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(1)まずは年金手帳をおさらい
年金手帳とは、国民年金制度に加入していることの証明として発行されるものです。
年金手帳には、基礎年金番号が記載されていて、その番号は一生変わることがありません。つまり、基礎年金番号は自身の年金記録を照会するために生涯必要になっていくものなのです。
基礎年金番号がわからなければ、年金記録を確認することができないため年金手帳は大切に保管する必要があります。
(2)どのタイミングで年金手帳は発行されるのか
(1)では、国民年金に加入した段階で年金手帳が発行されると解説しました。つまり、この国民年金手帳は、20歳になると誰で役所から発行することができます。
日本に住んでいる方が20歳になった段階で、必ず加入しなければいけない年金の種類が「国民年金」です。
20歳になる前の月、もしくは当月の上旬に国民年金被保険者関係届書が住まいに届きます。その書類にある必要事項を記載し、送り返すことで年金手帳が発行されます。
(3)年金手帳発行の流れ
年金手帳は20歳になる前月もしくは当月の上旬に届く「国民年金被保険者関係届書」に必要事項を記載することで発行されます。
必要事項を記載したうえで、各都道府県にある事務センターもしくは所在地を管轄する年金事務所に郵送しましょう。郵送から約1~2か月ほどで年金手帳が届きます。
発行のながれの中で重要な国民年金被保険者関係届書は、どのように記入すればよいのでしょうか?次は、国民年金被保険者関係届書の書き方について詳しく解説していきます。
(4)「国民年金被保険者関係届書」の書き方
年金手帳を発行するために必要な「国民年金被保険者関係届書」は記入する項目が「A.被保険者」「B.届出(申出)事項」「C.届け出事項」と3つあります。「C.届け出事項」の欄は場合によっては書かない人もいるため、ここでは記入必須の「A.被保険者」「B.届出(申出)事項」の書き方を紹介します。
国民年金被保険者関係届書をダウンロードしたい方はこちらからどうぞ➡国民年金被保険者関係届書PDF
A.被保険者
- 個人番号(基礎年金番号):自分の番号が不明な場合、記入する必要はありません
- 生年月日
- 氏名
- 性別
- 郵便番号
- 電話番号
- 住所:住民登録をしている住所を記載してください
- 国籍(外国の方のみ)
- 外国人通称名
B.届出(申出)事項
- 発行手続きをする方は、1の資格取得届を○
- 該当・申出年月日:20歳になる誕生日の前日を記入してください
- 理由等:20歳になった段階で学生の方は「0」を、そうでなければ「2」を○で囲ってください
(5)同時に申請できる保険料の納付猶予制度とは
「国民年金被保険者関係届書」の届け出と同時に、国民年金保険料の納付を待ってくれる制度があります。これは収入が低い、もしくは失業状態にあるため保険料を収めることが難しい方を対象にした制度です。
大きく分けて保険料免除制度・納付猶予制度の2つがあります。
保険料免除制度とは?
所得が少なく本人・世帯主・配偶者の前年所得が一定額以下、もしくは失業した場合に経済的に国民年金保険料を支払うことが難しい場合に適応される制度です。
本人から保険料免除の申請をおこない、それが承認されると保険料が免除されるという形になります。
保険料免除制度の額は、全額・4分の3・半額・4分の1の4種類です。
納付猶予制度とは?
50歳未満の方で本人・配偶者の前年所得が一定額以下、もしくは失業し国民年金保険料を支払うことが困難な場合に適用される制度です。本人から保険料の納付猶予申請をおこない、申請が承認されると保険料の納付が猶予されます。
平成28年6月までは30歳未満が対象となっていましたが、平成28年7月からは50歳未満が納付猶予の対象者となりました。
国民年金保険料の免除・納付猶予申請書をダウンロードしたい方はこちら➡国民年金保険料の免除・納付猶予の手続き
(6)同時に申請できる学生納付特例制度とは
繰り返し説明している通り、20歳になったと同時に国民年金保険料は発生します。
ただし、20歳になった時点で学生である方は当然アルバイトの収入のみでは国民年金の保険料を払えないケースも出てきます。そういった場合、学生の方は上記の「保険料免除制度」「納付猶予制度」ではなく、「学生納付特例制度」を利用する形になります。
学生納付特例制度は、年金手帳を交付する際に同時に申請することが可能です。
在学中の保険料の納付が猶予される制度で、承認条件は本人の所得基準が一定以下というのが対象となっています。所得基準は次の通りです。
118万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等 |
申請書類はをダウンロードしたい方はこちら➡ 国民年金保険料に関する手続き
(7)どのくらいで年金手帳は届くのか
年金手帳は20歳になってから発行され、誕生日から1ヶ月程度で自宅に届きます。
ただし、「国民年金被保険者関係届書」の必要事項を記載して返送していなければ年金手帳は交付されません。
その場合、職権として年金手帳の発行はされず、国民年金保険被保険者として納付書のみが届くという流れになります。そのため、保険料を支払っていても、年金手帳を持っていないという方も中にはいるのです。
20歳の誕生日から1ヶ月以上経過しているのに年金手帳が発行されていない、という場合は、「国民年金被保険者関係届書」を返送していないことが考えられます。
また、高校を卒業してすぐに働きはじめている方は、年金手帳の交付が通常よりも早いです。高卒で社会人になる方の多くが18歳で卒業し、19歳になる年から働きはじめます。国民年金は20歳からの加入を想定していますが、それ以前に加入するということになるのです。
企業に入社し年金に加入する場合は、国民年金ではなく厚生年金になります。この場合も、最初は年金手帳はありません。
入社→厚生年金の加入手続き→年金手帳が届くという流れになります。必要書類を会社に提出し、事務の方が手続きをおこなってから大体1ヶ月程度で手元に届くと考えてよいでしょう。
国民年金の納付書はいつ届くの?
国民年金の保険料の納付書は、年金手帳の発行と同じタイミングでは届きません。国民年金を現金で納付されている方は、4月上旬に1年分の納付書が一度に送られてきます。
また、前年度に免除申請をしている場合は、次の2回にわけて支払い納付書が届きます。
- 4月:4.5.6月分の納付書が届く
- 7月:7月から翌年の3月までの納付書が届く
(8)紛失した場合の年金手帳再発行手続き
年金手帳の保管は大切にしなければいけませんが、万が一紛失した場合でも、「年金手帳再発行手続き」をするコトで再発行されます。基礎年金番号は一生同じ番号のため、同様の番号が発行された年金手帳が再発行されます。
再発行までの流れ
(9)で説明しますが、まず再発行に必要な書類をそろえます。必要書類が揃ったら、次に再発行の手続きに移ります。再発行の申請方法は「郵送・窓口・電子申請」の3種類あります。
また、被保険者のタイプによって申請先が異なることもあるため注意が必要です。下記を参考にしてください。
被保険者 |
再発行申請先 | 再発行の期間 | |
第1号被保険 | 自営業、フリーターの方 | 市区役所、町村役場 | 1ヶ月程度 |
第2号被保険 | 会社員、公務員の方 | 勤め先 | 1ヶ月程度 |
第3号被保険者 | 第2号被保険者の配偶者の方 | 配偶者の勤め先 | 1ヶ月程度 |
第4号被保険者 | 厚生年金に任意加入している方 | 年金事務所 | 即日、郵送は1週間程度 |
上記の表からも分かるとおり、自営業もしくはフリーターの方は市役所などで直接手続きをおこないます。
しかし、そうではなく、一般企業で勤めているという方は、その会社内の厚生年金等の手続きをしている事務の方、もしくは外部の社会保険労務士に代行手続きをしてもらっている場合がほとんどです。
(9)再発行に必要なもの
年金手帳の再発行に必要なモノは以下のとおりです。
- 身分証明書(運転免許証や健康保険証、パスポートなど)
- 年金手帳再交付申請書(ダウンロードしたい方はコチラ)
- 印鑑
可能であれば、身分証明書は顔写真つきのモノを選ぶようにしましょう。万が一1つも顔写真が添付されたモノがないという場合は、顔なしの身分証明書を2種類以上用意するようにしてください。
申請書を作成する段階であらかじめ記入しておくことで、手続きもスムーズに進みます。
また、上記の年金手帳再交付申請書の記入項目欄には基礎年金番号がありますが、分からない場合は調べてもらえるので未記入でも大丈夫です。
(10)なくさないようにしっかり保管しよう
年金手帳に記載されている基礎年金番号は、アナタの年金記録を管理するために必要なモノです。
若い方にとってはなんとなく必要性が薄く感じられるかもしれませんが、いずれ必要になることは間違いありません。
「就職や退職などの手続き」「年金受給の手続き」などの際、すぐ必要なのに一度再交付をするのはやはり手間といえます。手続きに使用する書類をまとめる場所を決めるなどして、年金手帳をなくさないように大切に保管するようにしましょう。