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後期高齢者の保険証はいつ届く?|有効期限、再発行の手続きなど

公的制度
後期高齢者医療制度とは75歳以上の高齢者と65歳から74歳の一定の障害がある人が加入する医療保険制度です。保険証の利用や更新について、保険料の仕組みや医療費以外の給付など、実はよく知られていないこの医療制度について詳しく解説します。
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(1)後期高齢者の保険証はいつ届く?

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1063678

後期高齢者医療保険制度に加入すると発行される

後期高齢者医療保険制度に入ると、75歳の誕生日の前月中に保険証が簡易書留で自宅に届きます。保険証が届いたら、氏名や住所などの記載事項に間違いがないか確認しましょう。

誕生日の前日まではそれまでに使用していた各種健康保険の保険証を使用することになりますが、誕生日以降は新たな後期高齢者医療被保険者証を使用します。

保険証は2年更新で、有効期限は交付日から2年後です。更新時には新しい保険証が簡易書留にて自宅へ送られてきます。更新時以外にも記載内容が変更になった場合や、自己負担額の変更があった場合は新しい保険証が送られてきます。

新保険証は記載されている交付日以降しか使用できないため、それまで大切に保管する必要があります。それまでは旧保険証を使用します。

有効期限の切れた旧保険証は自分で破棄するか、各市区町村の後期高齢者医療制度担当窓口へ返却してください。郵送でも返却することが可能です。

(2)後期高齢者医療保険証を無くした時は

保険証を紛失してしまった場合や破れてしまった場合には、以下の方法で再発行をしてもらうことができます。手続き後、数日で新保険証が自宅へ届きます。

自分で窓口へ行く

住所のある地域の市区町村の後期高齢者医療制度の担当窓口へ連絡し、再発行の手続きへ行きましょう。

再発行の手続きには、次のものが必要です。

本人確認書類
  • マイナンバーカード
  • 運転免許証
  • パスポート
  • 身体障害者手帳
  • 住基カード

以上のうちどれか一つ

マイナンバーが確認できる書類
  • マイナンバーカード
  • 通知カード
  • マイナンバーが記載された住民票の写し

以上のうちどれか一つ

認印

破損した場合にはその保険証も一緒に持参してください。

代理人が再発行の手続きへ行く場合

本人が再発行手続きを行えない場合は代理人が行うこともできます。

手続きは被保険者本人の住所のある市区町村の窓口でしか行えません。手続きには、次のものが必要です。

  • 代理人の本人確認書類
  • 被保険者本人のマイナンバーが確認できる書類
  • 被保険者本人が署名・捺印した委任状
  • 代理人の認印

(3)間違って古い保険証を病院で使用してしまった場合

75歳になる誕生日から後期高齢者医療制度の被保険者となります。それまで加入していた健康保険証が使用できるのは誕生日の前日までです。

しかし、それに気づかずに古い健康保険証を使用して病院にかかってしまった場合どうなるのでしょうか。

資格を喪失した保険証を使用してしまった場合、前に加入していた健康保険組合から医療費を支払うよう通知が届きます。保険証は有効でなかったため、その医療費は実費で支払わなければなりません。

しかし、支払い後に新たに加入した健康保険(後期高齢者医療制度)にて医療費を給付してもらえる場合があります。それは、誤って古い保険証を使用してしまった時に新保険証が手続き中で手元に届いていなかった場合です。

医療費の申請は、療養費支給申請書と以前の健康保険組合に支払った領収書の原本、以前の健康保険組合から送付された診療報酬明細書(開封厳禁)を提出します。

手元に新しい保険証が届いていたにも関わらず古い保険証を使用してしまった場合は原則、給付の対象外です。やむを得ない事情がある場合には各市区町村の後期高齢者医療担当窓口へ相談しましょう。

(4)そもそも後期高齢者医療制度とは

後期高齢者医療制度とは、75歳以上の高齢者を対象にした医療保険制度の事です。

この医療制度は、2008年より運用されています。

それまでの高齢者医療費は、国や都道府県・市町村と各種健康保険組合より財源を拠出していましたが、平均寿命の延長により高齢者の医療費が増大し、各種健康保険組合が高齢者医療費を拠出できなくなったため後期高齢者医療制度が導入されました。

75歳以上の後期高齢者は、75歳になると同時に今まで加入していた各種健康保険を脱退し、後期高齢者医療制度に加入することになります。

後期高齢者医療制度の導入により保険料を支えていた現役世代の負担軽減が図れる一方で、高齢者には年金からの天引きによる保険料徴収や自己負担金の増加など、負担が増えることとなりました。

(5)後期高齢者医療制度の対象者

出典:https://www.photo-ac.com/

後期高齢者医療制度の対象者は、75歳以上の高齢者と、65歳以上で一定の障害があり加入を希望した人です。一定の障害がある場合は75歳になる前に後期高齢者医療制度に加入することができます。

一定の障害の基準は以下の通りです。

  • 国民年金証書 障害年金1・2級
  • 身体障害者手帳1~3級と4級の一部(下肢障害4級1号、下肢障害4級3号、下肢障害4級4号、音声・言語機能障害)
  • 精神障害者保健福祉手帳1・2級
  • 東京都愛の手帳1・2度
  • 国家公務員共済組合法等の法令による障害年金等に該当する者

※後期高齢者医療制度は各都道府県ごとに運営しているため、都道府県により条件が異なる場合があります。

一定の障害基準に当てはまる65歳以上の人は、後期高齢者医療制度に加入することで医療費の自己負担が1割になるメリットがあります。

しかし、それまで利用していた健康保険の給付や制度が利用できなくなるため、慎重に自分に合った制度を選ぶ必要があります。

(6)後期高齢者医療制度に加入できない人もいる

後期高齢者医療制度の対象は75歳以上の高齢者と65歳から74歳で一定の障害がある人と決められていますが、それに当てはまる全ての人が加入できる訳ではありません。

以下の条件に該当する人は後期高齢者医療制度の適応除外となっており、加入することはできません。

生活保護受給者

生活保護受給者には医療扶助という医療給付を受けることができる制度があるため、75歳になっても後期高齢者医療制度には加入せず、医療扶助により給付を受けます。

日本国籍を有しない者

日本国籍を有さず、次のいずれかに該当する場合は75歳になっても後期高齢者医療制度には加入できません。

  1. 出入国管理及び難民認定法に定められる在留資格のない者
  2. 1年未満の在留期間を決定された者
  3. 外国人登録法で定められた登録を受けていない者 

(7)後期高齢者医療制度で受けられる給付

後期高齢者医療制度で受けられる給付は医療費だけではありません。それ以外にも様々な給付制度があります。保険給付は医療サービスなどの現物給付と、療養費の支給などの現金給付に区別できます。

療養の給付

病気や怪我で病院にかかった時、保険証を提示することで1割または3割の自己負担で診療を受けることができます。残りの医療費は後期高齢者医療広域連合により医療機関に支払われています。

入院時食事療養費

入院中の食事代は基本的には自己負担ですが、決められた額を超えた分の食事代は後期高齢者医療広域連合が負担しています。

一般的な家庭の入院中の1食当たりの食費自己負担の上限は460円です。低所得者はさらに負担額が軽減される場合があります。

入院時生活療養費

被保険者が療養病床に入院した場合、食費と居住費が一定を超えた額を後期高齢者広域連合が負担しています。

療養費の支給

以下のような場合は、いったん自己負担をしなければなりませんが、後日申請すれば自己負担金を除く額が給付されます。

  • 急病などでやむを得ない事情で、保険の取り扱いをしていない病院で治療を受けた時や保険証を持たずに治療を受けた時
  • 後期高齢者医療を扱っていない柔道整復師の施術代(骨折・捻挫・脱臼など)
  • 医師から指示された、はり・きゅう・あんま・マッサージ代(医師が認めた場合のみ)
  • 治療用装具(コルセット、義足など)を購入したとき(医師が認めた場合のみ)
  • 輸血のための生血代(医師が認めた場合のみ)
  • 海外渡航中に急病や怪我で病院にかかったとき(海外療養費)

葬祭費

被保険者が亡くなった場合、葬儀を執り行った人に葬儀代が支給されます。

移送費

病気や怪我で歩行が困難な方で、医師の指示で治療上必要でありやむを得ず他の病院に移送した場合に、移送費が支給される場合があります。

交通事故にあったとき

交通事故の場合、本来は加害者の負担になりますが、状況により保険証を使用し診療を受けることができます。診療を受ける前に各市町村の後期高齢者医療担当窓口への相談が必要です。

高額療養費

1か月の医療費の自己負担額が一定の金額を超えた時には、限度額を超えた分が高額療養費として後日支給されます。入院中の食事代や差額ベッド代、自由診療は対象外です。

一般家庭では外来では月18,000円、入院では月5,7600円が限度額になっています。現役並みの世帯では限度額は高くなり、低所得世帯では限度額が低くなります。

また、年間の医療費が高額になった世帯に介護保険の受給者がいる場合は、医療保険と介護保険の自己負担額を合算して、限度額を超えた分が高額介護合算療養費として支給される制度もあります。

限度額が様々な要因によって異なってくるので、自分の限度額はいくらなのかこの際に確認しておくといいでしょう。

(8)後期高齢者医療制度の保険料

後期高齢者医療制度は、医療機関での自己負担金(1割・3割)と後期高齢者が納める保険料、そして後期高齢者支援金という若年世代からの負担分で成り立っています。

後期高齢者医療制度の保険料は、世帯ごとではなく個人ごとの保険料となっており、一般的には年金からの天引きとなっています。

後期高齢者医療制度は都道府県単位で運営されており、保険料も各都道府県で異なります。また、被保険者個人の収入に大きく左右されます。

後期高齢者医療制度の保険料は、均等割額と所得割額により決まっており、均等割額と所得割額を合計したものが保険料となります。保険料率は次の式で求めることができます。

保険料率=均等割額+所得割額

均等割額とは被保険者全員が等しく負担する金額です。東京都の場合は1人当たり43,300円(年額)と決まっています。この均等割額は都道府県によって決まっているため、都道府県ごとに少しずつ差があります。

所得割額とは賦課となる所得金額に保険料率8.80%をかけたものです。

賦課となる所得金額とは、所得から基礎控除額(33万円)を引いたもので、所得とは収入から給与所得控除や公的年金控除等を差し引いたものです。この収入には、公的年金や給与所得の他、農業所得や不動産所得等が含まれます。退職所得や遺族年金・障害年金などの非課税所得は含まれません。


例:単身 77歳 公的年金等の収入が年間300万円の場合

均等割額:43,300円、公的年金収入:300万円、公的年金控除:120万円、基礎控除:33万円、保険料率:8.80%

均等割額=43,300円

所得割額=(300万円ー120万円‐33万円)×8.80%

    =129,360円

保険料=43,300円+129,360円

   =172,660円(年額)


各都道府県の後期高齢者医療広域連合のホームページでは所得額などを入力すると試算してくれるシュミレーターが付いているので活用してみてください。

所得の低い人や会社の健康保険などの被扶養者だった人には保険料を軽減する制度もあります。各市区町村の後期高齢者医療制度担当窓口で相談しましょう。

(9)無料で受けられるー後期高齢者医療健康診査ー

後期高齢者医療制度の被保険者である場合には、後期高齢者医療健康診査を無料で受診することができます。この健康診査は、後期高齢者を対象に生活習慣病の早期発見と介護予防を目的に実施されています。

健康診査は、各市区町村ごとに実施されており、年1回受診できます。検査項目は、問診・身体計測、血圧測定、医師による診察、検尿、血液検査が中心で、市区町村により心電図や胸部X線などが追加される場合があります。

これらの検査から腎機能や肝機能、血糖値、血中コレステロールなどの異常を発見し生活習慣病や要介護状態につながる疾患の早期発見につなげます。

後期高齢者医療制度の被保険者である高齢者が対象ですが、以下に該当する人は対象外となります。

  • 病院または診療所に6か月以上継続して入院している人
  • 障害者施設や老人ホームなどの福祉施設に入所している人(地域密着型特定施設は除く)
  • 勤務先で実施する健康診査の対象となる人

健康診査のお知らせは各市区町村ごとに郵送されてくるので、受診期限や自分が対象となるかどうかを確認し、病気の早期発見のためにも健康診査を受診するようにしましょう。

(10)後期高齢者医療制度を適切に利用しましょう


出典:https://www.photo-ac.com/

このように、75歳になった高齢者の多くの人は後期高齢者医療制度に加入することになります。

年金から保険料が天引きされ憤りを感じている人も少なくないようですが、後期高齢者医療制度は、被保険者が支払う保険料と自己負担金、そして若者世代が負担する支援金で回っています。

後期高齢者医療制度は、後期高齢者の健康増進と介護予防を目的とする大切な制度です。病院を受診するときには正しく保険証を提示することはもちろん、いつまでも健康で自立した生活を送れるように健康診査を受けることも被保険者の大切な役割です。

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