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高齢者にとっての転倒とは | 原因や危険性や3つの対策を紹介

悩み
高齢者の健康を害する「転倒」は要因を知り、対策を行うことで防げるものです。本人・家族ともに健やかに過ごすためにも、高齢者にとって転倒にはどんな危険性があるのか、その対策方法にはどういったものがあるのかをチェックしましょう。
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(1)高齢者における転倒とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1461197

「転倒」は年齢に関係なく筋力の衰えや不注意で起こる事故です。

若い人に比べて高齢者は転倒しやすく、けがをする可能性も高まるので周囲の人々は十分に注意して高齢者の転倒リスクを減らさなければなりません。

また、高齢者にとって転倒するということは、ただ転ぶだけでは無くその後の病気や衰弱に繋がる非常にハイリスクなものです。転倒によるトラブルは、本人だけでは無く周囲の家族にも様々な影響を及ぼす可能性があるでしょう。

高齢者がなぜ転倒しやすいのか、それを防ぐにはどうしたらいいのかを学んで「不慮の事故」が起こらないように対策していきましょう。

(2)高齢者の転倒の原因① 内的要因

高齢者の転倒の原因に多い内的要因には加齢や病気による身体機能・筋力の低下が挙げられます。身体機能・筋力の低下というのは本人にとっては無自覚な場合も多く、若いころと同じような動作をしようとして転倒してしまうという事故が多いのです。

また、病気で薬を服用している場合には薬の副作用によるふらつき、眠気なども転倒の原因となります。

高齢者は自分の体調の変化、違和感を口に出すことができない人も多く、周囲の家族や医療関係者が注意深く観察し転倒の内的要因に気付いてケアすることが重要です。

(3)高齢者の転倒の原因② 外的要因

高齢者の転倒の外的要因には、屋内外の小さな段差や敷居・フローリング、階段などが挙げられます。特に段差や敷居は若い人にとっては小さなものでも、筋力が低下した高齢者にとっては足を引っ掛けやすい部分です。

また、フローリングや絨毯、水周りなど滑りやすい場所も足を取られて転倒する外的要因となります。

このような事故の原因となりうる、外的要因について、より詳しい記事はこちら

→『外的要因の意味 | 内的要因との違い・英語訳・病気別の具体例

(4)転倒によってひき起こるリスク

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1598680

高齢者にとって、転倒とは転んでけがをするだけでは無くその後の健康状態に影響を及ぼす多くの危険をはらんでいます。転倒がどんなリスクを孕んでいるのか、どういった事故に繋がるのかを事前にチェックして、転倒に対する警戒心を高めておきましょう。

転倒がきっかけで寝たきりになる恐れがある

転倒によって骨折や怪我を負うと、しばらく安静にしていなければなりません。若い人であれば回復も早く、その後のリハビリもスムーズに進むことが多いのですが高齢者の場合は治療・リハビリが長引いて思うように日常生活に復帰できない場合が多くなります。すると、長い安静状態によって筋力が低下しそのまま寝たきり状態になってしまう恐れがあります。

また、例え怪我の経過が順調であったとしても、転倒したことへの恐怖心や自信の喪失から生活意欲が低下し、自身で動こうという気持ちを失ってしまう場合もあります。転倒は身体機能だけでは無く、高齢者の健康に長生きしようという気持ちすら奪ってしまうのです。

転倒は「要介護状態になる」要因の第4位

内閣府の調べによると、高齢者が要介護状態となる要因の4番目は「骨折・転倒」でその割合は全体の約12%を占めています。転倒による怪我で歩けない・動けない時期が長くなると、高齢者の体力・身体機能の低下が進み、要介護状態に進みやすくなってしまうのです。

(5)高齢者の転倒が多い場所は

高齢者の転倒が多い場所は屋外よりも自室などの屋内となっています。屋内の中でも特に転倒の危険性が高い場所、例えば

  • リビング
  • キッチン
  • 茶の間
  • 玄関
  • 浴室

などが挙げられます。

高齢者は比較的すり足で歩くことが多いので、カーペットを引いていたり小さな段差が多い室内の方が、屋外よりも危険なのも頷けます。

(6)転倒した場合の対応

外的要因・内的要因に注意していたとしても、不意の事故というのは避けられません。高齢者と同居している介護家族の方は、高齢者が転倒した場合の対応についてよく学んでおきましょう。

まず、高齢者の転倒はその後の対応で大きな事故に繋がります。高齢者が転んでしまったからと地手慌てて助け起こしたり無理に動かすことは止めましょう。高齢者が転倒したら、まずは声をかけて意識の有無を確認します。

高齢者は転んでしまったということで気が動転しているので、責めるような口調・強い問いかけはせずに傍により添って落ち着かせることを最優先にしましょう。その後、本人が落ち着くまでは無理に動かず、転んだ体勢のままでいてもらい、痛むところや出血があるかをチェックしましょう。

個人では対処できない怪我が合った場合や、本人が起き上がれないでいる場合にはすぐにかかりつけの医師に連絡を取り、救急搬送が必要か、何をすればいいのかなどを確認してください。

(7)転倒を防ぐ方法① 転倒しにくい環境を整える

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1793620

高齢者の転倒を防ぐ方法の1つ目は、転倒しにくい環境を整えることです。特に、高齢者が暮らす住居は介護用品をそろえたり、バリアフリーのリフォームを行って転びにくい空間に変えていきましょう。

今はインターネット販売、ホームセンターなど段差を無くす道具や簡単に設置できる手すりなどが多く販売されています。高齢者の目線に立って何が危ないか、どこに手すりや支えがあると安心かを一緒に考えながら転倒の外的要因を取り除いてください。

バリアフリーリフォームの場合、自治体によって介護保険の補助金が適用されることもあります。お金がないからと諦めずに、一度専門の窓口に行って相談してみましょう。

(8)転倒を防ぐ方法② トレーニングを行う

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1692848

高齢者の転倒を防ぐ方法の2つ目は、トレーニングで筋力を高めることです。加齢だから仕方がない、と諦めてしまっては筋力や体力はどんどん衰退してしまいます。毎日少しずつでも筋力トレーニングを行って身体機能を維持すれば、転倒のリスクを軽減できるでしょう。

以下に、高齢者でもやりやすい大腿四頭筋とふくらはぎのトレーニング方法を解説します。最初は少しずつでも効果があるので、継続してトレーニングを行ってください。

大腿四頭筋の筋力トレーニング

安定した椅子に腰かけて、背もたれにもたれかからないようにして背筋を伸ばします。手で椅子の端をしっかりもって、片足をまっすぐにのばし持ちあげましょう。つま先を天井に向けた状態で太ももに力を入れて、5秒~10秒間その姿勢をキープします。交互に両足1セット10回ずつを目安に行ってください。

ふくらはぎの筋力トレーニング

壁や椅子に手を添えて、身体が安定する場所で両足を肩幅程度に開いて直立してください。そのまま、ゆっくりと踵をあげてつま先立ちをして、同じようにゆっくりと踵を降ろします。ふくらはぎに力が入っていることを意識しながら1セット10~15回を目安に行いましょう。

転倒予防のトレーニングについて、より詳しい記事はこちら

→『年を重ねるごとに大事な「転倒予防」とは|運動やグッズなどの紹介も

(9)転倒を防ぐ方法③ 転倒しにくい靴を選ぶ

高齢者の転倒を防ぐ方法の2つ目は、転倒しにくい靴を選ぶことです。高齢者の足を踏み出す時に高く上げられない、すり足気味になるという問題を改善するために、つま先が少し上に挙がっているタイプの靴を選んでください。

また、足の裏に滑り止めがついているものにすると、より転倒防止に役立ちます。外で使う靴は、それに加えてクッション性が高く足の筋肉に負担をかけすぎないタイプを選びましょう。室内でも、足にフィットするタイプの室内履きを使用すると滑り止め効果や転倒防止効果が得られます。

転びにくい靴などの転倒予防グッズについて、より詳しい記事はこちら

→『年を重ねるごとに大事な「転倒予防」とは|運動やグッズなどの紹介も

(10)事前に対策をして高齢者の転倒を防ごう

高齢者が元気に毎日を過ごすためには、転倒による怪我や身体衰弱は特に注意しなければならないトラブルです。

せっかく健やかに過ごしているのに、一度の転倒で一気に弱ってしまっては本人も周囲の家族も後悔してしまうでしょう。今回解説した内容を参考に、事前の対策を行って高齢者の転倒を予防しましょう。

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