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介護休暇は5日まで?無給?| 介護休業との違いや申請方法など

公的制度
身内に介護が必要になったら活用したい制度が「介護休暇」です。介護休暇は要介護状態の家族のサポートのために1時間単位で取得できる休暇です。法律のか改定により、より介護休暇が取得しやすくなりました。よく混同されがちな「介護休業」との違いやメリットをしっかりとおさえておきましょう。
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(1)介護休暇とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2400363

介護休暇とは要介護状態の対象家族の介護・生活の補助を行うために、1年に5日まで取得できる休暇のことです。食事・排泄介助といった直接的な介護以外にも、買い物や通院の付き添い、必要な書類の手続きなどといった間接的な介護を行う際にも介護休暇を利用することができます。

また、介護休暇のほかにも介護休業という制度も存在しています。それぞれで対象者と対象にならない方との違いがあり、休暇日数も異なります。これらの違いをしっかりと押さえておきましょう。

(2)介護休暇の取得できる休暇日数

介護休暇の内容を、日数や被介護者の範囲、介護の範囲に分けて説明します。

介護休暇の日数

介護休暇を利用することにより取得できる休暇の日数は、介護が必要な対象者1人あたり1年で5日まで取得可能です。また、対象者が2人の場合は最大10日まで取得が可能となります。

被介護者人数 取得日数
対象者1名の場合 5日
対象者2名以上の場合 10日

ただし、対象者が3人以上の場合は10日を超える介護休暇を取得することはできないため、注意が必要です。

被介護者の範囲

介護休暇として認められる被介護者の範囲について、事実婚を含む配偶者・実父・母・配偶者の父母・子・同居かつ扶養している祖父母・兄弟姉妹・孫が含まれます。もしも介護している間柄がこの範囲外である場合は、介護休暇は認められません。

また、もともと休日であった日に介護休暇を充てることはできません。基本的には本来労働日であった日のみとされています。

介護の範囲

介護休暇の取得が認められる介護の範囲には記事冒頭にも書いた通り、食事・排泄等の直接的な介護のほかにも、買い物や通院の付き添い、必要な書類の手続きといった間接的な介護も含まれます。

また、介護休暇は1時間単位での取得が可能なため、病院に迎えに行くために数時間だけ会社を抜けたい場合にも有効です。

(3)介護休暇の給与

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1896829

介護休暇を取得した場合の給与については法的な定めはなく、被介護者の務める各企業の判断に委ねられます。大手企業の場合であれば介護休暇で休んだ日も、給与の何パーセントという形で支給してもらえる可能性もありますが、対して中小企業である場合は無給のところも多数存在しています。

そのため、介護休暇を申し出る際には給与支給の有無を確認しておくことが大切です。

もしも給与が支給されない場合は、介護休暇としてではなく有給休暇として処理を行う方が金銭的にも得です。

(4)介護休暇を利用するメリット

介護休暇を利用する最大のメリットは「仕事と介護の両立ができる」ことです。

しかし、いざ介護休暇を活用するとなったとき、「介護休暇を取って仕事をクビにならないだろうか」と思う方もいるでしょう。

ですが、その心配は無用です。育児・介護休業法によって労働者が介護休暇の申請を行った場合、事業主は断ることができません。介護休業制度と同じく、「介護休暇」は労働者の権利として保証されているため、事業主はそれに従わなければいけません。

(5)介護休暇制度の対象者

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1504414

介護休暇を利用するためには以下の条件にすべて当てはまる必要があります。

  • 雇用期間半年以上
  • 要介護状態の対象家族を介護する日雇い以外の全労働者(アルバイト、パート、派遣社員、契約社員も含みます)

(6)介護休暇の対象にならない場合

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1782216

介護休暇の対象にならない場合は以下の通りです。

  • 日雇い労働者
  • 雇用期間6ヶ月未満
  • 1週間のうち所定労働日数が2日以下

(7)介護休暇の申請方法

介護休暇を利用する場合は、事業主に対して申請を行うことになります。

事業主が定めた必要事項を記入し、提出しましょう。主な必要事項には以下のようなものがあります。

  • 氏名・対象家族の氏名や続柄
  • 介護休暇を取得する日にち
  • 対象家族が要介護状態にあるという事実

また、事業主の方は従業員の負担軽減のためにも、介護休暇の申請書のフォーマットを準備しておくといいでしょう。

(8)介護休暇と介護休業との違い

1年の間に5日、介護のための休暇を取ることができる「介護休暇」とは違い、「介護休業」は介護期間が長期間にわたる人におすすめの介護制度です。

介護休暇と同様に「要介護状態」の家族がいることが取得の条件となっています。介護休暇と介護休業の主な違いは「取得可能な休暇日数」「給付金の有無」です。

取得可能な休暇日数

介護休暇が5日であることに対し、介護休業は対象者1人あたり通算93日まで取得可能です。

日数だけを見れば、介護休業の方が長期的に休暇日数を取得することができますがその間、会社からの給与が出ない場合のことを考えると、経済面での不安も生じる可能性があります。

介護休業制度の対象者

介護休業を取得するためには以下の3つすべてに当てはまる必要があります。

  • 雇用期間1年以上
  • 介護休業取得日から93日後~半年間、労働契約の期間が満了しないこと
  • 労使協定で定めた労働者に該当すること

介護休業の対象にならない場合

介護休業の対象にならないのは、以下の該当者です。

  • 日雇い労働者
  • 雇用期間1年未満

介護休業は介護休暇よりも長期間の休暇制度を利用するため、取得条件も厳しくなっていることがわかります。しっかりと押さえておきましょう。

給付金の有無

前述のように会社から介護休業中に給与が支給されないことの金銭的なデメリットを解消するためにも、活用したいのが「介護休業給付金制度」です。この制度で得られる支給額は「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」です。

介護休業給付金制度の支給対象にならない場合

介護休業給付金制度を利用するためには、予め一定の条件を満たす必要があります。それは以下の通りです。

  • 65歳以降の介護休業開始
  • 介護休業開始時点で、介護休業後に離職が決定している

期間限定雇用者が介護休業給付金制度を利用したい場合は、「1年以上雇用されている」「休業開始予定日から起算し、介護休業の休暇日数である93日を超えても引き続き雇用の見込みがある」という場合のみとなります。

書類の提出が必要

介護休業給付金を受け取るには雇用保険の加入者であることを条件とし、介護休業開始日から10日以内に「休業開始時賃金証明書」を提出しなければいけません。

介護休業給付金の死球を希望する場合は、専業主が公共職業安定所(ハローワーク)に「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」および「介護休業給付金支給申請書」を提出する必要があります。

(9)介護休暇の法改正での変更点

平成29年10月1日より、育児・介護休業法の改正により、「介護休暇の取得単位の柔軟化」「介護休業の分割所得」が行われました。

これらの法改正以外にも、「介護のための労働時間短縮措置」が介護休業とは違う形で利用できるようになり、さらに「残業の免除」も加えられました。

介護休暇の取得単位の柔軟化

これまでの介護休暇は1日単位での取得のみとされていましたが、改正後は半日単位での取得も可能となりました。

介護休業の分割所得

これまでは介護休業の取得は、介護の対象家族1人につき原則1回で通算93日までとされていましたが、改正後は3回までを上限に93日までの介護休業を分割して取得することができるようになりました。

(10)介護休暇について前もって知っておこう

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/7521

日本の少子高齢化社会の進行は極めて重大かつ深刻な問題です。その状況下において、介護を行う労働者の数は増えていくことが予想されます。「自分の身内にいつ介護が必要になるかわからない」「いざ介護をするとなったときの仕事との両立の難しさ」に不安を抱えている方もいるでしょう。

また、それに伴った介護休暇や介護休業の利用者も増えていく可能性があります。もしも自分が介護をする立場になったとしても慌てず、落ち着いて対処できるようにこれらに関する理解を深めておく必要があります。

今回の記事でご紹介した「介護休暇」と「介護休業」の違いをしっかり押さえておきましょう。そして、介護制度を上手く活用することで介護と仕事の両立を目指しましょう。

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