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介護休業の法的制度とは?給付や援助期間などを徹底解説!

公的制度
家族が急に介護を必要とするような状況になったら、会社を休むことができるのでしょうか? 育児・介護休業法とは、介護や育児に従事せざるを得なくなった人が、仕事を完全に辞めずに、介護と仕事どちらも継続出来るように支援していく事を目的として作られた制度です。 会社に対して申請を行うと、雇用関係を継続したまま、一定期間の休暇を得ることができます。また、休業期間中は休業前賃金の40%が雇用保険から支給されるため、介護に従事し貧困に陥ってしまうことを防ぎます。 今回はこの介護休業についてその制度や申請方法など詳細を解説していきます。
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(1)介護休業制度とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2019679

介護休業制度とは、民間企業で働いている人達が、介護を必要としている家族のために一定期間休業できるという、国が定めた制度の事をいいます。介護や育児を理由とした場合でも、一度離職してしまうと、それまで積み重ねてきたキャリアを一度捨てて、再就職をすることとなるので、収入が下がる傾向にあります。

しかし、介護休業の申請を民間の会社に行えば、それまでもらっていた賃金のの40%までは支給され、かつ休業期間を終えたら元の会社へ戻れるため、介護従事者にとっては必要不可欠な制度です。

また、介護休暇とよく混合されますが、介護休暇は休みたい時に利用できる制度になり、利用する目的として休暇や買い物、旅行のために休暇をとることが出来、期間も一年に5日−10日(対象家族複数の場合)と定められています。

日本では、2025年には高齢者人口が約30%に達し、その分労働者人口が減少し、約3人に1人の割合で高齢者との関わりが発生するため、完全に労働に従事できるのは残された40%程度の人達となります。

他の国々と比較しても類を見ない超高齢者社会へ突入していく日本で、介護と仕事を両立させるための、重要な制度が介護休業制度となります。

(2)介護休業の期間は

介護休業制度では休業出来る期間は上限として通算で93日と決められています。要介護状態の家族の世話をするためと決められているので、怪我や負傷等で、身体上か精神上の障害の度合いによって休業を申請する事が出来ます。

介護休業制度(法第11条〜第15条)では要介護者が、約2週間以上の怪我・病気の際に利用する事が出来る制度と決まっていますので、軽症やかすり傷などで休業届けは出せません。

また、怪我や病気の状態を確認するために診断書なども必要になります。

(3)介護休業が可能な人は

介護休業を申請する上での条件となるのが、要介護者(介護を受ける人)と介護従事者(介護を施す人)が同居していて、かつ、要介護者が扶養している祖父母、兄弟姉妹及び孫にあたる場合となります。

基本的に同居していないとこの制度を利用する事は出来ません。

要介護者は病気や怪我、精神的な疾患等によって「要介護状態」と判断されている場合となりますが、企業側は、診断書を求めることはできるものの義務とはなっていないので、申請者は必ずしも、要介護認定を受けていたり、医師からの診断書がないといけないという訳ではありません。

また、申請者自身が下記の条件を満たしていることも必要となります。

  • 職場での勤務期間が1年以上
  • 1週間あたりの労働日数が3日以上
  • 介護休業開始予定日から93日を経過する日を超えて引き続き雇用が見込まれること

介護休業の申し出は原則2週間前に申し出ることが定められているので、早めに企業と相談しておきましょう。

(4)介護休業給付金とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/337592

介護休業給付金とは休業開始前にもらっていた平均賃金の40%を介護休業中でも受け取ることができるお金のことをいいます。

この際の対象者は負傷してしまったり病気になってしまったり、2週間以上の常時介護を必要としている家族がいるケースで利用することが可能です。

提出書類として「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」、「介護休業給付金支給申請書」が必要となります。介護休業給付金の支給日数の合計が93日以内という点にも注意が必要です。

支給金額と期間

支給金額は自分で計算する事も可能です。基本的に給付は平均賃金の40%と決まっているので「休業開始時賃金月額(賃金日額×30)×0.4×月数」と計算する事が可能です。

介護士の勤務状態に寄りますが、おおよそ給付金は約5−15万円以上になるのが一般的です。事業主に申し出を行うことで被保険者が実際に休業制度を取得した事になります。

申請方法

通算で93日まで支給を受けることができますが、申請は事業主が行うのが基本です。事前に理由を施設の責任者に話をしておくとスムーズに手続きを行うことが出来ます。

申請の事前準備として「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」および「介護休業給付金支給申請書」、また介護対象家族の「住民票」を用意しておきましょう。

また、提出場所は会社の所在地管轄のハローワークへ提出する事が原則です。もし、わからない点や不明な点があった場合はハローワークの公務員に確認するとよいです。

期間も介護休業を開始した翌日から原則10日以内と決まっており、65歳以上の場合は介護休業制度が利用できても支給対象にならないのでご注意ください。

(5)まとめ

介護休業制度は、仕事と介護の両立が困難な人達のワークライフバランスを調整し、高齢化社会でも働きやすい社会を構成するための基盤となる制度です。

国策として「介護離職0」を実現する上で、必ず問題となるのが、介護士の人材不足と離職率の高さですが、家族や地域の人達が積極的に介護に関わることで、介護従事者の不足部分を補填する潜在性を秘めています。

しかし、企業にとっては介護休業を取得しやすくしてしまうと、労働者が減ってしまうためあまり積極的にとりたいとは言えない制度です。

大企業だけでなく、体力のない中小企業が取り組めるような政策的フォローと、労働者が心理的な抵抗なく申請できる社会を作り上げていくことが重要です。

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