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2042年問題とは | 高齢者人口がピークになると医療費はどうなる?

社会問題
2042年には今以上の少子高齢化社会が待ち受けていると予想されています。この記事では、具体的なデータとともに、2042年にどんな問題が起きるのか説明します。また、2042年問題に備えた政府の対策も紹介します。
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(1)2042年問題とは

高齢者が増加し出生数が減っていることは現在でも問題となっていますが、 2025年には団塊の世代が75歳以上の高齢者となることで、一気に医療や介護の問題が起きてくると予想されています。

しかし、2025年よりさらに深刻な状況になるのが、2042年です。高齢者数は今後も増え続け、2042年には65歳以上が3,800万人を超えピークになると予想されています。しかし、その高齢者を支える勤労世代は2025年よりさらに減り5,200万人ほどになると予想されているのです。この状況が改善されない限り、2042年問題は起こる可能性が高いといえます。

(2)2042年の日本の人口内訳

具体的に2042年ではどれくらいの人口になっているかを、説明していきます。統計が出ているのは2040年と2045年となるため平均値をとっています。

  • 2042年総人口:10,867万人
  • 0~14歳:1,166万人
  • 15~64歳:5,781万人
  • 65~74歳:1,662万人
  • 75歳以上:2,258万人
  • 総人口に占める高齢者の割合(高齢化率):36%

2017年と比べるとどれくらい若い世代が減って高齢者が増えているかわかりやすいため、2017年度も紹介しておきます。

  • 2017年の日本の総人口:12,671万人
  • 0~14歳:1,559万人
  • 15~64歳: 7,596 万人
  • 65~74歳:1,767万人
  • 75歳以上:1,748万人
  • 人口に占める割合(高齢化率):27.7%

また博報堂生活総合研究所の未来年表によると、2042年問題では次のような状況になると予想されています。

  • 高齢者人口が3878万人に達してピークを迎える
  • 日本の人口が1億人を割る
  • 20~64歳の働き手の人口が2025年比で1345万人少なくなる
  • 2042年以降すべての年齢層で人口減少が始まる
  • 81歳の高齢者が、働き続ける社会になる

(出典:博報堂生活総合研究所「未来年表」

(3)2042年に起こる可能性のある具体的な問題

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1889668

2042年には高齢者数がピークとなり、1971年から1974年までに生まれた「団塊ジュニア世代」がすべて65歳以上の高齢者となります。団塊ジュニア世代が就職し始めたころにバブルが崩壊したため、正社員として雇用されず、非正規雇用に留まった人が多くなりました。

そのため2042年ごろの団塊ジュニア世代は、年金の未納や免除などで年金受給時に低年金や無年金となるため生活保護に頼る人が激増し、財政が危機的な状況に陥ると懸念されています。

また高齢者の激増で医療や介護にも、問題が起きてきます。医師や介護を担う人材が不足してしまうのです。2025年には高齢者5人に1人が認知症になると考えられていますが、2042年では認知症を発症する高齢者はさらに増えている可能性が高くなります。認知症の介護が人手不足で思うようにできなくなるかもしれません。

医療費についても2015年で年齢別にどれくらい支払われているか(医療保険制度分)を見ると、60~64歳で37.1万円70~74歳では63.7万円80~84歳では94万円、85歳以上では100万円を超えます。2042年問題で高齢者数がピークになると考えると医療費の負担が増大し、財政に大きな危機をもたらすといえます。

(4)2042年を前に深刻化する高齢者の貧困問題

2042年問題以前に、現段階ですでに高齢者に問題は発生しています。2016年末の生活保護受給者の半数は、高齢者という事態になっているのです。年金があれば余裕のある生活ができ、老後を快適に過ごすことができたのは、一昔前と思ってよいでしょう。年金を払うべき時に生活が苦しく未納や免除にしていたため、その後年金を受け取れる時が来ても、わずかな年金しか受け取ることができなくなっている高齢者が多いのです。

その背景には、先ほど説明したバブル崩壊やリーマンショックなどによるリストラや減給があります。この影響で、1990年頃では2割程度だった非正規雇用者数が、現在は2倍の4割にも増えています。また生活保護受給とならなくても、退職金制度の変更により、もらえると思っていた退職金が大幅に少なく定年退職後の再就職も思うようにできず、「貧困高齢者」といわれる人が増えているのが現状です。そして2042年問題では、この貧困高齢者がさらに増えることが目に見えています。

その他、現在でも2042年問題でも、貧困高齢者となる要因はいくつかあります。自分は今働けているから老後も大丈夫と考えていても、思ってもみなかった事態になる可能性は誰にでもあるといえます。

また、病気や熟年離婚など想定外の出来事により貧困に陥る可能性があります。

癌や後遺症が残る病気、難病などになってしまうことで、元のようには働けなくなる場合があり、病気によっては保険が適用されない薬や治療法が必要になり、高額な医療費がかかり家計が苦しくなるケースもみられます。

さらに、熟年離婚という言葉も広く知られるようになっています。熟年離婚をした場合、貯蓄額が半分になり、収入も減り老後の人生設計が狂ってしまうといったケースもあります。

(5)2042年問題にむけた政府の対策

2042年問題について政府は、年金受給開始年齢の引き上げと少子化について対策を考えています。年金については、受給開始年齢を2013年から2025年にかけて、60歳から65歳に引き上げられました。

しかし、アメリカでは67歳、イギリスでは68歳であり、日本も68歳、さらに70歳まで引き上げる必要があるのではないかと考えられています。ただ、これは高齢者の雇用問題にも繋がっており、年金受給開始が引き上げられても仕事はなく生活ができなくなる高齢者も多くなると予想され、安易にはできない状況でもあります。

また現在出生数は下がる一方で、2018年の出生数は約92万人となっており100万人を切っています。出生数は1949年が一番多く、269万人であったことを考えるとどれだけ少ないかがわかります。子供が成人し働き手となる年齢まで20年は必要です。2042年問題を考えると、早急に対策を取る必要があります。政府は2014年に、「地方創生」という政策を掲げました。

地方創生とは、東京に集中せず地方活性化するもので、さまざまな支援が行われています。この政策後、出生率は一番低かった2005年の1.26に比べ、2018年は1.42と持ち直しています。また長期的には、2020年には1.6、2040年には2.07という出生率を目標にしています。これが達成できれば人口が1億人を切ることはなくなり、2042年問題は今考えられている深刻な状態からは回避できるかもしれません。

(6)2042年までにどんな問題が浮上する?

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1140762

2042年問題だけではなく、この先問題が起こる可能性があるポイントとなる年はいくつかあり、「20××年問題」として挙げられています。必ず起こるとは言い切れませんが、いくつか紹介していきます。

2020年問題

バブルの時代に、団塊ジュニア世代を企業は大量に採用しました。その結果、2020年には企業の社内ポストなどが不足するとみられています。

また、東京オリンピック・パラリンピック後には地価が下がり、都心に空き家が増えると予想されています。その他大学のセンター試験が2020年以後廃止され、「大学入学共通テスト」となり、大学入試制度が大きく変わることも挙げられます。

2025年問題

団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となるのが2025年です。約5人に1人が後期高齢者となり、介護される側の人数が爆発的に増加することで介護の人手不足になると予想され、問題となっています。

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2030年問題

2030年には65歳以上の割合が、31.6%にもなると予想されています。これは超高齢化社会の基準(65歳以上の割合が全人口の21%を占める)を5%以上上回ります。このため働く世代の年金負担が厳しくなると問題視されています。

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2035年問題

2035年には団塊ジュニア世代も65歳以上となるため、より高齢化が深刻な問題となります。

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2040年問題

2040年の高齢化率は36.8%で、後期高齢者が3人に1人にもなり、2025年より深刻な問題となります。その上少子化で労働者は減少し、高齢者に必要な介護や医療、日常生活を支える産業がサービスを十分に提供できないという事態も予想されます。その他財政難で、バブル時代に建てられた学校や病院や公営住宅、道路、上下水道、電気、ガスなどといったインフラの老朽化が起こっても、対応ができなくなります。

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(7)2042年問題に関する本

2042年問題に関する本がいくつか出ています。おすすめできる本を紹介しますので、参考にしてください。

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)

河合 雅司著 2017年発売 

価格:821円(※)

内容:日本の少子高齢化社会の問題を具体的に提示している本です。少子高齢化という言葉は知っていても、どんなことが起きてくるかなど理解していない人が多いため、2017年から2065年までのデータを挙げ、2042年問題もわかりやすく説明しています。

未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること (講談社現代新書)

河合 雅司著 2018年発売

価格:907円(※)

内容:上記の「未来の年表 人口減少日本でこれから起きること」の続編となります。2042年問題でもある少子高齢化の問題を浮き彫りにし、わかりやすく伝えられています。また企業や自分たちで行える対策も書かれています。

※価格はAmazonを参考にしており、変動の可能性があります。

(8)2042年問題に備えよう

2042年問題について紹介してきましたが、これらは政府だけに任せておけばよい問題ではありません。街で見かける高齢者が増えていると感じている方は、多いのではないでしょうか。高齢者が増えたとしても、それをサポートできる体制であれば問題はないはずです。

しかし、サポートできる体制は崩れようとしています。そのことに早く気付き、一人一人が自分の老後について考えなければいけない時がきています。また、現在の20代や30代の若い世代がこの2042年には、中心的な存在になっているはずです。2042年問題は他人の問題ではなく、自分たちが問題の年には当事者になっていることをよく理解し、若い世代も問題解決に取り組むべきといえます。

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