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公正証書遺言作成にかかる費用は【作成依頼者別】メリットデメリットも

ノウハウ
公正証書遺言の作成にかかる費用は決して安価ではありませんが、作成しておくことで相続に関するトラブルなどを未然に回避することができます。公正証書遺言の作成にはどのくらい費用がかかるのでしょうか。 その費用は自分で作成する場合、依頼する場合で異なってくるのでそれぞれの場合でかかる費用を解説していきます。 また、自分で作成したほうがいいのか?依頼したほうがいいのか?それぞれのメリット・デメリットも紹介します。
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(1)公正証書遺言の費用の種類

そもそも公正証書遺言とは

「公正証書遺言」とは、自身が死亡したのち遺産の相続や死後やってもらいたい対応・処理などを含め、残された家族に伝えなくてはならないことをあらかじめ伝えるための「遺言書」の形式のひとつです。公正証書遺言書は、公証役場に作成してもらいます。そこで、公正証書により、証人2人の立ち合いのもとで作成され、原本は公証役場で保存されます。

この「公正証書遺言書」という方法が、他のどの形式の遺言書と比べても、法的に一番確実性が高い形式であるのが大きなメリットなのですが、その反面、コストや手間がかかりやすいところがデメリットとしてあげられます。

公正証書遺言の主な費用は4つ

公正証書遺言を作成するにあたって掛かる費用は主に次の4つがあります。

  • 公正証書作成手数料
  • 必要書類(詳細は後述)の準備費
  • 証人となる2人の日当
  • 公証人の出張費用

(公証役場以外で作成する場合には別途、交通費がかかります。)

誰が作成するかによって費用やその内訳が異なってきます。この記事では作成依頼者別に目安となる費用、内訳、メリットデメリットを紹介していきます。

「相続トラブルを引き起こしたくない」と思っている方は公正証書遺言の費用をしっかり把握したうえで作成または作成依頼をしましょう。

(2)公正証書遺言の費用① 司法書士に依頼した場合

公正証書遺言の作成を司法書士に依頼する場合、費用はどのくらいかかるのでしょうか。

多くの司法書士事務所は財産の大きさによって変動しない一律の料金体制をとっており、費用相場は約7~15万円といわれています。費用例を使って、どのような費用がどのくらいかかるのか見ていきましょう。

費用例

公正証書遺言案の作成:40,000円

証人立ち合い料:20,000円

戸籍収集の費用:2,150円

登記事項証明書の費用:1,000円

合計:63,150円

公正証書遺言案の作成に関する費用や必要書類の取り寄せには事務所ごとに差があります。もしも公正証書遺言について司法書士に依頼する場合には、一度電話で費用の内訳について尋ねてみましょう。

(3)公正証書遺言の費用② 弁護士・行政書士に依頼した場合

ここでは、司法書士以外の専門家の弁護士・行政書士に公正証書遺言の作成案を依頼した場合にかかる費用の相場について紹介します。

弁護士

多くの事務所では過去に定められた旧弁護士会報酬規程を目安に費用を決めていますが、弁護士への公正証書遺言の作成案の依頼料は事務所によって異なります。その費用の相場は約100,000円~200,000円となっています。

行政書士

行政書士に公正証書遺言の依頼をしたときに掛かる費用の相場は約100,000円となります。

(4)公正証書遺言の費用③ 自分で作成する場合

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2339758

公正証書遺言を作成する費用は、公正証書作成手数料、証人2人の日当、公証人の出張費用、交通費(公証役場以外で作成する場合)が必要です。公正証書作成の手数料に関しては次項にて紹介しています。

証人2人の日当

証人2人の日当は1人につき、5,000円~15,000円程度となります。自分で証人になってもらえる人を探せば、当然費用は必要ありません。ただし、証人である2人には遺言書の内容が知られてしまうため、遺言書の内容を他人に知られたくないという人は専門家に依頼をすることも一つの手段です。

公証人の出張費用の目安(公証役場以外で作成する場合)

公正証書遺言の作成における公証人の出張費用の内訳です。

  • 公正証書作成の手数料:一般の公正証書作成手数料の1.5倍

  • 公証人の日当:1日20,000円、4時間以内の場合は10,000円

  • 交通費:実費分

(5)公正証書作成手数料の目安

公正証書作成手数料は、相続する財産の価値ごとに値段が異なります。手数料は財産を譲り受ける人ごとに計算し合計します。また、財産総額が1億円未満の場合は11,000円加算されます。

遺言書に書く財産の合計額別の手数料

遺言書に書く財産の合計額 手数料
100万円まで 5,000円
200万円ま 7,000円
500万円まで 11,000円
1,000万円まで 17,000円
3,000万円まで 23,000円
5,000万円まで 29,000円
1億円ま 43,000円

公正証書遺言の作成手数料の計算例

例として、遺言書に妻3,000万円、長男5,000万円相続させる遺言書を書いた場合の計算式は、次のようになります。

妻分の手数料(23,000円)+長男分の手数料(29,000円)+総額1億円未満の加算分(11,

000円)=63,000円

(6)必要書類の準備費の目安

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/802317

公正証書遺言の内容に応じて、必要書類を公証人役場へ提出する必要があります。必要書類の取得費用の目安は、2,000円~5,000円程度となります。必要書類別の準備費の目安は以下の通りです。

  • 戸籍標本:450円/1通
  • 印鑑証明書:300円/1通
  • 住民票:300円/1通
  • 評価証明書:300円/不動産1物件につき
  • 登記事項証明書:600円/不動産1物件につき

(7)公正証書遺言の作成を司法書士に依頼した場合のメリット・デメリット

司法書士に依頼をした場合のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット

  • 公正証書遺言の作成に必要な書類をすべて集めてもらうことができる
  • 高度な法律知識が要求される遺言の文案作成を任せることができる
  • 証人2人を集める必要がなくなる
  • 多大な時間・手間のかかる公証人との打ち合わせをすべて任せることができる
  • 遺言執行者をお願いすることができる
  • 遺言作成後に、遺言書を保管してもらえる
  • 司法書士には守秘義務があるため、万が一にも遺言の内容が外部に漏れることは一切ない
  • 他の専門家(弁護士・行政書士)と比較すると作成にかかる費用が少ない(あくまでも相場)

デメリット

  • 手続きの際に時間・費用がかかる
  • 実費について記載のない事務所もあるため、予め電話などで確認をしておく必要がある
  • 公証人や証人に遺言の内容を話さなければいけない

(8)公正証書遺言の作成を弁護士・行政書士に依頼した場合のメリット・デメリット

専門家に公正証書遺言の作成を依頼した場合のメリット・デメリットは以下の通りです。主なメリットは司法書士とほとんど変わりはありません。

メリット

  • 公正証書遺言の作成に必要な書類をすべて集めてもらうことができる
  • 高度な法律知識が要求される遺言の文案作成を任せることができる
  • 証人2人を集める必要がなくなる
  • 多大な時間・手間のかかる公証人との打ち合わせをすべて任せることができる
  • 遺言執行者をお願いすることができる
  • 遺言作成後に、遺言書を保管してもらえる

デメリット

  • 手続きの際に時間・費用がかかる
  • 司法書士と比較するとかかる費用が大きい(あくまでも相場)
  • 公証人や証人に遺言の内容を話さなければいけない

(9)公正証書遺言を自分で作成する場合のメリット・デメリット

自分で作成する場合のメリット・デメリットについては、自分で書く自筆証書遺言のことを含む内容です。

メリット

  • 誰にも知られずにいつでも自由に書くことができる
  • 自身の知人にお願いをして証人になってもらうことで費用の削減をすることができる
  • 公証人との打ち合わせを自身で行うことで費用の削減をすることができる

デメリット

  • その道の専門家でもない限りは法律知識が乏しいケースが多いため、遺言の作成段階で遺言書が無効になる場合がある
  • 保管場所の観点から相続人が自筆証書遺言を発見することができないリスク
  • 数万円~数十万円の費用がかかる
  • 作成のために証人2人が必要
  • 遺言の紛失リスク

(10)自分の経済状況にあった作成方法を選択しよう

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1635021

公正証書遺言の作成にかかる費用には少なくとも5万円程度、場合によっては数十万円必要になることもあります。しかし、公正証書遺言は作成しておくことで相続に関するトラブルを未然に防ぐことにつながり、相続人が円滑に相続手続きを行うことが可能です。かかる費用は決して少ないとは言えませんが、公正証書遺言を作成しておくメリットも非常に大きいため、前向きに検討することをおすすめします。

今回の記事で公正証書遺言に関するメリットやデメリット、作成にかかる費用の目安などをしっかりと理解した上で、自分の経済状況に見合った作成方法を選択しましょう。

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