介護に関わるすべての人を応援します

介護旅行とは | メリットや効果、条件、認知症への効果などを解説

ノウハウ
杖や車椅子が必要になったり、身体の自由が利かず介護が必要になったりしても、旅行に行きたいという願望を持っている方は多いものです。家族に迷惑をかけたくないと思っている方でも、旅行の専門家が一緒なら諦める必要はありません。介護旅行やトラベルヘルパーについて紹介しますので、旅行に行きたいという願望をぜひ叶えてください。
公開日
更新日

(1)介護旅行とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/443961

2016年の旅行サイトの調査によれば、要介護であっても可能であるなら旅行に行きたいと答えた方が90%を超えていました。旅行は、気分転換ができストレス解消にもなるものです。

そうは言っても、健康で一人で何でもできる方とは違い介護が必要な高齢の方や障害を持つ方では、気安く外出もできていないのが現状ではないでしょうか。

そのため旅行になればもう無理だと、諦めてしまっている方も多いかもしれません。しかし、介護旅行なら介護が必要な方でも、旅行に行きたいという願いを叶えることができます。

旅行に出かけることで、要介護者だけでなく介護者も気分転換を図ることができます。介護が必要であっても、介護旅行で楽しい思い出を作ってみませんか。

(2)介護旅行に欠かせないトラベルヘルパーとは

要介護者の旅行には、介護者が同伴する必要があります。要介護者の中には、旅行に行ってまで家族に迷惑をかけたくないと考えている方は多く、介護をしている家族も、やはり旅行に行くのならゆっくり楽しみたいと思っているのではないでしょうか。

また同伴して介護をしてくれる家族がいない、一人暮らしの方でも旅行を楽しみたい方はいるはずです。

そのような時に利用したいのが、トラベルヘルパーです。介護技術だけでなく、外出や旅行時に状況に応じたサポートができるよう、旅行に関して専門的な知識を持ったヘルパーです。

さらに旅行に同伴して介護を行うだけでなく、要介護者に合った旅行プランの作成や、旅行時に必要な車の手配なども行ってくれるため、安心して旅行に出かけることができます。

(3)介護旅行がもたらすメリット

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2366515

介護旅行によってもたらされるメリットは、介護を受ける側の方ばかりではなく、介護を行っている家族にもあります。どのようなメリットがあるか、挙げてみましょう。

気分転換ができる

介護旅行によってもたらされるメリットで一番大きいものは、気分転換ができるということでしょう。同じことが繰り返されている日常生活から離れ、ワクワク楽しい時間を過ごすことは、ストレス解消にも繋がります。

また、トラベルヘルパーを利用すれば、要介護者だけなく介護者も気分転換が図れるでしょう。毎日の介護から解放され、介護負担が一時でも軽減できれば、また旅行後に介護を行う気力を養えるかもしれません。

身体機能の維持や向上

家の中で過ごすことが多い要介護者では、身体を動かさないことで身体機能の低下が起こってしまいます。また本人が望まないリハビリなどは、効果も表れにくいといえます。

しかし旅行であれば、自ら身体を動かし会話をするなど、積極的な行動が見られることも多いものです。旅行は楽しみながら身体機能の維持や向上が期待できる、リハビリの場といって良いでしょう。

(4)介護旅行は認知症にも効果がある?

介護が必要な方は健康で自分でどこにでも行ける方とは違い、毎日の生活が同じことの繰り返しになっている場合が多いものです。刺激のない生活は、楽しみも少ないといえるかもしれません。

介護旅行は、マンネリ化してしまった日常に刺激を与えることができ、認知症の予防や進行防止ができるとされています。

認知症の予防や進行防止には、脳に刺激を与えることが重要です。介護旅行によって、身体を動かすことや家族や他人とのコミュニケーションを図ること、達成感を味わうことが、脳への刺激になります。

ただ、軽度の認知症がある要介護者が旅先で不安になるようなことがあると、症状が悪化する可能性もあります。介護旅行を行うときは計画をしっかり立てて、不測の事態が起きても対処できるよう準備を万全にしてから出かけましょう。

(5)介護旅行を利用する条件

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/650678

介護旅行を利用するには、いくつか条件が整っていることが必要といえます。無理な旅行は、要介護者にとって負担となってしまう場合があるため注意しましょう。

旅行に行く意思がある

まず、要介護者が旅行に行きたいと思っていることが重要です。家族に対して遠慮があって、出かけたくないと感じているだけなら、ガイドヘルパーの説明をして家族に負担もかからず楽しく過ごすことができると伝えれば良いでしょう。

しかし、遠慮ではなく旅行に行きたくないのであれば、無理強いして旅行に連れ出しても負担になるだけです。どうしても家族で旅行に出かけたい場合は、ショートステイなどの介護サービスの利用を考える方が良いかもしれません。

家族などの同意がある

介護旅行は、家族が必ず付いて行かなければいけないものではありません。家族が旅行に行きたくない場合でも、また一人暮らしであってもトラベルヘルパーがいれば、要介護者だけで旅行ができます。

しかし、トラベルヘルパーを利用する場合は、要介護者だけの判断で旅行を決定することはできません。旅行途中でトラブルがあっても連絡がつくよう、家族や身元保証人などの同意は必要になります。

医師の許可がある

要介護者が旅行に出かけても問題がない状態であるか、かかりつけの医師に確認しておきましょう。また旅行の許可が出ていても、細かな旅行計画を立てることができれば、スケジュールを見せて、負担にならないか判断してもらうと安心です。

(6)介護旅行の申し込み方

介護旅行の申し込みは、難しいものではありません。普通の旅行のような順序で申込ができます。

旅行代理店に相談する

一昔前までは、介護が必要な方が利用できるような旅行プランを取り扱っている旅行代理店は少なく利用が困難でしたが、最近はバリアフリー旅行など介護が必要な方にアピールしたプランが増えています。

通常プランでも、ホテルや旅館の部屋をユニバーサルルームに変更、食事内容を刻み食などに変更、家族風呂などの手配などで対応が可能な要介護者であれば、相談に乗ってくれる旅行会社は多いはずです。

また障害者や高齢者の方のみを対象にしたツアーや、個人旅行であれば、介護度が高い方でも利用ができるため、要介護者の状態を伝え相談してみましょう。

トラベルヘルパーと契約する

トラベルヘルパーを利用することで、安心して旅行を楽しむことができます。介護度が高いと料金が高くなりますが、家族だけではできないサポートをしてもらえ、満足できる旅行になるといえます。

トラベルヘルパーを利用したい場合、トラベルヘルパー専門事業所、旅行代理店、訪問介護事業所などで対応していますが、旅行代理店や訪問介護事業所などでは、必ずトラベルヘルパーがいるとは限らないため、よく確認しておきましょう。

旅行保険には入っておく

要介護者の場合、旅行先で状態の急変などが起きる場合も考えられます。不測の事態でも旅行保険に入っていれば安心です。国内でも遠方や海外などの場合は、旅行保険に入っておくことをおすすめします。

(7)介護旅行サービス利用時の注意点

要介護者を連れての旅行の場合、注意しなければいけない点がいくつかあります。旅行途中で、対応に困る事がないようにしておきましょう。タイミングごとに分けて注意点を紹介します。

宿を決める時の注意点

まずは車椅子や杖などでも利用できる宿であるか、確認は必要です。最近は車椅子でも部屋の中を自由に動け、お風呂やトイレに入りやすいようになった、バリアフリールームやユニバーサルルームなどを設けているホテルや旅館が多くなっています。旅行先に、こういった部屋があるか確認して利用しましょう。

また家族風呂があり、要介護者でも大きなお風呂にゆっくり浸かることができたり、刻み食など介護食の対応ができたりする宿もあります。こういった宿であれば、宿のスタッフも教育され要介護者への対応も良い場合が多く、満足できる旅行になるはずです。

旅行の移動中での注意点

旅行で利用する交通機関でも、注意が必要です。車での移動であれば、途中でトイレに行けるよう休憩場所などを良く確認しておきましょう。また電車であれば。車椅子でも入れるトイレがあり、座席もゆったりしているグリーン車を利用するのが安心です。

観光先での注意点

観光先までの移動が車であれば駐車場の確認、バスを利用する場合はワンステップやノンステップなど乗り降りできるタイプか確認しておきましょう。観光先に段差が多くないか、目的地にスロープや迂回できるルートがあるか、エレベーターの設備があるかなども、必要に応じて確認してください。

また観光先となりやすい寺院にある石畳や砂利などは、車椅子や杖では進みにくいことを知っておきましょう。

全般に渡っての注意点

  • 旅行でも必ず水分の補給はこまめに行い、脱水にならないようにする
  • 座っている時間が長い場合、エコノミークラス症候群にならないよう体勢を変える
  • 毎日飲んでいる薬やお薬手帳などは忘れず持っていく
  • 普段は杖歩行でも車椅子を準備し、疲れたり歩きにくかったりすれば利用できるようにする

(8)介護旅行にかかる費用

介護旅行にかかる費用について、紹介していきます。プラン作成からすべて任せて依頼する場合、旅行代金の20%以内のプラン作成費用と、別にトラベルヘルパー料金がかかります。

トラベルヘルパーを利用する場合、時間と介護度によって費用が変わります。看護師や介護福祉士など同行するトラベルヘルパーの資格によって違う場合もあるため、利用する事業所に確認してください。またトラベルヘルパーを夜間利用する場合は、別料金がかかることもあります。

トラベルヘルパー利用料金

軽度要介護(要支援程度)見守りや移動介助など

  • 半日利用 15,000~18,000円

  • 1日利用 25,000~28,000円

中度要介護(要介護1・2程度)移動・食事・排泄介助など

  • 半日利用 18,000~20,000円 

  • 1日利用 28,000~30,000円

重度要介護(要介護3以上)オムツ交換や入浴介助など

  • 半日利用 19,000~22,000円 

  • 1日利用 30,000~33,000円

(9)介護旅行サービスを提供してる企業3選

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2760634

介護旅行のサービスを提供している企業は最近増えてきており、住んでいる地域の近くにも対応可能な旅行会社はあるはずです。ここでは全国展開している、または多くの拠点を持つ利用しやすい企業を3つ紹介していきます。

あ・える倶楽部

青森・千葉・神奈川・東京・静岡・愛知・京都・大阪に拠点をもつ旅行会社です。創業27年と、トラベルヘルパーを利用した介護旅行を長く続けているため、安心して利用できる旅行会社だといえます。旅行の企画や手配なども行ってくれるため、おすすめです。

H.I.S

世界中に店舗を持つH.I.Sですが、2002年にユニバーサルツーリズムデスクを設立し、要介護者の旅行をサポートしています。オーダーメイドの国内・海外旅行や、要介護者対象のツアー、グループや団体旅行などのプランもあり、気軽に相談ができます。

JTB

多くの店舗を持つJTBも介護旅行をサポートしています。全国どこの店舗でも車椅子や杖でも安心して泊まれる宿の紹介などを行っており、トラベルヘルパーが必要な時は提携している「あ・える倶楽部」に手配してもらえるため安心です。

(10)旅行がしたいけど不安、そんな方は介護旅行を考えてみては?


出典:https://www.pakutaso.com/

家族だけで要介護者を連れて旅行にでかけ「大変な思いをした」「余計につかれた」など、良くない思い出だけになってしまったという話も良く聞かれます。また要介護者も、家族に対しての遠慮で気疲れを起こしていることも多いものです。

しかし、旅行にトラベルヘルパーを利用すれば、問題が解決できます。日常生活上だけではなく、外出や旅行時に対応ができる旅行と介護の専門家です。要介護者だけではなく介護者も、トラベルヘルパーがいれば介護を考えなくても良い時間ができ、旅行を楽しめるはずです。

旅行先で、要介護者の笑顔が見られるかもしれません。一度、トラベルヘルパーを利用した介護旅行を考えてみられてはいかがでしょうか。

この記事が気に入ったら
いいねしよう!