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高齢者の免許更新に必要な講習内容まとめ|タイミング、自主返納など

ノウハウ
日本では高齢化がすすみ、高齢者ドライバーが増えていくことが考えられます。その中で高齢者の利便性に考慮しつつ、課題解決に向けた免許更新の在り方が求められています。現在、高齢者の免許更新の際には一般の免許更新とは別に講習を受ける必要があります。その講習内容の種類、内容、免許更新のタイミング、自主返納について解説していきます。
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(1)高齢者の免許更新方法

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2080715

近年、高齢者ドライバーによる高速道路の逆走などのニュースが報じられることが多くなりました。その状況を受け、2017年3月に改正道路交通法が施行されました。

この法律では高齢者の免許更新前に講習を受講することが定められました。その高齢者講習のパターンは年齢により2パターンに分けられます。まず、70歳~74歳の方は、免許更新には次のいずれかの講習を受講する必要があります。

  • 免許更新の際に高齢者講習
  • シニア運転者講習
  • チャレンジ講習
  • 特定任意高齢者講習 (簡易講習)
  • 運転免許取得者教育

また、75歳以上の方が免許を更新する場合は上記の高齢者講習に加えて臨時高齢者講習と臨時認知機能検査をする必要があります。

(2)高齢者講習の内容

高齢者講習とは、免許更新の前に高齢者の方が受講する一般的な講習です。高齢者講習を受けないと免許更新はできません。都内であれば、運転免許試験場(江東運転免許試験場を除く)および高齢者講習を委託している民間の教習所で受講が可能です。

なお、講習実施場所につきましては、各都道府県の警察のホームページに案内が掲載されていますのでそちらを参照してください。免許更新の前に受講する高齢者講習の受講内容や手数料については、認知機能検査の結果により異なっています。

認知機能検査 講習内容 金額
76点以上の方

座学・運転適性検査…60分

実車(教習所のコース内運転指導)…60分

5,100円
76点未満の方

座学・運転適性検査…120分

実車(教習所のコース内運転指導・個別指導)…60分

7,950円

高齢者講習については合格・不合格はありませんので、終了証明書を必ず交付してもらえます。

(3)シニア運転者講習の内容

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/390570

シニア運転者講習とは、住所地のある都道府県以外の教習所にて高齢者講習を受講できる制度です。シニア運転者講習の内容は、免許更新の前に受講する高齢者講習と同じです。

シニア運転者講習の内容については、「講習座学・運転適性検査」が60分以上、「実車」が60分以上です。そして、講習の所要時間は2時間以上で、講習手数料は5,100円です。

(4)チャレンジ講習と簡易講習の内容

チャレンジ講習は、普通車で教習所のコース内を運転する講習です。この講習の評価点については、70点以上で合格となります。

チャレンジ講習と簡易講習をあわせて受講することで、免許更新の前に受ける高齢者講習に代えることができます。なお、チャレンジ講習の内容については、「実車による試験」が30分で、この講習の所要時間は1人約30分です。そして、講習手数料は2,650円となります。

また、簡易講習はチャレンジ講習が70点以上の人のみ受講可能となっており、講習の内容は「座学」が30分以上、「運転適性検査」が30分以上です。簡易講習の所要時間は1時間以上で、講習手数料は1,800円になっています。

(5)運転免許取得者教育の内容


出典:https://www.photo-ac.com/

運転免許取得者教育は高齢者の運転技術の向上等を目的にした講習です。高齢運転者教育、ペーパードライバー教育、更新時講習同等教育、自動二輪車の二人乗りに関する安全運転教育などの講習があります。この講習を受講することによって、高齢者講習が免除されます。

手数料については教習所ごとに異なりますので、受講を希望する指定自動車教習所に確認する必要があります。

(6)免許更新の前の認知機能検査の内容

2017年3月から改正道路交通法が施行され、その改正道路交通法の下では、75歳以上の高齢者ドライバーは免許更新の前に受講する高齢者講習の前に、認知機能検査を受ける必要があります。

そして、この免許更新時に必ず受ける認知機能検査とは、高齢者の記憶力や判断力を測定する検査となっています。時間の見当識、手がかり再生、時計描画という3つの検査項目に関する内容になります。

まず、時間の見当識では検査をしているときの年月日、曜日、時間を答えます。

次に手がかり再生では、モノや動物がえがかれた図を記憶した後に、他の課題を行い、最初に見た図をヒントなしで答え、さらにヒントをもとに答えます。

最後に、時計描写では、時計の文字盤と決められた時刻を表す針を描きます。この認知機能検査で「記憶力・判断力が低くなっている(認知症のおそれがある)」という結果が出た場合、医師の診断として臨時適性検査が義務付けられました。

(7)高齢者の免許更新のタイミング

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/258009

免許更新に関する手続ができる期間は、原則的には誕生日の1か月前からと1か月後までの2か月間となっています。ただし、入院等の事情がある方は、更新期間前の期間でも免許更新の申請手続ができます。

免許更新の前に、70歳以上の方は高齢者講習の受講を求められます。高齢者講習につきましては、「高齢者講習通知書」がはがきで届くことになっています。そして、こちらのはがきに記載されている自動車教習所等へ予約の上で受講という流れになります。

75歳以上で免許更新をされる方は認知機能検査の受検が必要になります。こちらは高齢者講習の前に受検します。

高齢者講習と認知機能検査については、「高齢者講習通知書」がはがきで届きます。こちらのはがきに記載されている自動車教習所等へ予約の上で検査の受検と講習の受講を行います。

(8)認知症の疑いがあるまま運転すると

2018年3月末までの約1年の間、5万7,099人のドライバーが「認知症のおそれがある」と判定されました。「認知症のおそれがある」という判定を受けた場合には、医師による診断が義務づけられます。

そして、認知症の診断がされた場合には、免許の取り消しなどになります。そして、「認知機能の低下のおそれあり」の判定は少し記憶力・判断力が低くなっている場合になります。

「認知機能の低下のおそれあり」の場合は、「認知症のおそれがある」という判定と異なり、医師の診断を受ける必要はありません。「認知機能の低下のおそれあり」の場合、3時間の高齢者講習の受講で免許更新が可能になります。

しかし、2017年に死亡事故を起こした高齢者ドライバー385人の中の約4割がこの「認知機能の低下のおそれあり」の判定を受けていました。このような統計の裏付けの下に、道路交通法の改正による高齢者講習について大幅な変更が加えられることになりました。

この認知症のほかにも高齢者による交通事故の原因はあります。事前に知っておくことで防ぐことができるので確認しておきましょう。

合わせて読みたい!

「高齢者の運転による事故は増加している?原因・統計・対策まとめ」

(9)増えている自主返納

1998年4月から高齢者の運転免許の自主返納制度が始まりました。高齢者の自主返納制度は申請による運転免許の取り消しになります。2005年には75歳以上の高齢者の免許保有者数に対する返納率は0.31%でしたが、2016年には3.4%まで増えています

警察庁の運転免許統計によると、平成29年の免許自主返納件数(申請による運転免許の取消件数)は65歳以上が40万4817件、75歳以上が25万3937件と最多数の更新数となりました。

自主返納件数の増加の背景としては、高齢者ドライバーの事故防止や免許更新の際の認知機能検査の強化などが考えられています。また、自治体でも高齢者の自主返納については、特典が用意されている場合があります。

特典内容など自主返納について詳しく知りたい方は『免許返納するとお得?運転経歴証明書でいろいろなサービスを受けよう』の記事をお読みください!

(10)講習や検査をしっかり受けて安全運転を

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1462468

70歳以上の高齢者ドライバーへの高齢者講習が免許更新時に一律で実施されているのは、先進国の中では日本のみです。

今後も日本では高齢化がさらに進むという予測があり、高齢者の利便性に考慮しつつ、課題解決に向けた免許更新の在り方が求められています。高齢者講習は、70歳以上の高齢者ドライバーが免許更新を希望する場合、まず高齢者ドライバーが身体機能の低下についての認識と運転への影響の自覚をする必要があります。

その上で、免許更新時の講習の中でその人に応じた個別的、具体的な運転の指導が行われます。加齢によって変化をしていく身体の状況に応じて、免許更新をひとつのきっかけにして高齢者が運転に対する考え方を変えていくことも必要になっています。

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