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むくみ解消にも効果的な足浴とは | 目的や手順、注意点を解説

ノウハウ
足浴とは、足をお湯につけるだけで、高齢者や持病がある人でも手軽に利用できる入浴方法です。本記事では、そんな足浴について、その効果や具体的な準備・手順、また注意事項などについて説明していきます。
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(1)入浴が困難な人には部分浴がおすすめ


出典:https://www.photo-ac.com/

持病がある人や高齢者にとって、入浴にはさまざまな困難が伴います。特に、全身浴は温度や水圧で心肺に負担がかかり、思った以上に体力を消耗してしまいます。

そこでおすすめしたいのが、部分浴です

部分浴というのは、体の一部だけをお湯につける入浴方法で、たとえば足浴や手浴、座浴(腰をお湯につける)などがあります。

部分浴は心肺への負担をやわらげつつ、なおかつ体を清潔に保ち、爽快感を得られるという点で全身浴とほとんど変わらない効果があります。また、着衣のまま手軽に短時間で行えるので、本人だけではなく介助者にとっても大きなメリットがあります。

リラックス効果も期待できる部分浴

部分浴には、身体の末端を温めて血流をうながす作用もあります。

血行がよくなると、自律神経の副交感神経が優位になり、身体がリラックスして休まる状態になります。それにつれ、血圧や脈拍も下がり、心身ともに落ちついた状態をととのえられるようになります。

部分浴にはほかにも、身体の痛みや筋肉の疲れをやわらげたり、睡眠をうながしたりする効果も期待できます。

(2)むくみの解消にも効果的な足浴とは


出典:https://www.photo-ac.com/

部分浴のなかでも、もっとも多く行われているのが足浴です。

一般的にも「足湯」が広く行われていますが、足浴の場合は足をお湯につけるだけではなく、つま先から膝あたりまでをしっかり洗浄します。介護の現場でも広く用いられ、病状などによってはケアプランに組み込むことを義務づけられています。

特に、要介護になると活動量が大幅に減少し、足の血流がとどこおって老廃物がたまり、むくみが生じやすくなります。足浴には、血流やリンパの流れをうながすことで、それを改善する効果もあります。

足浴はどんな人に効果的?

足浴は体に負担のかからない入浴方法なので、特に以下のような人に効果的です。

  • 心臓や血圧に疾患のある人
  • 体力の消耗が著しい人

また、身体的な理由でそもそも入浴がむずかしいという人にも用いられます。

  • 怪我や障害などで寝たきりの人
  • 褥瘡(床ずれ)などがある人

ほかにも、血流促進やリラクゼーション効果などから、以下のような人にもおすすめです。

  • 高血糖で血流が滞りがちの人
  • 足にむくみやしびれがある人
  • 心身にストレスがたまっている人
  • 浸出液などで入浴だけでは清潔を保ちにくい人

要介護者のなかには、全身浴が苦手な人もいるので、そのよう場合にも足浴が役立つでしょう。

(3)足浴に必要なもの

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/22105

足浴をする際には、以下のものが必要となります。

  • 洗面器(足のくるぶしまでつかる大きめのもの)
  • かけ湯用ピッチャー(ペットボトルなどでも代用可)
  • バケツ(差し湯用・汚水用)
  • 防水シーツ
  • 膝掛け(タオルなどでも代用可)
  • タオル(ガーゼなどでも代用可)
  • バスタオル
  • ボディソープ(石鹸)
  • 手袋・ビニールエプロン(スタッフの感染予防用)

このほかにも、必要に応じて入浴剤や保湿剤、塗り薬、爪切りなども用意しておきましょう。

なお、お湯は38~42℃程度のものを用意しておいてください。

(4)足浴の手順

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2281990

ここからは、足浴の具体的なやり方とそのポイントを解説していきます。

しっかり頭に入れて、手順よく進めていきましょう。

足浴をする前の準備

まずは、足浴を行う前の準備をしておきます。

お湯の準備

足下に防水シートを敷いて、お湯を入れた洗面器を置きます。お湯の量は洗面器に足の甲がつかるぐらい、温度は38~42度を目安に、実際に足に触れて心地よいと思える程度に調節します。

ただし、高齢者や糖尿病患者は温度の感覚がにぶくなっているケースもあります。その場合は、ぬるめの水温から少しずつ皮膚の様子をチェックしながら温めていってください。知覚鈍麻や麻痺がある場合は、感覚のあるほう(健側)で確認してください。

汚れた水を捨てる汚水用のバケツも、いっしょに用意しておきましょう。

体位の確認

上半身を起こせる人は、ベッドに腰かけてもらいます。ベッドの高さは、足底が床にしっかりつく位置まで調節してください。

ベッドから起き上がれない人は、体を上のほうにずらして足下にスペースを確保します。そのまま仰向けで膝を立て、下にクッションになるものを入れて楽な姿勢を保ちます。

体調の確認

足浴中に寒くならないように、室温は22〜24℃に設定してください。必要があれば、窓やカーテンも閉めます。露出した膝は、膝かけなどでくるんで温かくしておきましょう。

被介護者に足浴をはじめることを説明し、体調や皮膚に傷がないかなどを確認していきます。足浴中は移動できないので、尿意や便意がないかも事前にたしかめておきましょう。

足浴の手順・ポイント

次に、足浴を行う手順について見ていきましょう。

1.足をお湯につける

足にお湯をかけ、よくなじませてから片方ずつゆっくりつけていきます。このとき、ふくらはぎが洗面器の縁に当たらないように膝を立て、足底をぴったりつけておくと、姿勢も安定します。

2.足を石鹸で洗う

足浴では、つま先のほうから膝に向けて下から上へ洗っていきます。指の間や付け根は汚れやすいので、特に丁寧に洗ってください。足の裏はくすぐったくならないように、丸めたタオルやガーゼなどで強めにこすってあげましょう。

お湯が汚れてきたり、温度が下がってきたりしたら、そのたびにお湯を交換してください。洗っている間もつねに、被介護者が熱さや痛さを感じていないか確認しながら行いましょう。

3.石鹸を洗い落とす

ピッチャーで片足ずつ、お湯をかけて洗剤を洗い落としていきます。すすぎ残しがないように、しっかり足全体にかけていきましょう。

4.水気を拭き取る

タオルで包むようにして、足の水気を拭き取ります。水気が残ったままだと、水虫や感染症の原因となることもあるので気をつけてください。

必要な場合は、保湿クリームを塗ったり、爪を切ったりしてください。最後に裾を戻し、被介護者の体位やベッドをととのえてあげます。

5.後かたづけ

床が濡れていないか、しっかりチェックしておきます。拭き残しがあると、それが雑菌の繁殖のもととなり、感染症を引き起こすケースもあります。

感染予防のため、介助者もよく手を洗うようにしてください。

(5)足浴の際の便利グッズを紹介

足浴は通常の洗面器やバケツでも行えますが、専用のフットバス(足浴器)を使用すると、より快適で効果的なものとなります。

いくつか種類があるので、紹介していきましょう。

バケツタイプ

バケツタイプのフットバスは、よりしっかりと足をくるぶしあたりまでつけられるサイズに作られています。ゆったりしたスペースで足全体を温められるので、とてもリラックスできるでしょう。

なかには、コンパクトにたたんで収納できるものや、耐熱性のものなどもあります。

電動タイプ

電動タイプのフットバスには、さまざまな機能がついています。

たとえば、お湯を温かいままためておける保温機能。これがあれば、ゆっくりつかっても体を冷やすことなく、じっくりと温熱作用による血流促進などの効果が得られます。

ほかにも、細かい気泡の出るジェットバス機能や、マッサージ機能など、いずれも足浴をより効果的なものとしてくれる機能があります。

ただし、電動タイプには電源や置き場所・収納場所などが必要となり、作動音が気になるなど、いくつかのデメリットがあるケースも考えられます。その点もよくふまえて、選ぶようにしましょう。

ビニールタイプ

ビニールタイプのフットバスは、空気を入れてふくらませて使用します。空気を抜くと小さく折りたためるので、収納にも困りません。

また、底の部分も空気が入るため、足の裏が疲れにくくなるという利点もあります。

(6)足浴をする際の注意点は

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2303738

足浴をする際には、あまり長い時間お湯につからないように気をつけましょう。

お湯が冷めてしまったり、汗をかいたりして、体が冷えてしまうことがあります。スムーズに作業を進めて、15分程度を目安に適切な時間で切り上げてください。

また、食事の前後は消化器官に影響が出て体調が変わりやすくなるので、なるべく避けるようにしましょう。気温の高い午前中に足浴を行えば、それだけ体への負担も軽くなります。

ほかにも、次のような人は足浴でも負担が大きいので、利用を避けるようにしてください。

  • 心臓に重い疾患がある人
  • 酸素投与を行っている人
  • 重い麻痺や感覚障害がある人
  • 高熱が出ている人

足浴中の観察事項

足浴を行う際には、被介護者の足の健康状態もよく観察しておきましょう。おもなチェック事項は、以下のとおりです。

  • 皮膚が乾燥していないか
  • 皮膚に変色がないか
  • 傷口などがないか
  • かゆみなどがないか
  • 臭いがないか
  • 爪に異常がないか

特に、水虫や爪白癬には注意が必要です。水虫が原因で二次感染の蜂窩織炎(ほうかしきえん)を引き起こし、最悪の場合は命にかかわるケースもあります。症状がひどい場合は、早めに病院で診てもらいましょう。

片方の足にだけ症状が見られる場合は、足を洗うたびにお湯やタオルなども変えます。洗い終わったあとも、雑菌の繁殖をふせぐためにしっかり水気を拭き取りましょう。足浴のあとはしばらく皮膚がふやけているので、あまり力を加えすぎず、やさしく包むように拭き取ってください。

(7)ひと工夫してリラクゼーション効果も


出典:https://www.photo-ac.com/

足浴でも、全身浴と同じようにアロマオイルなどをお湯にくわえることで、よりリラクゼーション効果を高めることができます。

心地よい温かさと香りがあいまって、被介護者にとっても楽しいバスタイムを過ごすことができるようになるでしょう。睡眠の改善や殺菌効果による水虫の感染予防も期待できるので、ぜひ試してみてください。

さらにマッサージもくわえると、より血行をうながすことができます。

ただし、アロマオイルは肌にとって刺激があります。特に、高齢者は肌が弱くなっているので、一回につき、3滴程度が目安です。あまり量を多くしすぎないようにしましょう。刺激の少ない、ハーブを利用するのもおすすめです。

(8)健康に様々なメリットのある足浴をしてみよう

足浴は、持病のある人や高齢者でも、手軽に入浴を楽しむことができるおすすめの部分浴です。

それでいて、全身浴と同じような効果や気分も得られ、介助者にとっても負担が少ないという大きなメリットがあります。普段からあまり活動できない人にとっては、足のむくみを取るためのよい解消法ともなるでしょう。

何より、心身ともにリラックスできるということは、生活の質を高めるうえではとても重要なことです。

手順や注意点をよくふまえ、被介護者に負担をかけないようにして、できるだけ楽しいバスタイムを提供してあげましょう。

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