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要介護1の状態 | 受けられるサービス・限度額・認知症の場合

制度
今まで元気で一人暮らしができていた方でも、高齢になるにつれ生活に不安が出てくることがあるかもしれません。しかし心配しなくても大丈夫です。介護サービスが受けられるよう要介護認定を受けてみましょう。認定で要介護1が出た場合、どのようなサービスが受けられるかなど、詳しく説明します。
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(1)要介護1とは

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1641947

介護が必要になった場合、介護保険サービスを受けるためには、要介護認定を受ける必要があります。要介護認定は、65歳以上の方あるいは40歳以上で指定されている16種類の特定疾病を患っている方であれば申請ができます。ただし、申請すればすべての方が要介護認定を受けることができるとは限らず、自立判定が下りる場合もあります。

※16種類の特定疾病

  1. 回復の見込みがない状態の癌
  2. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
  3. 脊髄小脳変性症
  4. 後縦靭帯骨化症
  5. 関節リウマチ
  6. 骨折を伴った骨粗鬆症
  7. 脊柱管狭窄症
  8. 初老期の認知症
  9. 多系統萎縮症
  10. 早老症(ウェルナー症候群・プロジェリア症候群など)
  11. 糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症・糖尿病性網膜症
  12. 閉塞性動脈硬化症
  13. 脳血管疾患(脳出血、脳梗塞など)
  14. 慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎など)
  15. 進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症・パーキンソン病
  16. 両側の膝関節や股関節に著しい変形を伴った変形性関節症

要介護認定は、要支援1から要介護5まで7つの区分で分けられています。日常生活に少し支援が必要な程度であれば要支援、介護が必要と判断されれば要介護1以上になります。

(2)要介護1の状態

要介護認定は5段階あるため、要介護1は介護が必要な状態の中で一番軽いものになります。要介護1の認定が下りた場合、その申請者は日常生活において、立ち上がりや歩行が不安定になっている、また食事や排せつ、入浴などに部分的な介護が必要な状態といえます。

具体的な例

  • 椅子やベッドなどから立ち上がる際、また片足で立つなどの動作では介助が必要になる
  • 歩行時にふらつきなどがあり、不安定であるため介助が必要である
  • 食事や排せつ、浴槽の出入りや洗身などに部分的な介助が必要な場合がある
  • 物忘れがあっても軽度であり、問題行動などはない

(3)要支援2と要介護1の違い

要支援になるか要介護になるかで、受けることができるサービスが違ってきます。要支援2と要介護1ではどのような違いがあるのか、紹介していきます。

要支援1であれば、基本的には自分で何でもでき独居でも生活ができる程度になりますが、要支援2はそこにやや衰えが見え始めます。基本的には自分で行えても、体調などによっては介助が必要になるのが要支援2の程度です。要介護1は先ほど紹介したように、部分的であっても日常的に介助が必要と認められた状態になります。

要支援2と要介護1では、状態的には大きく変わりはないといえますが、受けられる介護サービスが大きく変わってきます。要介護1が受けられるのは介護保険サービスですが、要支援が受けるサービスは2015年より介護保険から外れました。今までの介護保険の介護予防事業から「介護予防・日常生活支援総合事業」という市町村が主体となるサービスに切り替わっているところが、要介護1と要支援2の大きな違いです。

(4)要介護1で受けられるサービス

要介護1の方が受けられる介護サービスは、自宅で住みながら利用する「在宅サービス」・施設に入所して受ける「施設サービス」・住み慣れた街の中で受ける「地域密着型サービス」・ケアマネージャーによるケアプラン作成などの「居宅介護支援」などになります。それぞれ紹介していきます。

在宅サービス

●訪問サービス
訪問介護・訪問入浴介護・訪問看護・訪問リハビリテーション・居宅療養管理指導

●通所サービス
通所介護(デイサービス)・通所リハビリテーション(デイケア)・療養通所介護

●短期入所サービス
短期入所生活介護(ショートステイ)・短期入所療養介護

●特定施設入所者生活介護

●福祉用具貸与

●特定福祉用具販売

施設サービス

●介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

●介護老人保健施設

●介護療養型医療施設(廃止決定も2024年まで移行期間あり)

●介護医療院

地域密着型サービス

●定期巡回、随時対応型訪問介護看護

●夜間対応型訪問介護

●認知症対応型通所介護

●認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

●小規模多機能型居宅介護・地域密着型特定施設入居者生活介護

●地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

●複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)

居宅介護支援

●要介護・要支援認定の申請の代行

●ケアプラン作成

●サービス提供事業者との連絡・調整

(5)要介護1のデイサービスの利用はどのくらい?

要介護1の方が利用できる介護サービスに、デイサービスがあります。デイサービスは在宅サービスの中の通所サービスです。日帰りで利用し、食事の提供や介助・入浴介助・レクリエーション・看護師による健康チェックなどが行われます。デイサービスまで家族が送迎しても構いませんが、送迎サービスがあるため自宅から離れていても利用が可能です。

要介護1でデイサービスを利用する場合、週2回程度が一般的となります。しかし、デイサービス利用の時間には、調整が可能です。また他のサービスなどを利用している場合、限度支給額内で利用できるようにケアマネージャーと相談して利用回数を決めましょう。

要介護1のデイサービス利用1回の基本費用は、次のようになります。デイサービスの規模や住んでいる地域により、1単位の金額が違います。また送迎や入浴などこれに加算される項目があるため、利用時によく確認しておきましょう。

  • 3~4時間 362単位
  • 4~5時間 380単位
  • 5~6時間 558単位
  • 6~7時間 572単位
  • 7~8時間 645単位
  • 8~9時間 656単位

(6)要介護1で受給できる保険料の支給限度額

介護保険では、要介護度によって月々に利用できる介護サービスの限度支給額が異なり、介護度が高くなるにつれ限度支給額も多くなります。そのため5段階ある要介護の中では、要介護1で受けることができる介護サービスの回数や時間は、一番少なくなります。

要介護1の限度支給額は、16万6920円(2019年8月時点)です。利用する方はこの1割(所得により2割・3割になる場合もあり)を負担することになります。限度支給額より超えた場合は、全額自己負担になります。

(7)要介護1状態で認知症になったら

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/434027

要介護1では、問題行動や物忘れなどが頻繁にみられる状態ではないはずですが、軽い物忘れなど軽度の認知症症状がみられる場合もあるでしょう。認知症で物忘れなどがあると生活が不安になるかもしれません。

独居で生活している方、家族と同居していても日中誰もいない家に一人いるというような方で、自分で身の回りのことができる方であればおすすめしたいのが、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の利用です。

グループホームは地域密着型サービスとなっているため、要介護者が住んでいる地域の施設が利用できます。5~9人の少人数を1ユニットとして共同生活を行いますが、基本個室で、共同でキッチン・トイレ、浴室、洗面、リハビリ・レクリエーションルームなどが設けられており、入居者が交流できるようになっています。

認知症の方を対象にした施設であるため、認知症の知識があるスタッフが常駐しており必要なケアを行ってもらえます。またコミュニケーションが図れることで、認知症の進行を遅らせることも可能です。費用はその施設ごとで違い10~30万円程度になりますが、介護保険サービスであるため、自己負担は所得により1割~3割となります。

(8)要介護1状態で一人暮らしは可能?

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1140762

要介護1と認定された場合、介助が必要なのは部分的であるため一人暮らしも不可能ではありません。しかし、体調が悪いなど特別なときだけでなく、日常的に部分的な介助が必要であると判断されているのですから、転倒などの事故が起きる危険もあり、不安があるといえるでしょう。

一人暮らしが不安である場合は、施設入所も考えられます。ただし特別養護老人ホームは基本要介護3以上の方の入所となり、介護老人保健施設には入所に期限がつきます。そのことを考えると、認知症がない方であれば介護付き有料老人ホームや軽費老人ホーム(ケアハウス)などがおすすめです。

また自宅で一人暮らしを希望している要介護者には、介護保険サービスではありませんが見守りサービスなどの利用を考えてみてはいかがでしょうか。見守りサービスには、「訪問型」「警備駆け付け型」「センサー型」「カメラ型」などがあります。

訪問型

郵便局の「みまもりサービス」や、配食サービスなどの利用時の安否確認

警備駆け付け型

ボタンを押すと警備保障会社から警備員が駆け付けてくれる。24時間対応

センサー型

人感センサーを取り付け、人の動きがないときなどに知らせてくれる

カメラ型

部屋にカメラを設置してライブで状況が確認できる

(9)要介護認定の受け方

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1510545

要介護認定を受けるためには、介護が必要な方が住んでいる地域の市町村役場の介護保険課などの窓口で、申請を行う必要があります。

申請に必要なもの

  • 介護保険要介護(要支援)認定申請書
  • 介護保険被保険者証
  • 主治医の意見書
  • 印鑑

65歳以下の方は、介護保険被保険者証ではなく健康保険被保険者証を持参してください。主治医の意見書は申請すれば、市町村から主治医に依頼してくれます。またかかりつけの主治医がいない方は、市町村が指定した医療機関で診察を受けることになります。

申請を行った後、要介護者の様子を調査するための訪問調査日が決まります。1次判定として調査日に調査員やケアマネージャーが訪問し、状態を調査します。2次判定では、1次判定の調査内容と主治医の意見書などを元に介護認定の審査が行われ、30日以内に判定が届きます。

調査員が訪問して要介護認定のための調査を受けるときは、できるだけ普段と変わりない様子を見てもらいましょう。いつもはできないのに、あれもこれもできるというと間違った判定になってしまうことがあるので、注意してください。調査員が訪問する日は、家族などが必ず一緒にいるようにして、介護が必要な状況や問題行動などがある場合は、家族が調査員に伝えるようにしましょう。

(10)要介護1と認定されたら

要介護1というのは介護が必要ですが、部分的な介助を行えば生活ができるという状態です。最近、フレイルという言葉がよく使われるようになりました。フレイルは、健常から要介護へ移行する間のことで、要支援や要介護1がフレイル状態であると考えられます。

つまり適切な支援や介助を受けることで、要介護状態からの脱出がまだ可能であるともいえます。要介護1と認定された方の問題をしっかりと把握し、必要なサービスを受けることで状態の改善ができるかもしれません。また要介護状態から脱出が難しくてもこれ以上悪化して要介護度が高くならないよう、ケアマネージャーとよく相談して必要な介助を受けるようにしましょう。

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