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浸水被害の起こりやすい土地に介護施設が建設される理由とは?|現状では行政による規制は限定的

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豪雨による河川の氾濫で、熊本の特別養護老人ホームでは14人もの入所者に犠牲者が出てしまいました。このようなケースは、2016年に岩手のグループホームで9人が亡くなったのをはじめ、全国各地で毎年のように見られます。ではそもそも、なぜそのようなリスクの高い土地に介護施設が建設されるのでしょうか。
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建設が規制される区域はごく一部のみ


出典:https://www.photo-ac.com/

熊本の特別養護老人ホーム「千寿園」では、豪雨による浸水被害で入所者に14人もの犠牲者が出てしまいました。施設は球磨川と支流の合流地点にあり、もともと危険性の高い「洪水浸水想定区域」として指定されていたといいます。

では、なぜそのような場所に建設されることとなったのでしょうか。

実は、自治体は事業者に対して土地変更などの助言を行うだけで、強制力はほとんど持っていません。

記事によると…

例えば、自治体が一定範囲を「災害危険区域」に指定すると、一帯では住宅や福祉施設の建設を規制できる。また、都市計画区域内の市街化調整区域でも、整備が一定制限される。

しかし、これらのほかは洪水浸水想定区域でも原則禁止されていない。土砂崩れの恐れが高い「土砂災害特別警戒区域」も対策工事などが必要だが、条件を満たせば建設できる。行政側が民間の開発行為を止めるのには限界がある。

このように、現状では建設の規制はごく一部のみでしか適用することができません。

より厳しい規制は2年後から施行予定

とはいえ、行政もただ手をこまねいていたわけではありません。

2016年に岩手のグループホームで入所者9人全員が亡くなった浸水被害をはじめ、近年では全国各地で豪雨や台風による同様の被害が続いています。

国はこれを受け、6月閉会した通常国会で都市計画法を改正した。土砂災害の恐れがある地域では福祉施設や病院、スーパーなどの建設を原則禁止し、洪水浸水想定区域の一部でも福祉施設などの建設を厳しくする。ただ、施行予定は22年4月で、既存施設は法の適用外となる。

浸水被害が起こりやすい市街地に介護施設が建築されるようになったのは、2000年の介護保険開始がきっかけで、より家族が面会しやすいようにという利便性を考えた側面もあります。

それをふまえ、介護にくわしい専門家は、より慎重な建設地の選定とともに、建物を高くする、職員を増やす、といったハード・ソフト両面での対策も必要だと指摘しています。

(記事URL:「なぜ?災害高リスク地に高齢者施設 背景は」)

Twitterの反応

ネットの意見

建ってる場所が悪いね。

過去に氾濫履歴ある河川がすぐ近くにあるのに、くぼ地に立ってる。
高齢者施設では、山すそ、川そば、海岸、道路沿い
これらは避けるべき。

西日本新聞の記事にあったように、最初から危険の少ない場所に作れば
こういう被害は減るはず。
でも問題は、狭い日本で「危険の少ない場所」はかなり少ないということ。
高齢者施設は需要が多く、そのくせ高額な費用を払える入居者は少ない。
費用を抑えようと思えばどこかでコストを抑えなければならない。
人件費を削れば人が集まらない。となれば安い土地に平屋建てで…と
いうことになってしまう。
最初から「危険の少ない場所」に立てればコストは上がり、入居にかかる
費用も上がって多くの利用者には手が届かなくなる。どうしようもない。

高齢者施設には広い敷地が必要になる。
介護車両や送迎車の駐車場、車椅子が十分に動けるスロープや出入り口の整備、施設内は段差を少なく、十分な余裕をもって人が通れる幅でないといけない。また、階数が多いと移動や介護に支障が生じるので避けられる傾向にある。
そうなると既存の住宅地では値段も相まってスペースが確保できず、元々家を建てる敷地でなかったところ(河川敷や田畑等。元々遊水地な場所も)が開発された広い土地が活用されることがある。川や海で遮るものなく眺望が良いこともあり、最近は施設需要が高くなっているのでどんどん建つ。
そして介護はぎりぎりの人数でまわしているところが多い。緊急事態に対応しきれる人数がおらず、そうしてこういう事態になってしまう。
正直、今後も発生する可能性が高いと思う。施設だけでなく、行政から考えないといけない問題だと思う。

川沿いにあって水没リスクのあるところになぜ施設を作るのだろうか。せめて1階は住居にしないとか、配慮も必要だと思う。

まとめ

浸水被害のリスクが高い土地に介護施設が建設される背景には、利便性や経済面など、さまざまな事情がふくまれているようです。

これをただ危険だからと法的に規制していくだけでは、問題の根本的な解決とはならないでしょう。安全を守るために、結果的に介護サービスの充実性がうばわれてしまっては本末転倒となりかねません。

記事内で専門家も指摘しているように、規制と合わせて、ハード・ソフト面の対策を事業者が行えるよう、行政が積極的に支援していく姿勢も必要となるでしょう。

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