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介護保険サービスとは|種類の違いや介護保険外のサービスも

公的制度
介護保険サービスは、要介護・要支援者が、介護保険の給付によって自己負担1〜3割で利用できる介護サービスのことです。本記事では、介護保険サービスの種類や具体的な内容、それ以外の介護保険外サービスについても説明していきます。
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(1)介護保険サービスとは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2515224

介護保険サービスとは、介護保険を利用して受けられる介護サービスのことをいいます。

介護保険とは40歳から加入が義務づけられている公的保険で、全国各地の市町村および東京23区によって運営されています。

要支援・要介護の認定を受けている人は、この介護保険からの支給によって、自己負担1割(収入に応じて2〜3割)でさまざまな介護サービスを受けられるようになります。

(2)介護保険サービスの種類

介護保険サービスには、大きく分けて以下の3種類があります。

  • 居宅サービス
  • 施設サービス
  • 地域密着型サービス

それぞれ、利用者の状況に合わせて使い分けていくようにしましょう。

居宅サービス

被介護者が、自宅で暮らしたまま受けることができる介護保険サービスのことをいいます。その内容もとても幅広く、さらに以下の3種類に分けることができます。

  • 訪問サービス
  • 通所サービス
  • 短期入所サービス

ほかにも、福祉用具の購入やレンタル、またバリアフリーのためのリフォームなどに利用できる介護保険サービスも、この居宅サービスにふくまれます。

なお、介護施設に入所している人が外部の介護保険サービスを受けた場合でも、そこが利用者の自宅とみなされれば居宅サービスというあつかいになります。

施設サービス

以下の4種類の施設では利用者が入居したうえで、生活援助や機能訓練、または医療ケアといった、さまざまな介護サービスを受けることができます。

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 介護療養型医療施設
  • 介護医療院

このような介護保険サービスのことを施設サービスといいます。

地域密着型サービス

地域密着型サービスは、2006年の介護保険法改正によって新しくもうけられた介護保険サービスです。

要介護になったとしても、住みなれた土地を離れることなく、今までどおりの暮らしを続けられるようにすることを目的としています。

サービスの提供は各市町村が指定した事業者によって行われ、小規模なグループホームや24時間対応の定期巡回など、地域の連携によるきめ細かいサービス内容が特徴となっています。

その種類も幅広く、居宅サービスや施設サービスにくわえ、さらに今後の増加が見込まれている認知症対応型などもふくまれています。

(3)介護保険サービスの1種、居宅サービスとは

居宅サービスには幅広い介護保険サービスがあります。その種類は、

  • 訪問サービス
  • 通所サービス
  • 短期入所サービス
  • その他

の4つに大きく分けられます。介護保険サービスの料金は、利用量に応じて計算されます。以下でさらに詳しく説明していきます。

訪問サービス

介護福祉士や訪問看護職員などが利用者の自宅をおとずれて、さまざまなサポートを行います。

サービスの種類 具体的な内容
訪問介護

食事や排泄などの身体介助

買物や掃除などの生活援助

など

訪問看護

医療ケア

医療機器の管理

床ずれ予防

など

訪問リハビリテーション

リハビリテーションによる機能訓練

訪問入浴介護

移動式浴槽を用いた入浴

通所サービス

利用者が自宅からデイサービスセンターなどの施設に通って、日中のみ介護サービスを受ける方法です。

通所介護

食事や排泄、入浴などの身体介助

通所リハビリテーション

リハビリテーションやレクリエーションによる機能訓練

短期入所サービス

自宅で暮らしながら、一定期間だけ施設に入所してサービスを受ける方法です。

短期入所生活介護

食事や排泄、入浴の身体介助

短期入所療養介護

リハビリテーションやレクリエーションによる機能訓練

その他

ほかにも、以下のような介護保険サービスが居宅サービスにふくまれます。

居宅療養管理指導

自宅を訪れて療養上の管理や指導を行う

特定施設入居者生活介護

有料老人ホームやグループホームで生活する人が対象

福祉用具貸与

車いすや特殊寝台、歩行補助つえ、などの福祉用具のレンタル

特定福祉用具販売

腰掛便座や入浴補助用具、簡易浴槽、などの福祉用具の販売

住宅改修費支給

手すりやスロープの設置などの改修に対する支給

居宅介護支援

ケアプランの作成や介護サービスの手続きの代行

(4)介護保険サービスの1種、施設サービスとは

施設サービスは、以下の4つの介護施設で行われています。介護保険サービスの料金は、毎月の定額制となっています。

介護老人福祉施設入居者介護(特別養護老人ホーム)

介護老人福祉施設は要介護度3以上の人が利用する施設で、特別養護老人ホーム(特養)とも呼ばれます。身体あるいは精神に障害があり、つねに介護が必要となる人を長期間にわたって介護します。おもに、食事や排泄の身体介助、リハビリやレクリエーションによる機能訓練などを行います。

特別養護老人ホームについて詳しくはこちら

介護老人保健施設入居者生活介護(老健)

介護老人保健施設は、リハビリテーションによる機能回復をおもに行い、自宅復帰を目ざすための施設サービスを提供します。ほかにも、必要に応じて食事や排泄などの身体介助も行います。

老健について詳しくはこちら

介護療養型医療施設入居者生活介護

介護療養型医療施設では、病状が安定した被介護者に医学ケアを行いながら、食事や排泄などの身体介助も行います。必要性のない入所者が多いことから何度も廃止が検討されてきましたが、現在では2023年末まで先延ばしになっています。

介護療養型医療施設について詳しくはこちら

介護医療院

介護医療院では、長期間の療養が必要な要介護者に対して、医療的ケアと介護を総合的に行います。介護療養型医療施設が廃止となったあとの受け皿としての役割も果たします。

介護医療院について詳しくはこちら

(5)介護保険サービスの1種、地域密着型サービスとは

地域密着型サービスは、訪問サービス型から施設サービス型、さらに認知症対応型まで、幅広い種類の介護保険サービスがふくまれています。

訪問・通所型サービス

自宅に住んだまま、受けることができる介護保険サービスです。

小規模多機能型居宅介護 訪問から通所、入所まで広く対応したサービスを提供
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 1日に複数回の定期訪問を行い介護と看護を提供
夜間対応型訪問介護 夜間に定期的な訪問や緊急時の訪問を行う

施設・特定施設型サービス

施設に入所して、24時間対応で生活援助や機能訓練などの介護サービスを受けます。施設によって、以下のような介護保険サービスがあります。

地域密着型特定施設入居者生活介護 利用人数29人以下の介護付き有料老人ホーム、ケアハウス、サービス付き高齢者向け住宅
地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護 利用人数29人以下の特別養護老人ホーム

認知症対応型サービス

認知症と診断された人を対象に、提供される介護保険サービスです。

認知症対応型通所介護 認知症患者の不安をやわらげる少人数による日帰りのサービス
認知症対応型共同生活介護 認知症患者が共同生活を行いながら介護や機能訓練を受ける

地域密着型サービスについて詳しくはこちら

(6)介護保険サービスの対象と費用

対象

介護保険サービスを利用できるのは、以下のいずれかの条件を満たして要介護・要支援の認定を受けた人にかぎられます。

  • 65歳以上の高齢者(第1号被保険者)
  • 40〜64歳の特定疾患の患者(第2号被保険者)

特定疾病については、以下の16種類が定められています。

  • がん(回復の見込みがないと判断されたもの)
  • 関節リウマチ
  • 筋萎縮性側索硬化症
  • 後縦靱帯骨化症
  • 骨折をともなう骨粗鬆症
  • 初老期の認知症
  • パーキンソン病関連の疾患
  • 脊髄小脳変性症
  • 脊柱管狭窄症
  • 早老症
  • 多系統萎縮症
  • 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症
  • 脳血管疾患
  • 閉塞性動脈硬化症
  • 慢性閉塞性肺疾患
  • 両側の膝関節または股関節の著しい変形性関節症

(参考:厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方」

介護保険サービスの費用

介護サービスにかかる費用は単位によって決められ、1単位=10円を基本としています。そこに、人件費や家賃などを考慮した1〜7級地の区分をもうけ、地域によって最大20%まで加算されることになります。

なお、介護保険サービスの支給限度額は要支援・要介護度によって一ヶ月あたりの支給限度額(1単位=10円の場合)が以下のように決められています。支給限度額は2019年に見直され、変更されました。

要支援・要介護度 支給限度額
要支援1 5,032単位(5万320円)
要支援2 1万531単位(10万5,310円)
要介護1 1万6,765単位(16万7,650円)
要介護2 1万9,705単位(19万7,050円)
要介護3 2万7,048単位(27万480円)
要介護4 3万938単位(30万9,380円)
要介護5 3万6,217単位(36万2,170円)

(出典:厚生労働省「2019年度介護報酬改定について」

これを超える分については全額自己負担となるので、利用者にもその点をよく説明しておく必要があります。

(7)介護保険外サービスとは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/548602

介護保険サービスを受けるには、要介護あるいは要支援の認定を受けている必要があります。しかし、なかにはそれ以外の人でもサービスを必要とするケースがあるでしょう。

また、旅行などで出かける際の介助や、同居家族がいる場合の家事のサポートなどは、そもそも介護保険サービスでの提供が認められていないため、介護保険を利用することはできません。

このような場合におすすめしたいのが、介護保険外サービスです。

介護保険外サービスの事業者

介護保険サービスが適用されないと、どうしても費用が高くなってしまうというイメージが利用者にはあるかもしれませんが、介護保険外サービスには民間事業者が行うものから、市町村が行う非営利目的のものまで、とても幅広いものがあります。

以下に、その主な事業者を紹介します。料金も、一部自己負担から全額自費までさまざまなので、ぜひ利用できそうなものを確認してみてください。

事業者

サービス内容

介護サービス事業者

通常は介護保険サービスを提供している事業者でも、介護保険外サービスに対応している場合があります。サービス内容には、家事のサポートや外出のつきそいなどがあります。
民間企業 民間企業が提供する介護保険外サービスには、家事代行や配食サービス、移送サービスなどがあります。費用はどうしても高くなりますが、サービス内容が充実していて、緊急時にも利用しやすいのがメリットです。
市区町村

市区町村が提供するのは、おもに一人暮らしや高齢者夫婦などの世帯を対象とした高齢者在宅サービスです。配食サービスや、緊急通報システムなどがあります。

介護予防・日常生活支援総合事業

市区町村が中心となり、民間やNPO法人、ボランティアなどと連携して提供を行っています。家事支援や外出支援、運動やレクリエーションなどを行っています。

社会福祉協議会・シルバー人材センター

社会福祉協議会やシルバー人材センターでは、有償ボランティア事業によるサービス提供を行っています。家事のサポートや外出のつきそい、話し相手などをつとめます。

(8)介護保険サービスを利用するまでの流れ

満65歳以上の介護保険の第一号被保険者が認知症などを発症したと判断された場合、被保険者が居住する市区町村に要介護認定申請を行います。申請を行うと市区町村の担当者や業務委託を受けたケアマネージャーが訪問調査に訪れます。

訪問調査の結果を持ち帰りコンピューターによる第一次判定が行われ介護区分が判定されます。一次判定の結果は有識者による介護認定審査会で第二次判定を受け、介護区分が妥当であると判断されれば介護認定が行われます。

介護認定を受けたのちに、介護保険サービスを提供する事業所や施設のケアマネージャーが作成するケアプランをもとに介護保険サービスを利用することができます。

なお、要介護認定申請は申請から30日以内に判定が通知されます。

(9)施設ごとに提供する介護保険サービスが違うので確認しよう

介護保険サービスは、提供する施設によってその内容も大きく変わってきます。

たとえば、特別養護老人ホームでは介護をおもな目的としています。そのため、介護保険サービスのなかでも、身体介助などの介護がより充実した内容となっています。

同じように、介護老人保健施設では質の高いリハビリテーション、介護療養型医療施設では高度な医療ケアを受けることができます。このように、それぞれの施設の目的に合わせて、介護保険サービスの内容も変わっているわけです。

施設や介護保険サービスを選ぶさいには、その点をふまえて、利用者にとってどのような介護がもっとも優先されるべきなのかよく考えておきましょう。

もちろん、事業者によってもサービス内容に差はあるので、その点についてもしっかり確認しておくことが大切です。

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