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人生100年時代とは?変化、取り組み、求められる社会人基礎力3つ

ノウハウ
「LIFE SHIFT」の著者・リンダ・グラットン教授が提言した「人生100年時代」。この問題は今や個人レベルを超えて国家レベルで取り組むべき社会問題となっています。「人生プランを100年で考える」ことはもはや当たり前の時代になっているのです。その人生100年時代の到来に備えて準備しておくべきことをしっかりと理解しましょう。
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(1)人生100年時代とは

人生100年時代とは「LIFE SHIFT」の著者である、英国ロンドンビジネススクールのリンダ・グラットン教授が提言した言葉です。

著書内では、今後世界的に寿命が(100歳前後まで)伸びていくにあたって、国・組織・個人がライフコースの見直しを迫られているという内容を表しています。

要するに、個人レベルでの人生設計といった狭義に留まらず、国家的な課題であるということを社会に訴えかけたのです。健康寿命が世界有数の値をとり、長寿国家として名高い日本も、超長寿社会において国民がどのように活力を持って時代を生き抜いていくのか、という問題に真摯に取り組まなければいけない時が来たのです。

(2)日本において 「人生100年時代」はもうきている

日本において「人生100年時代がもうすでに来ている」とはどういうことなのでしょうか。それはつまり、「もはや現代社会においては、人生プランの設計は100年スパンで考えねばならない」ということです。

長寿国家である日本人の半数はすでに87歳まで生きる時代になっており、寿命の伸びは今後も続くと見込まれています。半分が100歳まで長生きするということはつまり、その半分の人は110歳もあり得るということです。

今現在30代~40代の人は、90歳以上まで自分の人生があることを前提とするのが望ましいですし、今の20代の人は100歳も確実にあり得るということを考えて人生プランを考える必要があります。

人生100年時代の老後については以下の選択肢を上手く組み合わせていく必要があります。特に老後の資金については資産運用などで少しずつ着実に増やしていくことを視野に入れつつ、その方法を実行していくことも重要です。

  1. 現役時代を長くする
  2. 老後に備え、しっかりと貯蓄しておく
  3. 堅実に老後を暮らす

(3)人生100年時代に向けて政府が取り組んでいること

人生100年時代を見据え、日本政府が行う取組みの中でキーワードとなるのは「教育」です。特に教育の負担軽減・無償化は100年時代構想の柱の一つにもなっています。

教育の負担軽減・無償化

主な取組みは「2019年10月から3歳~5歳の子どもにおける幼稚園・保育園費用の無償化」で「低所得世帯の0~2歳児も無償化の対象としています。それと同時に待機児童問題の解消にも力を注ぎ、2020年度までに32万人を受け入れられるように計画しています。

リカレント教育

リカレント教育とは、義務教育および大学教育が修了したのちも、生涯にわたって学び続けることのできる教育機会を提供しよう、という概念です。

日本政府は生涯にわたって学習を繰り返すことのできる教育システム「リカレント教育」も積極的に取り組む姿勢を見せています。

たとえば、日本女子大学などは、「リカレント教育課程」という名称のもと、履修者の再就職先のあっせんなどを目的として、このリカレント教育を実践しています。

このリカレント教育が一般化することで、国民一人一人が人生の節目節目で自分の過去を振り返ったり、新たな学びを経てやりたいことが生まれたりするなど、より広く、長い視野で自身の老後を振り返ることができるようになることが目的になります。

人事採用の多元化

教育を行う側の人事採用の多元化にもメスを入れ、「人づくり革命」といわれるプランニングが進められています。

(4)人生100年時代構想会議とは

人生100年時代構想会議とは、「人づくり革命」を掲げる日本政府が人生100年時代を見据え、経済社会システムを創り上げるための政策のグランドデザインの検討行うために、2017年9月に設置されたものです。これまで9回にわたって議論が行われました。この人生100年時代構想会議の主な議題は以下の通りです。

  • 幼児教育
  • 高等教育の無償化
  • リカレント教育
  • 大学改革
  • 高齢者雇用

(5)人生100年時代で必要となるものは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/232833

ここでは人生100年時代で必要になるもの、「教育」「多様な働き方」「無形資産」について紹介します。

教育

専門的知識・技能を高めることは、人生で長く活躍するために必須です。また、身に付けた専門的知識・技能は世界中の競合との差別化にも役立ちます。

多様な働き方

独立した立場での職業を考え、70歳超まで働くことを想定することで、自身のキャリアに関して柔軟な考え方ができるようになり、中長期的に活躍の場を確保することに繋がります。

無形資産

お金や不動産といった目に見えるよう資産だけではなく、経験や人的ネットワークの構築など、目に見えない無形資産を今後の人生でいかに積み重ねていくかが非常に重要なポイントとなります。

(6)人生100年時代の新しい働き方は

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/815

従来の3つの人生ステージである「教育(教育を受ける)」「仕事(仕事をする)」「引退(引退して余生を過ごす)」のモデルは大きく変化しつつあります。これらの3つの人生ステージを一方通行で進むだけでは社会では通用しなくなります。

人生100年時代では単純な区切りとして扱うのではなく、「引退」も含めたその時々で「教育」と「仕事」が上手く絡み合い、それぞれのステージを自由に行き来できるマルチステージの人生プランが必要不可欠になります。

その土台となるのが以下の3つです。

  1. 主体性を持ち、キャリア開発に取り組むキャリア・オーナーシップ
  2. 「成果」を出すマインド(考え方)
  3. 1・2を発揮するための、一般常識を含めた社会人基礎力(※詳細は後述に記載)

(7)人生100年時代で求められる人物像① 前に踏み出す力

人生100年時代を上手く生き抜くためには3つの能力と12の能力要素で構成される「社会人基礎力」が必要になると言われています。この社会人基礎力は、職場や地域社会で多くの人々と関わり合いを持つことで身に付けることができる能力です。

人生100年時代で求められる人物像について、一つ目は「前に踏み出す力(アクション)」です。主体性を持ち続け、他人に適した働きかけを行うことで力を結集し、自ら定めた目標に向かって確実に行動を起こす力です。

  • 主体性
  • 働きかける力
  • 実行力

これらの3つはアクションを起こすために重要なファクターとなり、より力を発揮することに繋がります。

この、失敗を恐れずに何度もチャレンジする力、失敗したとしても諦めずに粘り強く取り組む姿勢は、リカレント教育においても重要なポイントといえます。すなわち、社会人となってからでも、自分のスキル・知識が不足していると感じた際、迷わずに自分が学びたいことを学び直せるかどうかには、自分からアクションを起こせるかどうかにかかっているからです。

(8)人生100年時代で求められる人物像②考え抜く力

人生100年時代で求められる人物像の二つ目は、「考え抜く力(シンキング)」です。これは物事に対して疑問を抱く姿勢と、それを継続して貫く姿勢を意味しています。「考え抜く力(シンキング)」は以下の3つの能力要素で構成されています。

  • 課題発見力…的確な現状分析を行い、目的や課題を自ら明らかにする力
  • 計画力…一つの課題に対して計画的に解決方法を模索し、プロセスづくりを行う力
  • 創造力…新しい価値、製品、サービスを生み出す力

(9)人生100年時代で求められる人物像③チームで働く力

人生100年時代で求められる人物像の3つ目は、「チームで働く力(チームワーク)」です。チームワークは多くの人と関わりを持ち、一緒に目標に向かって協力していく力です。この「チームで働く力(チームワーク)」には以下の6つの能力要素で構成されています。

  • 発信力…自分の思っていることを相手にわかりやすく伝える力
  • 傾聴力…相手の意見に耳を傾けることができる(傾聴)力
  • 柔軟性…対立意見や立場の違いを柔軟に理解する力
  • 情況把握力…自分と自身を取り巻く環境や周囲との関係性を把握する力
  • 規律性…社会のルールやマナーを守る力
  • ストレスコントロール力…ストレスに対応することができる力

(10)人生100年時代に求められることは何か理解することが大事

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2255841

寿命の伸びによって、人生プランを100年で考える必要があることは理解できたかと思います。

現代日本における人生100年時代を生き抜くためには、様々な変化が必要になります。

その変化を起こすためには、個人だけではなく企業や社会、国家そのものの改革が重要です。日本政府も100年時代構想の中で「教育の負担軽減・無償化」などの施策を打ち出しています。人生100年時代を上手く生き抜くためには、各自で自身の力を高め、その場その場のライフステージにおいてその力が発揮できるよう意識することが今以上に求められることになるでしょう。

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