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【徹底解説】死亡一時金とは│受給対象者/受給額/申請方法など

公的制度
死亡一時金は年金を受け取れずに亡くなった人がいる場合、その遺族を経済的に補助するための制度ですが、国民年金に加入していた人の遺族ならば誰でも受給できるというわけではありません。この記事では、死亡一時金の受給対象者をはじめ、受給額や申請手続きなどについても解説します。
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(1)死亡一時金とは


出典:https://www.photo-ac.com/

死亡一時金は国民年金の保険料を3年以上納めた人が年金を貰うことなく亡くなった場合に遺族に支払われるお金のことです。

死亡一時金は自動的に支払われるものではなく、支給に申請が必要ですが、存在自体を知らずに支給漏れが起きることがあります。

申請期限があるため、申請期限を過ぎてしまうケースもあります。また、遺族年金などの支給がある場合は同時に受け取れない可能性もあります。

国民年金と厚生年金で仕組みが違うため混同されやすいのも特徴で、どのような人が受け取れるかはしっかりと確認する必要があります。

(2)死亡一時金の受給条件

死亡一時金の受給条件は、国民年金保険料を3年以上納めた人が年金を貰う前に亡くなり、その遺族が申請をすることが条件になります。

所得が少ないなどの理由で年金を一部しか納めていない期間がある場合はその分が差し引かれるのも特徴です。

また、死亡日の前日までに、死亡日の前月までの国民年金の第1号被保険者や任意加入被保険者としての納付月数が36月以上となっていることが必要です。

さらに、亡くなった人が老成基礎年金や、障害基礎年金を受け取っていないことも条件になります。あくまで年金を受け取らずに亡くなった人が出た場合に遺族に一部を保障するための一時金なのです。

遺族基礎年金や寡婦年金との併給ができないのも特徴で、別の制度が利用できる場合は別の制度を利用した方が需給額が大きくなることが多いです。

(3)死亡一時金の受給対象者は

亡くなった人と生計を共にしていた遺族が受給対象者

死亡一時金の受給対象者は年金を受け取れずに亡くなった人と生計を共にしていた遺族になります。具体的には、以下の続柄に当てはまる方が対象になっています。

  • 配偶者
  • 子供
  • 父母
  • 祖父母
  • 兄弟姉妹

です。

内縁関係(事実婚)も含まれるのが特徴で、受給の優先は配偶者、子供と順に続いていきます。もっとも申請の優先順位が低いのが兄弟姉妹になります。

生計を別にしている場合は受給対処から外れるのもポイントです。相続の場合は別の場所に住んでいる血縁関係の人間にも請求権が発生する場合がありますが、死亡一時金の場合は発生しないのです。

あくまで生計を共にしているかが大切になります。

(4)受給金額


出典:https://www.pakutaso.com/

国民年金の納入期間により金額が決定する

死亡一時金の受給金額は、何ヶ月分の国民年金を納めたかで変わってきます。

受給をするために最低限必要となる納入期間と、その時の受給金額は、36ヶ月分~180ヶ月(15年)未満で12万円です。

それ以上国民年金を収めた人が受け取れる金額については、以下の表を参考にしてください。

国民年金を収めた期間 受給金額
36ヶ月分~180ヶ月(15年)未満 12万円
180ヶ月~240ヶ月(20年)未満 14万5000円
240ヶ月~300ヶ月(25年)未満 17万円
300ヶ月~360ヶ月(30年)未満 22万円
360ヶ月~420ヶ月(35年)未満 27万円
420ヶ月(35年)以上 32万円

になります。(表は、厚生労働省『死亡一時金制度の概要』をもとに、いろはにかいご編集部にて作成)

また、付加保険という制度により、年金の上乗せを36ヶ月収めた人が亡くなる場合、上記にプラスして8500円が支給されます。

(5)死亡一時金は遺族厚生年金と併給されるのか

死亡一時金を受け取ると、他の遺族年金制度を併用できないケースがあります。一般的なサラリーマンやOLは厚生年金に加入することになりますが、厚生年金にも遺族厚生年金と呼ばれる遺族に支給される年金制度があります。遺族厚生年金は保証が手厚く、大黒柱を失った家庭の収入を補うのに十分なケースがあるのがポイントです。

死亡一時金と遺族更正年金は併給が可能です。死亡一時金は国民年金から支払われるものであり、遺族厚生年金は厚生年金から支払われるため財源や制度自体が異なります。

そのため、どちらも請求することで死亡一時金と遺族厚生年金のどちらも受け取ることができるのです。

(6)死亡一時金が支給されない場合について


出典:https://www.pakutaso.com/

死亡一時金が支給されないケースもあります。

老齢基礎年金と障害年金を両方受給しているケース

まず、受給資格にもあるように亡くなった人が老齢基礎年金と障害年金を受け取っている場合は支給は行われません。

あくまで年金を受け取ったことのない人のための救済措置であり、年金を何らかの形で受け取った人は対象から外れてしまうのです。

遺族が遺族基礎年金を受け取れるケース

また、遺族が遺族基礎年金を受け取れる場合は支給対象から外れます。寡婦年金の支給条件を満たしている場合は死亡一時金か寡婦年金を選択して受給することになります。国民年金法のほかの年金を受け取れる場合は支給自体がされないのです。

遺族がいない、もしくは申請期限が過ぎてしまったケース

生計を共にする遺族がいない場合や、申請期限である2年を過ぎてしまった場合も死亡一時金は支給されなくなります。国民年金加入者が死亡して2年以内に手続きを行う必要があり、それを過ぎてしまうと請求権がなくなることに注意が必要です。

これらのほかには、例外的ではありますが、国民年金を支払った人間が失踪し事実上の死亡が確定した場合は、事実上の死亡が確定した日の翌日から2年以内に手続きを行う必要があります。

(7)死亡一時金の申請手続き

死亡一時金を請求する場合は、国民年金死亡一時金請求書に必要事項を記入し、住所地の市区町村役場に提出する必要があります。年金事務所または街角の年金相談センターでも手続き可能で、請求書も貰うことができます。

手続きに必要な書類は以下になります。

  • 亡くなった人の年金手帳…提出できない場合は、その理由書が必要になります。
  • 戸籍謄本(記載事項証明書)…死亡者との続柄および請求者の氏名・生年月日の確認できるものであり、受給権発生日以降で提出日から6ヶ月以内に交付されたものが必要になります。
  • 亡くなった人の住民票(除票)…および請求者の世帯全員の住民票の写し
  • 生計をともにしているかどうか確認のために必要になります。
  • 受取先金融機関の通帳等(本人名義)…お金の受取のためにカナ氏名や金融機関名、支店番号と口座番号が記入された通帳やキャッシュカードが必要になります。写しもでも受付は可能で、請求書に金融機関の証明を受けた場合は添付不要となります。
  • 印鑑…認印でも手続きが可能です。

(8)手続きの際の注意点

申請期間に注意

本記事の(6)にて簡単に説明した通り、死亡一時金は国民年金を払った人が亡くなってから2年以内に申請する必要があります。必要な書類を揃えるのに手間取ってしまう場合もあるため、早めに申請することが重要です。特に内縁関係などにある場合は証明のための書類を別に揃えなければならず、時間がかかってしまうケースもあります。

内縁関係にいた方である場合、収入面での支給条件に注意

死亡者の内縁関係にある方の場合は収入が高すぎても支給条件を満たさなくなる場合があります。前年の収入が確定している場合は850万円未満であるか、収入が確定していない場合は前々年の収入が655万5000円未満である必要があるのです。条件を満たさない場合でも近い将来収入が減る見込みなどがある場合は例外として処理される場合もあります。

申請後、寡婦年金の受給資格を失う可能性があることに注意

申請をしてしまうと寡婦年金の受給資格を満たしていても受け取れなくなる可能性があるのもポイントです。寡婦年金は継続的に支給を受けられるため、受取期間が長ければ死亡一時金よりも高額になることが一般的です。

他の年金制度を利用できないかどうか、確認することも大切になります。

(9)相談したい場合

年金事務所や年金ダイヤルへ

死亡一時金について相談したい場合は年金事務所(日本年金機構『全国の相談・手続き窓口』)や年金ダイヤル(日本年金機構『電話での年金相談窓口』)等に相談することが基本になります。国民年金をどれだけ納めているかで支給の金額が変わるだけでなく、内縁関係にある場合はどのような書類が必要になるかも確認ができるからです。

万が一の場合にどんな制度を利用できるかの確認も必要で、死亡一時金よりも手厚い制度を受けられる可能性もあります。死亡一時金は一括で支払われるため、他の遺族年金制度のように継続的に支給を受けられるわけではないからです。

寡婦年金は女性に限定されるため、男性か女性かで差が出る部分にもなっています。寡婦年金には年齢の制限もあるため、特にしっかりと確認したい部分です。

未成年の子供がいる場合も内容に影響を及ぼすため、将来を見越して民間の保険と組合せて考えるなどバランスを意識するとプラスになります。

(10)死亡一時金への理解を深めよう

出典:https://www.photo-ac.com/

死亡一時金は年金を受け取れずに亡くなった人がいる場合、その遺族を救済するための制度です。生計を共にしていることが条件になりますが、一時金が受けられることがその後の生活の救いになる場合もあります。

ただし、併給が可能な制度とそうでない制度がわかれてしまうため、いざという時に何が必要かは知っておく必要があります。

ご家族とのお別れの後にこのような年金のことについての手続きをすることは非常に難しいのですが、申請期限が定められている制度に関しては、知っておかなければ受け取れないお金が発生してしまいます。

そのため、いざというときのため、事前にこのような制度について理解を深めておくことが大切といえるでしょう。

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