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介護が突然始まった際にすべきこと・知るべきこと

ノウハウ
「介護を始めることになったのは突然のことだった」と多くの介護経験者は述べます。その理由の一つは、すべきことや知らなくてはいけないことが突然増えたために、焦ったり悩んだりすることだといえるのではないでしょうか。 本記事では、介護を始めたばかりの方が何をし、何を知っておくとスムーズに介護生活に移れるかをまとめて説明しています。
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(1)介護が突然必要になってしまったら

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/354390

両親が怪我・疾病などの原因により、突然介護を必要とする状態になる。このような状況を想像したことはあるでしょうか。例えば介護や福祉の業界と深く関わっておらず、介護に関する知識が浅い場合、先述した状況に陥った時、「何から手を付けていいのかわからない」「どのようなことを知るべきかすら見当がつかない」という状態になってしまう自分を想像してしまう方も多いのではないでしょうか。

実際、介護をした経験を持つ多くの人が介護は突然始まったと述べています。その理由は、おそらく想定外の事故や脳梗塞などの疾病により、本当の意味で「突然」介護が始まってしまったからか、もしくは介護という今まで関わってこなかった分野に関して突然多くの情報・リソースを必要とする状況に面食らってしまったから、という2つのいずれかでしょう。

ここから、

  1. 「介護はいつ始まるかわからない」
  2. 「介護をするにあたりするべきこと、知っておくべきことがある」

という、この一見当たり前のことを意識することは非常に大切だといえます。

本記事では、そのうちの後者について、「(両親の)介護が始まったばかりの時期、何も知らない状態から、どのような流れでどのようなことをすべきか」「介護を始めるにあたり、最低限知っておくべきことはどんな事か」の2点に分け、簡単に説明していきます。

(2)実際にやること① 落ち着いた際に、介護の計画を立てよう

多くの場合、介護の始まりは、疾病の症状の悪化や想定外の事故などによる負傷の治療にあたり、ひと段落して退院をしたあとのタイミングだといえるでしょう。

その際にはまず、できれば家族全員の意向を踏まえ、介護の計画を立て、最低限決めておくべきことを決めることに時間を使うことが大事だといえます。

あらかじめ介護計画を立てる、すなわち家族全員の経済状況や仕事の状況などを基に、介護の根本部分について決めごとを作ることで、ゆくゆく意見の齟齬が生まれにくかったり、何かトラブルが起きた時に迷わなくて済んだりと、それ以降の意思決定がスムーズになるからです、

介護計画を立てる際に決めておいたほうが良いと考えられるのは、主に以下の2点です。

  1. 介護スタイル(在宅介護か、施設での介護か)
  2. 介護における、家族一人一人の役割

介護スタイル(在宅介護か、施設での介護か)

まずは、介護をする際のスタイルを決めることが先決といえます。介護生活を送るといっても、どのような場所で、どのようなサービスを利用するか、といった介護スタイルは個々のケースにより様々です。

その中でも、在宅介護か施設介護かの違いは、非常に大きいといえるでしょう。どちらかを選ぶことで、生活リズムも、必要なサービスも、費用も異なってくるからです。

両者のメリット・デメリットを理解し、家族の経済状況や生活状況をしっかり踏まえたうえで、在宅か施設かを決めましょう。

以下の2つの記事を読み比べることで、在宅介護と施設介護の違いについて詳しく知ることができますので、是非ご参考ください。

在宅介護/施設介護に関する記事(記事へは画像をクリック)
在宅介護と施設介護の違いについて

施設介護にかかる費用について

介護における、家族一人一人の役割

当然ですが、介護は「家族のうち誰か一人」だけで行うことは到底不可能です。そこで、家族全員で介護をしていく姿勢が非常に重要になるのですが、家族一人一人、それぞれ経済状況も住んでいる場所も生活状況も違うため、それぞれ果たせる役割も変わってきます。

その中で、だれか一人に負担が集中することのないように、また介護負担を巡り、家族の間での対立が頻繁に起こることのないように、

  • 介護によって発生する負担をどう分担していくか
  • (状況ごとに)誰がキーパーソンになるのか

といった事柄についてあらかじめ話し合うことが非常に大切だといえます。

キーパーソンに対する考え方は、以下の記事をご参考ください。

(3)実際にやること② 地域包括支援センターに相談してみよう

総合的に、かつ専門家の意見を得られる「地域包括支援センター」

ある程度家族内で現状把握・介護の方針決定をすることができたあとは、その中で出てきた疑問や不安を解消すべく、外部に相談をしてみましょう。

  • 市区町村の介護保険課
  • かかりつけの病院にある相談室
  • 住んでいる地域の民生委員

など、相談ができる場所は多く存在していますが、もっとも総合的に、かつ専門家の意見を得られる場所の一つに「地域包括支援センター」という場所があります。

地域包括支援センターとは、高齢者の生活を様々な側面から支える「総合相談窓口」という側面を持っています。

地域包括支援センターを利用することで、介護に関する相談だけでなく、様々な支援を受けることもできますし、何より本記事(4)にて説明する「介護予防」、すなわち現在の状態を悪化させないためのアドバイスなども受けることもできます。

「では地域包括支援センターはどこにあるのか」「どのように利用すればよいのか」といった点については、以下の記事をご参考ください。

(4)実際にやること③ 患者の状態を知ると同時に、介護予防を図ろう

地域包括支援センターなどの相談窓口に相談した後は、「介護が必要かもしれない」と初めに考えた時より、少し落ち着きが生まれるのではないでしょうか。

そこで、次にすべきことは、大きく分けて

  • 患者の状態について知ること
  • 今すぐに介護サービスを必要としているわけでなければ、できるだけ要介護状態にならないよう、介護予防に励むこと

であるといえます。

要介護度が高くなる、それだけ患者自身が「したくてもできないこと」が増えてしまう可能性が高まっていきます。

その場合、今よりも介護される側も介護する側もストレスが増す場合もあります。

介護になる前の予防サービスには、介護認定を受けていても受けていなくても、65歳以上で、身体に不調を抱える方であればだれでも利用することができる「総合事業」というものもあるので、一度利用を検討してみるのがよいでしょう。

介護予防に関する記事(記事へは画像をタッチ)
介護予防サービス全般についての記事はこちら

すぐに利用可能な総合事業についての記事はこちら

(5)実際にやること④ 介護サービスの利用が必要になったら、介護認定を受けよう

公的制度である介護保険のサービスを利用する際、要介護度認定を受ける必要がある

実際に要介護状態となり、介護サービスが必要となった場合、「介護保険サービス」を利用することになります。

介護保険サービスは、「介護保険」という公的保険制度の下に提供されるもので、介護保険外サービスでは全額自己負担のところ、収入などに応じて1割から3割の自己負担で済むサービスとなります。

(※介護保険サービスではどんなサービスを受けることができるのかについては、以下の記事をご参考ください。

簡単に言うと、医療保険制度における医療サービスと同様、サービスの価格の自己負担割合が定められており(所得などにより、1~3割)、介護に関するサービスのほとんどをカバーするのが介護保険サービスなのです。

要介護認定とは

この介護保険サービスなのですが、実は「要介護認定」という診断の元、「要介護状態」という結果が出て初めて利用できるのです。

この要介護認定に関しては、以下の記事をご参考ください。

(6)実際にやること⑤ 最低限の知識を入れる

介護に関する情報には様々なものがある

要介護認定審査の結果が出るころになると、

  • 被介護者がどのような健康状態か
  • どのような介護サービス・介護用品が必要か

といったことが何となく把握できるようになるケースが多いです。

ここから先は、ケアマネージャーやかかりつけの医師、ひいては介護施設などの力を借りながら、施設介護もしくは在宅介護をしていくこととなります。

その際、介護をする人自身も、それぞれで最低限必要な知識は多く存在します。

介護に役立つ情報を本記事でも多く紹介しているように、知っていると得をする、という情報は書籍・インターネットを問わず多く流れています。まずは、トラブルがあったときやサービスを探す際に慌てないよう、あらかじめ情報収集しておくのが重要といえるでしょう。

介護の情報の主な分野

介護に必要な知識としては、主に以下の3分野が挙げられます。

  1. 介護用品
  2. 介護サービスの種類や費用
  3. 各種手続きの方法

それぞれ、以下のリンクから対象の情報をまとめておりますので、ぜひご参考ください。

介護に関する情報の主な3分野と対応する記事のまとめ
介護用品 主な介護用品のリスト
介護サービスの種類や費用

介護費用の総額 | 介護保険サービスの自己負担額や軽減方法

介護保険サービスとは | 特徴・内容・自己負担額など

各種手続きの方法

要支援認定を受けて介護の負担を軽減|申請方法、メリットなど

【徹底解説】70歳以上の限度額適用認定証|自己負担額や申請方法

介護認定調査を受けるには?申請方法や当日心がけるポイントまで解説

高額介護合算療養費とは | 申請方法をわかりやすく解説

介護休業給付金とは|受給資格/疑問点/申請方法など

特養(特別養護老人ホーム)とは|種類/費用/申請方法など

(7)大変なことも増えるが、介護者自身のケアも意識しよう

ここまで説明してきたように、介護が始まると急に様々な知識が必要になったり、行うべきことが増えたりと、「~しなくてはいけない」というタスクが急激に増える、と感じるタイミングが多くなると考えられます。

その際、本当に気づかないうちに自分ですべてのタスクを背負い込んでしまうケースも多く存在します。その最たる例ともいえるのが、近年増加している「介護虐待」の問題や、「介護離職」の問題です。

このような状況にならないよう、介護者自身のケア(いわゆる「レスパイトケア」)というものも非常に大切になっていきます。

「レスパイトケア」について、より詳しい記事はこちら

→『介護保険も利用できる、「レスパイトケア」とは|サービス例や注意点

自分で介護をするという使命感と、心身ともに疲労がたまっていると感じたらすぐに外部に頼るというアプローチの両者のバランスが大切だ、ということを意識しましょう。

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