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要介護5に必要なサービス | 自宅・施設別かかる費用の目安

公的制度
要介護5とは要支援・要介護度のなかで最も重要度の高い介護が必要な状態をさします。自宅介護できるのか、利用できるサービスはどんなものがあるのか気になる方も多いでしょう。要介護5の方に必要なケアは生活場面ごとに異なります。ここでは要介護5に必要なケアとサービス利用にかかる費用、要介護認定の申請方法から認定までを徹底解説します。
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(1)要介護度・要支援度とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2368683

要介護度・要支援度とは、要介護認定により決められる介護の必要度のことです。介護保険による訪問や施設、福祉用具などのサービスを利用する人は要介護認定を受け、介護保険が適応されるかどうか、どれだけのサービスを利用できるかどうか認定をされる仕組みです。

要介護・要支援の区分

要介護・要支援度は、要支援1・要支援2と要介護1から要介護5の7段階に分けられており、最も介護の必要度が低い状態が要支援1、最も介護の必要度が高い状態が要介護5です。

(2)要介護5とはどんな状態?

要介護5とは、最重度の介護が必要な状態です。食事・排せつ・入浴など日常生活の様々な面において他者の介助なしには生活できない状態です。1日のほとんどをベッドで寝た状態で過ごし、寝返りなどの動作も自分では行えません。

また、要介護5の場合、認知機能やコミュニケーション面でも著しい機能低下がみられ、会話や意思疎通ができない状態の場合が多いといえます。

このように要介護5とは寝たきりで意思疎通も難しい重度の状態をいいます。

(3)要介護5の人にはどんなケア・サービスが必要か

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1983176

要介護5の状態の人は、自力で寝返りをうつことができないため、頻回に体位変換の介助が必要となります。同じ体位で寝ていると褥瘡(床ずれ)になる恐れがあるので、最低でも3~4時間に1度は体位変換が必要です。これは昼だけではなく夜間も同様に介助が必要です。

排せつ

排せつについては、ほとんどがおむつ介助になります。1日に何度もおむつ交換の介助が必要となります。尿道カテーテルを使用している人の場合は、溜まった尿の処理やカテーテルの管理が必要となります。

食事

食事面では、食べ物を噛む、飲み込むといった機能の低下により食事がとりにくい状態になることがあります。その時には食事の形態への配慮が必要となります。

それでも食事をとれない場合は胃ろうや点滴での栄養補給となるため、それらの管理が必要です。

入浴

入浴は、寝たきりの状態で自宅の浴室では入浴できないため、訪問入浴や施設で寝たままの入浴介助を受ける必要があります。入浴以外の日にはベッド上で体を拭いたり、おしりを洗ったりする清潔ケアが必要です。

認知機能が低下し意思疎通が難しい場合は、突然大声を出したり、怒り出したり、泣き出したりと感情の起伏が激しくなる場合もあるため、それへの対応が介護者を困らせることもあります。

このように要介護5の状態では、綿密な専門的なケアが24時間常時必要な状態です。様々な在宅サービスを利用して自宅で過ごす要介護者も少なくありませんが、家族の負担や要介護者の安全面からも施設入所による介護ケアが望ましいとされています。

(4)要介護5の人がサービスを受けるといくらかかるのか

要介護5は、一番介護度が必要な状態です。そのため、利用するサービスは多くなる傾向にあります。

支給限度額と自己負担額

要介護5の介護負担額は以下のようになっています。

区分支給限度額 362,170円
自己負担額(1割) 36,217円
自己負担額(2割) 72,434円

区分支給限度額は2019年に改定され、金額が引き上げられました。自己負担の割合は、所得によって異なります。

(参考:厚生労働省「2019年度介護報酬改定について」

在宅介護の場合

要介護5の状態の人には常に介護が必要であるため、在宅介護の場合は1日に2~3回の訪問介護、それ以外の日は朝から夕方までのデイサービスの利用が一般的です。それ以外に体の状態に合わせて週1~2回程度の訪問看護や訪問リハビリを利用することもあります。

介護者の負担軽減のために一時的に施設に入所するショートステイも利用することができます。

サービス利用の例

訪問介護(身体介護)20~30分未満 週3回
訪問介護(身体介護)1時間未満 週6回
訪問看護 週1回
デイサービス(入浴あり) 週2回

その他、車いす・介護ベッドなどのレンタルも必要でしょう。

上記の例では月~金曜日の朝~夕方までのサービスになっており、夜間や土日は家族が介護を担うことを想定しています。夜間や土日も同様のサービスを導入する場合は、約10万円程度の追加の自己負担が必要です。

ショートステイも利用することができますが、ショートステイの利用には1泊当たり約5000円がかかります。

施設介護の場合

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームの場合は、月額10万~20万円程度の費用がかかります。内訳は、食費・居住費・日常生活費・施設介護サービス料・介護サービス加算などで、施設介護サービス料と介護サービス加算には介護保険が適応されます。

食費や居住費、日常生活費は全額自己負担となります。居住スペースが個室や準個室になると1~2万円程度自己負担額が高くなります。特別養護老人ホームは入所費用が比較的安価な施設の1つです。

有料老人ホーム

有料老人ホームの場合は、月額15万~35万円程度の費用がかかります。民間の施設であるため施設により料金が大きく異なります。入居時に費用が必要となる場合もあります。特別養護老人ホームに比べるとやや価格が高い施設です。

このように在宅介護と施設介護を比べると、金額的には在宅介護の方が抑えられます。しかし、夜間や休日に家族が介護できない場合やショートステイを月に数回利用する場合は、結果的に施設入所の方が安くなる場合もあります。

(5)まずは要介護認定を受けよう

出典:https://www.photo-ac.com/

介護が必要な状態になり、介護保険のサービスを利用したいと思った時は、まずは要介護認定を受ける必要があります。これにより、介護保険が適応されるかどうか、どのくらいの介護サービスが必要かどうかを決められます。

要介護認定は介護サービスの必要度を判断するものです。それの基準として要介護認定等基準時間という基準が使用されています。

これは、その人の状態ではどのくらい介護サービスを受ける時間が必要かを分類したもので、その時間と要介護度が比例しています。

要介護認定は、市町村単位で行われ、一次判定と二次判定に分かれています。

一次判定

一次判定は訪問調査で職員が聞き取りをした情報と主治医の意見書をもとにコンピューター判定で行われます。コンピューター判定により要介護認定等基準時間を算出し、要支援1から要介護5までの7段階に分類します。これは最終決定ではありません。

二次判定

二次判定は保健医療福祉の学識経験者5名程度で構成された介護認定審査会で行われ、一次判定の結果と主治医の意見書、聞き取り調査の結果を総合して判断し、要介護認定の最終決定を行います。

要介護度についてくわしくは下記の記事で解説しています。あわせてお読みください。

(6)要介護認定の申請方法

要介護認定の申請は、介護を受ける人本人が住む市町村の窓口で行います。市役所や支所の介護保険関係の窓口へ直接出向くのが一般的です。本人が申請に行けない場合は家族が代行して申請することができます。

また、本人も家族も申請に行けない場合は、地域を担当する地域包括支援センターや近隣の居宅介護支援事業者のケアマネージャーが手続きをすすめることができます。

病院に入院中であれば、病院の看護師やメディカルソーシャルワーカーを通じてケアマネージャーなどに連絡し、手続きをすることができます。本人や家族が申請に行けない場合は、まずは担当の地域包括支援センターへ連絡しましょう。

申請に必要なもの

申請の際に必要なものは、介護保険被保険者証、健康保険証、印鑑(介護を受ける人と代行者で別の認印)です。申請に行くと申請書を書く必要があるため、介護を受ける人のマイナンバー、かかりつけの病院名・主治医名、病名が分かるようにしておくとスムーズです。

申請書を記入し、受理されれば申請は終了です。主治医の意見書は市町村から直接病院へと依頼してくれるため自分で取りに行く必要はありません。

申請後、本人や家族との日程調整を経て認定調査があります。これは、市町村の職員か市町村から委託を受けたケアマネージャーが本人の自宅を訪問し、本人や家族からの聞き取りや動作の確認をするものです。病院に入院中の場合は病院への訪問となります。

要介護認定についてくわしくは下記の記事で解説しています。あわせてお読みください。

(7)申請の次は認定調査

調査の内容

聞き取り調査の内容は大きく分けると

  • 身体機能・動作
  • 生活機能
  • 認知機能
  • 精神・行動障害
  • 社会生活への適応
  • その他の6つのカテゴリ

があります。その6つのカテゴリの中には麻痺の有無や歩行できるかどうか、日常生活動作がどの程度行えるか、認知機能や精神状態に問題は無いか、社会生活が行えているか、特別な医療を受けているかなどの74項目があります。

調査に向けて特に準備や練習をすることはありません。職員からの質問に答え、指示をされた動作をいつも通りに行えば大丈夫です。より詳しく情報を伝えるためにも、本人の事をよく知る家族も同席することが望ましいでしょう。

認定調査は、状態にもよりますがおおよそ30分~1時間かかります。

(8)認定調査の後は結果を待とう

出典:https://www.photo-ac.com/

認定調査や主治医の意見書を踏まえて一次判定、二次判定が行われますので、後はその結果を待つだけです。

申請してから30日以内には、要介護認定の結果と介護保険被保険者証が自宅へ郵送されます。そこに要支援1~要介護5までの認定結果が記載されています。介護サービスを受ける必要がないと判断された場合には、非該当と記載されています。

(9)認定結果が思っていたものと違う場合

要介護認定の結果が想定していた分類と違うというのはよくあることです。想定していたよりも重い分類であった場合は、介護サービスの単価が上がるため自己負担額が増える可能性があります。

また、想定していた分類よりも軽い分類の判定が出た場合は、介護サービスが利用できる限度額も少なくなってしまうため、今後の生活に支障がでることが考えられます。

不服申し立てができる

どうしても認定結果に納得がいかない場合には不服の申し立てを行い、再度判定を行ってもらうことができます。不服申し立ては、都道府県に設置されている介護認定調査会で行いますが、まずは市町村の介護保険窓口へ行きましょう。

そこで要介護認定結果に不服がある旨を伝えると、説明を聞き、都道府県の窓口へつないでもらえます。不服申し立ては認定結果が出てから60日以内に行わなければなりません。

また、新たな要介護認定の結果が出るまでに数か月かかる場合が多く、すぐに介護サービスを利用したい人にはお勧めできません。

実際は要介護認定の区分変更の申請を行い、再度判定を行ってもらうことが多いです。この場合は再度申請、認定調査、判定の過程を経て30日以内に新たな要支援1~要介護5までの要介護認定が郵送されてきます。

(10)要介護5と認定されたら

要介護5の状態は、寝たきりで意思疎通も難しい状態で、かなり全身状態が重症であると言えます。残念ながら、要介護5の状態の人が快方に向かい、元気になっていったという例はとても少ないのが現状です。

そのため、要介護5の状態になってから、いつか訪れる最期の時をどのように迎えるかが大切です。

要介護5の状態になっても、本人の慣れ親しんだ自宅で過ごし、看取りたいという考え方もあります。最近では看取りまで対応している施設も増えてきているので、24時間プロの介護が受けられる施設での看取りを考える人も多くいます。

施設でプロの助けを借りながら、最期の時まで家族と共に穏やかに過ごすという選択肢も考えられるのではないでしょうか。

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