資格があります。しかし被扶養者は、1段目の国民年金のみの受給が対象になっています。厚生年金の受給をすることはできませんから、その辺りを誤解しないようにしましょう。当然ですが自分で保険に加入していた方が年金の金額が大きくなります。

(6)扶養が外れる場合の手続き

収入が増えた場合や離婚した場合、扶養から外れることになります。

このときの手続きは加入するときよりも簡単です。まず被保険者の勤めている会社に保険証を返却し、異動届けを提出します。異動届とは「健康保険被扶養者届」という書類で、会社から受け取ることになりますから記入して提出をします。

すると会社が手続きをしてくれ、手続きが終了すると「資格喪失証明書」を渡されます。この証明書は他の年金に加入するときに必要になってくるので、失くさないようにしておきましょう。離婚の場合でも収入が増えた場合でも基本的な手続きは同じです。

(7)扶養から外れるとどうなるか

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1997119

扶養から外れた場合、その後は自分で保険に加入することになります。

原則としてどちらかの保険に加入しなければならなりません。自分で国民年金に加入する、または厚生年金に加入することになり、毎月の支払が生じます。

デメリットのようにも感じますが、厚生年金に自分で加入した場合、受け取れる年金額が増えることになります。

自分で加入をすると国民年金と厚生年金の両方を支払うことになり、両方から支給を受けることができるのです。

収入が多くなると扶養から外れることになりますが、先のことを考えるとメリットにもなります。

(8)厚生年金の保険料率

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2253382

厚生年金の保険料率は段階的に値上げを行っていました。毎年0.354%ずつ上昇し、現在の厚生年金の保険料率は18.3%となっています。もう値上げはしないと政府も発表しているので、これ以上高くなることは現段階ではありません。

そして保険料率は18.3%であっても、この率は全体での数字です。実際には雇用側と労働者側が折半して支払うことになるため、労働者が払うのは半分の9.15%となっています。

(9)厚生年金の保険料の目安

厚生年金の保険料は「標準報酬月額×保険料率」で計算することができます。このときの標準報酬には基本給、残業手当、通勤手当、食券なども含まれているため正確に算出することは難しいこともあります。ですがある程度は金額が分かるでしょうから、保険料の目安としてください。

例えば報酬月額が195,000~210,000円の場合、保険料は36,600円となり、自己負担額は18,300円です。

報酬月額が250,000~270,000円であれば自己負担額の保険料は23,790円です。

月額報酬が485,000~515,000円である人の場合だと、自己負担となる保険料は45,750円です。

保険料の算出は、収入に応じて31等級に分かれています。そのため一番保険料が高くなる31等級は、報酬月額が605,000~となっていて、それ以上の等級はありません。その場合は保険料の自己負担額が56,730円となっています。

正確な保険料を計算しようとすると正確な報酬月額の金額を知る必要がありますが、だいたいの金額が分かるのであれば計算することができます。

(10)厚生年金の被扶養者になる際は、老後の計画についても考慮しよう

厚生年金の被扶養者になると年金の支払いをする必要がありません。夫婦でそれぞれが社会保険に加入しているとその分保険料が高くつくので、保険料の節約にもなります。

しかし、厚生年金に自分で入っていると年金の受給額が増えます。いくら増えるのかは収入にもよるので一概には言えませんが、2段階で年金を受け取れることになるので受け取る金額が高くなるのです。

老後になると固定収入がなくなる人が多いので、年金の金額は老後の生活に大きく響いてきます。年金を増やしたいなら厚生年金に加入した方がいいですが、家族や自分の状況にもよるので計画的に行うようにしましょう。なるべく早い段階から予定を立てておくと、今後の計画もしやすくなります。

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