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知っておきたい介護食の種類と活用方法 | ミキサー食・嚥下食・流動食

ノウハウ
高齢者は咀嚼や嚥下などの障害により、食が細くなりがちです。一般の食事が難しくなった方が食べるのが「介護食」です。介護食は、食事のレベルによってきざみ食、ソフト食、ミキサー食、嚥下食、流動食に分けられます。介護度が高い方が食べることが多い「ミキサー食」・「嚥下食」・「流動食」について作り方やレシピなどを解説します。
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(1)親の介護が必要になったときに知っておくべき「食事」

高齢になると、かむ力や飲み込む力が衰えてしまうことから、いつまでも昔と同じものを食べられるわけではありません。能力に応じて、柔らかく、飲み込みやすい食事にシフトしていく必要があります。

親の介護が必要になったときの食事

では、自分の親に介護が必要となった場合、食事はどうすればよいのでしょうか。

家で作ったり、スーパーや薬局で売っている食事を買ったり、介護食の宅配を利用したりなどの方法がありますが、介護食にも種類がたくさんあります。

そのため、まずは食事のレベルを知り、その上でどの種類の介護食を食べればいいのかを知ることが必要となります。

食事のレベルをチェックしよう

介護が必要だと分かった場合、まずはどれくらいの食事を食べられるかをチェックする必要があります。

どんな食事をとればいいかは、簡単なセルフチェックを行うこともできますが、病院や専門機関で判断してもらうことが安心でしょう。

もし一般の食事をとることが難しくなっても、しっかり栄養をとることが大事です。噛む力や飲み込む力が落ちてしまっても食べられる介護食について紹介していきます。

(2)介護が必要な高齢者の食事とは

介護食とは

介護食とは、一般的な食事をとるのが難しくなってしまった高齢者が食べるための食事です。柔らかさや飲み込みやすさ、栄養価を意識して作られています。

介護が必要な高齢者向けの食事は、残っている歯の状況や飲み込む力の状況、体内の消化機能の状況によって分けられます。

介護食は、大きく5つに分けられる

介護食は、「きざみ食」、「ソフト食」、「ミキサー食」、「嚥下食」、「流動食」の大きく5つの種類に分けられます。

普通食 きざみ食 ソフト食 ミキサー食 嚥下食 流動食
噛める ×
飲み込める × ×

きざみ食

きざみ食は、料理を細かく刻んで食べやすくした食事です。噛む力が弱くなっている人向けの食事で、料理の見た目や味は変わらずに楽しむことができます。

歯が少なくなっている人や歯が弱い人、口が開きづらい人などに向いている食事です。

ソフト食

ソフト食は、口に入れて歯茎や舌でつぶせるほど柔らかくした食事です。噛む力、飲み込む力が弱くなっている人向けの食事です。

別名「やわらか食」や「軟菜食」とも呼ばれており、食材を蒸したり、つみれにしたり、煮込んだりして作ります。

ミキサー食

ミキサー食とは通常の食事もしくは柔らかい食事を主食、主菜、副菜ごとにミキサーやフードプロセッサーにかけてなめらかなペースト状にし、だしなどを加えて味を整えたものです。

加齢などにより噛む力、飲み込む力が低下した方々が食べやすいように調理したものです。

嚥下食

嚥下食は、噛む力や飲み込む力が低下した人向けに、とろみを加えたり、食材の形を変えたりして食べやすくした食事です。

歯がない人や、歯が少なくてかむ力・飲み込む力が低下した人に向いています。また、口腔機能のリハビリを目的に、嚥下訓練を行うための食事としても利用されます。ゼリーや豆腐、茶碗蒸しなどのような柔らかさが目安となります。

流動食

柔らかく調理した料理を濾(こ)して作った食事です。水分が多いのが特徴で、食事と同時に水分補給もできます。病院での術後や絶食後、経管栄養の際、病気などが原因で食事が制限された際に利用される食事です。

介護食を必要とする人の中には、その日の調子によって、食べられる食事の種類が変わる人もいるので、一概にどれかだけを食べるというわけではないことも注意が必要です。

(3)ケース①きざみ食

きざみ食とは、料理を細かく刻んで食べやすくした食事です。一般の食事を数ミリ~1センチ程度に小さくカットしています。食べ物の味や食感が失われづらく、味や見た目を楽しむことができます。

食べ物をかみ砕く力が弱っている方向けの食事で、日本では古くから「介護食=きざみ食」というイメージが強くあります。

しかし、食材を細かく刻むので口の中で食べ物がまとまりづらく、誤嚥を起こしてしまう可能性があるので注意が必要です。もし、飲み込む力が弱まっている、唾液の量が減っている場合には、きざみ食よりもソフト食などを検討してみる必要があります。

特徴:食材が細かいので咀嚼がしやすい、普通の食事と調理過程がほとんど変わらない、見た目が良いので食欲がわきやすい

向いている人:噛む力が衰えてきたものの、食事を飲みこむ力や唾液は一般的な人と変わらない方

(4)ケース②ソフト食

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2580241

ソフト食とは、口に入れて歯茎や舌でつぶせるほど柔らかくした食事です。食材ごとにミキサーにかけてペーストしたものを、とろみ剤などで形を整えて再度固めたものです。

食材ごとにミキサーにかけて再度形を成形するので、素材の味や風味を損ないづらい特徴があります。

特徴:ペースト状で食べやすい、誤嚥の可能性が少ない、見た目が普通食と似ているため食欲を損ないづらい

向いている人:噛む力、口腔内で食べ物をまとめる力、飲み込む力に不安がある方

(5)ケース③ミキサー食

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/842560

ミキサー食とは通常の食事もしくは柔らかい食事をなめらかなペースト状にし、だしなどで味を整えたものです。介護食ではソフト食の次の段階として考えられているものです。

咀嚼や嚥下のストレスがなく、しょうゆやコンソメなど調味料によって味付けのバリエーションも変えることができるので、食事の楽しさを感じてもらうことができるでしょう。

しかし、ミキサーでドロドロにしてしまう分、見た目や食感は失われてしまうため、食欲減退に繋がる可能性もあるので注意が必要です。

特徴:ペースト状で食べやすい、誤嚥の可能性が少ない、味のバリエーションがつけやすい

向いている人:噛む力、口腔内で食べ物をまとめる力、飲み込む力に不安がある方

(6)ケース④嚥下食

嚥下食は、食材にとろみを加えたり、食材の形を変えたりして食べやすくした食事です。とろみ剤を用いて食事にとろみをつけます。歯がない人や、歯が少なくてかむ力・飲み込む力が低下した人が対象の食事です。場合によっては、お茶などの飲み物にもとろみをつける場合もあります。

特徴:まとまりがあり、柔らかいので飲み込みやすく、誤嚥の可能性が少ない

向いている人:噛む力、飲み込む力に不安があり、固形物を飲み込むことが難しい方

(7)ケース⑤流動食

流動食は、主に成人の重体疾患者用の食事となります。成人の消化器等の疾患の治療食として使用されています。病院食としても利用され、経管栄養食が必要な患者用に、液体流動食や経腸栄養剤が開発されています。

特徴:治療食として利用されることが多く、栄養補給やカロリー補給を行いやすい

向いている人:噛む力、飲み込む力がほとんどない方、消化器等に疾患がある方

一口に「介護食」といっても、状況に応じてたくさんの種類が存在します。ここからは、かむ力・飲み込む力ともに不安がある方が食べる「ミキサー食」、「嚥下食」、「流動食」について説明します。

(8)「ミキサー食」、「嚥下食」、「流動食」の作り方・レシピ・宅配などのサービスなど

「ミキサー食」、「嚥下食」、「流動食」の作り方

ミキサー食の作り方・レシピ

ミキサー食は、食材に水やだしを追加して、ミキサーにかけて作ります。食材の繊維質や粒ができるかぎりなくなるように様子を見ながら作っていきます。

また、使う食材によっては、ミキサーにかけたことで水分が多くなってしまうことがあります。水分が多すぎると、誤嚥につながりかねませんので注意が必要です。

ミキサー食で一番重要なのは、食べる人に合わせた粘度のつけ方を知ることです。

一般的なミキサー食の目安としては、ポタージュ程度の粘度が良いとされています。

また、脂肪分の少ない料理の場合は生クリームや牛乳を加えて脂肪分をプラスすることでよりなめらかになる上、エネルギー摂取量も高めることが期待できます。

ミキサー食のレシピはさまざまなものがあります。

ミキサーにかけて、粘度を調節すれば、普通のおかずをミキサー食にすることもできます。

ミキサー食のレシピは、クックパッドなどで見られます。参考にしてみてください。

嚥下食の作り方・レシピ

嚥下食を作るには、市販のとろみ剤を用意する必要があります。

食材に水やだしを足し、ミキサーにかけていきます。そしてとろみ剤を加えて固めることで完成します。

もし、とろみ剤がない場合には、ゼリーやプリン、豆腐、茶碗蒸しなどに近いレシピであれば問題なく食べられることがあります。ただし、栄養価が偏ってしまう可能性が高いので、あまりおすすめはできません。

嚥下食を作る場合には様々なバリエーションが存在し、お肉や野菜など、一般的な食事も嚥下食にできます。

嚥下食のレシピは、クックパッドなどを参考にしてみてください。

流動食の作り方・レシピ

流動食は1食当たりのカロリーが少ないので、適宜おやつなども取り入れてエネルギーを補う必要があります。

また、家庭で作る場合には、栄養が偏ってしまう可能性が高いので、長期間食べる必要があう場合には、市販の栄養価が高い濃厚流動食などと併用する必要があります。また、濃厚流動食は高栄養なので、開封したら飲みきるようにします。

流動食を自宅で作りたい場合には、クックパッドのレシピを参考にしてみてください。

ミキサー食・嚥下食・流動食の市販・宅配サービス

ミキサー食・嚥下食・流動食の作り方、レシピについて説明してきましたが、すべてを家庭内で作ることは、ご家族の負担になったり、栄養が偏ってしまったりと難点もあります。

そのため、市販の食事や宅配サービスもうまく利用していきましょう。

市販のミキサー食・嚥下食・流動食

介護食品 キユーピー やさしい献立 かまなくてよいアソートセット 11種13個入り 【区分4:かまなくてよい】

ホリカフーズ おいしくミキサー おかずのバラエティセット (12種 各1袋入)

介護食品 アサヒ バランス献立 かまなくてよいレトルト惣菜12食セット

高齢者食の宅配

最近では、高齢者食の宅配サービスも豊富です。食事レベルによって、該当する食事がない場合もありますが、一度調べてみてはいかがでしょうか。

やわらかダイニング

簡単、美味しい、便利「旬の手作りおかず・健幸ディナー」

メディカルフードサービス 

(9)介護食を食べるときの注意点

出典:https://www.irasutoya.com/2015/01/blog-post_950.html

介護食を食べる高齢者には、自分で食事をとることが難しく、介助が必要になる人もいます。ミキサー食や嚥下食、流動食を食べる方には食事介助が必要な場合も多いでしょう。

高齢者の食事には、「誤嚥」の危険が伴います。誤嚥が起こってしまうと、最悪の場合死につながることもあるので、介助をする際には細心の注意が必要です。

食事介助の方法について、詳しくは下記をご覧ください。

(10)しっかり栄養をとって機能改善をしよう

どんなに健康な人であっても、年齢を重ねれば重ねるほど、若い時に比べて、筋肉量や骨密度が低下してしまうので、高齢者ほど意識的に栄養を補給することが重要となります。

そんな中、咀嚼や嚥下機能が低下してしまうと、噛むことや飲み込むという行為自体が面倒くさくなり、食事への興味がどんどん薄れ、食事量が減り、栄養が不足してしまう傾向にあります。

栄養が不足してしまうと、脳機能や感覚機能、免疫力の低下にもつながってしまい、認知機能の低下や皮膚炎や床づれ、肺炎など複数の疾患を併発してしまう可能性があります。

そのような状況を防ぐために取り入れたいのが、噛んだり、飲み込む機能が低下している人でも無理なく食事を摂取することができるミキサー食や嚥下食、流動食です。

もちろん、見た目や味を楽しめるきざみ食やソフト食に比べると、「おいしくないのではないか」、「食欲がわかないのではないか」という不安はついて回ります。ただ、最近ではミキサー食や嚥下食、流動食でも美味しいものは増えています。

美味しい食事は、生活のモチベーションアップにもつながります。介護食でしっかり栄養をとって、機能改善を行いましょう。

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